そんなわけで引き続き「ちりとてちん」の稽古をつけてもらう喜代美。
といってもほとんど草原からの口移しで、
草若師匠はというと奥に下がって四草のお酌で昼間っからやっていて、
そして草々と小草若も脇に並んで控えていて……と、
なんやかんやで徒然亭一門総出で見守る喜代美の稽古。
しかし相変わらず上下はごっちゃになるわ、
その上に目線の位置まで細かく指導されるわで、
なんですか、結局初日は、
喜ぃさんが旦さんのところにやってきたところで終わりですかいな。
でもって家事のほうは相変わらずどんくさくって、
こりゃ先が思いやられるわ……と、
そこへある日、突然現れたのが小梅ばあちゃん。
たまらずに、靴下のまんま庭先に走り出て抱きつく喜代美。
で、師匠に挨拶し、なんでやってきたのかその訳を語るおばあちゃん……
は?
スペイン?
そう、スペインに住むことにしたのでしばらく会えなくなるとのこと。
「スペインって、あのヨーロッパのスペイン?」と喜代美。
「他にどんなスペインがありますのや」
「いやなんか、福井県スペイン市とか……」って、
師匠も笑いをこらえるこのやり取り。
ちなみに三重県の志摩スペイン村はこのころもうオープンしてましたっけ。
それはともかく、なんでも昔の芸者仲間がスペインで三味線を教えてて、
人手が足りないので手伝って欲しいと前々から言われてた……とおばあちゃん。
「何でまた……」と訝しげな喜代美、
でも師匠のお許しも出たので久しぶりに家族と水入らずの時間が持てる……と思ったら、
早速おばあちゃん、
「喜代美の落語を聴かせてくれますこ?」
そのころ小浜では残された和田家の面々が例によって居間に揃って、
正平が、糸子は存在自体が突拍子もないとか的確に論評したりしてるなか、
なんとも寂しげな小次郎。
40年ずーっと一緒やったからそりゃ置いてかれるとなったら落ち込みますかねえ。
っていうか、小梅ばあちゃんがいなくなって兄夫婦と甥っ子だけになったら、
余計に居づらくなるのが憂鬱なんやったりして。
で、稽古部屋では小梅ばあちゃんの前で、
「ちりとてちん」をどうにかこうにかサゲまで語り終える喜代美。
手を突いて下げた頭が再び上がれば、不安そうな表情で様子を窺い……
「お終いこ?」
「……うん」
「ふーん……」って、
とても噺の後とは思えないやり取り。
たまらず、自分は落語家には向いてないのでは……とこぼす喜代美。
するとおばあちゃん、「他に向いてるもん探しますのんか?」
そして喜代美の前に近づき、彼女を見ていてスペイン行きを決めたと話し出し……
「おばあちゃんも残りの人生、ぎょうさん笑おうて生きていきとうなってなあ」
外国語の勉強なんかしたくないけど、
好きなことをやり通すためにはえらいことも苦手なことも乗り越えないといけない、
それがぎょうさん笑おうて生きていくということだ……と、
そこへ駆けつけてきたのは三味線を抱えた草原。
もっと教えて欲しかったなあと残念がる彼から三味線を受け取り、
おばあちゃんが弾いてみるのは♪ちりとてちん~……
そして喜代美が昔、三味線の「ちりとてちん」で挫折したことを思い出し、
「今度の「ちりとてちん」、最後までやり遂げる自信はありますのんか?」
目に涙を浮かべ、しっかりと頷く喜代美。
でもってその夜は「寝床」で、
小梅ばあちゃんを交えて大宴会。
草原の三味線で「炭坑節」を踊るおばあちゃん、
囃し立てる皆に混じってあの四草すらもが笑みを浮かべる、
とってもご陽気なこの場になんで草々がいないのかはわからんけど、
そんなこんなでやがて、師匠に着物を託すおばあちゃん。
いずれ喜代美に着せてくれと頼み、そして改めて、
「喜代美のことをよろしくお願いいたします」と深く頭を下げ……と、
笑いを漏らす師匠、
「けどホンマに不器用なお孫さんでんなあ」
でもひとつだけ感心してることがあるというそれは、箸を持つ仕草。
それが綺麗なことは落語家にとってとても大事なことと言い、
よう躾はりました……って、
それが小梅ばあちゃんの躾やってことは師匠にはお見通しやったようで。
さて、小浜に戻ったおばあちゃんのところには、
順子の父がスペイン行きを聞いてやってきて、
とそこへ秀臣も現れて、お歳だから止めたほうがいいとか言い出し、
「あんたには関係ない」と頑ななおばあちゃん、
幸助は仲裁に入ろうとし……と、
そんな賑やかなやり取りのうちに、
小梅ばあちゃんの秀臣への気持ちも少しはほぐれてきたかのような……
そして師匠宅では掃除を終えた喜代美が庭のあちこちを指差し確認、
そして空を見上げ、おばあちゃんの乗ってるだろう飛行機も確認し、
「師匠、お稽古お願いします!」
……と、これは決して悪くはないエピソードでしたけどね。
でも余りにも唐突なこの展開。
っていうか、ドラマからレギュラー出演者がこういう形で退場するのって、
製作側と揉めたりしたからってケースが多いらしいですけど……
まさかそんなことはないですよねえ、江波さん?
もう一度、日本に戻ってきて再登場してくれますよねえ?
このままお別れじゃあ余りにも……と、
ちょっとだけ心配になったりなんかして。
ああ、心配といえばもうひとつ、
ほんで喜代美は右手で床を打ちながら左手で戸を叩く仕草、ちゃんとできるようになったんかいな?
といってもほとんど草原からの口移しで、
草若師匠はというと奥に下がって四草のお酌で昼間っからやっていて、
そして草々と小草若も脇に並んで控えていて……と、
なんやかんやで徒然亭一門総出で見守る喜代美の稽古。
しかし相変わらず上下はごっちゃになるわ、
その上に目線の位置まで細かく指導されるわで、
なんですか、結局初日は、
喜ぃさんが旦さんのところにやってきたところで終わりですかいな。
でもって家事のほうは相変わらずどんくさくって、
こりゃ先が思いやられるわ……と、
そこへある日、突然現れたのが小梅ばあちゃん。
たまらずに、靴下のまんま庭先に走り出て抱きつく喜代美。
で、師匠に挨拶し、なんでやってきたのかその訳を語るおばあちゃん……
は?
スペイン?
そう、スペインに住むことにしたのでしばらく会えなくなるとのこと。
「スペインって、あのヨーロッパのスペイン?」と喜代美。
「他にどんなスペインがありますのや」
「いやなんか、福井県スペイン市とか……」って、
師匠も笑いをこらえるこのやり取り。
ちなみに三重県の志摩スペイン村はこのころもうオープンしてましたっけ。
それはともかく、なんでも昔の芸者仲間がスペインで三味線を教えてて、
人手が足りないので手伝って欲しいと前々から言われてた……とおばあちゃん。
「何でまた……」と訝しげな喜代美、
でも師匠のお許しも出たので久しぶりに家族と水入らずの時間が持てる……と思ったら、
早速おばあちゃん、
「喜代美の落語を聴かせてくれますこ?」
そのころ小浜では残された和田家の面々が例によって居間に揃って、
正平が、糸子は存在自体が突拍子もないとか的確に論評したりしてるなか、
なんとも寂しげな小次郎。
40年ずーっと一緒やったからそりゃ置いてかれるとなったら落ち込みますかねえ。
っていうか、小梅ばあちゃんがいなくなって兄夫婦と甥っ子だけになったら、
余計に居づらくなるのが憂鬱なんやったりして。
で、稽古部屋では小梅ばあちゃんの前で、
「ちりとてちん」をどうにかこうにかサゲまで語り終える喜代美。
手を突いて下げた頭が再び上がれば、不安そうな表情で様子を窺い……
「お終いこ?」
「……うん」
「ふーん……」って、
とても噺の後とは思えないやり取り。
たまらず、自分は落語家には向いてないのでは……とこぼす喜代美。
するとおばあちゃん、「他に向いてるもん探しますのんか?」
そして喜代美の前に近づき、彼女を見ていてスペイン行きを決めたと話し出し……
「おばあちゃんも残りの人生、ぎょうさん笑おうて生きていきとうなってなあ」
外国語の勉強なんかしたくないけど、
好きなことをやり通すためにはえらいことも苦手なことも乗り越えないといけない、
それがぎょうさん笑おうて生きていくということだ……と、
そこへ駆けつけてきたのは三味線を抱えた草原。
もっと教えて欲しかったなあと残念がる彼から三味線を受け取り、
おばあちゃんが弾いてみるのは♪ちりとてちん~……
そして喜代美が昔、三味線の「ちりとてちん」で挫折したことを思い出し、
「今度の「ちりとてちん」、最後までやり遂げる自信はありますのんか?」
目に涙を浮かべ、しっかりと頷く喜代美。
でもってその夜は「寝床」で、
小梅ばあちゃんを交えて大宴会。
草原の三味線で「炭坑節」を踊るおばあちゃん、
囃し立てる皆に混じってあの四草すらもが笑みを浮かべる、
とってもご陽気なこの場になんで草々がいないのかはわからんけど、
そんなこんなでやがて、師匠に着物を託すおばあちゃん。
いずれ喜代美に着せてくれと頼み、そして改めて、
「喜代美のことをよろしくお願いいたします」と深く頭を下げ……と、
笑いを漏らす師匠、
「けどホンマに不器用なお孫さんでんなあ」
でもひとつだけ感心してることがあるというそれは、箸を持つ仕草。
それが綺麗なことは落語家にとってとても大事なことと言い、
よう躾はりました……って、
それが小梅ばあちゃんの躾やってことは師匠にはお見通しやったようで。
さて、小浜に戻ったおばあちゃんのところには、
順子の父がスペイン行きを聞いてやってきて、
とそこへ秀臣も現れて、お歳だから止めたほうがいいとか言い出し、
「あんたには関係ない」と頑ななおばあちゃん、
幸助は仲裁に入ろうとし……と、
そんな賑やかなやり取りのうちに、
小梅ばあちゃんの秀臣への気持ちも少しはほぐれてきたかのような……
そして師匠宅では掃除を終えた喜代美が庭のあちこちを指差し確認、
そして空を見上げ、おばあちゃんの乗ってるだろう飛行機も確認し、
「師匠、お稽古お願いします!」
……と、これは決して悪くはないエピソードでしたけどね。
でも余りにも唐突なこの展開。
っていうか、ドラマからレギュラー出演者がこういう形で退場するのって、
製作側と揉めたりしたからってケースが多いらしいですけど……
まさかそんなことはないですよねえ、江波さん?
もう一度、日本に戻ってきて再登場してくれますよねえ?
このままお別れじゃあ余りにも……と、
ちょっとだけ心配になったりなんかして。
ああ、心配といえばもうひとつ、
ほんで喜代美は右手で床を打ちながら左手で戸を叩く仕草、ちゃんとできるようになったんかいな?