ゆったり山登り

北海道で暮らす自然が好きで、山登りやカヌーを楽しんでいるのんびり者です。
日々の自然や人との触合いを書いて行きます。

見舞い。

2014-03-15 09:43:22 | 鳥獣戯画
此処のところ、りんごや干し柿、ひまわりの種などが餌台に置いてある。
それに気づいたシジュウカラの夫婦がやってきた。

夫「めずらいいな、餌があるなんて」
妻「窓から見ているよ」
夫「どうやら、病気になったようだ」
妻「私元気つけて来るね」

そう言って妻は主が見ているガラス窓の前で幾度もホバリングして見せた。
そうとは知らぬ主

主「あれ!餌の請求をしてるな」

そのうち、シジュウカラの夫婦を追い払ったヒヨドリの夫婦が珍しそうに干し柿を見つめている。やがて、その美味さに夫婦は無心で啄ばみだした。

夫「な、来て良かっただろう」
自慢する夫を尻目に
妻「あら、主がベットで寝ているよ」
夫「それじゃ、静かに帰ろうか」

夫婦は小さくピィーと鳴いて去っていった。

主「何時も、ギャー、ギャー鳴いて帰るのにどうしたんだろう?」

鳥たちの気遣を知らない主は暖かくなった日差しに誘われてやがてうとうと船を漕ぎ出した。



不満

2012-02-27 09:23:11 | 鳥獣戯画
 今朝は少し暖かくなったせいか何時とトイレタイムが違ってしまい早めに起きざる得なかった主。
カーテンを開けるとまだシータが来ていないことに気付く。

主「少し暖かいかと云ってシータは寝坊か」

自分のことを棚に上げて飼い主然とした態度を取る。
とりあえず目を覚ます為にも餌をやりに表に出てみると暖かいと云っても零下の気候、すっかり目が覚めていまい慌てて家に入る。
表を見るとやっとシータのお出ましのようだ。

主「やあー、シータやっとお出ましかい」

本当は自分が起きたときには待っていて貰いたい主はたまに遅れた嫌みを言ってみる。
それを聞いたシータの独り言。

シータ「たまに早く起きたからと言って嫌み言わなくても良いじゃない。こんな小さな餌は食べにくくて不便なのに。」

そこに遅れてやって来た雀達。

雀A「何ぶつぶつ言ってるのよ、新参者のくせに」
雀B「そうよ。もともとこの餌は私達の為なのよ」
雀A「それが近頃、あんたが来てから主の奴でれでれしちゃって嫌らしいたっらありゃしない。」
シータ「それは私が綺麗だから仕方がないでしょう」
雀C「へ~何処のお嬢様か知らないけど、今じゃ私たちと同じプータローじゃないか」
シータ「そんなことないよ…」

そんなことも知らない主

主「お!今日はみんなで仲良く食べているな。よしよし」

シータは行ってしまい、そこえ遅れてやって来たヒヨドリ夫婦。
一見、可愛く鳴いているようだが。

ヒヨドリ夫「この餌、小さくて食べにくいな」
ヒヨドリ妻「あんた、何言ってんのよ。去年はリンゴやみかん等果物を沢山くれたと言ったでしょう」
ヒヨドリ夫「そりゃそうだけど、彼にも事情があるのだろう。収入が減ったとか」
ヒヨドリ妻「全くもう。もっと、生活力があると思ったから一緒になったのに」
雀C「ちょと、あんた達、何ぶつぶつ言ってのよ。嫌ならさっさと行っておしまいよ」
雀B「そうよ。もともとこの餌は私達の為なのよ」

そんな会話を想像も出来ない主は
主「今年はみんな仲が良いな。今年は抽選会も当たったし、まだまだ運を運んでくれ君たち」

今朝も何時もと同じに何となく平和な一日の始まりでした。

あかげら

2011-04-30 07:25:20 | 鳥獣戯画
アイヌ民話
昔々、神様が病気になったとき
一番先に駆けつけたのが雀だった
そこで喜んだ神様は雀達が食べることに困らないように穀物を与えました
化粧するのに時間が掛かりすぎ
一番最後になったあかげらには虫しか食べられなくしました
だから雀は醜く、あかげらは美しいのです


あかげらの新婚夫婦
あかげらの夫がサクランボの木にしきりに穴を穿っています。
その木は土手の近くにあり傍を人間が通っていきます。
妻「何でこんな木に新居を造るのよ」
夫「この木の主は殺虫剤を使わないので安全なんだ。それに虫も沢山いるし」
妻「食の安全より危険回避が優先でしょ。人間を見なさいよ。原発で町の経済が潤うからって建設したら放射能漏れで家を追い出されて散々な目にあっているじゃない」
夫「確かにな。人間の危険性は充分に承知してはいるんだけど。でも、此処の主は雀に餌をやっているし、お人好しのようだから安心出来ると思うけど」
妻「貴女の方がよっぽどお人好しよ。人間を信用するととんでもないことよ」
かなり掘り進んだ穴を見つめながら無念そうにぽつりと言った
夫「それじゃあ、他を探してみるか」


二羽が飛び去った後に主がやってきた
主「昨日からコンコンとあかげらの奴、家のサクランボの木を突いていたけど何処へんだろう」
昨晩、日ハムが西武相手に接戦をものにして機嫌の良くしている主は木の根本に立って枝を見上げた
「ありゃ、こんなに穴開けやがって、虫でも捕っていると思ってほっといていたのに…」
穴は木の中心まで迄掘り進み、揚句に下の方にまで曲がっていて奥が見えない唖然として主は見つめている。
やがて、ぽつりと一言
「子作りしなかったら埋めてしまおう」

ムクドリ

2011-04-21 07:56:19 | 鳥獣戯画
町の西方に大川があります。土手に大きな楡の木が二本立っています。この土手を築くときに切り倒す予定になっていました。その時、近くの大地主が何度も道庁に通い伐採中止を嘆願に行きました。ついに願いが叶って楡の木は残されることになりました。
地主さんは動物に愛着を持っている方で庭の中に鳥塚の石碑が立っているのが土手から見えています。
よくある話で木を切ろうとした人夫の子供が病気になり亡くなったと言うまことしやかな話も聞きます。

今朝はその木の枝に数十羽のムクドリが番い毎に別れて止っていました。
日は差しているのですが朝は未だに寒く少し、背をまるめがちに散歩をする人達が行き来してます。
それを見ながらムクドリの夫婦が話をしています。

夫「何だってこの寒さの中、お腹空かして歩かなきゃならないんだ」
妻「美容のためらしいよ」
夫「美容ってやせ細ったのが美しいのか?」
妻「そうらしいよ。胸が膨らんでいたほうが健康的でいいのにね。」
夫「わかんないなあ~」
妻「最近、医者にお腹の脂肪を抜いて貰ったら死んでしまった女性がいたとさっき、散歩していた二人連れの婦人が話してたよ」
夫「脂肪って生きる為に保存している物だろう?何でわざわざ抜く必要があるんだ?」
妻「人間の考えることを知ろうとしったって無駄よ。生物の論理に合わないことばかりやっている種族なんだから」

二羽が人間を見捨てた会話をしていると、その下をにやけた顔をした主がラジオを聞きながら歩いてくる。

主「よし、3連勝だ。昨晩は林のおかげでひやっとしたがまずまず勝ったからいいか。今日は勝だから楽勝だろう。やっと中田も中ってきたから隙は無いな」

その顔を不思議そうに見送りながら散歩する人達が元気に過ぎ去っていきます。

2011-04-19 06:41:47 | 鳥獣戯画
雀A「何だって何時も起きるのが遅いんだ?」
雀B「腹減ったよ~」
雀C「此処飛ばして三浦さん家にいこうか」

松の木の枝に止った三羽の雀達が頻りに文句を言い合っている。

雀C「何でも先々週から帯状疱疹に罹って寝てばっかりいたそうよ」
雀A「何でそんなこと知ってるんだ?」
雀C「だって、先日、隣の奥さんに話してたもの」
雀A「そんなこと他人に話す奴の気が知れんな。同情でもして貰おうとでも考えいるのか ね。大人じゃないね。」
雀B「怠情放心ってなんだい?」
雀C「怠け者が罹る病気さ」
雀A「言えてる」
雀B「普段から寝てばっかりだから、病気で寝ていても変らないしょ」
雀C「だから姉達にも全然心配してもらないのよ」
雀A「参ったね、姉からも見捨てられたか」

散々、主の悪口を言った彼らも飽きたのか三浦さん家に行ってしまった。
やがて、目覚めた主は覚めない頭を振り振り表に出てくる。

主「あれ、居ないな。なんでご主人が起きてくるまで待っていられないんだ。薄情な雀ども目」

雀達を自分が飼っていると勘違いしている主であった。