実家の母のインフルエンザ騒動で寝るのが遅くなり、国立劇場の文楽初日、第一部は少々遅刻したものの、「彦山権現誓助剣」は杉坂墓所、毛谷村、敵討ちの場までの半通しを楽しんだ。
2月は三部公演なので、第一部と第二部を通しで観る場合、その間の40分に3階の食堂「十八番(おはこ)」で「十八番ラーメン」を食べるのを昨年に続き今年も実行。ところが、今年のラーメンは具の乗り方が貧弱な気がした(冒頭の写真)。思わず昨年の写真と比較してみる(下の写真=プログラムの表紙は「蘆屋道満大内鑑」の葛の葉狐)。蒲鉾の色と並べ方の違いくらいか。それにしてもショーウインドウのサンプルとの差が大きいなぁときっと昨年と同じことを思っているんだろうなぁと苦笑(^^ゞ
さて、本題。
第二部は「義経千本桜」で人間国宝が揃うので、チケットの売れ行きも格段によい。そのすし屋は切り場語りが住大夫、源大夫と続く。少々こま切れのような気もするが、源大夫襲名披露公演でも体調不調で口上のみとなっていたくらいだから、仕方がないのだろうなぁと思っていた。
住大夫・錦糸の後を受けて、源大夫・藤蔵が登場し、久しぶりの親子の義太夫が聞けるなぁと思っていたら、源大夫の声が下手の一番に座っていた私のところまで届かない。字幕もよく見えない位置で困ったなぁと思いつつ、字幕も双眼鏡で覗きながら忙しく観ていた。
いつもと違って、お茶を運んで床の傍に控えていたお弟子さんが床に上がったのでオヤっと思ったら、床に下がる扉が開き、源大夫さん、降板で支えられて退場していく姿にびっくり!
やっぱり、体調がお悪いようだ。
こうして途中降板されるのを目撃し、床で藤蔵が一人で一の糸を鳴らしているのを見ていたら、なんだか目頭が熱くなってしまった。その続きは裃なしで英大夫が代演された。
先に松香大夫も病気休演で咲甫大夫の代演も決まっていた。ご高齢の大夫が体調を維持して舞台をつとめられるのはやはり大変なことなのだと実感。
舞台で再びお元気な姿を見せていただけることを祈念しています。
それと、コメントをいただいているのに、お返事が遅れていて恐縮至極です。気力体力を取り戻し、明日お返事させてくださいませm(_ _)m
国立劇場(東京都千代田区)は5日、人形浄瑠璃文楽太夫の人間国宝、竹本源大夫さん(79)が体調不良のため、同日の「2月文楽公演」を休演したと発表した。代演は豊竹英大夫さんがつとめた。
人形の方の文雀さんは、以前、休演されていたけれど、今月は元気なお姿がみられるといいのですが。第三部の「菅原伝授手習鑑」の千代を遣われるはずなんです。第三部は17日に職場の先輩の文楽デビューのお手伝いで拝見します。
ベテランの至芸をいつまでも観ていたいと思ってしまいます。しかし、記憶に残していく努力が観る側にも必要だと最近つくづく思います。