ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/12/31 METライブビューイング「ロメオとジュリエット」@歌舞伎座

2008-01-14 00:58:58 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

昨年アンコール上映の「魔笛」でMETライブビューイングにデビュー。2007~2008年のシーズン第1作を大晦日の歌舞伎座で観た。その日の概要の記事はこちら
松竹のMETライブビューイングの公式サイトはこちら
【グノー「ロメオとジュリエット」】
ストーリーはご存知の通りなので省略。
指揮:プラシド・ドミンゴ
ジュリエット:アンナ・ネトレプコ
ロメオ:ロベルト・アラーニャ
マキューシオ:ネイサン・ガン、他
三大テノールの一人プラシド・ドミンゴの歌うオペラを見たのは映画「椿姫」。オリビア・ハッシーの映画「ロミオとジュリエット」で知っていたフランコ・ゼフィレッリが監督だったので封切り当初に映画館で観た。ヴィオレッタは当時の期待の新人ということで若く綺麗だったが、アルフレードのドミンゴは青年というにはけっこう年で恰幅もいいなぁと見たことを思い出す。けっこうオペラっていいなぁと思ったオペラ映画初体験だった。
そのドミンゴが指揮をとる本作にも期待が高まる。
冒頭のジュリエットの誕生日祝いの仮面舞踏会の場面はアンサンブルもパーティー用の豪華な衣裳で揃うので舞台が豪華だ。これだけの人数を揃えての合唱というのがオペラの醍醐味なんだなぁとあらためて納得。舞台装置も二重の盆が切ってあって、その動き方がただ回るだけでなくて角度をつけて回るのがちょっと不思議で面白いと思った。
アンナ・ネトレプコのジュリエット登場。ちょっとだけおばさんで太めだったけど十分美しい。女性はガリガリの美人よりふっくら美人の方が好感を持ってしまうので○。しかしロメオのロベルト・アラーニャがさらにおじさんでポッチャリしていて背が低かった。ところが二人が並ぶ場面は先ほどの盆の角度がうまく活かされてロメオの頭がジュリエットよりも低くならないようになっていてやたらと感心してしまった。
マキューシオのネイサン・ガンやロメオの小姓ステファーノのイザベル・レオナールは若くてカッコよかった。その二人の挑発でジュリエットの従兄ティボルトとの殺し合いになってしまうのだが、その闘いの場面は短刀だったのが予想外。フェンシングのように長い剣で闘うイメージが固定的に私にあったのが覆されて新鮮。

一幕終了後、映画のインターミッションに入る前にソプラノ歌手のルネ・フレミング(yukariさんのご教示によるm(_ _)m)がアンナとロベルトにインタビューした時に二人の相性がいいことが強調されていた。「そうでないとあんな場面はできない」とのこと。そしてドミンゴにもインタビュー。自分も現役の歌手をつとめながら指揮もしていることをルネが褒めたたえると「自分たちは恵まれているのだから死ぬまで全力を尽くす」というようなことを答えていた。自分が歌った舞台の指揮をするのはより歌い手の感覚がわかるのでまた思い入れが違うというようなことをを語っていたと思う(記憶が薄れかけているのでご容赦)。
ロミジュリ役の二人があんな場面と言っている端的なところは写真の場面。親に隠れてローラン神父に結婚式を挙げてもらった二人が、ロメオの追放の前の晩に結ばれたベッドシーン。このベッドには四隅にロープがついていて空中に吊り上げられているのだと思われた。それが少しずつ舞台に降ろされていく演出のようだ。出会って最初のキスシーンからけっこう濃厚だったし、この場面もかなり濃厚で堪能してしまった。しかしながら高所恐怖症の私は吊り上げられたベッドでの二人の歌や演技に楽しみながらもヒヤヒヤ感を持ちながら観ている。そして着地してホッとする。

ナイチンゲールの鳴き声に急きたてられての別れ。ローラン神父に相談して仮死状態になる薬を飲んで従兄の遺言に添ったパリスとの結婚式を回避することになり、式の前にジュリエットは倒れ、墓場の場面へ。ローラン神父のロバート・ロイドも温かい人柄の感じが出ていていい感じだった。
墓場に横たわるジュリエットにすがりながらロメオは毒を飲む。そして息が絶える前にジュリエットが覚醒して二人はこの世での再会を果たすというオペラならではの演出。二人のデュエットをしっかり確保するわけねと納得。せっかくの再会なのにと惜しみながらも毒が回ってしまってロメオは絶命。ジュリエットは短剣で後を追う。

アンナ・ネトレプコとロベルト・アラーニャの歌はけっこういいと思った。アンナが一幕目の出だしのあたりはけっこうアレ?と思えたのだが、どんどん迫力を増し情感もあふれてきて最後には満足できた。終演後、アフタヌーンティをした時のyukariさんの話によるとオペラだと出だしがあまりよくないのはよくあることだということだったので納得した。

写真は公式サイトより今回の舞台写真の画像(アンナ・ネトレプコとロベルト・アラーニャ)。
このシーズンで何本か観たいと思い、シーズンのプログラムを買った。映画館上映のネットワークも全国で確保され、アンコール上映はめぐろパーシモンホール(都立大の跡地にできた施設?)になっていた。TOHOシネマズ六本木ヒルズでも上映があるし、近場のMOVIXさいたまとの組合せで観ていこうかと思う。しかしながら映画館上映で3500円という料金設定がちと痛い。アンコール上映は安いが帰宅が大変。新年そうそう悩ましさを抱えてしまいそうだ。


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2 コメント

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ロベルト・アラーニャ (hitomi)
2008-01-16 21:29:08
この舞台は以前、テレビ放送していたのと同じでしょうか。ジュリエットはポッチャリの可愛い人でした。ビデオは残っているはずですが。以前はよく観たのですが最近はさっぱり。ワーグナーの長いのを何本も観ました。我ながらびっくり。ルネ・コロのトリスタン、東京で観た時、前に普段着、庭のサンダルみたいなのはいてるおじさんがいました。
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★hitomiさま (ぴかちゅう)
2008-01-16 22:07:48
今回上映されたのはMET上演2007年12/15日本時間16時の公演です。
「METライブビューイング」2007~2008年のシーズンの映画館上映一覧を見ると、8作とも名古屋のミッドランドスクエアシネマでの上映があるようです。是非ぜひ映画館の大画面で観てみてください。TVよりも音響もいいし楽しめると思います。上映日程は公式サイトをご覧ください。
次はプッチーニ「マノン・レスコー」を観ようと思っています(^O^)/
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