シェイクスピアの『タイタス・アンドロニカス』はジュリー・テイモア監督の映画をまず観て原作も読んで、血で血を洗うような報復劇の内容にちょっとまいってしまった。それを舞台でどのように料理するのかと彩の国シェイクスピア・シリーズの2004年の初演も観たのだが、予想外の美しい演出に唸った。血をリリアンのような紐状のもので様式的に表現し、舞台装置も衣装も白を基調にしていて舞台を赤と白の美しさでいっぱいにしていたのだった。
その舞台が今回イギリスのシェイクスピア・フェスティバルに正式招待されるという。海外で高い評価を受けているNINAGAWAがどんな風に磨き上げて持っていくのかを観たいけれどあの暗い暗いお話(劇中で13人も死ぬ)につきあうのもちょっと...とチケット発売後も逡巡。そこに小栗旬が出演するという情報→一気に迷いをふっきって観劇決定!
あらすじは以下の通り(ホリプロのサイトよりほぼ引用)。
ローマの将軍タイタス(吉田鋼太郎)に長男を生贄として切り刻み燃やされたゴート族女王タモーラ(麻実れい)はタイタス一族への復讐を心の中で誓う。ローマ皇帝サターナイナス(鶴見辰吾)の后となったタモーラは、愛人のムーア人エアロン(小栗旬)の策略で、自分の息子たちをそそのかし、タイタスの娘ラヴィニア(真中瞳)を強姦させ、その後彼女の両腕と舌を切断させる。タイタスの弟マーカス(壤晴彦)は、変わり果てた姿で森をさまようラヴィニアを発見し、その残酷な犯罪行為に怒る。更にタモーラは、タイタスの息子たちが処刑されるように図り、タイタスは息子たちを救うために自分の片手を切って皇帝に献上するが、その手は息子2人の生首とともにつき返される。娘を陵辱した犯人を知ったタイタスは、復讐の鬼と化し...。
劇場のロビーには多くの出演者たちが着る白い衣装(ドテラ状のものも編み編みのもの)もがハンガーラックに吊るされ、兵士たちの兜やマスクが並び、グレート義太夫他兵隊姿の若いお兄さんたちもウロウロしている。触れる状態だが、私が触る前に先客がスタッフに注意されていた。
真っ白い建物の壁状の舞台装置の奥の部分は開かれ、照明で座標軸が投影されている。時おり演出補が「あと9分です」「あと5分です」と声をかける中で、多くのキャストが発声したり身体をほぐしたりしている。「ハイ、狼出してきて」という指示でローマを建国したロムルスが双子の弟とともに雌狼の乳を飲んでいる有名な狼像「カピトリーノの雌狼」のレプリカが舞台中央に引き出され、壁が閉じられ、本番スタートの掛け声でお芝居が始まる。まさに皇帝の地位を兄弟が言い争う場面から始まるのだ。こうして観客に心の準備をさせてから凄惨な報復劇に引きずり込んでいく(これで助かっている)。
アレアレ、護民官のうち壤さんともうひとりが眼鏡をかけたままだ。えーっいいの?→いいんです!タイタス将軍の凱旋で捕虜として首に鎖をつけられて登場したムーア人の小栗旬はなんと金髪!前回の岡本健一は真っ黒だったのに~と思うが、今回はこういう演出でいくのねと納得。タモーラの生き残る息子たちも今回は大川浩樹ともうひとり身体の大きなところで揃えてきている。麻実れいのタモーラが長身なので愛人エアロンも長身で揃えてきたのかとイギリス行きメンバーをまず見栄えで揃えてきたのかと変なところで納得(もちろん見栄えだけではなく大川さん達の演技も堪能)。
弟のマーカスは文官なので、前回の萩原流行さんイメージはよかったけれど声がちょっと物足りないと思っていたら、狂言仕込みの壤晴彦にスイッチ。地を這うような声でラヴィニアの無残な姿を嘆かなくてはならないからだ。しっかり響かせてくれてこれも正解。
吉田鋼太郎のタイタスは今回髪の毛をメタリックシルバーでギンギンにしてきた!テンションも高い、高い。映画のアンソニー・ホプキンスに負けていない。凱旋してきてすぐに皇帝に推されても辞退し先帝の長男を推挙する。そのサターナイナスに娘ラヴィニアを皇后に所望され喜んだのもつかの間、娘は既に皇帝の地位を争っていた弟バシエイナスと恋仲で弟や息子たちもそれを支援する。父の命令に逆らうことは死に値すると斬りかかり末の息子を刺し殺す。戦場での間モードが抜けないままの所業なのだ。皇帝はさっさと掌を返してタモーラを皇后に迎え、そこから報復の嵐によりどん底まで落とされてたタイタス。永久追放になった長男ルーシアスに自分たちが平らげたゴート族とともにローマに攻め上ることを約束させて落ち延びさせる。
ラヴィニアの真中瞳も前回よりもさらに芝居がうまくなっていた。話もできず文字も書けないために犯人を教えることができないのだが、叔父の考え付いた方法でついに憎い名前を砂地に書きつけ、家族とともに報復に立ち上がる。
タイタスが発狂したと思い込んだタモーラの打つ復讐の女神の芝居を父は逆用し、のこのこついてきた息子たちをとらえ喉首を掻き切るが、その血を桶に受ける時のラヴィニアの目が復讐の機会を得たという輝きを放っていた。
麻実れいのタモーラは映画のジェシカ・ラングのような妖艶さはあまりないが、戦に負けて捕虜にされてボロボロになりながらも女王の威厳に満ちている。それにマザコン気味のサターナイナスが惹かれたのだという印象。
そしてエアロンの小栗旬。目に力が漲る彼だが一層ギラギラ目の三白眼を多用して悪事の限りをつくす決意を噛み付くようにしゃべる。奴隷として黒人として蔑んでいる連中の裏をかくことに生きがいを見出しているようだ。タモーラをたらしこんで情欲の虜にして操作しているのも実は自分だという自負にあふれている。上半身むき出しでタトゥまで入れて魅力的な身体をさらすというこの役のために真っ黒に焼いてきている。ところが残念ながら小栗くん、胸板が予想以上に薄い。うーん、これでは情欲の虜になりにくいんじゃないかなあとおばさんの目は厳しくチェックを入れてしまった。
タモーラが真っ黒な赤ん坊を産み落としたことを誰もが呪う中で父性愛にめざめて以降のエアロンを小栗旬は実に好演した。ゴート族の知り合いに預けようとした途中でルーシアスの軍に捕まってしまい、父子もろとも殺されようとする中での命乞い。タモーラのそれもタイタスのそれも失敗に終わっているのにエアロンは悪事を全て話すという権力を握るために必須の情報という代償で息子の命を救うのだ。
弱虫のサターナイナスは自分が民衆に支持されていないことも知っていて攻め上ってきたルーシアスとすぐに和議交渉に入る。
そこに仕掛けられたタイタスの復讐のテーブルで一挙に4人が死ぬという修羅場になる。タイタスはラヴィニアを手にかけて犯人を明かし、そいつらを焼きこんだミートパイをタモーラに食べさせた上で殺し、サターナイナスに殺される。最後にルーシアスがサターナイナスを殺し、護民官に推挙されて皇帝の地位へ。ルーシアスはエアロンを極刑にタモーラの埋葬を禁じるなど諸々の沙汰をして一同引き上げて幕。
のはずだが、ここでもう一場面をNINAGAWA版は加えている。エアロンの赤ん坊をルーシアスの息子が抱き取り、絶叫して終わっていくというのが前回の理解。これは不要な場面という印象で終わっていたのだった。
さて、今回もこの場面はあるのだろうかというのが実は最大の関心事だったのだ。ありました!しかも前回は私の勘違いだったのか子役の力不足だったのかわからないが、号泣しているというのが正しいようだ。このルーシアスの息子が実は途中から大事な役回りを担っていて、タイタスとの関係もラヴィニアとの関係も深いものがあった。彼の予想を上回ってふたりとも目の前で死んでいってしまったという悲しみの頂点にある。敵の子どもではあるが父を失うことになる幼い命を抱き取り、残された幼い者どうし共に泣くのである。今回の子役ちゃんはよかった。そうか~、これがこの暗い暗い話の中の一点の光明なんだなあと二回観てようやく納得できた私なのだった。
写真は(財)埼玉県芸術文化振興財団の公式HPより。
その舞台が今回イギリスのシェイクスピア・フェスティバルに正式招待されるという。海外で高い評価を受けているNINAGAWAがどんな風に磨き上げて持っていくのかを観たいけれどあの暗い暗いお話(劇中で13人も死ぬ)につきあうのもちょっと...とチケット発売後も逡巡。そこに小栗旬が出演するという情報→一気に迷いをふっきって観劇決定!
あらすじは以下の通り(ホリプロのサイトよりほぼ引用)。
ローマの将軍タイタス(吉田鋼太郎)に長男を生贄として切り刻み燃やされたゴート族女王タモーラ(麻実れい)はタイタス一族への復讐を心の中で誓う。ローマ皇帝サターナイナス(鶴見辰吾)の后となったタモーラは、愛人のムーア人エアロン(小栗旬)の策略で、自分の息子たちをそそのかし、タイタスの娘ラヴィニア(真中瞳)を強姦させ、その後彼女の両腕と舌を切断させる。タイタスの弟マーカス(壤晴彦)は、変わり果てた姿で森をさまようラヴィニアを発見し、その残酷な犯罪行為に怒る。更にタモーラは、タイタスの息子たちが処刑されるように図り、タイタスは息子たちを救うために自分の片手を切って皇帝に献上するが、その手は息子2人の生首とともにつき返される。娘を陵辱した犯人を知ったタイタスは、復讐の鬼と化し...。
劇場のロビーには多くの出演者たちが着る白い衣装(ドテラ状のものも編み編みのもの)もがハンガーラックに吊るされ、兵士たちの兜やマスクが並び、グレート義太夫他兵隊姿の若いお兄さんたちもウロウロしている。触れる状態だが、私が触る前に先客がスタッフに注意されていた。
真っ白い建物の壁状の舞台装置の奥の部分は開かれ、照明で座標軸が投影されている。時おり演出補が「あと9分です」「あと5分です」と声をかける中で、多くのキャストが発声したり身体をほぐしたりしている。「ハイ、狼出してきて」という指示でローマを建国したロムルスが双子の弟とともに雌狼の乳を飲んでいる有名な狼像「カピトリーノの雌狼」のレプリカが舞台中央に引き出され、壁が閉じられ、本番スタートの掛け声でお芝居が始まる。まさに皇帝の地位を兄弟が言い争う場面から始まるのだ。こうして観客に心の準備をさせてから凄惨な報復劇に引きずり込んでいく(これで助かっている)。
アレアレ、護民官のうち壤さんともうひとりが眼鏡をかけたままだ。えーっいいの?→いいんです!タイタス将軍の凱旋で捕虜として首に鎖をつけられて登場したムーア人の小栗旬はなんと金髪!前回の岡本健一は真っ黒だったのに~と思うが、今回はこういう演出でいくのねと納得。タモーラの生き残る息子たちも今回は大川浩樹ともうひとり身体の大きなところで揃えてきている。麻実れいのタモーラが長身なので愛人エアロンも長身で揃えてきたのかとイギリス行きメンバーをまず見栄えで揃えてきたのかと変なところで納得(もちろん見栄えだけではなく大川さん達の演技も堪能)。
弟のマーカスは文官なので、前回の萩原流行さんイメージはよかったけれど声がちょっと物足りないと思っていたら、狂言仕込みの壤晴彦にスイッチ。地を這うような声でラヴィニアの無残な姿を嘆かなくてはならないからだ。しっかり響かせてくれてこれも正解。
吉田鋼太郎のタイタスは今回髪の毛をメタリックシルバーでギンギンにしてきた!テンションも高い、高い。映画のアンソニー・ホプキンスに負けていない。凱旋してきてすぐに皇帝に推されても辞退し先帝の長男を推挙する。そのサターナイナスに娘ラヴィニアを皇后に所望され喜んだのもつかの間、娘は既に皇帝の地位を争っていた弟バシエイナスと恋仲で弟や息子たちもそれを支援する。父の命令に逆らうことは死に値すると斬りかかり末の息子を刺し殺す。戦場での間モードが抜けないままの所業なのだ。皇帝はさっさと掌を返してタモーラを皇后に迎え、そこから報復の嵐によりどん底まで落とされてたタイタス。永久追放になった長男ルーシアスに自分たちが平らげたゴート族とともにローマに攻め上ることを約束させて落ち延びさせる。
ラヴィニアの真中瞳も前回よりもさらに芝居がうまくなっていた。話もできず文字も書けないために犯人を教えることができないのだが、叔父の考え付いた方法でついに憎い名前を砂地に書きつけ、家族とともに報復に立ち上がる。
タイタスが発狂したと思い込んだタモーラの打つ復讐の女神の芝居を父は逆用し、のこのこついてきた息子たちをとらえ喉首を掻き切るが、その血を桶に受ける時のラヴィニアの目が復讐の機会を得たという輝きを放っていた。
麻実れいのタモーラは映画のジェシカ・ラングのような妖艶さはあまりないが、戦に負けて捕虜にされてボロボロになりながらも女王の威厳に満ちている。それにマザコン気味のサターナイナスが惹かれたのだという印象。
そしてエアロンの小栗旬。目に力が漲る彼だが一層ギラギラ目の三白眼を多用して悪事の限りをつくす決意を噛み付くようにしゃべる。奴隷として黒人として蔑んでいる連中の裏をかくことに生きがいを見出しているようだ。タモーラをたらしこんで情欲の虜にして操作しているのも実は自分だという自負にあふれている。上半身むき出しでタトゥまで入れて魅力的な身体をさらすというこの役のために真っ黒に焼いてきている。ところが残念ながら小栗くん、胸板が予想以上に薄い。うーん、これでは情欲の虜になりにくいんじゃないかなあとおばさんの目は厳しくチェックを入れてしまった。
タモーラが真っ黒な赤ん坊を産み落としたことを誰もが呪う中で父性愛にめざめて以降のエアロンを小栗旬は実に好演した。ゴート族の知り合いに預けようとした途中でルーシアスの軍に捕まってしまい、父子もろとも殺されようとする中での命乞い。タモーラのそれもタイタスのそれも失敗に終わっているのにエアロンは悪事を全て話すという権力を握るために必須の情報という代償で息子の命を救うのだ。
弱虫のサターナイナスは自分が民衆に支持されていないことも知っていて攻め上ってきたルーシアスとすぐに和議交渉に入る。
そこに仕掛けられたタイタスの復讐のテーブルで一挙に4人が死ぬという修羅場になる。タイタスはラヴィニアを手にかけて犯人を明かし、そいつらを焼きこんだミートパイをタモーラに食べさせた上で殺し、サターナイナスに殺される。最後にルーシアスがサターナイナスを殺し、護民官に推挙されて皇帝の地位へ。ルーシアスはエアロンを極刑にタモーラの埋葬を禁じるなど諸々の沙汰をして一同引き上げて幕。
のはずだが、ここでもう一場面をNINAGAWA版は加えている。エアロンの赤ん坊をルーシアスの息子が抱き取り、絶叫して終わっていくというのが前回の理解。これは不要な場面という印象で終わっていたのだった。
さて、今回もこの場面はあるのだろうかというのが実は最大の関心事だったのだ。ありました!しかも前回は私の勘違いだったのか子役の力不足だったのかわからないが、号泣しているというのが正しいようだ。このルーシアスの息子が実は途中から大事な役回りを担っていて、タイタスとの関係もラヴィニアとの関係も深いものがあった。彼の予想を上回ってふたりとも目の前で死んでいってしまったという悲しみの頂点にある。敵の子どもではあるが父を失うことになる幼い命を抱き取り、残された幼い者どうし共に泣くのである。今回の子役ちゃんはよかった。そうか~、これがこの暗い暗い話の中の一点の光明なんだなあと二回観てようやく納得できた私なのだった。
写真は(財)埼玉県芸術文化振興財団の公式HPより。
2004年版までで終わってたら、私の中でこの作品は二度と観ようと思う作品になって
いなかったようが気もします。
(^^;
感想をアップしたので、トラバさせていただきました。
あ、それと、私は厚い胸板には心ときめかないタイプなので、
小栗@エアロンがスリムであることで、ドキドキしたクチです。
(^^;;
舞台の美しさがバージョンアップしているのですね。実は今回は公演期間が短いのと財布の悲鳴に耳を傾け見送っています。
そっか,かっこええんや。お話うかがえて良かったです。
団菊祭夜の部のみ拝見する予定です。昼の部は充実しているようですね。
★「好きなことは止められない」のmidori様
>蜷川さんの舞台では、思わぬ役者振りで充実していくアイドルと共に、本当にチカラある役者がキチンと“真ん中”を勤める醍醐味が味わえる!
同感です。小栗旬くん、いいでしょう?って、彼についてはちょっとミーハーな私です。
私も胸板厚いのは別に好みじゃないし、ダンサータイプのスリムボディは好きなんですけど、薄すぎるのはちょっと物足りない。それに双眼鏡でじっと見てたら左右の胸の厚さのアンバランスが気になって怪我でも昔しちゃったせい?なんて推測してしまって...ってどんなとこまで見とるんじゃあ(`_`)ノ゛バシィィィィィ!!!!
ハイ、彼はお洋服を着ていただく役の方ががいいかなと思った次第です。
今回は節約のために2階右席の付け根のところで観てプログラムも買わなかったのでタモーラの二人の息子役とかちゃんとチェックできなかったのですが、midoriさんに詳しく書いていただいてわかりました。有難うございましたm(_ _)m
★とみ様
内容が内容だけにチケット残席がけっこうあるようでリピートチケット購入者には舞台写真プレゼントとかやってました。この作品は毎公演一回でいいですよ、やっぱり重たいからもたれます。『オイディプス王』の時みたいにイギリスでの舞台を「劇場への招待」あたりで放映してくれないかなあと思ってます。
子役はレミゼでカブローシュを演じていた、枡井賢斗くんも出演していたようですね。
>吉田鋼太郎さんは良いですよね。タイタス、素晴らしかった!...本当によかったです。シェイクスピアがいなかったら役者になっていなかったという鋼太郎さん!イギリスの舞台で主演を立派につとめてさらに一回り大きなシェイクスピア役者さんになってくださることでしょう。
この日の子役ちゃんが誰か、プログラムを節約したので誰かわからないのです。でも号泣シーンで納得させてくれました。
小栗君はあれでも鍛えたそうです。
私もミーハーに小栗旬めあてだったりします。
『間違いの喜劇』がNHKで放送されるらしい、という噂を信じて首を長くしてまっています。
TBありがとうございましたm(_ _)m
さて、本日TBをいただいてまたつらつらと考えてしまいました。映画「ガンジー」を観た時に印象に残っていたエピソードが浮かんできました。宗教の対立からインドとバングラディッシュのふたつの国に分裂してしまった時、あるヒンズー教徒がイスラム教徒を殺してしまったことを悔いてガンジーにどうしたらよいか相談したところ、生き残ったイスラム教徒の子どもをわが子のように育てなさいと言ったという話です。
今回はローマ人の子どもがムーア人の赤ん坊を抱きとって一緒に泣くのです。対立した者どうしが和解・共存していくためにはまずただ受けとめてそれから長い時間を一緒に生きていくことだということなのかなあとフッと思いいたった次第です。
★キナ湖さま
TBは成功しましたね!でもいろいろとトライしていただいたようで歌舞伎の感想がこっちに飛んできちゃいました。
『間違いの喜劇』、きっとそのうちにDVDになるのではないかと予想しています。
『間違いの喜劇』DVD発売されるといいですね~。そんなことになったら買いますよ!もちろんっ!