ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/06/21 歌舞伎座昼の部②「双蝶々」つながりの舞踊二題

2009-06-24 21:15:45 | 観劇

昼の部の舞踊二題はいずれも観るのが二回目だが、初回は記事アップしないままだった(^^ゞ
そのため、公式サイトより内容と配役を引用しておく。
【正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)】長唄囃子連中
「曽我五郎時致(松緑)は、父の仇である工藤祐経の館へ向かおうとします。これを止めたのは、小林朝比奈の妹舞鶴(魁春)。女ながら大力無双の舞鶴は、五郎の持つ鎧の草摺を持って引き止め、その行く手を阻むのでした。」

初見は2005年9月歌舞伎座。曽我五郎は橋之助で舞鶴は今回と同様の魁春だった。
Wikipediaの「曾我兄弟の仇討ち」の項はこちら
曽我狂言の中に舞踊の場面が挿入される作劇上の決まりがあり、いろいろな曾我物の舞踊(歌舞伎美人の「今日の言葉」より)が生まれたという。筋書きにはこの作品が「双蝶々化粧曽我(ふたつちょうちょうよそおいそが)」の所作事として初演されたとあった。

ということは、今月の昼の部は「双蝶々」つながりの演目を3本並べたのだということがわかった。→「双蝶々曲輪日記」→「蝶の道行」=雄蝶雌蝶の連れ舞い。なぁるほどである。

魁春の舞鶴は、父の仇の工藤の舘に踏み込もうとする五郎時致を年上の女の分別をもっていさめる。五郎が言うことを聞かないので、女ながらの大力をもって身体を張って留め立てをする。力紙をつけて素襖をまとい大刀をさした女大力の拵えをしても抑え目で、その分別ぶりがいかにもという感じなのがいい。前回、確か舞台写真を買ってしまったと思う。
五郎と小林朝比奈の立役二人で踊る場合と違って、妹舞鶴の場合、力で対抗しても効き目がないとわかると女らしいクドキの手を使う。遊女と間夫のやりとりをなぞらえて勇み立つ時致を鎮める作戦だ。それでも鎮まらずに二人が勇壮に極まっての幕切れになるのだが、この女形が男勝りの姿から女らしい姿に変わってみせるというあたりの変化が面白い。頭につけていた紅梅の飾りも手に持って踊ると可愛い小道具になるのかと感心至極。

松緑の曽我五郎時致は隈をとった荒武者ぶりが実に立派。前回の橋之助よりも稚気があふれるのが好ましい。松緑のどんぐり眼は実に荒事に威力を発揮すると感心。最近台詞回しも以前よりよくなって、安心して荒事の雰囲気にひたりながら見せてもらえるのが嬉しい。

【蝶の道行(ちょうのみちゆき)】
構成・演出=武智鉄二 竹本連中
「春の野辺に助国(梅玉)と小槇(福助)が姿を現します。この世で結ばれることのなかったふたりは、蝶の姿となって戯れ遊びますが、地獄の責めに遭い、その羽ばたきを止めるのでした。」
Yahoo!百科事典の「蝶の道行」の項はこちら
詞章の詳しいサイトもご紹介
初見は2005年9月歌舞伎座。助国は染五郎で小槇は孝太郎だった。前回同様、真っ暗な中に蛍光で彩られた大きな雄蝶と雌蝶が舞台中央を舞い飛ぶ開幕。前回は途中で変なレーザー光線のような照明がおかしかったが、今回はそれはなかったと思う(何回も睡魔に襲われて自信がない(^^ゞ)。
舞台が明るくなるとやたらに大きな牡丹の花が目につく。福助が花の書割の後ろに回って花の合間から梅玉の方を覗く場面もあり、人間が蝶になった時の大きさのバランスを考えているのだろう。しかし何か違和感のある装置だという印象。
その後、やたらに眠気に襲われ、続く「女殺油地獄」に余力を残すために眠気と闘わなくていいやと最初から思ってしまったため、引抜いて蝶の羽根のような模様の袖になるのも綺麗だなぁとかの切れ切れの記憶しかない。申し訳ないm(_ _)m

しかし、前回の染五郎・孝太郎コンビの方が、生きて結ばれることのなかった若い二人の哀れな感じがしていたなぁという気がする。
並んで観ていたさちぎくさんに以前、ご自分が助国を踊られた時のお話をうかがったことの方が面白かった。最後に折り重なって死ぬときに下になるのが今回の逆だったとのこと。どちらの振り付けもありなのか、振り付けの間違いなのか、それはわからないが・・・・・・。

さて、昼の部の最後はいよいよ仁左衛門一世一代の「女殺油地獄」だ。期待が高まる。

写真は公式サイトより今月のチラシ画像。
6/21昼の部①兄弟対決の「角力場」


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
川口秀子振付 (さちぎく)
2009-06-25 09:33:29
当時1年に1回は演舞場でリサイタルをやっていましたね。武智の演出で秀子が振付という舞踊が必ずありました。うちのお師匠さんが〝取り物〟といって振りを移させてもらいに行ったのですが、ビデオがない時代、2,3日で覚えてきて、ノートに絵と文字を書き込み振りを移します。もちろん、歌舞伎の方が正しいのですよ。最後ばかりでなく結構手が違いました。竹本の地で初めて踊ったのですが、すごく踊りやすかったです。メリハリが効いて気持ち良いのですよ。
福助さん、かわいさ強調?なのか首を深くかしげ過ぎ!我が相棒佐汐さんは品良く娘らしい感じでしたね。しかし、高三の時でしたのでとても懐かしかったです。あぁー初演の歌・梅のが見たかったなぁ!
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歌舞伎座 (paru)
2009-06-25 10:43:50
歌舞伎座は何ヶ月も行ってないですね~。
今年一回行ったかな?ってくらいです。
7月も猫世話でやめました(^^;)
コクーンのチケット届きました。
必要でしたらお先に送りますー
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皆様、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2009-07-02 01:37:44
★さちぎく様
佐汐さんはご一緒にお茶をさせていただいたあの方ですね。なんとなくお二人の「蝶の道行」のイメージが湧きます。いろいろ教えていただいて有難うございましたm(_ _)m
>初演の歌・梅......今月の筋書に写真が載っていましたよ。
★paruさま
チケット確保を有難うございますm(_ _)m
当日でもいいです。近づいたら待ち合わせの相談をさせていただきま~す(^O^)/
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