ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/08/02 「第12回演劇人祭」の歌舞伎舞踊、観てきました

2005-08-06 23:53:19 | 観劇
友人から最後の歌舞伎舞踊部分だけ「演劇人祭」のピンチヒッターの依頼が舞い込んで観てきた。「くだま記」のharukiさんが企画紹介の記事もアップされていて知っていた公演だったので、すぐに行くと答えてかけつけたのだった。

受付に金色の表紙パンフレットが積んであったので、有料ですかとたずねたところ、どうぞお持ちくださいということでしっかりいただいてきた。確かに今日の1回の行事のためだけに座席数分は印刷したのだろう。でもいっぱい余ってたな。
主催は社団法人日本演劇協会で、後援=文化庁、協賛が日本芸術文化振興会国立劇場、日本放送協会、東宝、松竹。5年に1回開催されているという。司会はNHKの葛西聖司アナウンサー。
パンフを見ると第一部は祝典。演劇功労者の表彰がメインの行事のようで今回は11名の方々を表彰。94歳の北林谷栄さんから83歳の朝倉摂さんまでだったが、これでは蜷川さんが表彰されるようになるまで何年かかるんだろうって思ってしまった。
二部は祝賀芸能。そのⅠが下記の通り。
1.能「壽の舞」観世榮夫さん
2.「女の一生」
3.宝塚「アーネスト・イン・ラブ」のダイジェスト版。
4.座談会
 司会=ジェームズ三木さん、ゲスト=森光子氏、池内順子氏、嵐圭史氏
5.新派「水芸の舞台の場」

Ⅱが歌舞伎舞踊でここから観た。
1.「時雨西行」
西行法師=橋之助。江口の君=福助。葛西アナからお二人で踊られるのは初めてと説明があり、大体の話の筋の解説があった。
長唄囃子をバックにまず僧形で帽子のようなものをかぶった橋之助が登場すると、思わず先月の『桜姫』の清玄がだぶる。数珠を掲げて拝む所作などを見ると「ここで数珠を切るとあの場面」とか雑念が湧いてしまった。
時雨に降られて雨宿りを頼んだ家から江口の君の福助が出てきてそれを断る。恨み言を歌にして残すと自分が遊女だからこそ僧であるあなたをお泊めできないと返歌をするらしい。しかし長唄の太夫たちの声が揃っていないので聞き取りにくく、というか私がまだこういうのを聞き取るのが苦手なせいでもあるのだが、観る前の解説なしだと意味がわからない。テンポもゆっくりで眠くなりそうだった。遊女の江口が目をつぶると普賢菩薩に見えるというあたりも意味がわからなくて、うーん。
しかしながら、福助の髪型が見慣れない髪型で、平安時代末期の遊女の髪型なのか、博多人形で見たことのあるような結い上げ方でなかなか珍しいこしらえを見ることができた。
追記
福助丈の髪型、知りたくなってググってみた。歌舞伎の髪型は詳しいHPを発見。http://homepage3.nifty.com/kamikan/schedule00.html
元禄時代の髪型の兵庫髷のよう。江口の君も該当するようだ。

2.「三社祭」
昨年の7月の歌舞伎座の澤潟屋公演で右近と猿弥が踊るのを観たことがある。今回は勘三郎と三津五郎による「素踊り」だというのでワクワクして観る。
舟もないし、所作台の上に簡単な背景の衝立のようなものがあって、後見(勘三郎の方は小山三さん!)が櫓を渡したりするところもあってシンプルな舞台だったが、やはりこの二人は期待にたがわず“がっぷり四つに組んだ”踊りを見せてくれた。ふたりとも踊りがうまいが、やはり三津五郎の方が要所要所がピシピシと決まる感じがした。勘三郎ももちろんうまいのだが、素顔の表情の愛嬌の方が勝っている。どんぐりまなこのような目が大きく見開かれてそこから愛嬌がにじみ出て、そちらについつい目がいってしまうのだ。しかし、そういうところも魅力的だ。
「三社祭」はテンポもよく、動きも楽しい所作が多いので飽きない。ふたりとも表情も活き活きしていて、扮装なしで見ることができたのはなかなかにない貴重な体験だと痛感した。
声をかけてくれた友人に感謝したいm(_ _)m

「くだま記」のharukiさんが詳細をアップされているのでそちらで詳細をご確認ください。
http://d.hatena.ne.jp/haruki_xxx/20050802
写真は、歌舞伎座の入り口にあった看板を携帯カメラで撮影。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うらやまし~ (あいらぶけろちゃん)
2005-08-07 10:16:38
東京が近いといいですよね~、やっぱり。

素踊りなんて観る機会もあまりないですし。

三津五郎と勘三郎なら二人とも踊り上手だし。こんな時の後見はやはり小山三さんなんですね!勘三郎さんも七之助さんやお弟子さんなど舞台以外のトラブルで襲名の年=ワイドショーネタの年の感がありますが、舞台の方でがんばってらっしゃるのが嬉しいですね。勘三郎BOXがそろそろ気になりだしました・・・

まだ先のお話ですが 9月楽しみにしています。
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申し訳ありません! (asari)
2005-08-07 12:36:26
トラックバック先を間違えてしまいました~(><)

お時間あるときに削除をお願いします。申し訳ありません。。



演劇人祭の「三社祭」素敵でしたね。いまだに爽やかな二人の姿を思い出してしまいます。納涼が楽しみ。

宝塚も楽しかったですが、最後の歌舞伎だけ観たというのは大正解!だったと思います(^^;

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三社祭♪ (achacco)
2005-08-09 09:27:01
二人の踊りっぷりにホレボレでしたね~。

三津五郎さんの要所要所が決まっている時の手、とても綺麗で隅々まで見とれてしまいます。



明日からの納涼が楽しみですね。まずは法界坊をがっつり!堪能してこようと思います♪
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コメント、TBありがとうございますm(_ _)m (ぴかちゅう)
2005-08-09 19:58:10


★あいらぶけろちゃん様

本当に舞踊鑑賞の苦手な私が幸運にも見せていただきました。「時雨西行」では、江口の君の福助がお懐紙を使ってお茶をたてて橋之助に振舞う所作がよかったです。指先まできちんときれいに見せてくれました。でも見ごたえ的には「三社祭」が勝ってました。というか比べてはいけないかもしれない。

★asari様、achacco様

TB返しありがとうございます。「演劇人祭」は能、宝塚、新派、歌舞伎とあったので、自分ではそこまで興味が広く持てなかったので見送っておりました。そこにふってわいたラストのみの鑑賞の機会を活かすことができました。舞踊は私の弱い部分なんですよ。しかしながら十分堪能できました。

私も8月歌舞伎座は14日の『法界坊』からです。歌舞伎座初の串田ワールドが楽しみ!!

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素踊り (さちぎく)
2005-08-30 12:00:29
この記事見つけて、何とも羨ましく読ませて頂きました。私も最後だけ観たくて、でも会社だったので無理だったんです。ご報告を読むと益々悔しさ倍増!「三社祭」をあの二人の素で見られるなんて、ぴかちゅうさん、良かったですね。いろんな人の観ていますが、踊りの上手下手がよく分かってしまうし、若ければ良いというものでもないし、善悪の相性というのもあるから様々ですね。三津・勘コンビ観たかった。いつかテレビで放映されるらしいので絶対見逃さないようにしましょう。「時雨西行」は黙阿弥の作詞で能の「江口」をとっているんです。長唄では大好きな曲です。舞踊では吾妻徳穂と富十郎の半素のが一番良かったな。ところで長唄さんは誰だったんですか?そろわなかったというのはいけませんね。そんなに珍しい曲でもないのにね。??

随分前のにコメント、すみません。<気の利いた化け物はひっこんじまう>
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私も行きたかった・・・ (かつらぎ)
2005-10-08 16:37:44
演劇人祭のレポート、ありがとうございました。個人的には森光子さん、池内淳子さんたちの座談会というのが非常に聞きに行きたかったです。さぞや熱い話がでたのではないかと思っています。



数年前に勘三郎さん(まだ襲名前)、渡辺えり子さん、串田和美さんの座談会を聞いて、本当にこれが面白かった憶えがあります。ちょうど平成中村座の構想が持ち上がっていた頃で、ワクワクしながら聞きました。



来年はどなたが登場されるのか、楽しみですね!
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NHKの放送、途中から見ました (ぴかちゅう)
2005-10-09 00:51:40


月末のNHKをちゃんとチェックすればいいのに、たまたま教育TVをつけたら歌舞伎舞踊からでした。ビデオに録画してあとからゆっくり観ようとか思って放ったままになってます(笑)。

★さちぎく様

長唄はプログラムみないとどなたかわからないんですが、TVで見たらわりとききとれました。私の聞き取る能力の問題かもしれません。実際に観劇しててもまだまだ聞き取れなくって。あきらめて聞き流してるかも(笑)

★かつらぎ様

yukariさんがTV放送を見て書かれた感想にこの記事をTBしたのをご覧になったのでは?

演劇人祭の座談会ってけっこう要チェックかもしれませんね。残念ながら今年のは声をマイクでうまく拾えていなくて聞き取るのが大変だったと冒頭から見ていた友人が言ってました。ぶっつけ本番のような1日企画ですものね。

そうそう、座談会といえば『演劇界』11月号の座談会も私は面白く読みました。発端の4月号も図書館で予約したので借りて読もうと思っているところです。

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