進め!認知症防衛軍!

いつまでもぼやいてもしかたないので!認知症の姑『ばば』マイペース妖怪『のらりじじ』と暮らすree、今日も戦っています!!

2006-04-29 09:46:13 | 言動
仕事から帰ると、婆が玄関でトイレットペーパーの芯を手に立っていた。
傍らには新しいトイレットペーパー。

(ああ、ちょうどなくなったんだな・・・)

そのときはそのまま受け流し、2階に荷物を置いてエプロンをかけ、さて、夕飯の支度。

何を作ろうか、アレコレ考えながらまずトイレ。
婆は自分の部屋でバッグをごそごそやっている。失礼、バッグの中を『整理』している。

ヘンな話だけど、立ち仕事なので(クリーニング屋さんの受付しています)、トイレで久々に『座った』って感じ。
用を済ませ、紙、紙・・・あれ?
さっき、婆が新しいのに替えてたのに?
今にもなくなりそうなのが着いている。
とりあえず引っ張ると
さ、30センチ?

トイレットペーパーのミシン目からミシン目までがくるりんとひと巻されている。
さっき婆が玄関でやっていたのはこれだったのか・・・。
横には少しちぎり取られた新しい(?)トイレットペーパー。
罠だろ?これ・・・

誰?

2006-04-28 19:37:43 | 言動
今日、ケアマネのSさんが来た。最近まじめである。・・・ひまになったのか?
日々のいろいろな変化を話していると、さっきから婆がウロウロ。
気になるらしい。
ちょうど、婆の歯の相談をしていたので思い切って婆を仲間に入れることにした。

Sさん「どの歯がぐらぐらなんですか?・・あらあ、歯はたくさんあるのねえ、すごいわあ」

のんびりした口調のSさんにほめられて、婆は得意げに口の中を見せている。
75歳の人の歯がどのくらいあるものなのかわからないけど、確かに婆は歯がたくさんある。

婆「そうなんだよ、あっちへいってね、でもそれじゃあダメなんさー」
(支離滅裂なことを言い始める)

Sさん「そういえば息子さん・・・なんていいましたっけ?」

たぶんSさん的には認知症の進み具合を見ようとしているのだろう。
確か先月訊かれたときはちゃんと答えていた。(まあ、20ン歳の若者になってたけど

婆「うちの子?ミツオだろ?」

Sさん「お嫁さんの旦那さんの名前?そうでしたっけ?」


婆(私の顔を見て)「そうだろ?」

お、私が『嫁』と思ってるらしい。ちなみに『ミツオ』ではない。

婆「あと、イチタロウ!そうだ、イチタロウだ!」

私、旦那を2人も持ってないって・・・。

一体どこの誰なんだ・・・ミツオとイチタロウ・・・
親戚にそんな名前の人はいない。
そしてそれは私の『旦那』で婆の『息子』なのである。

私「ミツオとイチタロウってどこに住んでるの?ここに帰ってくるの?」

婆(ちょっと思案顔)「・・・知らない」

Sさん「今、おいくつになったんですか?」

婆「さあねえ、ずいぶん会ってないしねえ・・・」

(やっぱりいるんだ、ミツオとイチタロウ!)

婆「20は過ぎたはずだよ、ねえ、ママ」

いや・・・私に聞かれても・・・
まあいいや、帰ったら旦那に聞いてみようっと。



いつもの会話

2006-04-26 17:51:14 | 家族
お天気がよかったので、爺の敷布とパジャマ、ジャージ、婆の靴下なんかを洗った。思ったとおり、洗濯機の水は真っ黒け・・・

そして、パートから戻って取り込んで、爺婆の部屋に持っていく。
あえてたたまず、婆に頼んで置き去りだ。

2階に上がって自分たちの洗濯物をたたんでいると、下から爺の苛立つ声がする。

爺「今はくんだからしまわなくていいって言ってるんだよ。」

どうやら、ジャージもたたんでしまおうとしているらしい。
でも婆は爺のいうことなんか聞かない。

爺「おい、ズボン出してくれ。」
(どうやらしまわれたらしい)
婆「どこにズボンなんかあるんだい」

爺「だからさっきしまわなくていいって言ったじゃないか。」

婆「あたしゃ、知らないよ。なんだい、そうやって威張って何でも人に言いつけてさ!」
(まあ、わかりきった流れである。)
爺「そこの2番目の引き出しにあるだろ、青いやつ。」
(婆はぶつぶついって探しているらしい。)

爺「おい、あるだろ?」

婆「何が。」

・・・不毛な会話だと思いませんか?

私はいつもこの手の会話を聞くと『不毛だ・・・』と思ってしまう。
自分がやっていること、言ったことをすぐに忘れてしまう婆に用事を言いつける爺。それも『自分でやれば?』と言うレベルのことがほとんどだ。
水持ってきてくれ、とかストーブつけてくれ(注:自分のほうが近い)とか。
そして、けんかしてる。お互いイライラしてる。
婆の状況をわかりたくないわけではない。わかっているけど、自分でするのが面倒だ、という態度だから腹が立つ。
何十年もの間、爺や旦那の身の回りの世話をしてきた婆。
その婆が、自分の身の回りのことをするのが難しくなってきたというのに、なぜそれを責めることばかりいうのだろう。
なぜ、できないから俺がやってやろう、くらいの気持ちになれないのだろう。
婆に今までどおりのことを望むのは無理だってわかっているのに。
世の中には、包丁ひとつ持ったことのないご主人が、奥様の病気の世話をするのに初めて包丁を握った、と言う話だってたくさんあるのに。
自分(爺)は、婆の病気の前と後で何一つ変わらない生活を送りたい。
婆ができなくなった家事全般を私(嫁)がきてくれて『これ幸い』、『婆の面倒も頼むな』ときたもんだ。
これが何十年も連れ添ってきた夫婦の姿かと思うと悲しくなる。
それでいて旦那が「おやじ、なんかすることねえのかよ!」いえば「ないなあ」と寝てばかり。
婆は婆で爺の悪口、愚痴ばかり・・・・
婆の頭がしっかりしてたら、熟年(?)離婚されてたのかもなあ。慰謝料がっぽりとられて

思わぬところに・・・

2006-04-24 09:33:44 | 言動
うちの旦那は朝が早い。
私たちは30ン歳で結婚しているので、当然独身時代が長いため、いまだに守られている習慣がいくつかある。
そのひとつが朝のおむすび。
結婚して変わったのは、コンビニのおにぎりから手作りおにぎりになったことくらい?(どっちがおいしいかは、あえて訊かない・・・)
毎日のことなので、飽きないように何種類かのアイテムをひとつのかごに入れて冷蔵庫の上のほうにしまってある。もちろん婆の手が届かないようにだ。
以前、普通に一番下に入れていたら、昆布や鮭フレーク、ふりかけがあちこちのしまいなおされていて朝からうんざりしたことがある。おまけに、3種類の昆布の佃煮は見事にミックスになっていた。もちろんこれは、旦那に内緒で普通に使ったケド

で、今朝、いつものようにおにぎりセットをとると、そこに横たわっていたのは『婆のピンクの歯ブラシ』。
な~ぜ~
なぜここに歯ブラシ?
冷やしたかったのか?
むむむむ・・・・
これはまれにみる難題である。

我が家の歯ブラシは、それぞれのコップにさして、おいてあるのだけど(これも婆の間違い防止のため)、婆のはよく見当たらなくなる。
たいていは、洗面台備え付けの歯ブラシ置き場(小さい扉の中に何本か並べてさせるやつ)のところにあったり、コップごと食器棚にあったりするので、そんなに気にしてなかったけど、今日は冷蔵庫。

何をおもってここ?
誰か、想像してみてください~

迷子未満

2006-04-22 09:15:33 | 取り囲む人たち
先日、婆が迷子になってデイのドライバーさんに助けられた。
その、そもそもの原因は、私が目を離したこと(婆より自分の眉毛を書くのを優先したからか・・・
それと、爺の無責任な発言だ。
平気で「すぐ帰ってこいよ~」ときたもんだ。

この間、またそれをやった。
 
その日、婆は『仕事に行く』ようだった。

婆「じゃあ、あたしゃ行って来るからね。」

爺「どこ行くんだよ。」

婆「仕事だよ!仕事!」

婆は爺にはとっても強気だ。このときも、鼻でフン!って感じだった。

爺「もう迎えにくるんだから待ってろよ。」

婆「なんだよ、迎えって。だから表に行ってくるんだよ。」

このあたりから爺はもう面倒になってきているみたい。

婆「じゃあ、行ってくるからね!あたしゃ、あんたみたいに暇じゃないんだから!!」

ばたん、と玄関の音。

爺「おう、気をつけてナ~

何が気をつけてナ~だ!
階段でスタンバイしてた私はすかさず出動。

私「おとーさーーーん!!勘弁してよう」

私の恨めしそうな顔を横目にお茶をすすっている。
くううう~ザケンなよ~じじ~
誰が追いかけると思ってんだよう。まあ、運動不足だからいいけどサ。いや、そうじゃないか。

慌てて表に飛び出した。
と、何のことはない。
出てすぐのところで、はす向かいの奥さんと井戸端会議している。
この奥さんは婆のことを知っている人なので、一安心。かみ合わない話もちゃんと相手をしてくれている。
私もつかず離れず、プランターの手入れなんぞして様子を伺う。
お迎えまで5分足らず。
今日はなんとかなりそうだ。

無事、はす向かいの奥さんと一緒に爺婆を送り出し、やれやれ。

「たいへんねえ。なんか、お母さんが道できょろきょろしてたから、でてきたんだけど今日はデイの日なのね。」

そう。奥さんは庭の水撒きをしていて婆に気づきでてくれたのだ。私が爺に文句を行っている間に・・・。
またご近所の人に助けられた。
いつかきっと何かの形でお返しできたらいいなあ・・・。

大作だ

2006-04-20 07:23:40 | 言動
こぶしの花もだいぶ散ってしまった。
道路に散ってしまうと、どんどん踏まれてきれいでなくなるので、私も婆もこまめに花びらを片付けているが、またまたの才能(?)開花。

マンホールにある6箇所のへこみ。
想像するなら、みかんの輪切りの“たね”みたいなところ。
その1つ1つにきれいにはめ込まれたこぶしの花びら。
ちょっと離れて見ると・・・うん、きれいかもしれない。
感心してみていると、婆、登場。

婆「どうしたんだい、そんなとこで」 

私「見て見て。きれいだねえ、ちゃんと穴に入ってるよ」

婆「あら、ほんとだ。・・・・・」

じいいいっとそれを見つめる婆。
また何かひらめいたのか?

私が掃き集めた花びらから、形のきれいな花びらを集め始める。

一体何をするのかなあ。

すると、きれいに穴に収まった花びらの少し内側、花びらと花びらの間に1枚、また1枚。
時折拭く風にぶつぶついいながら、せっせと並べていく。

そして10分後。

こぶしの花火、完成。

婆は満足そう。そりゃそうだ。これは大作だもの。

掃くに掃けないよ・・・

仏さまのご飯

2006-04-19 07:48:39 | 言動
うちには仏壇がある。
爺が長男なので、立派な仏壇と、都内にちゃんとしたお墓もある。
この辺は爺と婆を尊敬している。
決して裕福でなかった爺がこつこつ働いてきたお金を、婆が息子(旦那)を幼稚園から私立にいれながらそこまで貯めた婆。
旦那いわく、『見栄っ張りのくせにものすごくけちだった。』とのこと。
でも、そうでなければ『お墓と仏壇』なんてムリムリムリムリ・・・

ところが私の実家の両親は次男坊。
当然仏壇もなく、そのお作法(?)が全くわからない。
お盆の飾りつけも日常のお線香のあげ方も・・・。
今年のお盆も、周りに聞きまくり結果、爺の弟の奥様の「確かいつもこんな風にしてあったよ」という意見に従って飾ってみた。
でも私の記憶ではやっぱり「きゅうりのウマとなすの牛」なので、それもつくった。この家のやり方が継げないのは悲しいけど、これも仕方ない。みんなわかってくれるだろう。

そして、日々のこと。
朝、ご飯をあげてお水をあげてお茶あげて。
お線香は毎日二本。(これは婆がそうしていたのでたぶんそうなんだと思う)
で、そのご飯。
半日くらい置かれたそのご飯は一体どうするもんなんでしょうか??
捨てちゃってるんですが、どうももったいない気もするし。
婆の気持ちもそういうのがあるようで、捨てちゃってるときと大事にとっているときがある。
まあ、そのとっておき方が婆らしいんだけど。

想像してください。

醤油の小皿に仏さまのご飯を2つ、積み重ねる。(さいの河原の小石みたい・・・
その上にティッシュに(ラップではなく!)包んだおしんこ。
それを伏せたコップで隠す!!

一見、
半か、丁か~!
という感じです。
 
コップに詰めてひっくり返したのではなく、うまく積み上げてコップで隠すところがミソ。
改めて婆の発想力に脱帽、な出来事でした。


婆、ちょっと進行?

2006-04-17 08:41:30 | 家族
どうやら

お皿を洗う
  ↓
それを拭いてしまう
  ↓
流しをふきあげる
  ↓
生ゴミを捨てる

という、婆のこだわりの作業が難しくなってきたようだ。
婆たちの食事がすむまでは台所にいて、婆の片づけを見守るようにしていたのだが、今までは婆が『普通でないこと』をして私に『そうじゃないよ』っていわれることが多かった。
でも、ここ2、3日、 

婆が流しにおいたお皿を見つめてきょろきょろと何かを探す
   
私「そこにスポンジあるよ」
   
婆「で、これどうするんだっけ?」
   
私「お皿洗うんでしょ?」

婆「それはわかってるんだけどさ(ホントはわからない?)、ほら、あれ・・こ~んな形のあれするとき使うやつ・・・」

もうここからは会話が成立しない。たぶん、婆本人もわかってない。わからない何かを探す。『何かを探していた』というもやもやとした感覚だけが彼女の中に残っているのだろう。

食事がすんで、流しに持ってくるたび、過剰なほど洗剤をかけて洗っていたのに流しにおきっぱなしにするようになった。
私が汚しっぱなしにしてしまったガスコンロも、いつもぴかぴかにしてくれていたのにそれも汚れたまま・・・

同居してから私がかわったこと。
マメにコンロのお掃除したり、ゴミを捨てたり、お皿を拭いてしまったりするようになった。・・・主婦の基本(?)。
ぐうたら主婦の私が、「ここでちゃんとやっっておかないと、婆にやられる~あとでわかんなくなる~」という気持ちでやり始めたのだが、理由はなんにせよ、私の実家の母が驚くくらい『きちんとしてきた』のだから、婆恐るべし。

婆にいわせると、こういうことがすべて『めんどくさい』らしい。
でもかわりにやると、『わたしにはやることがない』といじける。
爺と2人はつまんない。
私が出かける、というと「何時に帰ってくるの?」「遅くならないでね」とさびしそう。(でも私はちょっと嬉しい)

ゆっくりゆっくり機能が低下していく婆をどこまで守れるのかわからないけど、私も婆から学ぶことがたくさんあるから、ゆっくり成長していけるといいな。

ゲイジュツ的?

2006-04-14 18:06:31 | 言動
 今日、仕事から帰ってきたら、玄関においてある爺の歩行器の取っ手に、こんな花びらが飾ってあった。
前の家のこぶし似たいな赤い花。(なんていうんだっけ・・・思い出せない・・・)
もう、散り始めているので婆は表に出てはお掃除をしている。

少なくとも、30分に1回。

ゴミを捨てに行くと、気になる花びら。

お天気がどうかな?って見に行くと気になる花びら。

誰か通らないかな?って出てみても気になる花びら。

飽きもせずに(って言うのはおかしいけど)一生懸命掃除している。

きっとその中でもいちばんきれいな花びらだったんだろう。
そしてこれがまた、とってのアールによくフィットしてるんだ、また。
あんまり感心したんで、しばらくそのままにしておこう。
旦那が気がつくかな?
怒るかもな。(あきれる、か)

そして、婆はぼやく。

あ~あ、なんだってこんなに腰が痛いんだろう!!


そりゃそうだ。
ずうっと中腰で掃除してるんだもん。誰だってそうなるって・・・


いちばん怖いのは

2006-04-13 07:45:58 | 取り囲む人たち
デイでの洗濯物をパート帰りにデイに取りに行くようになった。
パートをはじめて、一番の問題だった洗濯物も一安心。(ちょっと面倒、特に雨の日は・・・。)
でも、「連絡ノート」ではなく、直接ヘルパーさんたちに会って話ができるのが、いい。彼女たちも、仕事が終わって一服していたり、「仕事の顔」じゃない顔の戻ってくつろいでいる。
そこで私がいちばん信頼しているのが、主任の加藤さん。彼女はまっすぐな目をしたちゃきちゃきの江戸っ子だ。
そんな彼女が、「婆の元気さにビックリする」という。何でも、デイのフロアをヘルパーさんがビックリするようなすばやさ(?)で走り回っているのだそう。
まあ、我が家でも旦那が自分のはいた靴下を婆の鼻先にくっつけていじめたりするので、『逃げ回る』のはお手の物なのだろうけど。

「運動不足なんで走らせといてくださ~い」
なんて、かる~く言って帰ってきたものの、考えた。
彼女たち、デイの職員にとって怖いのは『怪我をさせること』なのだろう。
特に婆のような認知症の年寄りにとって、入院は致命傷だ。
下手したらそのまま病院生活にもなりかねない。
たぶん加藤さんはそれが伝えたかったのかもしれない。

そのことを旦那と話し合った。
結果は『たとえ、デイで怪我をしても責めないよな、うん」
だって婆はじゃれっこしたいんだもの。
おとなしくしてなさい、って言われてツマンナイ思いするなら、楽しい思い出を少しでもいっぱいあげたい。ちゃんとは覚えていられないけど感覚はあるはずだから。
と、思えるのも私たちがデイを信用してるからだと思う。
何かあると、相談に乗ってくれる事務長さんや、婆を追いかけてくれたドライバーさん、加藤さんをはじめとするヘルパーの皆さん。みんな、大好きだ。
だから、これからもよろしくお願いします。
爺と婆に楽しい思いをさせてあげてください。
私たちにとっていちばん怖いのは、デイの皆さんに嫌われちゃうことのほうかもしれないなあ・・・。