~風に吹かれて~ by ポー(paw)

-人の中に 人の創り出した物の中に 動植物の中に 地球や宇宙の中に 魂の琴線にふれ 愛を感じながら 生き込みたい-

モリー先生との火曜日

2012-10-14 11:09:29 | ・映画・本・絵

モリー先生との火曜日  ミッチ アルボム (著)  別宮 貞徳 (翻訳)

単行本: 203ページ 出版社: 日本放送出版協会 (1998/09) 

内容(「BOOK」データベースより)
スポーツコラムニストとして活躍するミッチ・アルボムは、偶然テレビで大学時代の恩師の姿を
みかける。モリー先生は、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。16年ぶりの再会。
モリーは幸せそうだった。動かなくなった体で人とふれあうことを楽しんでいる。「憐れむより、
君が抱えている問題を話してくれないか」モリーは、ミッチに毎週火曜日をくれた。死の床で行
われる授業に教科書はない。テーマは「人生の意味」について。16年ぶりのふたりだけの授業。
ぼくは37歳、先生は死の床にいた。全米を感動させたノンフィクション。by amazon

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現在、定期的に投稿している「15のライフレッスンbyキューブラーロス」は、まさに死にゆく人々

から学んだ事がら(何を後悔しているのか?どのような心の 動きをしているのか?)を、生へと

さかのぼって、「では、どう生きればよいのか?」を検証しているのですが、この本は、まさに、

死の床にいる先生が、かつての教え子に「人生の意味」を生の声で訓える場面を描いている

本です。

ALSに侵されて、少しずつ・・一つ一つ・・・身体の機能が失われていく・・・そのような状況の中

でも、愛を訓えようとするモリー先生・・・。読み進めていくにつれ、どんどんと入り込んでいって、

同じ時間を共有しているような錯覚さえおこしてしまいます。

私の母もモリー先生と同じ病で、1995.7に検査入院先の病院で、家族のみ(父と私)に母の病

が筋萎縮性側策硬化症(ALS)と告知を受け、1997.9に他界しました。その2年ちょっとの期間

に刻々と進んだ病状の変化や、その症状への対応なども思い出されました。つらい病いです。

琴線に触れた箇所の一部を下記に抜粋しておきますね。「15のライフレッスンbyキューブラーロス」

と同じ訓えがたくさんありました。

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ミッチ:なぜみんな「もう一度若くなれたら・・・」なんていうのでしょう?

モリー:いまの人生に満足していないんだよ。満たされていない。人生の意義を見出していない。

だってね、人生に意義を認めていたら、逆戻りしたいとは思わないだろう。先へ進みたいと思う。

老化はただの衰弱じゃない。成長なんだ。やがて死ぬのはただのマイナスとは片付けられない。

やがて死ぬことを理解するのは、そしてそれによってよりよい人生を生きるのは、プラスでもある

わけだ。

 

ミッチ:若い健康な人がうらやましいくない?

モリー:うらやましいことはうらやましいさ。だけどね、うらやましいっていう気持ちがやってくる、じっ

くり味わう、そのあとはもうかまわない。今の病気の中で襲ってくる痛みや苦しみを味わいつくした

後に、それに対する感情や体験から自分を切り離せって言ったのを覚えているだろう? 思い切り

が肝心。「ああ、これがうらやみか。なるほど。ではこれでおさらばだ」と言って、さっさと立ち去るわけ。

 

モリー:他の人の悩みを聞くのが、私にとってなぜ大切だと思う?自分の痛み苦しみだけでもう

たくさんじゃないか?

もちろん、そう。だけど、人に与えることで自分が元気になれるんだよ。車や家じゃない。鏡にうつる

自分の顔じゃない。自分の時間を与え、悲しい思いをしていた人たちを微笑ませることができれば、

私としてはこれ以上ないほど健康になった感じがするんだよ。

こうしてあげたいと、心の底から出てくることをやるんだな。そうすれば、不満をおぼえることはない。

うらやむこともない、人のものを欲しがることもない。逆に、こうしてもらいたいと、心の中へもどって

くるものには押しつぶされてしまう。

 

モリー:その場に完全に存在しているってことが大事だと思う。つまり、誰かと一緒にいるときには、

その人とまさに一緒でなければいけない。今、君と話をしているこのときも、私はふたりの間で進行

していることだけに気持を集中しようとつとめているよ。先週しゃべったことなんか頭にない。今度の

金曜日に何があるかも頭にない。君に向かって話をし、君の事を考えているんだ。

 

モリー:人間は、お互いに愛し合えるかぎり、またその愛し合った気持ちを憶えているかぎり、死んで

もほんとうに行ってしまうことはない。つくり出した愛はすべてそのまま残っている。思い出はすべて

そのまま残っている。死んでも生きつづけるんだ-この世にいる間にふれた人、育てた人すべての

心の中に。

 

ミッチ:誰かが魔法の杖を振ってなおしてくれる人がいたら、またもとのような人間になろうと思いますか?

モリー:もとへ戻ることなんて絶対ない。今は違う自分になっている。心構えも違うし、体に対する意識も

違う。以前は体のことがよくわかっていなかった。大きな問題、究極の問題、いつまでも消えない問題に

取り組もうとしている点で違っている。それが大事なところでね。重要な問題はこれだと目をつけたら、

もうそこから目を離すことはできないんだ。

ミッチ:重要な問題ってなんですか?

モリー:愛とか、責任とか、精神性とか、意識とかに関係のあることだろうな。今、もし健康でも、やっぱり

こういうものが私の問題になると思う。いつもそうであるべきだったんだ。


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