幸福学専門30年 筬島正夫が語る本当の幸せ


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柳美里「快楽には死がつきもの」生死一如

2009-10-08 | 


芥川賞作家・柳美里(ゆう・みり)の『自殺』という本は、
すべてにうなずくことは出来ませんが、
するどい言葉が何箇所も出てきて驚かせれました。

前回に続いて、少しずつ紹介していきたいと思います。


 ひとが生殖と切り離されて性の快楽に狂奔しなければ、
 エイズはこれほどまでには蔓延しなかったでしょうね。
 (中略)
 性行為によるエイズ感染は、単に快楽には死がつきもの
 という事実を確認させたに過ぎないような気がします。
 生と死はぴったりと寄り添った友人同士だということを
 改めて知らしめたと思うんですね。
 快楽はやばいんだってこと。
 死を隠蔽(いんぺい)しようとする時代感情をエイズが
 逆撫で(さかなで)したことだけは確かでしょう。

              p123


「快楽には死がつきもの」

と表現されていますね。
普通、『快楽』とは“生の高揚”であり、『死』と真逆なイメージを持たれる
のではないでしょうか?

しかし、欲望は加速度をまし、墓場までつっこむ弾丸列車のようでもあり
ます。

「快楽はやばい」


これは、いい、という意味の、やばい、ではないですね。
“危険”ということでしょう。

『快楽至上主義』で隠蔽しようとしていた『死の現実』が、
エイズという病によって、露出されたのです。

「生と死はぴったりと寄り添った友人同士」

仏教には、【生死一如(しょうじいちにょ)】という言葉があります。

生と死は、コインの表と裏のようなもの。
また、台所と便所のような関係。
便所をきらい、便所を排除した、台所、レストランでは、明るい食事は
出来ません。
同じように、死の準備を全くせずして、真に人生を明るくさせることは
不可能なのです。


この文章を読んで、この仏の教えを思い起こしました。

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