直木賞作家【唯川恵】(ゆいかわ・けい)さんの
の作品【ロンリー・コンプレックス】。
(ロリータ・コンプレックスではないので。念の為。)
その「はじめに」の文章に強い感銘を受けましたので、
紹介させて頂きます。。
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もし今「不幸ですか?」と尋ねられたら、すぐに「いいえ」と
首を振ることができます。
でも「満ち足りてますか?」と尋ねられたら、きっと返事に詰
まってしまうでしょう。
【不幸じゃないけど、満ち足りてはいない。】
確かに、食べることに困るわけではないし、住むに困ることも
ない、そこそこのお給料をもらい、そこそこの欲求も満たされ
て、それなりの毎日を過ごしています。
それでもやっぱり【何かが足りない】のです。
それが何なのか、自分でもよくわかりません。
だからつい、他人と較べて自分を位置付けてしまう。
あの人には充実した恋がある、心を許し合う友達がいる、暖か
い家族がある、やりがいのある仕事がある、なのに私ときたら・・
そして、ひとりとり残されてゆくような気持ちになってしまう
のです。
時には、今を実感できなくて、他人の人生を生きているような
気にさえなってしまいます。
そんな心の奥底を探ってゆくと、これにぶつかりました。
【孤独】です。
文字にすると、ちょっと重くて、イメージ的には部屋の片隅で
膝を抱えている図を頭に浮かべてしまうかもしれません。
でも、今、私が感じているのは、それとは少し違っています。
【同じ孤独でも、みんなで集まってワイワイ騒いでいる中で、
ふっと異次元に足を滑らせてしまったような孤独です。】
そんな経験はありませんか。
【楽しいのに、みんながそばにいるのに、どうしようもなく孤独
に陥ってしまうことが。】
私にはあります。
そして、それは毎日の生活そのものにも言えることではないか
と思うのです。
それなりの快適な暮らしをしている中での孤独。
いいえ、【それなりの快適な暮らしだからこそ感じる孤独。】
それは放っておいたら消えてくれるというわけではなさそうで
す。
逆に、これからもっと付き合う時間は長くなってゆくでしょう。
(後略)
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ちょっとコメントさせT頂きますと、
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だからつい、他人と較べて自分を位置付けてしまう。
あの人には充実した恋がある、心を許し合う友達がいる、暖か
い家族がある、やりがいのある仕事がある、なのに私ときたら・・
そして、ひとりとり残されてゆくような気持ちになってしまう
のです。
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とありますが、
「何かが足りない」けれども、それが何か分からない。
これは非常に大きな問題ですよね
そして、つい他人と較べてしまう。
私が淋しいのは、あの人より恵まれていないから。
私が悲しいのは、あの人たちより不幸だから。
自分は自分なのに、つい他人と較べてしまう。
自分自身に自信が持てず、他人と較べて私はどうかなと思ってしまう。
とにかく考えさせられる文章でした!
感想があれば聞かせて下さい!!