アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

プロ野球の応援 知らない自分が目覚める

2019年05月03日 | Weblog
 この度の御退位、御即位に係わる10連休、当たり前の顔で楽しませていただいております。毎日、お出かけ。
 で、プロ野球を観に行きました。「プロ野球は、テレビで観るほうがいい」と、思っております。しかし、「球場に行ったこともないのに、よく言うわ」という陰口をたたかれないためには、たまには球場へ足を運ぶ必要があります。
 なぬ?そんなことを気にするのなら、「テレビで観るほうがいいなどと、言わなきゃいいのに」って?は~い、今後気をつけま~す。ここまでが、前置き。「前置き、いつもより短っ!」たまには短いこともありま~す。

 ゲームは、「日本ハムvsソフトバンク」。ここで、バトルが繰り広げられたのですがね。誰が戦ったのかって?10連休になり、頻繁にアンティークマンブログに登場している「カミサン(日本ハムファン)」と、ソフトバンクファンの女性の戦い。この女性、「俳優の遠藤憲一さん(エンケン)」に、よく似ておられる。
 その女性と、彼女の夫と見られる男性の2人以外は、日本ハムファンが占める座席。例えるなら、「大雪原に降り立った2羽のカラス」のような状態。女性とカミサンさんが隣同士。これが間違いだったのですがね。

 女性(早い話がエンケン)は、ソフトバンクの選手が好プレーをすると、拍手喝采、大声で、「いいぞいいぞぉー!」。周囲の日本ハムファンが、がっかりしているところへ冷水を浴びせかける。四面楚歌のロケーションで、よくもまあこれだけ「楚」の感情を逆撫でできるものだと感心!
 その都度、カミサンが、私に耳打ちしました。
 「腹立つぅーっ…」
 「嫌みな女だーっ…」

 私は、真面目になだめました。
 「自分たちの楽しみで野球見物に来ているのだから、隣の女性の言動を気にして嫌な思いをしたのでは、来ない方が良かったことになるよ。気にしないのっ!」

 試合が、3回あたりまで進んだところで・・・
 エンケン:イイヨー、ナイスコントロール!
 カミサン:ピッチャー疲れてきてるよ。打てる、打てる!
 エンケン:打てない、打てるわけない!ストレートで勝負。
 (このとき、適時打)
 カミサン:(勝ち誇って)よぉーし!よくやったぁー!
 エンケン:まぐれ、まぐれ!

 な、なんと、口喧嘩状態に!どちらが先に暴力に出るか?カミサンを戒めました。するとカミサンが、耳打ちしてきました。
 「私に口喧嘩する力があったって事に驚きだわ!私が、対抗心とか抗争心を持っていたんだぁ!」と、むしろ喜々としている。口喧嘩状態の「自分に対して興奮する」くらいだから、先に手を出すことはないだろうとふみました。警戒しなければならないのは、エンケンの左からの「裏拳」が、カミサンの顔面に炸裂する事態。鼻骨骨折は必至。

 9回の表、あと1つアウトを取れば日本ハムの勝利。内野にゴロが飛んだ。内野手の送球が逸れたが、1塁手の中田翔が掬い上げてゲームセット。ところが、「中田の足がベースから離れたのではないかと、ホークスの工藤監督からリクエスト」。 敗色濃厚で元気をなくしていたエンケンが、ここで息を吹き返したぁ!
 エンケン:足、離れた!セーフだ!
 カミサン:アウト、アウト!足、ついてたよ。
 エンケン:セーフ、セーフだ!
 カミサン:アウト、アウトだ!
 ドーム球場内の大型スクリーンに、リクエストのシーンの映像が映し出されているんだから黙って観ておればいいのに。目を合わせずに、「アウト」「セーフ」の言い合い。乱闘必至。
 そもそもカミサンは自分でも言っているように、「人と言い合いをする」なんて事が出来ない性格でした。大声で叫ぶ事も、この日が人生で初めて。それが、大声どころか、品の欠片もない口喧嘩…!さらにつかみ合いの喧嘩にまで進むか!
 乱闘が起ころうとしています。
 エンケン:(裏拳をカミサンの顔面に見舞った。顔面を押さえてうずくまるカミサンに)どしたの?私は何もしていませんよ。
 カミサン:おのれぇ、エンケン!(左半身でつかみかかる。エンケンは右組み。文字通り、喧嘩四つ!)
 エンケン:なんだクソババア!
 カミサン:ク、クソババアだとぉ!オマエは、大クソババアだあ!
 こうなると、大変な騒ぎ。幸か不幸か、乱闘は起こりませんでしたがね。

 リクエストの結果は…主審がホーム付近へ出てきて、1塁を指さし、「アウト」。エンケンさん、捨て台詞もなく、夫を促してそそくさと帰っていきました。その時のカミサンの顔、「勝ったぞー!」と、満ち足りた表情でした。彼女の人生で、一番の笑顔だったかも知れません。
 プロ野球見物に限らず、非日常の体験には、「自分でも気づいていなかった能力を掘り起こしてくれる力がある」ということが解りました。10連休自体が、非日常…日本中で、「知らない自分が目覚めた人」たくさんおられるんだろうなあ。