アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「いもジィ」あらため「アントシニア」で

2009年04月01日 | Weblog
  チチカカ湖でも穫れる「いも」

 「いも!」と言われたら、いい気持ちはしないと思います。
 「いも男」「いもねえちゃん」・・・「見てくれが田舎くさい」「野暮ったい」「友達になりたくない」…そんな蔑まれたイメージです。
 いもは、栽培場所を選ばないので、安定供給が可能。標高3,810mのチチカカ湖(ペルー南部とボリビア西部にまたがる)周辺でも、ジャガイモが栽培されています。

 「平野部はもちろん、富士山より高いところでも得られる食料」であるため、「いも」はその果たしている役目の大きさとは関係なく、地位が低い。それが、蔑み傾向の理由でしょう。

 「いも侍 蟹右衛門」などという映画もありました。古いですねえ!40年前。出演は、長門勇、宗方勝巳、倍賞千恵子…知っている人?かなり少ないでしょう。知っていても自慢できない…無駄な知識…
 福岡では、「いも九」。九州大学の学生があか抜けないということで、「いも九」と呼ばれていた時代があった。今は、いもの餡をパイ生地で包んだお菓子の名前となっている。「いも九」の売り上げの1%は、九大生へ還元されるという。このあたりは、いもくさくないですね。洗練されています。
 静岡の焼酎に「いもおとこ」というのがあります。昨年、汚染米事件に巻きこまれ有名になった熊本の日本酒「美少年」の対極をなすネーミングです。美少年酒造が、裏金作りをしていたのだそうで、お騒がせ酒造ですね。
 「いも九」も「いもおとこ」も、「いも」が持つ、「田舎くさいイメージ」を逆手に取ったネーミングです。「謹厳・実直・信頼できるんだぞー」という点が強調されています。

 茨城県東海村のJR東海駅東口に置かれた石像、「いもジィ」が壊されてしまった。設置して、わずか10日で。「台座から両足ごと折られ、胴体とともに、折られた腕や杖が地面に散乱していた」

 「いもジィの石像」は、高齢者福祉や介護予防のシンボルとして作られなもの。東海村名産のサツマイモに顔と手足をつけ、杖を持たせた、高さ約62cm程のもの。どうして杖を持たせたか?「転ばぬ先の杖」なのだそうです。材質が御影石なのに、こっぴどく破壊されたところから、凶器は木製のものではなく、金属(バット等)と思われます。

 車に金属バットを積んでいる不良どもが、東海駅にたむろしているうちに面白半分で破壊したという線が濃厚でしょうか。
 もう一つ考えられるのは、「怨恨の線」でしょう。「高齢者福祉や介護予防のシンボル」の名前が、「いもジィ」ですよ。男子高齢者にとっては、「ふざけんな!ワシらはいもじゃないぞ!」と、なり、女子高齢者は、「『いもジィ』とは何事。『いもババア』も作らんかい!男女差別だ」となる。高齢者にとって、実に不愉快なネーミング。

 東海村では修復するそうですが、リニューアルされた石像は、名前を変えていただきたい。私としては、「アントシニア」がいいと考えています。
 サツマイモには、フラボノイドの一種で抗酸化物質として知られる、「アントシアニン」が含まれています。日本ではアントシアニンを薬効成分とした医薬品は認可されていませんが、健康食品の花形です。欧米では、すでに医薬品ですよ。「高齢者福祉や介護予防」ですから、アントシアニンを強調する。しかし、そのまんまでは何とも…そこで、「シアニン」を、高齢者なので「シニア」に変えて、「アントシニア」…採用してほしいなあ!