個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

子どもたちが教えてくれたこと

2017-11-11 10:59:42 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

5日の日曜日に、卒業生と晩御飯を食べに行きました。会うのは5、6年ぶりでしたので話すこともたくさんあり、お互いの近況や塾に来ていたころの話など楽しく過ごしました。

この子は、とても優秀な生徒で、教えることはどんどん吸収していき、どこまで伸びていくのか私も想像できないほど能力があり、すごく楽しみにしていました。しかし、中2の頃から学校の授業を休みがちになり、塾の欠席も目立ってきました。当時の私は、これほど勉強の才能があるのに、なぜ勉強しないのか不思議で仕方がなく、気持ちを理解してあげることができませんでした。結局塾をいったん辞めることになったのですが、受験前に高校に進学したいということで直前に塾に復帰し、無事に高校に合格することができたのです。1年以上勉強のブランクがあるのに、こうしてあっさりと合格できるのはさすがでしたし、改めてすごいなと感じたのを覚えています。

しかし、高校に進学して半年ほどで、高校を辞めたという連絡がありました。これからどうするのか、本人もよくわかっていなかったと思いますし、私もじっくりと話を聞いてあげることができませんでした。気にはなりつつ1年ほど経過したときにまた連絡があり、高卒認定試験を受けたいから勉強を教えてほしいというものでした。「勉強する気になってよかった。能力はあるし、頑張れば大学にだっていけるはず」と勉強を開始したのですが、すぐに以前と同じように塾の欠席が増えてきました。それでも試験が近づいてくると、休まずに頑張って来てくれるようになり、認定試験は全教科一発で合格することができました。塾に来ていた期間は半年ほどでしたが、実際に勉強したのは1ヵ月かそれ以下かもしれません。

認定試験に合格した後、いろいろ悩んだ結果大学には進学せずに、専門学校に行きました。そして現在、自分のやりたいことを見つけ、もうすぐ働き始めようとしています。

この子は、中学生の段階で大きなレールからはずれてしまいました。めちゃめちゃ高い勉強の能力は持っていましたが、高校も中退しています。この能力があれば、いわゆる一流大学の合格もできていたと思います。しかし、その道を選ぶことはありませんでした。他の子らが高校生活を楽しんでいる一方で、高校をやめ、アルバイトをしながらいろいろ悩んだことでしょう。自暴自棄になっていた時期もあったかもしれません。ですが、現在はしっかりと自分の将来のことだけでなく、広い視野を持って物事を考えています。おそらく、高校進学という一般的な道を通らずに、あまり人が通っていない道を歩いて、多くの経験をしてきたからでしょう。どちらの道を通るのが正しいとか、どちらが上だとかの問題ではなく、必ずしも大きい道を通らなくてもいいんだということを言いたいのです。

この子は、学校に行かなくなったからといって、「ひきこもり」の状態にはなっていませんでした。ちょっとヤンチャな時期も正直ありました(笑)。当時の気持ちや考えをゆっくり聞いてあげることができなかったので、ご飯食べながらそのことについて質問してみました。「うーん、よくわからない。学校にも家庭にも、いろんなところに不満があったんだと思う。今考えると思い出せないくらいしょうもないことだったんだろうけど、当時はイライラすることも多かった。でも、それを口に出してだれかに言うこともできなかった」また、嬉しいことに「でも松下先生だけは「なんでそんなことで悩んでんの?」みたいなことはなく、真剣に聞いてくれた」と言ってくれました。

私は塾を始めて初期の頃は「勉強できることがすべて」という考えを持って生徒に接していたと思います。ですから、ある生徒が「高校にはスポーツの推薦で行くことにする」と言ってきたことがありました。この生徒も勉強がとてもよくできていたので、私は「このまま勉強して偏差値の高い高校に行き、そこでそのスポーツしたらいいやん?それに偏差値の高い高校に行った方が、いい大学に行ける可能性も高いし、そうすれば就職するときも選択の幅が広がるはずやから、絶対そうした方がいいよ。」と伝えたのですが、本人もその保護者の方も「将来は、このスポーツのインストラクターになりたいと思ってる。だから勉強して偏差値の高い高校や大学に行くことよりも、その仕事に就くためにはこっちの高校に行った方がいいと思う」という判断でした。当時の私は理解できませんでした。私の言っていることは正論のように聞こえるかもしれませんが、その道を歩きたい人たちばかりではないんですよね。

働くことに関しても、安定を求める人・収入を求める人・やりがいを求める人などそれぞれですよね。「いくら給料が高くても、やりたくない仕事をしたくない」という人もいますね。「いくら苦労しても、人生1回きりやし、絶対にこの仕事をしていきたい」という人もいます。それなのに、私の「いい大学出た方が選択肢が増えるし、人生有利になるよ」などという薄っぺらい考えを子どもたちに押し付けてはいけないことに気づきました。

もちろん、バリバリの進学校に合格したいという生徒を否定することなどいっさいなく、全力で応援し、指導し、合格の手伝いをしてきましたし、これからもそうするつもりです。ただそれ以外の生き方や考え方も尊重していきたいと思っています。これまでにも、料理人になりたい、お笑い芸人になりたい、外国で働きたいといって高校を中退したり、高校卒業後に大学や専門学校に行かなかった生徒はいます。相談に乗って、その道に進むリスクなどの説明はしましたが、基本的には応援する立場で話しています。実際にその道で成功している子もいますし、実現できなくてまた別の道に進んだ子もいますが、全員がその道に進んでみてよかったと言っています。進んだからこそわかったことがたくさんあるし、「進んでいたらどうなっていたのかな」なんて思うことがなく、自分の判断で道を選んでよかったと言っています。

私のカチカチに固まった頭の中が、やわらかーくなったのは、こういった子どもたちのおかげなんです。塾では確かに私が勉強を教えていますし、勉強以外でも私の考えや人生の経験を話すこともよくありますので、何かの参考にしてくれたり、何かヒントになってくれば嬉しく思います。ですが逆に、塾生や卒業生から私が学ぶこともたくさんあります。

また、みんなで集まっていっぱい話しようぜー。

ONE-SのHP

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