シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

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Vol.0327■またな

2007-09-25 | 最後のメッセージ
いつも(つづく)だったのにな。
長い間ありがとニャン。
いっぱいウレシいことがあった。忘れないよ。
==============================
 
「カンガルー抱っこ」でアイツのお腹にぴったりくっついたおいらは、眠れそうだった。
もう何日もまともに寝てなかったから、ウレシかった。
「やっと眠れる。」
それが夜の10時過ぎだったんじゃないかな。

眠ってるのか起きてるのかはっきりしないうちに、今まで見たこともないほどたくさんの白い光に包まれた。あったかい。アイツのお腹もあったかいけど、それよりもっともっとあったかいなにか。
レイキだ。
スゴいぞ、こんなにいっぱいなのは初めてだ。ちょうどその頃、あきこさんと最後の交信をしてたんだと思う。おいらはホントに深く深く潜るように眠った。

途中でちょっと目が覚めそうになった。
アイツのお腹から出て写真を撮られてたらしい。デッカい手。連れ合いに抱っこされてるんだな。
でもおいらは白い光に包まれたままで、はっきりとは起きなかった。
「キレイよね。ほんとうに真っ白で輝くような毛。黄疸が消えてるわ。あんなに黄ばんでたのに。」
「脱水症状もないなぁ。毛がフサフサしてるよな。」

アイツらの声が遠くなったり近くなったり。

また、カンガルー抱っこに戻された。ずっとアイツの手が上向きに寝たおいらの背中を持ってた。
アイツが息を吸ったり吐いたりするたびに、アイツの手とお腹が揺れる。
生きてるってあったかいな。
おいらも息を吸って吐いてる。ほんのちょっとだけど、アイツの手だって揺れてた。

「終わった!終わったわ、終わったぁぁぁ!!!」
アイツの声がした。仕事が終わったんだ。よかったな。アイツがホッとしてるのが、おいらとくっついてるところから伝わってきた。もう18日になってた。
「よかった、ピッピ。あとはずーっとずーっと抱っこしててあげるからね。」
そう言うとアイツはひとつの手でおいらの背中を持ったまま、もうひとつの手をお腹に置いた。

ふたつの手の間でおいらは小さく息をしてた。光に包まれながら、たくさん夢を見た。
寝てても明るいんだ。それでも夢が見える。アイツらの声も聞こえる。アイツの手も感じる。掌があったかい。
なんていい気持ちなんだ。

そのうち、息を吐くより吸うほうが少なくなってきた。
お腹も背中もそれに合わせてだんだん揺れなくなってきた。

何回かそれが続いて、おいらは停まった。








「ピッピ?」
アイツはすぐに気が付いた。
「ピッピ?」
今度はもうちょっと大きい声でおいらを呼んだ。何千回、何万回って聞いた声だ。

息が入ってこなくなったからだは、カクッカクッカクッと3回揺れた。
「ピッピ?」
「ピッピ?」
アイツと連れ合いがおいらをのぞき込んでる。デカい顔がふたつ並んでる。何千回、何万回、いいや数え切れないくらい見てきた顔だ。

「ピッピ?」
「ピッピ?」
おいらは目を見開いた。今見えるすべてを覚えていたかった。忘れないよ。
そして、もうなんにも吸えないし、鳴けないけど口を開いた。

「ピッピ?」
「ピッピ?」
「見てるよ、オレたちのこと、見てるよ。ピッピ、ピッピ!パパとママが見えるか?」
「なんて可愛いの。まるで笑ってるみたい。ピッピ、ピッピィィィィィ!!!」

こうやっておいらは自分のからだを出たんだ。
あったかく、眠ったまま、抱っこされて、アイツらに見守られながら、ぜんぜん四つ足らしくなく、
からだを出た。最後の最後まで、痛くも苦しくもなかった。

残ったのはあたたかさと、あふれてくるようなウレシい気持ち。
そして、「ありがとう」だ。

「みんなありがとう。みんなが近くにいてくれてうれしい。」
これがおいらの最後の言葉さ。あきこさんが、みんなに伝えてくれてよかったよ。



これで、おいらの物語は終わりだ。
長い間、ありがとニャン。四つ足の言うことをホントに読んでくれる二本足がいるってのはウレシかった。
じゃ、おいら、行くよ。

またな。
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Vol.0326■カンガルー抱っこ

2007-09-25 | 最後のメッセージ
アニキ、おいら、もうそろそろ行かなきゃいけない。
アニキ、またくっついて一緒に寝たかったよ。
今度目が覚めても、おいらは1匹だ。
==============================

9月17日、最後の夜。
おいらはとうとう「カミサマの水」にも口を開かなかった。もう飲めない。
飲んだもんがおいらのからだを出てくことは、もうない。
おいらがわかってたように、アイツもわかってた。もうわからない振りはしなかった。

「カミサマの水」が入ったままのスポイトを机に置くと、アイツは泣き出した。
あのスポイトで流動食を始めたとき、それはいつかおいらが自分で喰い始めるためだった。でも、そうはならなかった。こんな風にスポイトを置く日がくるなんて。
アイツは辛かった。なにかおいらにしたかった。
でも、もうそんなにすることはなかったんだ。

アイツは暗いところに置いたバナナの箱の「ハウス」においらを寝かせた。
四つ足の最期らしく1匹にしてあげようと思ったんだ。
だけど、おいら、それはとっくにあきらめてた。こんなに長く二本足といて、四つ足らしく誰にも気づかれずに逝くのはもうムリだった。

「それだったら・・・・」
と、箱の中で横になりながら、アイツの背中を見てた。アイツは、
「こんなときにまで仕事してるなんて・・・」
と泣きながら、パソコンの前でカタカタやってた。
「ピッピ、待ってて。ママ、すぐに仕事を片付けちゃうから。もうちょっとだから。そうしたら、ずっとずっと一緒にいるから。」
って言いながら・・・。

だけど、ハッとして振り向いた。
おいらが見てるのに気が付いたんだ。そして、おいらの考えてることにも。それはアイツも考えてたことだった。
わかったわ。ガンガルー抱っこにしましょう。カタカタうるさいけどすぐに終わるからがまんして。」

「カンガルー抱っこ」―――
アイツがおいらを服の中に抱っこしながら、仕事をすることなんだ。

(この最後の写真はカンガルー抱っこから出して撮ったんだ。この後またアイツのお腹に戻った。この服はおいらのからだを包んだまま土に埋まってるよ)

前にも何回かやったことがある。まだ、元気だったころにね。
「やぁね~、赤ちゃんみたいじゃない。」
って笑われながら。スゴくあったかかったけど、そんなに長くはしなかったかな。なんか、おいらもアイツも照れくさい感じがしたんだ。

アイツは自分の服においらをくるみ、その服の袖を結んで首からかけた。その上からデカいフリースを着てチャックを半分閉めた。これなら両手でパソコンをやっててもおいらは落っこちない。お互い顔も見える。おいらは、ぴったりアイツのお腹にくっついた。
「ホントに、赤ちゃんみたいね、大きさといい重さといい、妊娠したみたいだわ。」
アイツは泣きながらニッコリして、またカタカタやり出した。
(たぶん、つづく)

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Vol.0325■ウレシかったよ 

2007-09-25 | 最後のメッセージ
1週間前においらが死んだ1時44分。
アイツと連れ合いとアニキは、おいらのからだが埋まってるところをデッキから見下ろしてた。
それを上からおいらが見下ろしてたんだ。
==============================

「ピッピ、楽しかった?このおうちに来て楽しかった?ママは楽しかったよ。いつも忙しくて、ダメダメママだったけど、ピッピとチャッチャがうちに来てくれて、ほんとうにうれしかった。もっといっぱい遊んであげられなくてゴメンね。いつもゴメンね、って言っててゴメンね。もっと時間がほしい。もっともっとピッピを大切にできるように。ママにもう一度時間をちょうだい。」

これもあの大騒ぎの日に、アイツがワーワー泣きながら言ってたことだ。
時間はあったさ。あれからおいらは3日も生きたんだから。

よく聞かれたな、
「楽しかった?」
って。おいらがちゃんと答えないから、何度も何度も聞かれた。

でも、おいら、楽しかったかどうか、よくわかんないんだ。
「楽しい」って、どういうことだ?
よくアイツらはどっか行って帰ってきたり、遊びに来てた友だちの二本足が帰ったあとに、
「楽しかったね。」
って言ってたけど、おいらは出かけないし、友だちもいないから、なにが「楽しい」のか、よくわかんない。

だけど、おいらはウレシかった。
ずっと、ずっと、ウレシかった。


「楽しい」っていうのは、きっと1人でも1匹でも楽しいんだろうけど、
「ウレシい」は違う。なにかいいことが向こうから来るんだ。
自分1匹じゃ、ウレシくなれない。

アイツらのデッカい顔がヌォ~っと近づいてきて、「ピッピ」って呼ばれると、
ウレシい

目が覚めたときにアニキとくっついて寝てると、
ウレシい

玄関のカギがガチャガチャいってアイツらが帰ってくると、
ウレシい

学校から帰って来た子どもがベッドにいるおいらを見つけても放っておいてくれるのが、
ウレシい

みんなでテレビでラグビーを観るときに、一緒に抱っこで観るのが、
ウレシい

アニキをナメナメしたあとに、「ありがと」でおでこをペロってしてもらうのが、
ウレシい

天気がいいのも、
散歩に出られるのも、
雨が降ってきても雨宿りの場所があるのも、
ネコ缶の代わりにシマアジが出るのも、
でも、やっぱりいつものネコ缶があるのも、
「真っ白でほんとうにキレイね」って言われるのも、
みんな、みんなウレシかった。「楽しい」じゃ、ないんだ。

からだを出てくまでの最後が大好きな抱っこだったことも、
ウレシかった。

(デカくなったよな。おいらが抱っこできるようになったなんて。元気でいろニャン)

そして、やっぱりみんなに会えたっことが一番ウレシかったな。
アニキと2匹じゃ、こうはならなかったさ。
(たぶん、つづく)

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Vol.0324■虹の橋

2007-09-25 | 最後のメッセージ
おいらが死んで1週間経った。
長くて短かったな。
ここにいられる最後の時間になってきたよ。
==============================

「ピッピ、ニジノハシっていうところがあるから、必ずそこで待ってて。ピッピは賢いから、きっと見つけられるわ。いつかチャッチャもママもパパも、みんなそこに行くから、それまで待ってて。ママ、絶対の絶対にピッピを見つけるから、ピッピもママのこと見つけてね。また、みんなで逢おう。みんなで家族になろう。今度はずーっとずっと一緒で、もう離れないよ。必ず待ってて!」

あの大騒ぎの日、アイツはワーワー泣きながらそう言った。
ニジノハシの話は前にもアイツがしてたことがある。死んだ四つ足と死んだ二本足が逢うとこなんだ。そこで一緒になって、テンゴクってとこに行くらしい。

そこには四つ足がいっぱいいて、みんな二本足が来るのを待ってる。
病気だった四つ足もケガをしてた四つ足もみんな元気になって、仲良く遊んでるんだってさ・・・
いかにも二本足が考えそうなことだよな。四つ足がみんなと仲良くだって?それじゃ、四つ足じゃないって。

でもね、アニキに逢えるってのはいいな。まっ、ひつこいアイツらのことだから絶対おいらを見つけるだろうけどね。アイツらがあきらめるわけないだろ。
「ピッピィィィィィ!!!!」
って、みんなが振り向くくらいデカい声を出しながら走ってきそうだな。
それもワルくないぜ。また、ふたりと2匹に戻るんだ。初めて会ったシンガポールのときみたいに。

待つのは慣れてる。
二本足の1日はおいらたちの4日だからね。

まだ小さかったころは、アイツらが起きてくるとホントにウレシかった。
朝だ、朝だ、朝だ。おはよ。おはよ。おはよ。

でもアイツらは、
「わーん、時間がな~い。わー、ネコたち邪魔邪魔・・・」
とか言いながら、バタバタバタバタ着替えたり、顔になんか塗ったくったり。すぐに、
バ―――ン
ってドアが閉まって、
ガチャガチャガチャ
ってカギの音がして、あとは、
シ―――ン
行っちまったんだ。

やれやれ。おいらとアニキはそれから待つんだ、2日間。

寝て起きて水飲んで、また寝る。起きて飯喰ってちょっと追っかけこして、また寝る。
そんなことを何回もしてると、
ガチャガチャガチャ
ってカギの音がする。
バ―――ン
ってドアが開いて、アイツらだ!
夜だ、夜だ、夜だ。おかえり。おかえり。おかえり。

でもアイツらは、
「わー、もうクッタクタ。お腹いっぱいだし、ネコたちおやすみ~♪」
とか言いながら、部屋に入っちまう。あの頃のおいらたちは夜のほうが元気で一緒に寝かせてもらえなかったから、
バ―――ン
ってアイツらの部屋のドアが閉まると朝まで開かなかった。

やれやれ。おいらとアニキはそれから待つんだ、2日間。

だからね、待つのは慣れてる。大丈夫だ。
先に行って様子を見とくよ。

(←ニジってコレだろ?見つかるさ、きっと。)
(たぶん、つづく)

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Vol.0323■アニキ、アニキ、アニキ 

2007-09-24 | 最後のメッセージ
「先週の今頃はまだピッピが生きてたのに。」
アイツと連れ合いがそう言いながら、2人でアニキをナデナデしてる。
いっぱい、いっぱいナデナデしてあげてくれ。おいらの分まで。
==============================

おいらはなにが好きって、アニキが好き。大好きだ。
生まれてからずーっと一緒にいたから、くっついて毛づくろいなんか始めると、自分のしっぽなのかアニキのなのか、わかんなくなるくらい。それぐらい、おいらたちは一緒だった。

それが今じゃ別々だ。
おいらからはアニキがよく見えるし、頭のテレビもわかるんだけど、アニキはよくわかんないみたいだ。きっとおいらが薄くなってるんだろうな。アニキはおいらのからだが埋まってるとこをよく見てる。雨が降ったからにおいはないだろうけど、おいらのからだが埋まってるのを覚えてるんだろうな。

おいらたちの15年は二本足の70年。
長い長い、ホントに長い時間、ア二キと一緒だった。アイツらが会社に行っても、寝ちまっても、旅行に行っても、おいらたちは一緒だった。たまにケンカもしたけど、すぐにくっついて毛づくろいをしたり寝ちゃったり。

くっついて寝るとあんまりにもあったかくて、起きるとくっついてたとこが汗でびっしょり。
慌てて2匹でナメナメナメナメ。やっときれいになったと思ったら、今度は疲れてまたぐっすり。
起きるとまた汗びっしょり・・・暑いシンガポールや香港じゃ、そんなことがよくあった。

前のガンのとき、アニキのことを思い出さなかったら、おいらは生きてなかったと思う。
「あれ、アニキがいない。」
って気が付いたから、おいらはまたここに戻って来れた。戻らなかったらガンも治んなかったし、ニュージーランドにも来れなかった。思い出して、生き残ってよかったよ。アニキともっと一緒にいられたからね。あのときの話はずっと前にしてるから、コッチから読んでくれよな。

アニキは糖尿病でずっとインシュリンを打ってる。ひどいテイケットウで何度も危ないことがあった。
でも生き残った。スゲーよな。おいらよりほんのちょっと早く生まれただけなのに、堂々としてて、優しくて、いつもいつもおいらを守ってくれた。ホントにいつもだ。

おいらが毛づくろいができなくなってからは、毎日毎日、自分のからだみたいに舐めてくれた。
おいらはペロっと「ありがと」のお返しもできなかったけど、ホントにウレシかった。
そのアニキとくっつくからだが、もうない。舐めてもらうこともできない。

これは寂しい。寂しいだなんて、死んで初めて知ったよ。

アニキ、アニキ、アニキ・・・
もっと一緒にいたいよ、おいら。
(たぶん、つづく)

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Vol.0322■天寿

2007-09-24 | 最後のメッセージ
おいらは死ぬ5日前から「カミサマの水」ってのを飲んでた。
「カミサマ」んとこに置いてあった水さ。ほんのちょっとしかなかったから最初は足りなかった。
「ドーンと1リットルくらい置かしてもらったらどうだ?」
って連れ合いが言ってたけど、最後はそのほんのちょっとも飲めなくなってたな。
==============================

朝になると、アイツは「カミサマ」ってもんの前で手を合わせてムニャムニャムニャ。
頭のテレビにはいろんなもんが映る。「カミサマ」は紙みたいなもんで、水と白い喰いもんをあげる。
紙がそんなもん喰ったり飲んだりするのか?

一度、アニキが「カミサマ」が並んでるところに飛び乗って、アイツらは、
「チャッチャが神様になった!」
って大騒ぎの大笑い。アニキは立ってる紙を蹴倒して戻ってきた。

(カミサマになったアニキ。アニキの前にあるのがおいらが飲んでた「カミサマの水」→)

でも、アイツの頭のテレビに映るムニャムニャムニャは見てると面白い。
「へー。そんなこと考えてんのか。」
っていうのもあるし、おいらが知らない四つ足や場所が出てくることもよくある。
ガンがわかってからは、おいらもいっぱい出てきた。あと、アニキも。
ときどき忘れんのか、出てこない日もあったな。

ガンがひどくなってから必ず出てきたのが、
「ピッピがガンで死にませんように。草木のようにテンジュをマットウして、いつか枯れるように消えるように、静かに苦しまずに逝きますように。」
ってのがあった。
テンジュ?マットウ?

「顔より広がってるガンができてるってのに、“ガンで死にませんように”か。ふーん。」
でも、それもいいかもな。
静かに、苦しまずに、草や花みたいにか・・・。
それがテンジュで、マットウなのか?
痛いのと苦しいのはヤだった。1回目のガンみたいなことがまた起きるんだったら、ホントに死んだほうがよかった。2回目だし、トシもとったし、同じことは「もうできない」ってわかってた。

8月の終わりにアイツらの友だちがイヌを連れて遊びに来たことがあった。
そのイヌもガンだった。デッカいガンがずっとあったんだけど、取ったんだと。
「これから、どうなるかはわからないけど、今のところ手術は成功ね。でも、このコはガンでは死なないと思うの。なんでかわからないけど、そんな気がするの。」
ふたりの二本足はイヌをナデながら話してた。

おいらは顔がガンでパンパンになってたけど、庭を散歩できたし、イヌを見てもコワいとは思わなかったのでけっこう近くにいた。
「私もそう思ってるの。どうしてかわかんないけど、ピッピはガンでは死なないって信じてるわ。」
アイツがそう言うのが聞こえた。
そうか、そうなのか。ガンじゃなくて、テンジュで死ぬのか?

9月になると、おいらのガンは毎日少しずつ消えてった。そして、命も。
ホントに静かに苦しまずに。アイツがムニャムニャ言ってたとおりにね。
それでよかったんだよ。

(←「9月だ、9月だ♪」ってアイツが掃除してたよな)
(たぶん、つづく)

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Vol.0321■ガンはどこへ

2007-09-24 | 最後のメッセージ
いろいろメール、ありがとニャン。
アイツが読むから、おいらもわかる。
四つ足と一緒に暮らしてるんだったら、いっぱいナデナデしてあげなよ。
あれは一番いいもんだぜ。
==============================

おいらのガン、死ぬ前には全部消えてたんだ。

一時は顔より首の方が横に広がって、うまく曲がんないくらいだったのに、それが消えたんだ。全部消えたら首が細くなって、今度は頭が上がんなくなった。
頭ってこんなに重かったか? 今までガンが持ち上げてくれてたのか?
スフィンクス座りでちょっと上げるのが精いっぱい。最後の2日はぜんぜん上がんなかった。

ガンが消えたらおいらの顔はホントのホントに小さくなって、
「子ネコみたい・・・」
ってアイツらが言うほどだった。真ん丸だった顔はすっかり三角になった。不思議だよな。
(←8月の真ん中ごろ。ガンがパンパンにデカくなって喰えなくなった頃。8月の終わりまでガンはどんどんデカくなってった)

なんで消えたのか?四つ足に「なんで」はないけど、いちおう考えてみた。最後だからね。

みんなのレイキと「がんばれ」が効いた。
これは、かなり助かったよ。ホントに。気持ちよくていっぱい寝られた。ありがとニャン。

トランスファーファクターが効いた。
これもあるだろうな。二本足が飲むもんをおいらが飲んでたから、1個のカプセルでも10個分なんだと。だからおいらは二本足で言えば、1日100個分ぐらい飲んでたんだと。

おいらが弱りすぎてガンが生きていけなくなった。
こういうことがあるのかどうか知らないけど、ありそうじゃないか?

あとは、アイツが言い続けてた、
「な~んにも心配しなくていいのよ。心配なんか捨てちゃいなさい。」
っていうアレかな?なにを心配してたかわかんないけど、
「もう生きなくてもいい。」
って思ってからは気持ちは楽になったかな? からだは大変だったけど。
スーっと、いろんなものがからだから抜けてったよ。ガンも一緒に抜けてったんじゃないか。

だから9月に入ってから死ぬまでの間、ガンはできたときとよりもっともっと速く消えてった。
朝あったもんが夜にはなくなって、アイツも探せなくなってたからな。

ただ、スーっと抜けてったもんの中に、
おいらの命
も入ってたんだ。おいらの命は毎日毎日少しずつ消えてったのさ、そう、ガンと一緒に。
(つづく)

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Vol.0320■ガンとタビ

2007-09-23 | 最後のメッセージ
アニキがだんだんおいらを探せなくなってきた。
朝起きると、デカい声を出して探してる。交信しても届かないみたいなんだ。
あの声は、ツラいよな。まだこんなに近くにいるのに。
==============================

アイツはずっと、タビが来たことがおいらのガンの理由じゃないかと思ってた・・・。
そりゃ、ずーっとずっとアニキと2匹だけの方がよかったけど、ヤツは家の下に住み着いて、アイツはせっせとご飯なんかあげてる。
もう元には戻んないってことはよくわかってた。
そうとなったら、受け入れるのさ、四つ足は。
ブツブツ文句を言ったりはしない。言っても聞いてもらえるわけがないし。

数えきれないほどの引越しも、クルマや飛行機に乗るのも、アイツらが旅行に行くのも、検疫所に入れられるのも、獣医に行くのも、みんなみ~んなヤだったさ。でも、そう思っても二本足が、
「じゃ、や~めた。」
って言うか?いつもヤツらが決めて、その通りになるのさ。タビもこともそうだった。

ホントは何度も、
「タビちゃんと仲良くできる?」
「タビちゃん、ここにいてもいい?」
「タビちゃん、お家に入ってきても平気?」
とか聞かれてたけどね。ホントにタビがソファーで寝てたこともあったな。

でもね、何度聞かれても、おいらは答えなかった。
だって、アイツは決めてたから。決まってることを聞かれても、答えようがない。四つ足の交信にそういうのはないんだ。

おいらのガンはずっとからだの中にあったんだと思う。
何度かアイツが、
「えっ?これってガン?」
っていうのを見つけたことがあったから。でも、いつもすぐに消えちゃうらしくて、
「なんだ~、またシボウの塊だったのね。」
とか言ってたからな。

なにもなければ消えちまうはずのもんが、消えなくなった。それどころか、どんどこデカくなっておいらのノドを全部埋めちまった。飲んだって喰ったって、通ってくのはおいらのヒゲくらい細いとこになっちまった。

消えちまうはずのもんが消えなくなる理由は、なんでもよかったんだと思うぜ。
おいらがホントに、からだの中の中からドッキリすることなら。
アニキの糖尿病がもっともっとひどくなってたとか、
また引越しがあったとか、
アイツらが前みたいに会社に行って家に誰もいなくなってたとか、
香港の家みたいに外に出られなくなってたとか・・・
どれでも、ガンになったかもしれないんだ。
タビはそんな理由のひとつだったのさ。

だからタビのせいにしないでほしい。
ガンになったのはおいらのせい。

タビはタビで生きて、おいらもおいらで生きて、そして死んだんだ。

おいらより何度も危ない思いをしたアニキはどっこい生きてる。
スゲーじゃないか。
これでいいんだよ、ホント、心配なんかすんなって。

(死ぬか生きるかだったら、アニキのほうがよっぽど何度も危ない目に遭ってるんだぜ。でも、ホントに最後の最後まで優しかったな~。
大好きだよ、アニキ→)
(たぶん、つづく)

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Vol.0319■ガンはどこから

2007-09-23 | 最後のメッセージ
きょうも雨が降った。
からだがないと日向ぼっこもないから、雨でも別にヤじゃないな。
それどころか、雨に濡れたときの感じが懐かしかったよ。
==============================

アイツはずっとガンが戻ってきた理由を知りたがってた。
「ガンはストレス」って思ってるからなんだ。ストレスって「心配」ってことだろ?
だから何度も何度も何度も、同じことを言ってたんだ。

「ピッピ、なにを心配してるの?心配することなんかな~~んにもないのよ。香港よりニュージーランドの方がいいでしょう?お散歩もできるし、外で日向ぼっこもできるし。ママもパパもいつもお家にいるし。チャッチャも元気だし。もう引越しもしないわ。な~んにも心配しなくていいのよ。心配なんか捨てちゃいなさい。

「捨てちゃいなさい。」
って言われてもね、それがなんだかわかんなきゃ、捨てようがないだろう。
心配?四つ足のおいらが????

アイツはずっとタビが来たことがその理由じゃないかと思ってたんだ。
タビの話を全部できなかったのはちょっと残念。もっとさっさか話すべきだったよな。そもそもヤツの話を始めたのはガンがわかってからだったんだ。でも、ガンがどんどこ大きくなって話が終わる前に、おいらのガンの話を始めちゃったからな~。

ヤツはクリスマスの頃から庭によく来るようになってた。
夏が終わるころには家の下に住み着いてた。
3月にはなんでヤツがうちにいるのかわかったんだ!
まぁ、この話はおいらがいなくなってからでも、アイツがUPするよ。話だけはしてあるから。

で、4月においらのガンが見つかった。
ガンとタビを一緒に考えたくなるのもわかんなくはないよな。
だから、「こんにちは」の人、あきこさん最初の交信のときも、

「新しいお友達ができたの?」
「ママがそのコがピッピちゃんのストレスなんじゃないかと心配してるけど。」
って聞かれたんだ。

ママが?心配・・・?なんのことだ?
って思ったけど、すぐに気がついた。
「そうかアイツに頼まれて聞いてるんだな。」
ってね。

おいらの返事は、
「ちがう。来たときはびっくりしたけど今はそうじゃない。」
だった。ホントにその通りだ。その頃には毎日毎日タビがいて、もうビックリもなにもなかったからね。

(←ずっとこんな感じだったぜ)

(たぶん、つづく)

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Vol.0318■信じて

2007-09-22 | 最後のメッセージ
四つ足のお願いっていうのも、ね。
でもまぁ、聞いてくれよ。もしも家に四つ足がいるんだったら・・・
==============================
 
死んだ四つ足のブログだなんて、なんかヘンかもな。
でも、生きてるうちはあとどれぐらい時間があるかわかんないだろ? いくら自分で生きるのを止められる四つ足でも、いつ「止めよう」って思うかまではわかんないからね、そのときにならないと。
おいらはわかったから止めたんだ。

でも、今は時間がないのがわかる。おいら、どんどん薄くなってるから。
違うところに行くってのも、よくわかる。それがどこかはわかんないけど、アイツがテンゴクって言ってるとこなんだろう。二本足はそんな行ったこともないとこにまで、名前つけてんだな。

時間がないっていっても、おいら、そんなにすることもないんだ。
あちこち知ってる二本足や場所を見に行っても、そんなにいっぱい知ってるわけじゃないから、あとはヒマなのさ。
アニキのそばにいたり、家や庭をウロウロしたり。
これじゃ、生きてるときと一緒だよな。

だけど、この時間が終わるんだったら、どうしてもあきこさんの話がしたかったんだ。こうやって遠くからでも四つ足と交信できる二本足がいるってことを知ってほしかった。
そして、二本足はそういうことができるってことを知ってほしかった。

四つ足は二本足の頭のテレビがよく見える。
だからなにを考えてるかはだいたいわかるんだ。
喜んでるのも、悲しんでるのも、困ってるのも、ウソも。
それを全部知ってて、一緒にいる。嫌がってるのがわかっても一緒にいる。
まぁ、そういう二本足のひざに乗ったりはしないだろうけど、家に来た知らない二本足が頭の中で、
「ひぇぇぇぇ~、ネコだ。あっち行け、しっし!」
なんて思ってるのはすぐわかるさ。おいらはそれでも、近くまで見に行っちゃたりしてたけどね。

だから、あんまり二本足が怒ったり、がっかりしたりすると、四つ足はいなくなったり、死んだりもする。この話は前にもしてるから、コッチを読んでくれよな。テレビが見えない二本足には不思議だろうけど、そんなに不思議な話じゃないんだ。

どんなにヘタでも、交信が来たら四つ足はウレシい。
それまでボーっと見てたテレビが、突然、
「ねっ?ピッピ」
って、話しかけてくるみたいな感じかな?

「見えるのか?わかるのか?」
慌てて頭で交信して、
「うん。」
って来たら、もうこっちのもんだ。通じる!わかる!
何年もボーっと見てるだけだったテレビがこたえてる!

だから、「できる」って信じられたら、多分、その二本足も交信ができるはずなんだ。
アイツみたいにね。ヘタくそでも、自分で考えたことなのか交信なのかわかんなくても、とにかく信じてやってみたらいい。そのうち、うまくなるさ。
あきこさんはこういうことができることを、アイツに教えた。
だからアイツもちょっとはできるようになった。その話はもうしたよな。

おいらもみんなに教えたいんだ。
信じれば、できるようになるって。
これで何度も助かったおいらが言ってんだから、ホントなんだ。
見えないことでも信じられるようになれば、二本足はもっともっといろんなことができるのさ。

(ホントだよ→)
(たぶん、つづく)

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Vol.0317■許可

2007-09-22 | 最後のメッセージ
白いネコって誰だ?
おいらが知ってるのはママくらいだけど。しっかり見つけて、ついてくよ。
==============================

「こんにちは」の人、あきこさん3回目の交信のあと、いつものようにアイツにメールをくれた。



ピッピちゃんの意識は数日前からあちらへいったり、きたりしているようです。
ピッピちゃんとはちがう 白いネコちゃんが見守っているようです。

おつらいでしょうが 最期の時には どなたかハートと前足にそっと手をあてて
『いっていいんだよ』と心で許可を与えてあげてください。

あちらの世界へ恐れなく平安に移行する助けになります。



アイツはおいらを抱いたまま、パソコンの前で口に手を当てて泣きながら読んでた。連れ合いも一緒に泣いてる。

おいらはそれをちょっと離れたところから見てた。
そう、メールが来たとき、おいらの目はもう2度と開かなくなってた。おいらがからだを出たすぐあとだったんだ。でも、アイツらのそばにいた。

あきこさんはみんなわかってた。
おいらの記憶はホントにあったりなかったりだったんだ。前のガンのときはあまりの苦しさに「感じること」を止めてたからなにも覚えてなかった。でも、今度は痛くなかったから、おいらはみんな覚えてる。だけど、最後の何日か、多分、アイツらが大騒ぎをした日からは覚えてないこともあるんだ。

おいらはアイツが抱っこして、お腹に手を当ててるときにからだを抜けた。
もうひとつの手はおいらの頭の下でしっかりおいらを抱いてた。もうからだに力がなくて、支えてもらわないと前足と後足がからんじゃうほどグニャグニャだったからね。前足に手があるより、その方がよかったかもな。

「許可」
はもらってたよ。とっくに。アイツは前にあきこさんに聞いて知ってたんだ。
「えっ?」
って思うくらい早くにもらった。アイツは喰えないおいらに喰わせながらも、『いっていいんだよ』とも思ってた。
だから、決めるのはおいらだったんだ。

あきこさんは、
「間に合うといいのですが」
って言ってたけど、ほらな、間に合ったんだ。
交信もできたし、レイキもメッセージももらったよ。ありがとニャン。

(←「許可」はもらってたんだ。これも9月13日)
(たぶん、つづく)

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Vol.0316■最後の「こんにちは」

2007-09-21 | 最後のメッセージ
アニキはおいらが見えないのに慣れてきたみたいだ。
夜になるとおいらのからだが埋まってるところのすぐ上のデッキに来て座ってる。
見えなくても感じてるんだ。でも、それもだんだん弱くなってるだろうな。
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「こんにちは」の人あきこさんからの3回目の交信。



「ピッピちゃん、こんにちは。」
「うん。」
弱りきってたおいらは、もう「こんにちは」って言えなかった。「うん」が精いっぱいだった。

「つらいね。みんな心配してるの。」
「うん。 ごめんね。」

「お水はどう?」
「いらない。」
からだの中が動いてなかったから、水も飲めなかった。飲んでも出てこないから、おいらはそんなに脱水してなかった。あんなに弱ってたのに、毛はけっこうフカフカしてキレイだったんだ。

「寒くない?」
「今 足がひえている感じ。」
もう寒さも感じてなかった。からだが冷えてきてて、寒いのか自分が冷たいのかよくわかんなかった。足の先っぽだけ、まだちょっとなにかを感じてたんだ。

「どこで寝たいの?箱はイヤ?」
「向きをかえると ちょっとはカラダが楽になるんじゃないかと思ってうごきたい。すみっこの暗いところにいきたい。」

その頃のおいらはベビーバスかアイツらが「ハウス」って呼んでたバナナの箱で寝てたんだ。骨と皮になったおいらは寝てると骨が痛かった。アイツがときどき来て「ピッピが焼けたかな~」とか言いながら、ひっくり返して向きを変えてくれてた。でも、アイツが寝るとそれがない。動けないおいらは箱の中でバタバタするしかなかった。

歩けないおいらに、四つ足らしく外のどこかに隠れるのはもうムリだった。せめて部屋のすみの暗いところに行きたかった。アイツらから丸見えでも、すみに行って背中を冷たい壁にくっつけていたかった。カーペットの上ならそんなに骨も痛くならない。寒さも感じないからもう毛布はどうでもよかった。

「チャッチャちゃんのことは心配しないでね。」
「うん。」

おいらはずっとアニキのことが心配だったんだ。アイツらが1日中おいらのことをしていて、ドタバタドタバタしてたからね。アニキはいつも部屋のすみで、ご飯と一緒に寝てた。目が覚めたらひとりで喰えるように。糖尿病でテイケットウが起きないように、あんなにご飯の入ったボールを持って追いかけ回され、お手々まんまで喰わされてたアニキなのに、おいらのガンがわかってからはずっとひとりで喰ってたんだ。

「みんなにメッセージはある?」
「うん。みんなありがとう。今はあまり頭がまわらないんだけどみんなが近くにいてくれてうれしい。」

(いつも一緒でありがとう→)




交信はこれで終わった。
伝えたいことは全部言った。

そう、「ありがとう」と「うれしい」。
これだけだ。 




おいらは口だけじゃなくて、目もしっかり閉めた。
暗いどこかに隠れられないんだったら、自分で目を閉めて暗くするしかない。やりたいことは全部やった。

(たぶん、つづく)

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Vol.0315■あきらめて

2007-09-21 | 最後のメッセージ
いっぱいメールをありがとニャン。
ツルっていうきれいな紙のトリももらった。
トリは四つ足を守ってくれるんだ。
前のガンのときは首からトリのかたちの石をぶら下げてたくらいだからね。

家にトリが来るなら大事にしたほうがいいぜ。
ホントにありがとニャン。
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9月17日、とうとうアイツはおいらに食べさせるのをあきらめた。

おいらはその前の日から、1日に何回も流動食のときに口を開けないでいた。
もう喰えなかったんだ。
ごっくんっていうのが、できなかった。上を向かされて流し込まれれば少しはからだのなかに落ちてくけど、喰ってるとは言えなかった。おいらにはからだの中が動いてないのがわかった。落ちてったものはもう絶対出てこない。

アイツもそれがわかってた。でも、わかりたくなかった。
だから、4cc、3cc、2ccと、喰っても喰わなくても同じような量を流し込んだ。それも半分は口の周りからあふれて、アイツが拭き取って終わった。

「もう、食べらんない・・・・・・」
それまで何度もやってたけど、おいらは口を閉じた。いつもよりもっと、しっかりと。アイツの頭にはっきりとメッセージも送った。アイツはもちろん気が付いた。それがいつもよりはっきりしてることもわかった。

「ピッピィィィィィィ~~」
流動食を喰わせていたアイツが突然泣き崩れたので、部屋にいた連れ合いが驚いてそばに来た。

「もうピッピ食べないわ。口を開かないの。」
スポイトの先を口の脇から差し込めば大きな二本足に小さな四つ足の口を開けさせるのなんか簡単だった。それまでだってアイツは何回かそれをやってた。
「せめて5ccは・・・」
って、いつも頭の中で言ってた。でも、とうとうあきらめたんだ。

アイツは突然、泣きながらパソコンに向かった。いつもよりずっと速くカタカタカタカタやりだした。
そのへんからおいらの記憶はあったりなかったり。眠っていたような起きてたような。どっかに行ってたようなそこにいたような。アイツがおいらに喰わせることをあきらめて、ホントにホッとした。
そう、おいらはもう喰えない。だから喰わなくていい・・・・

夢を見ているようなときに、それが来た。
「こんにちは」の人、あきこさんからの3回目の交信だ。
(たぶん、つづく)

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Vol.0314■意外なアドバイス

2007-09-20 | 最後のメッセージ
アイツが、
「夢でピッピに逢いたい!逢いたい!」
って言ってんだけど、どうやればいいんだ? 
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ピッピちゃんは精神的におちついて淡々としているようでした。
サプリはちょっと飲みづらいようなので、粉を水でといて流動食にまぜて飲ませるとかは可能でしょうか?流動食も味にバリエーションがあるとうれしいようです。保温は充分なさっていると思うのですが、寒いのがとてもこたえるようなので、できるだけあたたかくしてあげてください。あと肝臓が気になりました。胸やお腹に手をあててあげると気が流れるので、いいかもです。

「こんにちは」の人、あきこさんがアイツにそう言ったんだ、メールってやつでね。

ホントにこの通りだった。おいらは一度、真夜中にスゴくビックリしたけど、あのときに、
「これから何度もこういうことが起きる」
ってわかってからは、けっこうフツーだったな。ガンはワルくなってくばっかりだったけどね。
ワルくなってもおいらにできることってなかった。なるようにしかなんない。

この交信の後、トランスファーファクターは流動食に入るようになった。
ちょっとは飲みやすくなったかな?でもうまく喰えなくて口に入らない分もあったから、ちゃんと喰えなくなってからはまたサプリだけ飲んでた。その頃はもうなんでも一緒だった。味もわかんなかったしな。

アイツらはそれまでよりも、もっといろんなご飯を試しだした。
けっきょく、連れ合いが見つけてきたアイツらはそれまでよりも、もっといろんなご飯を試しだした。「トラディショナル・ゼリーミート」が一番好きだったかな?流動食にしても喰いやすかった。最後はやっぱり肉だったな。ちょっと喰ってもけっこう腹に残った感じがした。

カンゾウはあきこさんに教えてもらうまで、おいらもアイツもわかんなかった。
カンゾウって病気でも痛くないんだ。ただただ疲れて弱ってくるだけ。オウダンで体中、黄色になる。で、薬もないんだってさ。アイツも若いときにやったことがあるとか言って、おいらにいっぱいカンゾウの話をしてたぜ。ほとんど聞いてなかったけど。

アイツがオウダンに気が付いたのは9月13日だった。
おいらのおしっこは庭のレモンみたいな黄色になってた。肉球もピンクじゃなくて白っぽい黄色。おいらには見えないけど、耳の中、口の中、背中の毛なんかもみ~んな薄っすら黄色だったんだと。
(目の周りと鼻が黄色っぽいだろ?これがオウダン。それに気が付いた9月13日に庭で撮った写真。自分で歩いた散歩はこれが最後だったな→)

あきこさんはオウダンが出る2週間前からわかってたんだ。

9月17日、また交信があった。
そして、それが最後のコミュニケーションだった。
(たぶん、つづく)

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Vol.0313■2回目の「こんにちは」

2007-09-20 | 最後のメッセージ
きょうは雨。昼間降るのはおいらが死んでから初めてだ。
「雨なのに、どうして帰ってこないの。」
ってアイツはまた泣いてる。どこにも行ってないからさ。まだ、ここにいるんだぜ。
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「こんにちは」の人、あきこさんと話したのが4月の終わり

アイツがおいらのガンに気がついてちょっとしてからだ。2回めは9月に入ってからだった。おいらがホントに弱くなってきて、「心配しない」って決めたアイツもさすがに心配になったんだろう。おいらもちょっと伝えたいことがあったから、ちょうどよかった。2回めの交信はこうだ。

「ピッピちゃん こんにちは。」
「こんにちは。」
なっ?やっぱり「こんにちは」で始まるんだ。

「調子はどう?」
(ノドに違和感。全体に気だるいかんじ)ってあきこさんにはわかったらしい。
ホントにそうだった。もう肝臓がかなりワルくなってたし、ガンも最高にデカかった。

「ノド大変なんだね。」
「うん。」

「流動食はどう?」
「大丈夫。でもヘンなところにはいるとツライ。」

「なにか流動食に要望はある?」
「ゆっくりやって。」

そう、おいらはこれがスゴく言いたかった。アイツはおいらが疲れて喰うのをあきらめないように、パッパとやりたかったんだろうけど、早いのは苦しかった。

(16日の流動食のときの写真。もうほとんど飲みこめなかった。このピーターラビットのタオルはおいらと一緒に埋まってるんだ。おいら「うさぎ」って呼ばれたりもしてたからね。自分で口拭けってさ→)

「なにか食べたいものはある?」
「今は食べるのが大変だからあまり食欲がない。でも口にはいるとおいしく感じることも多い。」
(サカナのイメージ)ってあきこさんには伝わった。そうだな、あの頃はけっこう肉を喰ってたかな?

「サプリはどう?」
「ちょっと飲みづらい。」
これもホントだ。トランスファーファクター・プラスだけを水で溶いたのだと飲みにくかった。

「ピッピちゃんのためにやってるんだけど。」
「うん。しってる。」

「痛みはあるの?」
「ない。でもからだが曲げづらかったりしてヘンなかんじ。」
そうなんだ。すんごく弱ってたけど、おいら最後の最後まで痛くはなかった。辛かったから痛くなくてホントよかったよ。

「なにかしてほしいことはある?」
「寒いのがいや。ちょっと暗くてあたたかい場所でねていたい。」
そうだな。あの頃はストーブがつくのがホントにうれしかったし、まだ眠れたんだ。その後は眠れなくなってキツかったけど。

「楽しいことはなに?」
「みんな優しくしてなぜてくれること。話しかけてくれること。」
これはもういつでも。寝てるの起こされてでも、そうしてほしかったかな。

「ほかにいいたいことはある?」
「泣かないで。たくさん楽しいことがあったからそれがなくなっちゃうようで、今とかわってしまうようでさびしくかんじているみたい。でも、いつも一緒だよ。」

アイツはこれを読んでオイオイ泣いた。こんなことをおいらが言いたかったなんて、考えてもみなかったらしい。あとは泣かないようにがんばってたみたいだけど、おいらが死んでからはホント泣いてるよ~。おいら、まだ見てるんだぜ。
(たぶん、つづく)

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