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通訳?やはり日本人がよい

2014-05-29 17:49:47 | 語学


この5月24, 25日、東京と大阪で十二使徒が来日して集会を持った。いずれもクック長老とクリストファーソン長老が説教した時、通訳はアメリカ人が担当した。もし国籍がそうでなかったとしても母語が英語の男性だった。どちらの通訳も何度か聞いて知っている人物である。東京吉祥寺では日系米人と思われる人、大阪では小柄なウェスト氏であった。

両人とも優れた能力を持ち、流暢に日本語をこなす。発音、抑揚に外国人訛りが少ないと思う。その点はうなずけるのであるが、原則的に通訳の方向はある言語を聞いてそれを自分の母語に訳出するのが、自然な方向である。従って、来日するアメリカ人幹部の説教を日本語に訳すのは日本人の方が自然なのである。

例えば、今回もそうであるが初め一二度稚拙と感じられる所があっても聴衆は善意と礼儀から大目に見るが、その後何度も繰り返されると気になり始めるのである。どんな点で問題があるかと言えば、1 敬語の適切な使用が外国人にとっては難しい。神やキリストの言動には「れる、られる」くらいの敬語は使うべきではないか。あるいは上長に対する場合にも。2 公式的表現 / くだけた口語 の区分が混同される。3 日本語の自然な表現が出てこないで、直訳で代用する。また、日本語は主語を省略したり、自明の場合人称代名詞を繰り返さない、などの特徴がある。それが繰り返し直訳されると耳障りである。

今回心中思いめぐらしたことは、現在日本人で適任の通訳はいないのだろうかと言うことと、一体誰が決めるのかと言う点である。開催地で主催する地の指導者が決めるのか、東京管理本部の翻訳課が決めるのか。いずれにしても通訳は外国語→通訳の母語の方向が自然で望ましいという原則に注目して、通訳は日本人を当てて欲しいものである。

通訳の出来で説教(集会)は生きもし、力(インパクト)を失うこともあるからである。日本人に優れた適任者がいないというのなら、ステークも東京の管理本部も将来のために養成計画を立てて備えるべきであろう。(英語がこなせる日本人であっても、日本語の面でも修養しないと英語に引かれて不自然な日本語に堕してしまう恐れがある。)通訳まで外国人が担当するようでは、ますます末日聖徒イエス・キリスト教会はアメリカの教会というイメージを定着させることになって、日本の教会員の誇りをくすぐることにはならない。

[注] 国際化が急速に進む現在、母語への方向に制限されないで、双方向に翻訳・通訳が行われるようになっているが、EU(欧州連合)やUN(国際連合)といった一部の国際的な組織で見ると、母語への通訳というのが一般的である(モントレー大学院通訳・翻訳修士課程助教授David B. Sawyer)。わたし沼野が知る限り、キリスト教会での説教の通訳も同様である。


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Andrew Hall)
2014-05-29 22:23:14
賛成!
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歓迎 (nj)
2014-05-30 10:00:57
「賛成」に感謝。
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内容は? ()
2014-05-30 16:25:02
NJさんは語学が専門ですから、翻訳のことが気になったのはわかりますが、話の内容には触れていないですね。

あまりこれと言った耳を傾けるような内容は無かったのでしょうか?

それにしても、今回はどうしてあんなに集めたのでしょか?

近畿圏だけでなく、岡山四国まで声を掛けた、ようですね。
それで、ライブ会場だけで1200名以上衛星中継を含めると1400名に少し足りないほどの会員が聞くことなったようですね。

どうせ中継するのなら、四国岡山和歌山等は、すべて中継でよかったのにね。
消防法違反になるほど、ライブ会場に詰め込まなくてもよかったのではと思います。建物の許容人数は600人ぐらいでしょうからね。

前回前々回の十二使徒来阪の時は、そんなに動員はかけなかったっですね。通常のステーク大会ぐらいでしたね。

あ~すみません、私も内容について書くほどお話にインパクトが感じられなくて、ほとんど内容を覚えていません。話し手の責任じゃなく、聞く方の責任なんでしょうが・・・。


通訳は私にはわかりやすく聞きやすかったです。
顔はアメリカ人でしたが、日本で生まれ育った人じゃないかと思うほど、日本語に違和感がなかったです。

アメリカ系日本人かも??

日本人だからと言って、日本語に詳しいとは限りません。特に最近は、日本語が通じない日本人が増えていますからね。
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日曜の吉祥寺の集会 (たまWEB)
2014-05-30 21:21:11
 
では、3000人も来たとかって、消防法云々ってアナウンスしてましたぁぁ・・・・ブログ記事書きましたぁ・・・・せめてさぁ、その半分以下の1000以上の訪問者、ブログに来てくれればいいのにねぇ、張り合いがあるというもんですよぉぉ・・・・そんなブログ見るなの悪臭放つ○んこ扱いで、そういった指導、地元指導者してるってことですかぁぁ、それじゃぁ、マインドコンロールって言われてもですよね・・・・
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同感です (落伍者)
2014-06-01 03:47:46
英語から日本語に訳する時は特にそのように感じます。
一番しっくりくる語彙を当てはめて、より格調高いお話になってくると思います。
でも、話者の思い以上に高尚な話になるかもしれません。

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場合によっては (nj)
2014-06-01 17:05:52
あり得ますね。(それをも防ぐようになると達人の域。)
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確かに (オムナイ)
2014-06-01 22:08:02
わたくしも母国語へ通訳する方が違和感なく受け入れられるますね。

しかし、モルモンの英語理解度は平均以上なんでしょうか?
ジョークなど通訳前に笑いが起こりますからね。

それにしても最近関東ではバプテスマフィーバー状態のユニットも多いです。

やはりロムニー効果でしょうか?
あるいはNJ効果?^ ^
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ldsは英語理解者が比較的多い (nj)
2014-06-01 22:32:43
> モルモンの英語理解度は平均以上、ジョークなど通訳前に笑いが起こりますからね

それは言えますね。留学など英語圏での生活経験者や英語に堪能な教会員(聞いて分かる人)が増えていると思います。

> 関東ではバプテスマフィーバー状態のユニットも多いです

珍しいニュースですね。
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更に高い戒めを守る (nj)
2014-06-06 21:44:02
今頃ですが、クリストファーソン長老の説教の内容について。ジンバブエに行った時、自分では話す予定ではなかったのにアフリカの聴衆を前に、「戒めを守れば栄える」ということを語ったと話された。そして、大阪の聴衆に「更に高い戒めを守って欲しい」という旨のことを話された。

戒めは元来十戒(その一つ一つを含む)を指していましたが、勿論、広い意味でも神が指示されること、求められることを指しています。私はさらに期待されること、現世を活かして生きること、より高い目標を成し遂げることを含んでいると解して聞きました。会員各自が、また日本の教会員が高めのするべきことを自らの意思で成し遂げていかなければ、という風に聞きました。
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