ELLの足跡

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新型インフルエンザ流行時に対し、膜型人工肺(エクモ)の改良が必要!

2012-10-17 | 梅肉エキス






日本の医療は世界の最先端を走っているものと思っていたが・・・そうでもないみたいだ・・・

エクモという体外式膜型(まくがた)人工肺は海外機種に比べ劣っているようです・・・

重度の呼吸不全の患者に対して使用されるこの機械、人工肺部分の耐久性がかなり劣っているみたい・・・


今朝は、この記事を転載してみたいと思います。

~以下、10月17日読売新聞朝刊より抜粋~

 医療ルネサンス
インフルエンザ② 








 




 岡山県内に住む小学5年生の女児(11)がぐったりとして岡山大学病院に搬送されてきた。2009年11月上旬のことだ。

 女児は、新型ウイルスとして当時流行していた「インフルエンザ(H1N1)2009」に感染していた。肺炎を起こして呼吸が苦しく、抗インフルエンザ薬も口から吐き出した。炎症を抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)の点滴や、気道を広げる気管支拡張薬の吸入を行っても回復しなかった。

 その後、意識不明となり集中治療室(ICU)に移された。同病院高度救命救急センター長の氏家良人さんは「人工呼吸器でも呼吸を補助できず、すぐにも心停止する恐れがあった」と振り返る。


 女児には、体外に血液を循環させる体外式膜型(まくがた)人工肺(ECMO=エクモ)を使うことになった。エクモは、肺機能が著しく低下した重い呼吸不全の患者の治療に用いられる。

 その仕組みは、太ももの付け根の血管から腹部の下大静脈までカテーテル(管)を挿入して血液を体外に取り出し、人工肺で血液中に酸素を取り入れた後、再び首の付け根の血管に血液を戻す、というものだ。

 女児は自発呼吸を徐々に取り戻し、入院から16日後には退院した。氏家さんは「エクモがなければ救えなかっただろう」と話す。

 エクモは、インフルエンザによる肺炎で、重度の呼吸不全に陥った患者の救命に成果を上げている。しかし、その治療実績を巡っては「内外格差」が指摘されている。

 インフルエンザ2009に感染し、重い呼吸不全に陥った成人患者に対しエクモを使ったところ、国内の医療施設で救命できたのは3割程度にとどまる一方、海外では7~9割が助かったとの報告がある。

 日本医大(東京)準教授の竹田晋浩さんによると、背景には、機種の違いと、治療に習熟した医療スタッフの不足があるという。
 国内で普及している機種は、酸素を取り入れる人工肺の耐久性が低く、数日おきの交換が必要だ。人工肺を交換する度に輸血も必要で、患者への負担も大きいという。これに対し、海外機種の人工肺は、2週間~1か月はもつ。

 また、体外で循環させた血液は固まりやすくなるため、血の塊(血栓)の発生を防ぐことが重要だ。そのためには、血栓を防ぐ抗凝固薬の投与量の管理など、熟練した医療スタッフの存在が欠かせない。

 竹田さんは「病原生の高い新型インフルエンザの流行時には、重度の呼吸不全に陥る患者が急増する恐れがある。エクモの機器改良や、スタッフの治療技術の向上が必要だ」と指摘する。

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