『宗方姉妹』(1950年/小津安二郎監督)を見た。
物語は、「性格が正反対の姉妹、節子(田中絹代)と満里子(高峰秀子)。自由奔放な性格の妹・満里子は、失業中の夫・亮助(山村聡)に何かと気を使いながら苦労してバーを経営する節子が気に入らない。何事も耐えようとする姉・節子は、医者から父・忠親(笠智衆)の余命が残り少ないと聞かされたが誰にもそれを話さず内に秘め、また、夫の冷たい態度に心を痛めながらも、昔の恋人・田代宏(上原謙)に借金をしてまで店を続けようとするのだが・・・」という内容。
それまでとはすっかり違ってしまった戦後の社会に合わせ、自分も変わり続けようとする妹と、今までやってきたことを変えようとしない姉の対比が面白い。
ただ、妹はあくまでも成長過程にいる若い人なので、自分の考えに凝り固まらず、姉にも父親にも疑問をぶつけ、語り合う。
答えを灰色の領域にとどめたり、家長の判断が絶対ではなく、議論して答えを探そうとする満里子の姿が、「昔の日本人」や「昔の日本社会」に対するイメージと重ならなかった。
この作品が作られたのは、日本の家庭が少し昔と違い始めてきた、そういう頃だったのだろうか。
なかなか興味深い物語だった。
小津作品(全54作/1927~1962年)を制作年の古いほうから順に見ていくと面白いかもしれない。
物語は、「性格が正反対の姉妹、節子(田中絹代)と満里子(高峰秀子)。自由奔放な性格の妹・満里子は、失業中の夫・亮助(山村聡)に何かと気を使いながら苦労してバーを経営する節子が気に入らない。何事も耐えようとする姉・節子は、医者から父・忠親(笠智衆)の余命が残り少ないと聞かされたが誰にもそれを話さず内に秘め、また、夫の冷たい態度に心を痛めながらも、昔の恋人・田代宏(上原謙)に借金をしてまで店を続けようとするのだが・・・」という内容。
それまでとはすっかり違ってしまった戦後の社会に合わせ、自分も変わり続けようとする妹と、今までやってきたことを変えようとしない姉の対比が面白い。
ただ、妹はあくまでも成長過程にいる若い人なので、自分の考えに凝り固まらず、姉にも父親にも疑問をぶつけ、語り合う。
答えを灰色の領域にとどめたり、家長の判断が絶対ではなく、議論して答えを探そうとする満里子の姿が、「昔の日本人」や「昔の日本社会」に対するイメージと重ならなかった。
この作品が作られたのは、日本の家庭が少し昔と違い始めてきた、そういう頃だったのだろうか。
なかなか興味深い物語だった。
小津作品(全54作/1927~1962年)を制作年の古いほうから順に見ていくと面白いかもしれない。