仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

雨のアムステルダム

2017年05月01日 | ムービー
『雨のアムステルダム』(1975年/蔵原惟繕監督)を見た。
物語は、「オランダ最大の都市アムステルダムには、大小合わせて6,000社近い日本の商社がひしめいている。小西商事はその中でも最低ランクの商社で、駐在員は作田明(萩原健一)ただ一人だった。明は名実ともに日本一の商社である大日本商事の正岡清之助(三國連太郎)に近づき、ポリプロピレンの情報での取引きを図るが、軽くあしらわれてしまった。しかしその際、偶然に少年の頃にあこがれていた同郷津軽の女性・中津涼(岸恵子)と空港で出くわす。彼女は、近々市内に開店するレストランJAPANのマダムとしてオランダに来たらしい。そんなある日、明が住んでいる屋根裏部屋に恋人のマリー(ハンナ・デ・ルーヴェ)が来ている時、警察の家宅捜索が入った。明に麻薬密輸の容疑がかかったというのだが・・・」という内容。
大日本商事は世界72ヶ国の120ヶ所に支店があるという世界的な商社で、刑事達は同社とビテンシュタイン社は"死の商人"だと言うのだが、実は彼らの目的は麻薬ではなく、明が扱っている日本製のライフルだった。
オランダを経由してイタリアのシチリアに輸出された日本製ライフルは、そこで改造を施され、アフリカの内戦地帯へ武器として輸出されているというのだ。
カメラマンのピエール・デュラ(マリオ・ペキュール)によって撮影されたライフルを構える明の姿はパネルになって美術館に展示されるのだが、その姿はまさに"死の商人"で、現地の日本人会から除名処分にされてしまう。
特に弁明の機会が与えられるわけでもなく、あっさりと除名になってしまったのだが、ちょうど日本から大臣が来ていたということが最悪のタイミングだったのだろう。
(^_^;)
映し出されるアムステルダムの雰囲気は随分と寒々しく、時折画面には津軽の荒れた海の様子が映し出される。
明も涼も、どんよりとした灰色の空や海、肌を刺すような冷たい風で故郷・津軽に思いを馳せていたのだろう。
2人が突然に始めた"軍艦じゃんけん"は、"津軽鍋"と共に親しんだ幼い日の思い出だったのか。
テレビドラマや映画の『深夜食堂』の劇中、"雨のアムステルダム"というバーの看板がいつも画面に映し出されて、ずっと気になっていた作品だったのだが、これはなかなかに面白かった。
(^_^)