仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ナチュラル ウーマン

2017年05月15日 | ムービー
『ナチュラル ウーマン』(1994年/佐々木浩久監督)を見た。
物語は、「25歳になる村田容子(嶋村かおり)は、アルバイトをしながらマイナーな雑誌に漫画を書いている。最近の彼女はプロボクサーを目指しているバイト仲間の森沢由梨子(中島ひろ子)に惹かれていて、由梨子もどことなく陰のある容子に興味を持った。しかし、容子は以前つきあった諸凪花世(緒川たまき)とのいきさつがあって、自分自身、素直に彼女への思いを受け入れることができないでいた・・・」という内容。
学生だった容子がサークルで知り合った諸凪花世は、アマチュア漫画家の中でカリスマ的存在だったというだけあって、随分とプライドが高そうな女性に描かれていた。
「花世はね、偏屈なのよ」という沢口セリ(西島敬雅)の台詞があったし、一人の男と3ヶ月以上つきあわないらしい。
(^_^;)
気に入らないからと原稿に火をつけて窓から棄てるなどというのは、偏屈を通り越して、奇人変人の世界だと思うが、花世に対して何も言わない友人知人達の中で、唯一批判し合ったのが容子だったこともあって、2人は互いに気になり出したのだろう。
火が付けられた原稿用紙が2階の窓から落ちてくれば、誰だって「危ないだろ!!」くらいのことは言うと思うのだが、周囲からそれすら言われなくなってしまった花世は、"カリスマ"というより"腫れ物"なだけだったのではないだろうか。
彼女とのやり取りを「いつも戦いよ」と言っていた容子も、実はかなりキツイ性格なのだろう。
登場人物はあまり多くなかったのだが、『コミック・ジャングル』の編集者だという男(石橋凌)の登場シーンは何だか不思議な描写だった。
容子が見た幻ということではないのだろうが・・・。
仁左衛門的にそれほど面白いと思った物語ではなかったのだが、本作品の16年後には『ナチュラル・ウーマン2010』(2010年/野村誠一監督)としてリメイクされているようである。