仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

マイレージ、マイライフ

2017年10月16日 | ムービー
『マイレージ、マイライフ(原題Up in the Air)』(2009年/ジェイソン・ライトマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は、1年のうち300日以上を"解雇通告"を行うために全米中を飛行機で飛びまわっている。契約先の会社に赴き、初対面の人達を相手にクビを宣告する仕事だ。彼の人生の目標は、マイレージを1000万マイル貯め、飛行機に自分の名前を残し、フィンチ機長と面会すること。結婚はもちろん、姉や妹といった近しい人の暮らしにも興味がない。自身の生活拠点は独り暮らしのアパートでもなく、飛行機や空港のラウンジ、滞在先のホテルの部屋だった。"バックパックの中に入りきらない人生の持ち物は背負わない"というのが彼のモットーで、出張先で知り合ったアレックス・ゴーラン(ヴェラ・ファーミガ)と気軽な関係を続けてもいたのだったが、新入社員のナタリー・キーナー(アナ・ケンドリック)が主張した"ネット上で解雇宣告を行う"というシステムが上司クレイグ・グレゴリー(ジェイソン・ベイトマン)によって採用され、彼の生きがいともいえる出張そのものが廃止されることになる。新しい方針に大反対のライアンは、方針の撤回を主張し対立するが、逆に彼女の教育係を命じられ・・・」という内容。
リストラに伴う解雇通告を自社で行わずにアウトソーシングするとは、合理的ではあるのだろうが、見ず知らずの人間からクビ宣告される従業員としては、どうにもやるせない気持ちがつのることだろう。
それどころか、新しいシステムでは人が直に対面することもなく、パソコンの画面を通してクビを宣告してしまおうというのだから、何ともお手軽過ぎる。
新卒で就職したばかりの23歳のそういった発案を即刻採用する会社もどうかと思うが、彼氏と一緒に暮らすためにサンフランシスコの良い条件の会社を蹴ってオマハの会社に就職したそのナタリーが、「別れよう」との1通のメールで彼氏と破局してしまったというエピソードには笑ってしまった。
おそらく観客の誰一人としてナタリーに同情などしなかったことだろう。
(^。^)
自分なりの幸せを感じて生きていたライアンが、人生の階段の踊り場で、ちょっとだけ立ち止まって考えてみたという、とても面白い物語だった。