仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

地獄のモーテル

2008年06月25日 | ムービー
昨日(2008年6月24日)のましけ映画サークル6月例会は、忠〇企画の『地獄のモーテル(原題Motel Hell)』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)だった。
物語は、「アメリカのカリフォルニア州。ビンセント・スミス(ロリー・カルホーン)とアイダ(ナンシー・パーソンズ)の兄妹は、国道から脇道に入った辺鄙な場所でモーテルを経営する傍ら豚を飼っていて、自家製のベーコンは独特の味がすると人気があった。ある夜、交通事故の様子を物陰から見ていたビンセントは、ケガをしたカップルを自宅へ運び、美しいテリー(ニーナ・アクセルロッド)を妹に看護させ、男のほうは死んだと話した。しかし、ここの養豚の様子に不審を抱いた食肉検査官アンダーソン(E・ハンプトン・ビーグル)が、深夜忍び込んだ畑で、喉をかき切られて話せなくなっている男が(頭だけ地上に出し)地面に埋められているのを発見する・・・」という内容。
何とも凄い話だ。
"MOTEL HELLO"という看板のネオン管が切れかかっていて、"MOTEL HELL"になっているのだが、次々とスミス家の秘密を知っていくにしたがって、そう読めるだけではなく、ここはまさに地獄だということが解っていく。
鮮血が飛び散るような描写は無い映画だが、バラした肉が無造作に捨てられている血のタンク、血がこびり付いた包丁やエプロンなどのほうが残虐シーンよりも気味悪く思えるのは、やはりビンセントが手にしているからだろう。
11歳の時に家を出て行ったという警察官のブルース(ポール・リンク)は、テリーに「兄は狂ってる」というようなことを言っていたが、確かに、猟奇的でありながらも一方では敬虔なカトリック信者であるビンセントの心の歪みは、身近な物や行為を恐怖の象徴として恐ろしく見させるのかもしれない。
さて、忠〇氏によれば、「2008年仁左衛門賞を狙う自信作です」とのことだったが、さすがに今後この映画を上回る企画は出てこないかもしれない。
決して素晴らしい内容ということでは無く、おそらく他の映画でこれほどの空虚さを感じることは出来ないだろうからだ。
(^_^;)