仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

スミス夫妻

2016年10月29日 | ムービー
『スミス夫妻(原題Mr.& Mrs.Smith)』(1941年/アルフレッド・ヒッチコック監督/アメリカ)を見た。
物語は、「自分のオフィスに到着した弁護士のデヴィッド・スミス(ロバート・モンゴメリー)にはすでに来客があった。ハリー・ディーバーと名乗るその男はビーチャム市から来たという。そこは3年前にアン(キャロル・ロン・バード)との結婚届を出した役所の所在地だった。男の説明は、"ビーチャム市はブレンダー郡に属するが、そこはアイダホ州。あなた方が1937年に結婚届を出したのは対岸なので、ブレンダー郡でもネバダ州に属する。あなた方の結婚届は無効ですから2ドル返します。新たに結婚届を出してください。1936年受付分からなので回るのが大変ですよ(確かそんな台詞)"ということだった。デヴィッドはアンに電話し、今夜は思い出のレストランで食事をしようと提案するのだが・・・」という内容。
何だかとんでもない話だ。
(^_^;)
主人公は弁護士だし、今のご時世だと役所を相手に訴訟を起こす展開にでもなるのかもしれないが、この物語は70~80年ほども前が舞台であるからか、デヴィッドは唖然とはしていたものの冷静で、笑いながら受け取った2ドルを眺めている程度だった。
この作品が公開された1941年というのは日本でいえば昭和16年。
大昔だ。
書類も何もなく、一担当者から口頭で受けた突然の"結婚無効"。
今とは随分と人も社会も違うのだろうが、この時のデヴィッドのあまりの反応の無さは不思議な感じだった。
さほど重大事件とは考えていなかったデヴィッドだが、3日間に及ぶ夫婦喧嘩が何とか収まったのはこの日の朝で、しかも、仲直りの後も、
「(人生を)やり直せるとしたら、私とまた結婚する?」
「正直言って、しない。やり直すなら独身でいるよ」
「・・・・・・」
「誠実を望んでいるから正直に言っただけさ。怒ってるかい?」
「怒ってないわ」
怒ってないわけがない。
(^。^)
そんなやり取りをしたばかりだったから、ものすごい大事件に発展するのだが、アルフレッド・ヒッチコック監督作品とはいえ、これはサスペンス映画ではないので誰も死ぬことがない。
少しばかり安心して見られるのだった。
(^_^)
おやっと思ったのは、デヴィッドが氷を沢山入れた壺にワインボトルを突っ込んでグルグル回していた場面。
そうすることで液体が早く冷えるということは、昔から知られていたことだったのか。
仁左衛門が"裏わざ"としてそれを知ったのはテレビ番組『伊東家の食卓』(1997~2007年)でのことだったけれど、電気冷蔵庫がなかった時代、簡単に氷を手に入れることができる人達は普通にやっていたことだったのかもしれない。
随分と昔のモノクロ作品だったが、結構面白く見られた。