虹色教室には、月2~3回通ってくれている高機能自閉症の診断を受けている男の子、☆くんがいます。
病院での知能検査の結果、知的な面でボーダーラインに近い子です。
言動は4歳年下の妹さんより幼い印象で、何かするときは、妹さんが兄に教える姿がよくありました。
虹色教室に通いだして2年ほどになりますが、
その間に、私も親御さんも思ってもみなかった意外な成長がありました。
☆くんが虹色教室に通いだした頃、そろばんを習っていたおかげで、計算をする力はありました。お母さんの話では、そろばんの扱いに慣れるだけで、習いはじめてから1年かかったそうです。
そうして計算は何とかできた☆くんですが、
算数の世界の意味理解となると、お手上げ気味でした。
易しい概念でも、新しい言葉にぶつかるたび、「わからない!わからない!」とパニックを起していました。
そして困ったことに、そろばんで足し算引き算の基礎はできていたものの、
分数を習ったり、割り算を習ったりするたびに、それまでできていたやり方をすっかり忘れてしまう……ということを繰り返していました。
学ぶときに☆くんは、ただただ丸暗記をして覚えているようでした。
意味として理解していないので、新しく習うことが増えると
前のことを忘れてしまうのです。
また、推理することと、般化することが極端に苦手でした。
ですから、何か学んでも、それとまったく同じ形の同じ問い方なら解けるけれど、
ほんの少し形が変わると、ゼロから覚えなおさなくてはならなかったのです。
☆くんの3、4年生のときは、私と☆くんの根比べで、
教えても、教えても、教えても……片っ端から忘れていく……
それでもまた教える……を繰り返していました。
送り迎えにいらしていたお父さんやお母さんは、「これがずっとずっと続くのでしょうか……」と唖然としながらも、
根気よく☆くんにつきあっていました。
☆くんが5年生になったとき、クラスでちょっかいを出す子がいたのをきっかけに情緒不安定になり、学校でたびたび泣いたり、教室を飛び出していくことがありました。
勉強の面も、風邪で虹色教室を数回お休みした後に問題を出すと、
1,2年生の学習まですっかり忘れていることが判明しました。
どうしたものかと思ったものの、また1から教えなおすしかないので、
☆くんを励まして、学習していきました。
すると、それまで推理したり、般化したりすることが、ほとんどできなかった☆くんが、自分で考えて解くシーンが増えてきたのです。
まるで、脳が変化したかのように、学び方が変わってきたのです。
そこで、☆くんの学年の数学検定を受けることを目標に学習し、試験を受けに行くと、1次、2次ともに合格しました。
そこで、☆くんの学年より上の学年の数学検定の準備も始めることにしました。というのも、☆くんタイプの子は、中学に入ってからの数学でつまずくことが多いので、早めにX(エックス)などの概念に慣れておいてほしいと考えているからです。
すると、これまで考えられなかったことなのですが、
☆くんは、それまで見たことのないはじめての問題も、
自分で推測して解くようになってきたのです。
子どものことは、あきらめちゃいけないし、その時の能力で先の伸びを決め付けちゃいけないな~としみじみ感じました。
夕べも驚いたのは、
日本の円と海外のお金を換算する表を見ながら、複雑な計算をしていく問題を自分で考えて解いていました。
国語の長文も、トップクラス問題集というしっかりしている子でも難しい問題集の読解問題を半分は自力で解いていました。
今、学校での成績も伸びていて、授業態度も落ち着いているそうです。
☆くんに対して、ご家族も私も、
あきらめない
無理はさせない
好きなことをたっぷりさせる
の3つの態度を大事にしてきました。
好きなことというのは、☆くん、歴史マンガを中心にして大のマンガ好きなのです。
マンガをたくさん読んでいることも、☆くんの高学年からの成長の理由のひとつだと考えています。
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病院での知能検査の結果、知的な面でボーダーラインに近い子です。
言動は4歳年下の妹さんより幼い印象で、何かするときは、妹さんが兄に教える姿がよくありました。
虹色教室に通いだして2年ほどになりますが、
その間に、私も親御さんも思ってもみなかった意外な成長がありました。
☆くんが虹色教室に通いだした頃、そろばんを習っていたおかげで、計算をする力はありました。お母さんの話では、そろばんの扱いに慣れるだけで、習いはじめてから1年かかったそうです。
そうして計算は何とかできた☆くんですが、
算数の世界の意味理解となると、お手上げ気味でした。
易しい概念でも、新しい言葉にぶつかるたび、「わからない!わからない!」とパニックを起していました。
そして困ったことに、そろばんで足し算引き算の基礎はできていたものの、
分数を習ったり、割り算を習ったりするたびに、それまでできていたやり方をすっかり忘れてしまう……ということを繰り返していました。
学ぶときに☆くんは、ただただ丸暗記をして覚えているようでした。
意味として理解していないので、新しく習うことが増えると
前のことを忘れてしまうのです。
また、推理することと、般化することが極端に苦手でした。
ですから、何か学んでも、それとまったく同じ形の同じ問い方なら解けるけれど、
ほんの少し形が変わると、ゼロから覚えなおさなくてはならなかったのです。
☆くんの3、4年生のときは、私と☆くんの根比べで、
教えても、教えても、教えても……片っ端から忘れていく……
それでもまた教える……を繰り返していました。
送り迎えにいらしていたお父さんやお母さんは、「これがずっとずっと続くのでしょうか……」と唖然としながらも、
根気よく☆くんにつきあっていました。
☆くんが5年生になったとき、クラスでちょっかいを出す子がいたのをきっかけに情緒不安定になり、学校でたびたび泣いたり、教室を飛び出していくことがありました。
勉強の面も、風邪で虹色教室を数回お休みした後に問題を出すと、
1,2年生の学習まですっかり忘れていることが判明しました。
どうしたものかと思ったものの、また1から教えなおすしかないので、
☆くんを励まして、学習していきました。
すると、それまで推理したり、般化したりすることが、ほとんどできなかった☆くんが、自分で考えて解くシーンが増えてきたのです。
まるで、脳が変化したかのように、学び方が変わってきたのです。
そこで、☆くんの学年の数学検定を受けることを目標に学習し、試験を受けに行くと、1次、2次ともに合格しました。
そこで、☆くんの学年より上の学年の数学検定の準備も始めることにしました。というのも、☆くんタイプの子は、中学に入ってからの数学でつまずくことが多いので、早めにX(エックス)などの概念に慣れておいてほしいと考えているからです。
すると、これまで考えられなかったことなのですが、
☆くんは、それまで見たことのないはじめての問題も、
自分で推測して解くようになってきたのです。
子どものことは、あきらめちゃいけないし、その時の能力で先の伸びを決め付けちゃいけないな~としみじみ感じました。
夕べも驚いたのは、
日本の円と海外のお金を換算する表を見ながら、複雑な計算をしていく問題を自分で考えて解いていました。
国語の長文も、トップクラス問題集というしっかりしている子でも難しい問題集の読解問題を半分は自力で解いていました。
今、学校での成績も伸びていて、授業態度も落ち着いているそうです。
☆くんに対して、ご家族も私も、
あきらめない
無理はさせない
好きなことをたっぷりさせる
の3つの態度を大事にしてきました。
好きなことというのは、☆くん、歴史マンガを中心にして大のマンガ好きなのです。
マンガをたくさん読んでいることも、☆くんの高学年からの成長の理由のひとつだと考えています。
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親自身も、自身の成長は、不連続なことも多かったと思い出せるはずなのですが、なかなかつながりません。
子供の能力は、努力した分野か、どうでないかに因らず、
あるときは、予想以上だったり、
他のときは、後退していたり、
何度も何度も経験します。
親自身はどうだった?
そこでようやく、自分もそうだったはずだと思い起こします。
無限とも思える、根気と受容が先行すべきですね。
でも、湧き出る感情は、違うものでした。
可哀そうなのは、当の、子供なのですが、
親は、子供に対し、一体何をしているのだろうか。
諦めない、というのはどこの親でも根底で抱えていることなのでしょうね。私も諦めてません、が、1年後はどうなっているんだろう、おそらく軌道修正をする必要があるんだろうな、という漠とした感じで受け入れつつあります。それでもしつこくいろいろ先んじて教えているのですが、諦めなのでしょうね、おそらく。
ぼくてんは算数も国語もものすごく難しいものをかかえていますが、それでも算数は答えがはっきりあるのでいいようです。国語は、文章を読む?!難関のあとで意見を求められたり、質問されたり、感想をきかれたり、正直無理!と感じるようです。ただし、算数の一般化、推論というのはまさに不可能分野に感じてます。様子が少しでも変わるとすべて初対面です。
でも、ぼくてんにはぼくてんの成長スピードがあるはず。好きなこと、ゲームなので、ゲームを勉強にとりいれるのもありかもしれません。いろいろ試して、ぼくてんの力を少しでものばせたら生活が彩りよくなるだろうなあ、と思ってます。
一番難しいのが、無理はさせない、です。ぼくてんが一番大変なのだということを肝に命じて新年もがんばります!先生のブログを読みだして3年になります。今年もよろしくお願いします。
他の子たちとは違う個性を持ち、
違う成長の仕方を見せてくれる子供たち。
親として、うれしい時も辛い時もあるけど
子どもの可能性を信じて、
また頑張っていこうと思わせてくれる記事です。
諦めることはしない。
子どもは成長していく。
このお子さんはもう中学生でしたよね?
充実した中学生活を送っておられるといいなと
心から思います。