虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

基礎的な発見 16 <すでに身につけている技術を別の場面で利用する>

2016-05-24 18:33:43 | 子どもたちの発見

工作をするにしろ、算数やパズルの問題を解くにしろ、

すでに身につけている技術を別の場面で利用するようになると

急速に上達しはじめます。

 

1年生のAくんは、ブロック遊びや工作に熱中するうちに、

一度、何かを学んで身につけると、あらゆる場面で使ってみるようになりました。

 

この日、牛乳パックで作った車を教室に持ってきたAくん。

自分の作品をうれしそうに披露しながら、「本当に乗れる車が作りたいよ。

エンジンとか機械のところがちゃんとついているのを!」と言いました。

 

なんとか箱をつぎたして、自分が乗り込める車を作った後で、

「前のところをパカッと開けるとエンジンとか機械とかがあるようにしたい」

と言いました。

Aくんがエンジン作りを始めたので、他のグループの子が思いついた

トイレットペーパーの芯に切り込みを入れて折る方法を教えたところ、

さっそくその方法を駆使してエンジン部分を作り始めました。

 

感心したのは、トイレットペーパーの芯に切り込みを入れるという方法を

紙コップや丸めた紙など、筒状の形があるところでどんどん使っていたところです。

 

また、これまで高架の上の線路や道路などを作ってきた時の方法を採用して

筒と筒を紙でつないで、機械と機械がつながりあっているところを再現していました。

 

ボンネットを開けるとこの通り。

 

「車のドアが開いたり閉ったりするようにしたい」と切り込みを入れ、

「ちゃんとカギがかかるようにしたい」と、箱についていた取っ手を使って

カギがかかるようにしました。このあたりの問題解決はわたしがお手伝いしたのですが、

「車の後ろの壁がちゃんと立つようにしたい」とか、

「小さく折りたたんで、お家に持って帰れるようにしたい」

というアイデアは、友だちが口ぐちにアドバイスをしていました。

 

「壁が倒れないように、箱を貼ればいい」というBくん。

「倒れない」という点ではいいアイデア。でも見た目が……。

 

乗れる車をこんなに小さく折りたためるようにしたのですが、

お迎えにきたお父さんに、「大きすぎるから持って帰れないよ」と言われ、

目に涙を溜めながら、エンジン部分だけ持って帰ることに納得したAくん。

作ったものは、泣く泣く手放すことになったけれど、

次の作品作りに活かすことができる技術や思考法はたくさん手に入れたはずです。

 


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