の続きです。
●くんは少し前まではたくさんあった
エコラリアがほとんどなくなっている状態です。
(エコラリアとは、オウム返しのことです。)
それは自他が分離し、自分と他人が意識されるように
なってきたということでもあるのでしょう。
そうした●くんの成長ぶりは、今年の11月のユースホステルでのレッスンで
誰の目からもわかるほどはっきりしていました。
少し前までは他者にまったくといっていいほど無関心だった●くんが
☆くんをお父さんに紹介したがったり、
他のたくさんの子らと打ち解けて過ごすことができたり、
自然な会話を続けていくことができたのですから。
でも、その一方で、●くんはまだまだ変化の最中、
つまり過度期にあって
何度も不安定になったり、後退したり、問題が多発したりする時期でもあるのです。
ですから、劇的な成長や安定した良好な状態ばかりを期待していると
焦りやうまくいっていないという不全感に
周囲の大人がとらわれてしまいます。
ひとつひとつの出来事や結果で揺れることがないように、
●くんにどんな環境やサポートが必要なのか
本筋からずれない大きな視点が必要なのでしょう。
ユースホステルで多人数と楽しそうに過ごしていた●くんを見て、
それまで☆くんとふたりレッスンだったのですが、
今回は★くんにも参加してもらうことにしました。
●くんの対人関係の幅を広げたいと思ったからです。
でもまだ少し時期が早かったようです。
新しい環境に戸惑って、それまであった積極的で快活な態度が影をひそめていたので、
やはり☆くんとふたりだけのレッスンに戻すことにしました。
といっても、3人でレッスンをしたことは、
わたしを含め周囲の大人たちが●くんについてよく知るためにも
●くんが「あの子知ってる知ってる」と感じられる相手を
増やすためにもよかったんじゃないかな、と思いました。
●くんは★くんには近づこうとしなかったものの
★くんが磁石で遊んでいると、後から磁石で熱心に遊びだしたり、
★くんと☆くんが折り紙を使って文字の学習をしていた後には、
ドールハウスや護送車に折り紙の覆いをつけたがったりしていましたから、
☆くんに関心があるのは確かでしたから。
本人に越えられそうな適度な負荷を用意しつつ、
●くんの世界が豊かさを増し、大きく広がっていくように
これからも支えていきたいな、と思いました。
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記事中の「お肉電車」と「ドアホン」の写真と過去記事の一部です。
↓
↑ 心の世界の豊かさや成長が感じられた
●くんのブロック作品。
ブロックの「お肉」のパーツを見つけて、それを線路の切り替えスイッチの部分に取り付けて、
「お肉電車」と命名した●くんは、
自分のアイデアが嬉しくてたまらなかった様子です。
わたしが「お肉電車用に」と言って集めてきた
「お肉」に関わるようなグッズ(恐竜や茶色い電車)を手渡すと、
ワァ~ッと飛びあがらんばかりの喜びようで、作品に手を加えていました。
「きりんの動物園」と「お肉電車」だそうです。