☆くんは時間割を書く前から、「ブクブク泡がでる実験がしたいよ」と繰り返していました。
前回のレッスンで、おフロ用の発泡剤を使った実験をしたのが
印象に残っていたようです。
そこでわたしが、「それなら時間割を書いて、1時間目は理科よいうことにしようね」と言うと、
「いいねぇいいねぇ」と乗り気でした。
次に、★くんに向かって、「2時間目は何がいいかな?」とサラッとたずねてみると、
「工作」という答えが返ってきました。
★くんの自然で素早い反応に、あれっとびっくりしました。
それに工作というのは、★くんがようやく
ほんの少しだけ参加するようになったものなのです。
「★くん、工作で何が作りたいの?」とたずねると、「逆上がり板」という答え。
逆上がり補助板のことでしょうか?
「★くん、☆くん。3時間目は算数でいいかな?」とたずねると、
「いいよ。算数好きだから」と☆くんが答えました。
1時間目の理科の時間。
花びらをすりこぎでつぶして、色水を作りました。
それにクエン酸や重曹を加えて色の変化を楽しみます。
途中で試験管の中にスポイドを落としてしまいました。
☆くんは、こうしたささいなトラブルに時に、「どうしたらいいかな?」とわたしといっしょに
アイデアを出していって、解決することが
大好きです。
今回のトラブルで、最初はピンセットで取ればいいかと思ったのですがうまくいかず、
ストローの先にガムテープを貼って、釣る形で取り出すことができました。
☆くんは、そうした解決案のひとつひとつに、
考えている間も、成功した時も、
小躍りしそうな勢いで喜んでいます。
2時間目は工作。
「工作がしたい」と自分から言っていた★くんですが、いざ、「2時間目です。
工作の時間よ、椅子を持ってきて」と言うと、不安そうにゴロッと床にうつぶせになっていました。
★くんにとって、何をするのかイメージしにくい工作は
まだ不安の対象なのでしょう。
そこで、100円ショップの切符セットを用意して、最初は切符を切符切りでカットする作業に誘って、
途中から切符が出てくる券売機を作る作業に誘うと、
いつの間にか楽しそうに工作に参加していました。
「切符はどこから出てくるのかな?切ってほしいところを教えて」と言うと、
★くんは、箱の下の方を指さしました。
この時の対応も自然です。
以前の★くんだったら、こんな風に自然なやり取りが成り立つのは
とてもめずらしいことでした。
たすねていても、聞こえていないようだったり、
しつこく聞くと、スーッと遠い場所に行って、ひとり遊びを始めたりしていましたから。
でも、今回のレッスンでは、1度として★くんが返事をしない、ということはありませんでした。
返事がすぐになくても、少し待っていると、
きちんと返事が返ってきました。
わたしは★くんが指さした部分を切りとってから、
箱の上部も切りとりました。そして、画用紙を箱の中に滑り台風になるように入れました。
「★くん、ボタンを押してみて、切符が出てくるよ」と言うと、
「ボタンがついていない」と箱の表面を探しています。
「そうね、ぼたんをつけなくちゃね」と言って、ペットボトルの蓋を用意し、ガムテープでぺったんテープを
作る方法を見せると、そこにボタンをつけていました。
ボタンを押すと、切符がでてきます。
この工作は★くんにとってわかりやすくて、魅力的なものだったようです。
次回に続きます。