『自閉症のDIR治療プログラム』(創元社)
には、広汎性発達障がいの子たちの「論理的に考える力」を伸ばす
具体的な方法がていねいに書かれています。
でも、実際、双方向のコミュニケーションが難しい広汎性発達障がいの子たちを相手に
本に書いてある通りにしてみようと思っても
うまくいくことは少ないかもしれません。
そこで、わたしが広汎性発達障がいの子たちと過ごしたとき、
こんなことに気をつけたら、うまく通じあえた、大事なことを伝えることができた
と感じたポイントを書かせていただきますね。
気をつけるといいと思う点は、次の6つです。
★原初的知覚のなかの代表的なものとされる
「力動感」をいきいきと感じることができる
遊びを増やして、子どもとその知覚を共感しあうこと。
(遊び道具に何を選ぶか。遊び道具の扱い方の工夫。身体によって感じとるように子どもを観察する。
その際、京都大学大学院人間環境学研究科教授の鯨岡峻氏の著書にある
間主観的に「分かる」という察し方を大事にしていくと、子どもとの距離が縮まりやすいと思います。
間主観的という言葉についても後でもう少していねいに説明しますね)
(「力動感」については大正大学大学院人間学研究科の小林隆児氏の著書で、何度もくわしく取り上げられています。
私も後でもう少していねいに説明しますね)
★こだわりに、よりフォーカスして遊ぶ。話題も、その子が注目してこだわっている部分に
より近づいて、話す。
★教えるより先に関係作りを優先する。
大人の意図する方に子どもを動かそうとせずに、まず、子どもにリードさせる形で
遊びを始める。
子どもが心地よさを感じるような関係を作る。
★工作にしても、学習にしても、
まずアフォーダンスの視点から子どもと物との関わり方を観察して、それをヒントにして
活動の環境を整える。
「アフォーダンス」とは、環境が人や動物に与える「行為の可能性」のことです。
これについても、後でもう少しくわしく説明しますね。
★シングルフォーカスに陥りやすいと思うので、そこから抜け出すまでの時間や、
どのような場所やどのような流れで気分を切り替えることができたのか、
過去の体験を整理しておく。
★普段、その子の生活でタブーとなっている言葉や振舞いなどを、
あえて遊びの場で使っていって、内にこもっていたものを
外に出させる。
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上の6つは、私が広汎性発達障がいの子らと工作をしたり、
ごっこ遊びをしたり、勉強をしたりするときに、
その時間を楽しく有意義なものにするのに役立ったポイントです。
次回に、もう少し具体的に説明させていただきますね。