虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

現代っ子 と 広汎性発達障がいの子 と 論理的に考える力 4

2011-09-22 07:56:21 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

私は自閉症の専門家でもなんでもないのですが、それなのに

どうしてこうした記事を書いてるのかというと、

ハンディーキャップを持っている子を育てている親御さんたちが、

病院に通っていたとしても、療育に通っていたとしても、特別支援の教育を子どもに受けさせていたとしても、

どのように子どもと関わっていったらいいのかわからなくて

とまどっている姿にぶつかるからです。

 

闇雲に様々な方法を試した結果、そうした親御さんの教えよう、

早く成長させようという対応が、子どもから自発的な意志を奪ったり、

困った行動を生み出したりしているのも見かけます。

 

自閉症の療育に関する本はたくさん出版されています。

でも、実際にはひとりひとり個性の異なる広汎性発達障がいの子たちに対して

本の通りに対応しようとするとうまくいくか……というと、とても難しいのが現状のようです。

 

そのため、いいとこどりをするような形で

「簡単にだれでもできて、即座によい反応が見らたようにみえる方法」

「取りあえず、これをさせておけば周囲が安心できる方法」ばかりが繰り返されて、

そうした即効性を求める断片的な対応のせいで

子どもの成長にとって本質的で絶対不可欠なものが

ないがしろにされているようにも見えるのです。

 

専門知識とか情報といったものが何もない無の状態で、

わたしたちが最初に自閉症スペクトラム障がいの子とすることは、

コミュニケーションを取ろうとすることだと思います。

 

心と心を通い合わせること、

互いに伝えたいことがスムーズに伝わり合う状態にすることです。

 

それがいろいろな情報を頭に入れると、

まるで機械の取り扱い説明書を手にしているような構えで子どもと向き合い出して、

人と人が関わる場合暗黙の了解として当然あるはずの

コミュニケーションの基盤となるようなものを作る努力すらされないまま

良いとされる方法だけが子どもに試されていきがちです。

 

そういう姿を見るたびに、わたしはコンビニやハンバーガーショップにいるような

気分になります。

何かを与える側が、与えられる側に、

良いとされるマニュアル通りの対応をしていて、そこにはにこやかで文句のつけようのない関係が演じられていく

けれど、そのふたりの人間的な距離はいつまでも縮まっていかないというイメージです。

 

言葉についての説明が後まわしになっていますが、次回に続きます。

 

 


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