小2のAちゃんのお母さんから、
「3ケタ÷2ケタ の 割り算でつまずいています」とうかがったので、
Aちゃんといっしょに割り算のひっ算の練習をすることにしました。
(Aちゃんは算数が得意な子で、
今、自宅で『最レベ算数3年生』の問題集をしています。)
342÷25を計算してみます。
Aちゃんが戸惑っていたのは、「商を立てる」位置でした。
そこで、最初に34の中に25があるか、考えてみることになりました。
(わかりやすいように、右手で2を隠して、34だけ見えるようにしています。
割り算の商を立てる前に、
おはじき等を使って、ある数の中にある数がいくつ分あるか、という
割り算のイメージをつかむ練習をしています。
(教室では、おもちゃの金貨を使ってこの操作をすることが
よくあります。海賊が金貨を山分けしているようで、
おはじきでするより盛り上がります。)
たとえば、8個のおはじきがあって、3で割る場合、
8個のおはじきから3ずつ取り分けていくと、
2回取り分けることができて、2個あまることがわかります。
34の中に、25があるか確かめる時、
こうして34個のおはじきから、24個分を取り出す操作をすると、
「商の部分に立てる数字は、こうやって、手で取り分けている操作が
何回分かということなんだ」と感覚の上で納得する子が多いです。
そうして一度でも、しっかり納得すると、
「3個しかないのに、25個取り出すことはできないから、3の上に商を立てない」
とわかるようになるし、
「数字を書くのは、ここでいいのかな、右だったかな、左だったかな」
と迷うことがなくなります。
商を立てる位置が決まったら、
割る数も割られる数も、「だいたい30とだいたい20のことだから……」
とどちらも指で1ケタ目を隠して3÷2で立てる数を推理すると、
計算が易しくなります。
次第に慣れてくると、こんな面倒な操作は必要ないのですが、
「できない、わからない」と不安を口にすつ時期や
混乱してミスしやすい時期は、安心して計算に取り組める特効薬になります。
商を立てたら、かけ算して、引きます。それから、あまりの92を25で
割る操作をします。
「難しそうよね。でも大丈夫、指で隠すと、だいたいいくつで割っているか
すぐわかるからね。ピンチに陥ったら、左の人差し指と右の人差し指を
使えば解決するよ」と子どもに伝えると、ちょっと困った顔をしていた子も、
パッと明るい顔をして
意欲的に最後まで解ききる場合がよくあります。
Aちゃんも2ケタで割る割り算をしっかりマスターしていました。