7月20日島根県・松江にて

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2050年までにCO2排出量を50%削減しないとならないことは確かなのであります。
これは既に世界の政財界でも共通の認識として成り立ちつつ在ります。
そこで、85年頃の原発建設ラッシュ以来の原発増設が世界的に進められています。
南アフリカやウクライナなどでも造るということで
兎に角、世界中に500基以上の原発が在るという時代が、やってきます。
これらはほぼ規定路線として、進められています。
省エネ
新エネ
そして原発
これらを全動員して、それでも地球のクライシスが回避できるのか否かは、定かではありません。
しかしながら、
高放射性廃棄物
事故
核兵器への転用
といった問題は、まったく答えの出ない状態のまま
事は進んでいます。
いや、答えを未来の技術発展と未来の人間の道徳に委ねた状態であっても
兎に角、原発によるエネルギー補填なくしては、CO2問題の差し迫った危機が日々
我々の首を締め付けているからです。
そんな僕は、本日飛行機で出雲入りし、松江に車で入りました。
もうどげんしていいのか、わかんない。
ということで、
20日海の日のこのライブのために
原発反対派、推進派の意見を雑誌や本から
拾い読んでは
浅い知識を少しでも充填しておこうとしています。
「知る」
「感じる」
「考える」
「動く」
一人一人に出来る事はそれしかないと思います。
「絶望」
「自暴自棄」
よりも恐いものがあります。
「無関心」です。
主催の後藤健太が今日こう言いました。
「愛の反対は憎悪ではなくて、無関心やと思います」
松江の原発に3号基が新設されています(23年完成予定)。
2号基はプルサーマル(MOX燃料)計画が決定しておりますが
技術が整っていないということで、反対派の意見もあり5年先送りという状態です。
プルサーマル計画というのは
通常の原発(現在日本では53基が稼働)
から排出される燃やし終わった核燃料棒(高濃縮ウラン)があるのですが
この核廃棄物の9割以上が、再処理をするとまだ使えるのです。
発電中のウランから生まれるプルトニウム(これは自然界では生まれ得ない物質)と、まだ使えるウランです。
このプルトニウムが、ウランを遥かに上回るエネルギーを生み出すことが出来ます。
ただし、「高速増殖炉」と呼ばれる、専用の技術が必要になります。
高速増殖炉を使うと、1のプルトニウムの力が5にも10にも増殖することが出来ます。
最終的には1000倍に利用価値が高められるということです。
ところが、世界の何処でも、事故の起きない安全性の証明された増殖炉が存在しません。
(仏も英も、再処理工場の事故の後などに、この政策を撤退。米も、再挑戦しようとしましたが、オバマ大統領によって、政策転換)
そして、日本でも皆さんご存知の高速増殖炉「もんじゅ」の事故によって、この計画は一時見送りという状態です。
しかし、日本だけは、この高速増殖炉計画を諦めていません。
(日本国政府答弁によれば、この技術の安全性が確保されるのは、最速2050年)
何故、プルトニウムにこだわるのかといえば
通常原発で使用されているウランという資源が、あと70-80年で枯渇する見通しだからです。
そういった状況で、日本がプルトニウムの利用方法を世界に先駆けて確立した場合、
はっきりいって、エネルギー危機の進む未来において
日本は世界の実権をにぎることが出来るでしょう。(現在の石油産出国以上の、力)
日本には三菱重工、日立、東芝といった原子炉メーカーが在りますが
これら企業も、純粋なビジネス論理にのっとれば、非常にホットなチャンスを見据えて
日々、研究に余念がないことでしょう。
サザエさんも、このことには言及してくれませんが。
50年以上前に、手塚治虫先生が描かれた漫画『鉄腕アトム』で
アトムの心臓を原子炉にし、シリーズ最大の敵ロボットの名前を「プルートウ」としていたわけですが、
もはや予言者のような先見に驚くばかりです。
(プルートPLUTOとは、冥界を司る神、死の国の魔神、地獄の使者、といった意味合い。)
さてさて、
そうした状況で
日本は通常原発から排出されるプルトニウムを、コツコツと備蓄しています。
が、これは「核を持たない」と宣言した非核三原則に抵触するばかりか、
国際原子力機関(IAEA)の核不拡散条約にも抵触してしまうらしいのです。
つまり、ただ溜め込んでいるだけでは「将来的な核兵器」への転用を疑われてしまうので、
「使用目的」がないとならないのです。
ちなみに長崎型の原爆が8キロのプルトニウムを使用していますが
現在日本で排出されて溜まっているプルトニウムは43トン(再処理を続けると年間8トン増え続ける)
在ります。
そこで、ウランで薄めたプルトニウムを、現行の通常型原発で燃やそう、
というのがプルサーマル計画です。
このプルサーマル計画は、まだ安全性が完全には立証されて居りませんが
四国や九州の原発でも導入が計られて居ります。
(九州・玄海原発が今年11月に稼働予定。四国・伊方原発が来年の2月に稼働予定。)
嗚呼、俺にはもうこれ以上説明できんよ。
勉強つづけます。
とりあえず
20日の月曜日、松江市民活動センターの5階で
再処理施設の稼働が決定している青森県・六ヶ所村のドキュメンタリー『六ヶ所村ラプソディー』の上映会
そして其の後、B1で僕と後藤健太のバンド・ポリチカによるライブが在ります。
いい機会に、出来るのじゃないですか?
近隣の皆さん、
たった独りの男がたった一人で動いています。
彼の活動の動機をおおもとまで辿ると、2003年の富士ロックでの犬式のライブを観たことに端を発するらしいんだ、これが。
そして彼が松江のライブハウスに勤めている時に、犬式にライブオファーをかけてきた6年前、
彼は20歳で僕は24歳でした。
本当にひどい、誤字脱字だらけのファックスが始まりでした。
そんな健太が、必死に勉強を続けて、本を読みあさり、
いまや松江市長に質問状を送るまでに成長しました。
いま、彼の部屋でこのブログを書いてましたが、
一度アップしたこの記事の誤字を指摘されちまったよ。
ハハハッハ。
ああ、音楽やってて良かったよ。
ゴッホよりは幸せに死ねそうだ。
健太が今日、温泉でフルチンでこう呟きました。
「昔、アイヌの部族同士で争いが起きると、話し合いによって決着が着くまで、何年でも話し合いを続けたらしいです。」
一人でも多くの方が、このイベントに来られて
プルトニウムよりも遥かに大きなフリーエネルギー、「独りの人間の覚醒」を握りしめて帰っていってくれることを
願ってやみません。
俺たち世代は、
(おれのいう世代とは、現在生きている全ての年齢を差す)
産業革命以来のツケを払わさせられている。
だからといって、
俺は、4歳の娘の将来に、1000倍のツケを残したくはない。
WE ARE GONNA BE THE LAST GENERATION.
OR NOT ?
此処まで読んでくれた方は、以下の映像を観ると、理解が1000倍深まると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=3gFvgSFumog