写真:御前崎の夕陽 by tomohiko
さあ。明日はいよいよ残暑徹頭徹尾です。
皆さん、屈伸運動をよくしておくように。
残暑が足りていない東京地方です。
渋谷は円山町から亜熱帯を出します。
そのつもりで来るように。
よろしう。
夏の絵日記その①です。
8月26日 静岡県相良 ウインドブロウ(windblow)
僕はこのフェスで二つの宝に出逢った。
ひとつはスピナ・ビルとそのバンド。
もうひとつはサーフィン。
ベースの淳悟は現在活動を停止しているloopjunktionだったわけで、
鍵盤ていうか、何でも屋三のやっさんは吉祥寺の住人だし、
ドラムのケンちゃんはボストンでcro-magnonの面々とセッションしてた男で
そんな縁もゆかりも深いトリオが支えるビルのバンドは、
完全にビルの唄を包み込む空気を作り出していた。
ビル君の唄は、日本の男の正当な歌い手の中で最上ランクに置かれるものであろう。
巧いし、とてもソウルフルで、何より人間が魅力的だ。
メジャーでCD出し始めたのが犬式と同じころからで
互いに「レゲエ」として括られた出発だったから、
ここ数年でなにかと名前は聴いて居て、
studio grownにも三回目の放送でゲスト出演してもらっていたのだが、
アルバムも聴いていたのだが、
あの日のライブで僕は初めて本当のスピナ・ビルに出逢った。
気づいた、と言い換えても近いかもしれない。
レゲエとロックが幹を成すのが犬式ならば、
レゲエとソウルやR&Bを混ぜていくのがビルの音だ。
どっちも天邪鬼な混ぜ方をしているうえに、
平気で何処へでも脱線するから、
ジャンルという括りのない音が出ている。
ただ其処にあるグルーブが独自にうねってるから、
その場に居合わせる者の心を動かすことができる。
東京で燻る生活の中から火種を拾ってる僕と違い、
ビルはいたって自然体で海風に唄を乗せていたような気がする。
「波乗りしてる人の音だなあ。」と。
ケイソンも完全に水の野人だった。
吉祥寺の姐御・レヨナもツイツイと波乗りしてた。
それでこの度僕は、
このサーフィン大好きな人たちが主催する、
翌日のビーチクリーニングを最終目的とした海辺のフェスにて、
必ずサーフィンをやろうと思っていた。
およそ5年前、会社員をやっていた短くて長い時代に一度だけ、
会社のアメフト部に居た3期うえの先輩に千葉の海へつれていってもらったことがある。
ショートボードで、何故か一度波に乗れて立てたのだ。
初回で立てるのは珍しいと言われたが、
兎に角あの感触が忘れられないでいた。
だが会社を9ヶ月で退社して音楽の道に入ったから、
その後の2年ほどのわが人生最貧時代に内陸の武蔵野からサーフィンライフを始める余裕はなかった。
そうこうするうちに5年ほどが経過していた。
どう振り返っても自分の人生で一番激動の5年間になるのじゃないかと思うが、
最大の出来事のひとつに犬式を発掘したディレクターをサーフィンで亡くすということがあった。
そのことは僕に余りに多くのことを教えてくれた。
僕が今此処に居ることの理由の多くを与えてくれた。
フェス翌日27日。
相良からさらに南下した静岡の最突端・御前崎にて、
JAZZBOO(http://www.jazzbo.jp/)というサーフィンショップ・バー、
つまり地元内外のウオーターマン達の集い場があるわけだが、
そこにビーチクリーニングを終えていよいよ波に乗ろうかという
真っ黒に日焼けした面々が車を10台ほど連ねて其処を出発した。
今となっては。
Renatureというヘンプ地の洋服を造っている井ノ口君や、
(今夏ライブのすべては此処のタイパンツ・ショートパンツ穿いて臨んだ http://renature.jp/)
鵠沼サーフィンライターの国吉さん、
吉祥寺の兄弟・幸一らの導きでこのイベントに出演できて、
波乗りへと誘われたことに感謝するばかりである。
JAZZBOOの裏庭にあるランプでスケートボードにもチャレンジして、
これもかなり面白かった。
結局、帰途につくバンドカーに僕だけ乗らずに置いていってもらった。
もう既に御前崎に滞在が一週間目というバタードッグのトモヒコと
飲んだりスケボーやったりして緩い時間を堪能した。
ランプでアコギ弾いて気持ちよく唄ったりした。
地元の兄弟が感動してて、
弟の19歳は携帯から街の友達にギターを注文していた。
御前崎で僕は本当のサーフィンライフが始まった。
御前崎に唄を落としたら一人の若者がギターを手に取った。
少しは恩返しができただらうか。
翌日さらにもう一度海に入ることができて、
延泊は完全に吉と出た。
自然回帰。
RENATURE。
ゲイリースナイダーみたく言うなら
The Practice of the Wild(野生の実践)。
僕の人生における、その大きな段階が、
サーフィンと共に始まった夏でありました。
海から見えてくるものの多さに、うちの娘くらいピノキオ状態です。
ウインドブロウ主幹田中氏その他すべてのスタッフの皆さん、
3000人を越えるお客さん、ワイルドな出店、
フェスを受け入れる相良や御前崎という土地にリスペクトを捧げます。
号外
今夏犬式を金沢・七尾のGREENFESTIVALと上記WINDBLOWへとアテンドしてくれた
吉祥寺の弟・幸一が頑張って開くライブです。緩く、熱くやろうと思います。
吉祥寺の兄貴PJやラスタカシ君たちダブセンのアコースティックも、
水の鉄人衣笠ケイソンも一緒です。
さらに吉祥寺のグルーブレジェンド・DJ吉沢ダイナマイトjp(EX.シアターブルック)。
イヨッ!来ないと損だねこりゃ。
しかもその後の深夜帯はそのまま吉沢君らで「ディスコナイト」。
ライブのお客さんは無料で残れてシマウマ。
吉祥寺SPC NITEはかなり独自の磁場が出てるクラブで、
僕や柿沼はここで働いて遊んで育った。
堪能してください。飲んじゃってください。楽しんじゃってください。
おいでませ・きちじょうじ。
9/22 (FRI) 吉祥寺 STAR PINE'S CAFE
LOVE VIBES
Keison / 三宅洋平 (犬式 a.k.a. Dogggystyle) / DUBSENSEMANIA (※Acoustic Set)
DJ:吉沢dynamite.jp
open&start 18:00 ¥2800/¥3300+1drink
http://www.mandala.gr.jp/spc.html