「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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土壌調査はどういう目安と考えるべきなのか。特に西の危険は何を考えるべきか。

2011-08-21 13:54:00 | 福島第一原発と放射能
三重県四日市市セシウム合算6.6Bq/kg 、 ヨウ素ND 
岐阜県中津川市セシウム合算11.4Bq/kg、ヨウ素ND
 長野県茅野市セシウム合算8.9Bq/kg、ヨウ素ND 
 
検査機関B(NaIシンチレーション使用  シングルチャンネルアナライザー)、検出下限20Bq/kg
 
兵庫県神戸市西区全てND
 
 これらの数値が出たエリアは、この数値が全てでありませんので、ある特定ポイントの数値です。関東より西では、これから何十箇所も数値を取る事で、傾向がわかる可能性はあります。また、ホットスポットが判明する場合もあります。勿論、過去に日本国内で、セシウムの土壌汚染は確認されている場所はあります。例えば原子力施設が集中している、東海村はセシウム137で60Bq/kg程度、2009年の平均で出ていますので。一定程度汚染されている場所は、全国元々あります。しかし、ある程度数値が出てきている場所は、今回の原発事故の関連と思います。
 
 このような数値であれば、数百ベクレルから数千ベクレルがあたりまえの首都圏とは異なり、大丈夫と考えたいのですが、その点で、考えなければならないのが、いわゆるホットパーティクル、細かい放射性微粒子の存在です。僕が西日本で、顕著に空間線量が上がっている原因は、この微粒子の存在ではないかとおもっています。土壌に多く蓄積するほどの量ではないと推測できますが、空間には、まっている。この量が一定レベルを超えると、吸引で人体に害を及ぼすのではないのかという懸念をもっています。気管や肺に、及ぼす影響、特に肺、中皮種などに及ぼす影響を懸念しています。前にも書きましたが、アスベストのようなケースで、慢性の長期被曝が続き、一定レベルを超えると、発症するのではないかという感覚です。福島は言うに及ばず、南東北や関東はこの危険は濃厚と思います。ポイントは、それより西の土壌で、高濃度に汚染されていないエリアでも、この危険を無視して大丈夫なレベルなのかどうなのかということです。恐らく発症の閾値が推測できて、さらに環境中にあるホットパーティクルの量の推測があり、吸引のモデルを立てて、どの程度吸い続けるかのシュミレーションがたてられれば、現実の危険性が判断がつくと思います。こうしたことをどうやってはじめるのか。協力してくれる専門家がいないし、現在は、方法が思いついていません。
 
福岡の講演会は満席です。五時半からの懇親会のみ空席もあるようなので主催者にお問い合わせ下さい。

http://kokucheese.com/m/event/party/15753/

 
ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に避難すべきだと僕は考えます。優先順位は「避難する」ことです。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く避難することをすすめます。

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
幸福実現党 (りんご)
2011-08-21 15:50:09
幸福実現党

昨日8/20、東京武蔵野市の「吉祥寺駅」周辺で幸福実現党のデモ行進が行われました。


「原発を廃止してしまうと電気料金が大幅に高くなってしまうので原発廃止は阻止しよう!!」

「放射能は安全です。放射能は怖くありません!!」と声高々に叫びプラカードを掲げていました。

人々の幸せ・世界の平和を考えるのが宗教。

ここまでとは・・・

残念です。
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北海道の土壌汚染の傾向につきまして (774)
2011-08-21 16:01:56
私は4月末来、北海道農政部発表のデータを白地図上に記入して汚染状況の傾向をチェックしています。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/dojomonitoring.htm


傾向としては津軽海峡から道北の最北端にいたるまでの太平洋側沿岸部に近いほど汚染傾向が強くでています。
発表では平年のレベルに収まると言っています。個人的な見解になりますがセシウム137しかデータがありませんので134も考慮すると心配な結果だと思います。
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空間と土壌 (Unknown)
2011-08-21 16:09:49
いつも貴重なデータを有難うございます。

どなたかが書いていらっしゃいましたが、空間線量と土壌の放射能量は必ずしも相関しないようです。
土壌に沈着しない軽くて小さいホットパーティクルが西日本にも飛びまくっている可能性が高いです。
そうすると、コープデリで鹿児島産の『野菜ピューレ皮ごとさつまいも』が基準値以内としても20Bq出ていることもうなずけます。葉物や皮ごと食べるというのは西日本でも危険ですね。

呼吸被曝ですが、Nuclear Holocaust and The Politics of Radiationに記載があるようです。
まだ原文を探せていませんが、

http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku8.htm#84setsu

に、兵士が最も有効なフィルタで防毒マスクをしていても、1日で2千8百万個のこのようなホットパーティクルを吸いこむ。そのうちの70%は血液に入る。

との記載がありました。これは劣化ウラン弾のプルトニウムの話のようですが、呼吸被曝による全身諸臓器の障害というのは思っているよりシビアなのかもしれません。


「誕生前の死」は藤原書店がネットで売っているようなので、こちらも取り寄せて読んでみたいと思います。
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放射線可視化商品 (パパ)
2011-08-21 17:34:21
放射線可視化可能なシンチレックスという商品が9月に販売予定とのことです。

放射線があると青色に光るプラスチックで、1万円を切る、かなり安価に購入できるとのことです。

京大、帝人等の開発。京都大学はやっぱり東京大学東大(頭狂大学!失礼しました)とは違いますね!東大では、今は児玉さん以外、まともな人は知らないので。

詳しくはこちらで
http://blogs.yahoo.co.jp/kusabibibi/5566209.html

京大
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110629_1.htm

使い方は色々生まれるでしょうが、これでスーパー等で商品にかざせば、放射能入り商品がすぐわかる。産地偽装対策にもなる。
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西日本でも、高い数値が出ることについて (***)
2011-08-21 18:20:47

福井県の敦賀原発は余震の影響で
相当量の放射性物質が飛散している、とか
浜岡原発でも
停止工事の最中に相当量の放射性物質が漏れていると言った情報もあります。

それによって、西日本エリアでも高い空間線量が出ている、
という情報もあります。
福島の問題のように、明るみに出ていないですが
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自衛の限界 (カイル)
2011-08-21 19:21:08
木下様、皆様・・
  たくさんの情報・ご意見、たいへん勉強になりま  す。ありがとうございます。

まず、記事の主旨とは離れてしまいますことをお詫び致します。お許しください。

覚えておられるでしょうか? 農水省の「食べて応援しよう」というスローガンのもとに各社がそろって「社員食堂」に被災地の食材の使用を決めましたが・・。今なおそのままです。

私が子は入社2年目、寮でお世話になっております。従って3食全て会社の食事をいただいております。首都圏の外側ですし、私も当初は国を信頼しており心配はしていなかってのですが、各地の空間線量が地上数十メートル地点であったことや、飯館村の牛が全国にひきとられる事実を知ったあたりから「被爆を拡散させる」政策を日本がとっていると気がつきました。まずわが子に自覚をさせ、自衛をせねばと働きかけていましたが「誰もそんなことで騒いでいない」となかなか意識の一致をみることができず、奮闘しておりました。・・ところに牛肉の騒ぎです。

一個人でも!と会社に働きかけましたが、「社員の健康が最優先である。」とは考えていただいてはおりましたが、「国の基準に沿っての被災地支援も続けます」とのお答えでした。また、食堂運営をしている業者さんからは「被災地の材料の使用については顧客(企業サイド)からの要望であるため勝手にはできない」という返事をいただきました。

これから秋の収穫期にむけて米をはじめとする汚染が深刻になります。事故後5カ月を経てもなお「今の暫定基準値」を使い続けると決定した今、子供たちの給食だけでなく全国の「社員食堂」でも前途ある若者たちが内部被ばくの危機にさらされています。

われわれ世代、中年の日本人の気質として「会社に意見する」というのはなかなか考えられないことですのでせめて「自衛」を!と思ったのですが、社会全体が危機意識を共有した環境にないと容易ではないことをわが子と話し合うなかで痛感致しましたし、また、ウチだけの問題ではないことにも気がつきました。

今後 もう一度会社に前向きなご検討(たとえば独自の(せめて震災前の)基準値を使用する。会社で自主検査を行うなど)をいただけるようにお願いしてみようとは考えていますが、他にできることはないでしょうか?

各地で企業が「食べて応援する」ことが真の支援ではないという立場で、違う形での被災者の皆様への働きかけを行う姿勢を見せてくださることも、この国を変えていく大きな力になるのではないかと期待したいと思うのです。

アドバイスをいただきたく、どうかよろしくお願い申し上げます。







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Unknown (Unknown)
2011-08-21 22:45:44
個人的な感覚で申し訳ないのですが 関東のホットスポットにいるときと今いる北海道では核種が違うというか臭いが違います。
関東にいるときは土埃の臭いが多く時々洗剤のような臭いがしてました。
北海道では洗剤のような臭いがキツかったですが今では金属臭に変わってきました。
あときめの細かさは違うなと感じます。肺の奥の方まで入り込んでいってしまうというか…雨の日はもっときめ細やかなかんじです。
もしかして海水から蒸発した気体の水の中に放射性物質が含まれてたりして。
気象に詳しい訳ではないので何ともいえませんが…
これらは私の感覚的なもので本当に科学的に証明されないであろうことが悔しいですが。
なにか汚染状況を知る手がかりになればと思いコメント残しました。
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東北独特の空気 (母子避難中)
2011-08-21 23:11:09
岩手県一関市はホットスポットとして雑誌にも掲載されました。
しかし、そこにある主人実家地域では誰も汚染など気にしておらず、普通に家庭菜園・米作りをしています。
放射能汚染は遠い国の出来事のよう。

密接な近隣との関係が震災時に助け合えた反面、自分だけ避難するなどもってのほか・それくらいなら先祖代々のこの土地で死ぬ・お墓を置いて行くなんて・・という空気です。
アノ空気の中「皆で土壌調査しよう」とは言えないだろうなと推測出来ます。(都市部以外は同様だと思われます)
ですので、「測ってガイガー」などのサイトにも仙台以北はなかなかupされないのが理解出来ます。
さらには、テレビ・新聞・役場への絶大な信頼感。
説得なんていくら時間があっても足りないので、気付いた人が行動するしか無いですね。
独身の義弟は義母の作ったものを食してますので、家庭菜園の土を検査に出す方向で主人に打診してみます。
ちなみに、その地域では牧草からセシウム検出されましたが、保育園・学校校庭からは未検出だったそうで疑問に思っております。
地元の方は、役場の発表に誰も疑問を持たず、大丈夫だと安心しています。
もちろん本当に未検出ならそれに越した事は無いのですが・・。
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日本中、定期的な尿検査が必要。 (神戸ママ)
2011-08-21 23:32:22
西日本の土壌検査の一部結果発表をありがとうございます。今後は国の予算で日本中の子ども達の尿検査を年一度行って貰う事を希望します。子ども達の尿検査を個人的に頼みたいですが、1人30,000円。2人で60,000円。決して楽な金額とは言えません。せめて10,000円位だとありがたいのですが。そう言えば、今日はテレビである人が福島で経済特区を作り、完全密閉された野菜工場を作りたい(完全密閉だから放射能は無い)と言ってました。完全密閉できると考えているなんて正気じゃない。国やお金の亡者もいい加減にして下さい。給食に注意が必要です。14才の息子が輸入水を飲みながら「これが一生続くのかぁ」としみじみ呟きました。本当に恨めしく思います。日本中の子ども達が孫を抱ける人生を送ってくれる事を切に願います。
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放射能の説明 (パパ)
2011-08-22 00:14:07
投稿でよくある、ご主人が放射能、被爆の危険性を理解してくれない、について、この動画をおすすめします。
市川定夫さんが、放射能について非常に分かり易く説明されています。被爆の恐ろしさ、子孫に代々受け継がれてしまう謝ったDNA情報。本当に人工放射能は恐ろしい。

http://www.youtube.com/watch?v=-CeLnWq8rjs&feature=related
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