今月上旬に、台湾でヘレン・カルディコット博士の講演が行われました。台北と台中など三か所で開催されましたが、彼女が、被曝国日本でなく、近隣国でどのように話しているのか。日本に最も近くて、なおかつ親日国で、さらに知的水準も高い台湾で、放射能を意識している人たちが、どのようにその話を感じているのか、そして日本にどう感じているのかを、僕らが認識するにはよい材料と思います。
自分たちが置かれている立場を踏まえるために。
福島から移住されて、現在現地の大学で勉強されているUEMAE MAYUKOさんの翻訳によります。(博士の英語を、現場で通訳が中国語で話されている環境。)この台中講演会の要旨報告です。
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・司会:
二週間前、宜蘭縣の行政職員と東京・福島へ行ってきた。三つのガイガーカウンターを持っていった。
一つは、一番安い3000NTDぐらいの物、二つ目は、7万円クラスのもの、もう一つは、
30万NTD以上の高性能ガイガーカウンター。福島は、もちろん線量が高かったけれど、
一番驚いたのは、東京の線量がとても高かったこと。東京は、0.6μSv(木下注:地表の計測と思われる)という所がそこら
中にあり、驚いた。台湾の10倍以上で、びっくりした。福島は、もう比べ物にならないぐらい高かった。しかし、普通にこども達が生活していてなんだかどうすればいいかわからない感覚になってしまった。
ガイガーカウンターは、3つもっていったが、低い線量の場所では、あまり大差無し、高線量地区では差が大きく見られた。やはり、安いものから順に、低めに線量がでた。つまり、ほとんどの民衆は高価な物は買えないはず。福島だろうが東京だろうが、自分が住んでいる所の正確な線量をわからない人が大多数だと思った。
・媽媽原発監督連盟会長:
(台湾の)自分の家から原発までは、8㌔しかない。とてもこわい。
福島では、何㌔以内と線を引き避難区域を決めていたけれど、
その線を越えたら安全な訳ないでしょう!みんな、きちんと想像して欲しい。あれは、安全危険の区切り線ではない。
今回、ヘレンの講演会を台湾の三カ所で開催できてとても嬉しい。
そして、今回は、いくつかの団体と医学大学が合同で主催できたのもいいことだ。
しかし、ヘレンの講演会を一番聴かせたかったのは、政府・台湾電力・馬英九總統だ。
馬総統宛に、私たち媽媽監督連盟とヘレンと対談しましょうと話しを持ちかけたが、忙しいということで結局できなかった。しかし、国民投票にむけて頑張るしか無い。頑張りましょう。
・ヘレン・カルディコット講演 【約1時間】
基本的な放射能・放射性物質の話ーー教授や医学生は知っているはずだし、一般の人たちには、あまり難しいと困ってしまうだろうし眠くなるからこの話は、少しだけでおわり。原子力発電は、クリーンで最も安い発電方法方法であると言われていたが、プルトニウムなどの放射性物質により、実際には、世界中の人々が被ばくし、肺がんなどを引き起こす。
まず、台湾にきて、日本の食品が多く輸入されているのをみて、本当に驚いた!
日本からの輸入食品は、食べるべきではない。放射性物質は、目に見えないし匂わないので、どこに入っているかわからない。ありとあらゆる物や場所へ影響を与えます。
例えば、今食べている日本の醤油は、二十年後に白血病や癌を引き起こす原因になってしまうかもしれないのです。だけれど、それは、本当に福島の汚染の影響だったかを特定することはできない。だからこそ、食べるべきではないです。そして、外国の話しだからって油断していてはいけないのです。福島原発事故は、終わっていないし、今からが本当の始まりです。台湾は、本当に、日本食品の検査や規制を厳しくするべきです。
しかし、私は、日本に行った時に、多くの日本人が、汚染された食べ物食べていてとても驚きました。そして、もう彼らは自分たちが汚染された食べ物を食べているということにもう慣れているようでした。一番おかしいことは、福島にまだこどもが住んでいること。ちなみに、福島だけでなく、東京の汚染もかなりひどいです。チェルノブイリの場合、約四年後からこどもの身体に大きな異常がみられ始めた。甲状腺異常の面でみると、ふくしまのこども達の甲状腺はわずか二年あまりでつぎつぎと異常が見つかっている。福島のこども達の被曝量はチェルノブイリよりもはるかに深刻である。福島の人、こども達は、高濃度汚染地に住んでいる上に、気をつけず普通に生活し、普通にその土地の物を食べている。これは、本当に大変なことである。また、日本政府は、避難を促したり、除染や汚染のない食べ物等を支援するのではなく、情報を隠蔽し、逆に汚染されたものを拡散させているそう。被曝回避はおこなわれていない。本当に、クレイジーな事ばかりが日本でおきている。
チェルノブイリがおきたとき、周辺の國の人々は、とても怒った。自分の土地が汚染され、「300年以上経っても元に戻らないのにどうしてくれるんだ!」と多くの農家の人が怒った。台湾と日本は、とっても近い。必ず台湾にも放射能汚染の影響は出てしまう。もっと台湾は日本に怒ってもいいんじゃない?と思うけれど、馬総統からは、そんな様子は一切みられないわね。台湾は、原子力発電なんか元々いらない環境なのに、とても残念。この太陽の強さがあれば、太陽光エネルギーにとても適していると思う。こんなにも、原子力発電が必要のないような環境をもっともっと理解して利用するべき。
それから、台湾は、今【核四】について、争っているけれど、重要なのは、「原発」をどうするかだと思う。原子力発電所はあるだけで、周辺の住人の健康に影響を及ぼすことがわかっている。例えば、事故が起きていなくても原子力発電所周辺は、白血病等の割合が高いなどの例がある。だから、原発の近くに住むことは、本当にお勧めできない。また、台湾は原発から都市への距離が近過ぎるし、避難範囲で予め想定されている距離も近すぎる。
【質問タイム 約一時間】
・質問者:台湾 反核NPO団体の男性
「ヘレン博士の講演を聴けてとてもよかった。台湾の核四原発についてどう思うか教えて下さい。」
⇒活断層がしたにあるので、とてもとても危険。新しいから安全とかはありません
また、核四だけでなく、古い原発達もはやくどうにかするべるべき。
・質問者:嘉義在住 日本人
「自分の実家は、福島原発から200㌔少しのところにある。原発事故後とてもこわくて、台湾でロシア製のガイガーカウンターを購入し、自宅や嘉義市の友人宅などをはかったら、0.4μSvとでた。とても、高くて、東京に帰った方がいいのではないかと悩んだ。日本の友人や家族は、どうして帰ってこないのというが、日本に帰るのもとても怖くて帰れないし、嘉義も高線量がでて不安でどうすればいいかわからない。小さい子どもが二人いるので本当に心配」
⇒(台湾の主婦連盟代表)台湾各地でいろんな人が、様々なガイガーカウンターで線量を量っているが、今迄そんなに高くでたというのは聞いたことがないので驚いた。とても不安だと思う。他の他のガイガーなどではかってみたほうがいいかもしれません。あまりに高すぎるのでとにかくびっくりです。お母さんが、不安に感じるのはとてもよくわかります。
(木下注:まず空間線量だけでこういう議論を始める人は、機械の設定や選択などがなにか間違っているケースが多い。もちろん自然線量で特に高い場所もある可能性は否定できないが。)
・中国医薬大学校長の話:
福島の原発事故・東日本大震災以降、中国医薬大学では、「災害医学」という授業や演習をおこなうことにした。台湾で数少ないことではないだろうか。原発の問題は、放射能が危ない危なくないという問題だけではなく、考え方や思想の問題も影響してくると考えている。国民投票は、今のままでは危険である。
Helen Caldicott訪台演講會-「輻射對人體的影響」
演講第一場:
時間―2013年7月10日(三) 下午1:30~4:30
地點―中國醫藥大學立夫教學大樓104教室(台中市北區學士路91號)
主辦―媽媽監督核電廠聯盟、台灣環境保護聯盟、中國醫藥大學
演講第二場:
時間―2013年7月10日(三) 晚上7:00~9:00
地點―台中企業家大飯店地下一樓和平廳(台中市和平街160號)
主持―徐光蓉(台灣環境保護聯盟學委召集人)
口譯―蘇姵榕(台大公衛所畢業)
主辦―媽媽監督核電廠聯盟、台灣環境保護聯盟、阿米巴社
参加者:大学教授、NPONGO団体、医大生、一般学生、主婦、日本人4人、医者 etc...
[報道について]
・予め各メディアに連絡したが、台中会場昼の部には一人も来なかった。
・前日の台北会場には来た
[その他]
・ヘレンカルディコット博士が引用し、後で見てみてといった資料ウェブページ
http://www.ccnr.org/hlw_chart.html
・今回ヘレンカルディコット博士来台にあたり、作成されたビデオ(製作:媽媽監督核電連盟)
https://www.youtube.com/user/MomLovesTaiwan?feature=watch
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この講演のポイントはいくつかあると思いますが、
1.カルディコット博士は、日本・東京を相当危ないと思っていること。
2.台湾が、日本の食材などは輸入しないように訴えていること。
3.醤油などの加工食材を通じて、健康被害になるという想定もしていること。
4.福島の子どもたちはチェルノブイリよりも酷くなると想定していること。
5.隠蔽や汚染拡散など、日本政府は狂気と表現されていること。
こういう感じだろうと思います。僕が気になったのは、台湾の団体が、放射線量を計測して、東京でも高い線量の場所を確認していること。これが、現在の台湾の環境と比べて、怖ろしく高いために、彼らの中で信じられないという認識が強まっていることです。
分っている人には、日本は福島だけでなく、東京がそのように見られている国であることは、皆さんは認識しなければなりません。
首都が放射能汚染されたのですから。
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8/10(土)の松山でのイベントで、僕の無料講演があります。
参加費は無料と思います。名称「反貧困フェスタ 2013 inえひめ」
主催 『オープンハンドまつやま』
(愛媛大学学生のホームレス支援の会)
ここの分科会の講師として、僕が招かれています。2時間程度の講演になります。
特別分科会「放射能汚染を考える」
開催時間 平成25年8月10日 (土曜日)15時00分から17時30分
場所 愛媛大学 城北キャンパス 南加記念ホール
特別分科会の会費は無料
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バンダジェフスキー博士DVD予約⇒http://bandazhevsky.jimdo.com/
「バンダジェフスキー博士東京講演 with 木下黄太」のDVDに関して予約受付を開始いたします。ただし、来週に編集が始まりますから、編集が終わり次第に、内容を精査して、盤のプレス作業を発注して、発送体制が整うまでに、少なくとも三週間程度はかかると思います。8月下旬です。この段階で、振込などの方法に関しての確認メールを送付し、入金確認できた方から、送付する形になると思います。受付をして頂いてから、こちらのお知らせをお伝えするまでに、時間がかかることは御認識ください。
DVDの価格は2000円予定。送料は未定ですが200円程度になると思われます(遠隔地や海外は別途)。
編集は、東京講演の内容です。プロのテレビカメラマンが固定カメラで撮影しました(カメラは檀上のせり出し部分に設置した1カメのみ)。今回、専門家向けのセミナーは、撮影しておりません。また、臨場感をそのまま出す為、編集は最低限しか行いません。通訳部分もそのままに致します。字幕対応などは極力行いません。また講演会中に、プロジェクターで映し出した内容を、編集で、反映できない場合がありますので、その点はご了解ください。(新宿文化センターは舞台が深く、壁面に映し出した内容と、博士が、シンクロして撮影ができていないため、プロジェクターの内容は、編集で加えるしかありませんが、それがご期待に添えるまで、出来ない可能性が高いことはご了解ください。)
博士の話の言葉と、通訳の文言は全て確認できる内容と思います。また、冒頭登場した山本太郎氏と博士の邂逅シーンは、DVDの内容として、お伝えできるように対応する予定であります(折衝中)。
予約は【バンダジェフスキー博士 2013日本講演公式ホームページ】のトップページで受け付けることに致します。必要事項を全てご記入いただいて、送信して下さい。なお、こちらからのメールが受信できない場合がよくありますので、受信できるように、皆さんのアドレスの受信設定をお願いします(こちらからは、yahoo.co.jpのメールアドレスから送信予定、僕の個人アドレスではないアドレス)。申込いただいた方の個人情報は、当該DVDの販売配送に関して使う事は当然として、バンダジェフスキー博士及び木下黄太の関連情報提供にのみ使いますが、それ以外には利用いたしません。この発売は「バンダジェフスキー講演プロジェクト」で行います。
バンダジェフスキー博士DVD予約⇒http://bandazhevsky.jimdo.com/
送料に関してお問い合わせがありますが、まだ未確定です。複数枚申し込んでいただいても、送料がお安くできるのかは、まだ分かりません。基本は一枚につき、送料は個別にかかると思います。相当数、同一場所に送るケースで初めて、送料を個別に設定できるのかどうかと思います。