「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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チェルノブイリから三百キロ離れた街出身、ウクライナ女性の悲痛な叫びをNYで聞きました。

2011-10-15 04:07:31 | 福島第一原発と放射能
  大阪講演会に参加された女性のうち、都内と東葛地域から避難している二人の女性が大きなほくろのようなものが体にできているのを示してもらいました。気になる現象です。このお二人にもお願いしますし、ほかの方にもお願いしたいのですが、同様のことがおきているかたは、詳しくメールで教えてください。通常のほくろとはあきらかに違うものです。気になります。
 
 一度コメントに投稿していただいた方に、ニューヨークで店員をしているウクライナの女性に、その後、何回か話を聞いていただきました。彼女は当初話していた、キエフではない街の出身でした。また、彼女が触れたくないことも多いような状態の中で、苦労して話を引き出していただきました。このウクライナ女性の街はセシウムの土壌の量だけで見ると、特に多い場所ではなく、せいぜいキエフと同じくらいの汚染かそれ以下だろうと思います。首都圏とそう違いのないエリアで、どういうことがおきたのか、彼女が何回か話したことを話すたびにまとめてもらいました。ぜひ、きちんと、お読みください。
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原発事故 発生時、ご自身は 20歳、250キロ以上離れた場所にに お住まい。

事故後、体調が大変 悪くなり、そして 異常な食欲に襲われるようになった。

その後、甲状腺が、十分機能しておらず、甲状腺ガンと診断を受ける。
甲状腺がんの手術は、今現在まで なし。
(いつ、どこで、診断されたか分かりません。)

お父様は事故翌年、ガンで他界。 
そして、「弟達ではなく」、「祖父母」も原発事故後、他界。 
(祖父母が、いつ どのように、亡くなられたのか分かりません。)

「確か、弟さん達も、お亡くなりになられたんでしたよね?」と、確認したところ、「いいえ」と短く答えられ、
「では、一人っ子なんですね?」の問いかけには、うやむやで、話したくなさそうでした。

お母様は、何年も前に、甲状腺ガンの手術を受けられ、薬漬けの生活。

お子さんは、事故後、6年目に出産。 健康。
(どこで出産され、育児されてきたのか、どの国の男性とのお子さんなのか、分かりません。)

「事故発生後、それまで 見た事もなかった、ありとあらゆる食べ物が、お店に並び出した。」
「どうして?」と聞くと、
「だって、どこも汚染を嫌ったから、こちらへ 食べ物が集まってきたの。 
それまで、チーズや鶏肉なんて見たこともなかった。 誰もが、食べたわ。 私も。
事故発生時、誰も政府の言う事など、信用しなかった。 
そして、どの家庭も、体内の被爆を減らす為、赤ワインを飲み始めた。 
少しの量を毎日ね。 
子供にも、スプーン1杯、与えてた。 
赤ワインでも、ドライじゃなきゃだめ。 絶対に、ドライよ。」

「赤ワイン? 効果はあったの?」と尋ねると、「それは、分からない。。 でも、皆、飲んでた。」
 

ここまでしか、お話が聞けませんでした。
毎日、ご出勤ではなさそうですが、来週、又、お店に伺い、勤務時間外に、お茶などに、お誘いするつもりです。
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出身地は、40万人程の町で、チェルノブイリからは、約200マイル(300キロ以上?)。
やはり、キエフ出身では、ありませんでした。
アメリカ移住後、人から 出身地を聞かれても、聞き取りが難しいらしく、
何度も聞かれる事が面倒になり、「キエフ出身」と 言うようになったそうです。
 

現在、45歳、甲状腺ガンではなく、どうやら甲状腺異常。
甲状腺ガンが心配な毎日で、検診を、欠かせない。
チェルノブイリ事故直後(当時20歳)、バス内で 失神が2回、ひどく体調が悪く、同年6月を過ぎる頃には、30パウンドの体重増加。
その頃、生理も5カ月、止まる。
ほどなくして、甲状腺異常の診断を受ける。
88年、妊娠不可能の診断を受ける。
医師からは、子宮のある部分の切除手術をすすめられたが、妊娠の可能性に希望をすてきれず、手術拒否。
事故5年後に、地元で、男の子(アレルギー体質、特に花粉など)を 出産、育児。


父、事故当初 45歳、喉頭ガンで、事故翌年に死亡。
母、事故当初 38歳、事故同年、甲状腺ガンと 診断、のち手術。 手術以降、満足に働けなくなった。
祖父、事故当初 87歳、肺ガンで、事故翌年に死亡。
祖母、事故当初 87歳、膀胱ガンで、事故翌年に死亡。
夫(ロシア人)、事故当初 23歳、住まいは、彼女と同じ町。 健康体。

 
2000年、先にアメリカへ移住していた親族をたよりに、彼女一家も、アメリカへ移住。


故郷を離れた理由は?

「故郷には、楽しい事が、何一つない。 働けば、自由な楽しみを、思う存分 享受できるアメリカに憧れた」


ご自身の故郷へ、戻りたいですか?

「もう、故郷に 親族は、誰も いません。 友人が、数名 。 帰りたいと思うほどの懐かしさがない。 悲しみや苦しみ、つらい思い出の方が多くて。」


ご自身の故郷の「今、現在」について、どう 思われますか?

「一言で言うと、『生活苦』。 放射能汚染を 危惧する割合は、住民全体で、今、5パーセントにも、満たないと思う。」


日本人へのアドバイス、ありますか?

「内部被爆した子供達の症状が始まったのは、事故から 約3年後。 
食べ物・飲み物(特に水)など、何としてでも、汚染された物は、摂取しないで。 内部被爆ほど、恐ろしいもの はない。
事故1年後に、たくさんの人が、ガンと診断された。 事故後の ガン発生率は、他の病気に比べ、異常に多かった。 
私の周りでも、月に、1人や2人といった数字ではなかった。
私の家族も、幼馴染の男性(腎臓ガン)も、みんな、事故1年後に 亡くなった。 
事故以前、こんなにも たくさんのガン患者は、いなかった。 
信頼のおける 医師による 定期健診を、絶対に、怠らないで。」


日本の汚染がれきの受け入れを、どう思いますか?

「信じられない。 なぜ、そんな恐ろしい事を? 正気の沙汰とは、思えない。 被爆が、広がるだけです。 絶対に、許してはならない。」
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彼女の出身地は、ウクライナのフメリヌィーツィクィイ(KHMELNYTSKYI)。
私の調べでは、チェルノブイリ原発・プリピャチ から、フメリヌイーツィクィイまでの距離は、300キロ以上あります。

 
日本語版ウィキピディアでは、2001年の人口が、25万4千人となっています。
彼女の言う、「人口、40万人」という記憶は、彼女のウクライナ出国(2000年)までの記憶です。
いつ頃の記憶であるかは、定かでないそうです。
彼女のお話の付け加えとして、ご主人、ご自身、お子さんの定期的な精密検査(簡易検査では、だめ)は、絶対に 欠かせない との事。
特に、お子さんの健康が、非常に、心配な毎日との事。

 

 
初めてお会いした時の、事故による、弟さん達の死亡に関しては、「祖父母と 言い間違えた」と、
短く一言。
毎回、短時間ではありましたが、彼女には、嘘のつけない、正直な人柄を 感じます。
彼女のつらそうな口調、この件に限って、極端に言葉少なに なる事からも、
私には、「祖父母と間違えた」とは思えないのですが、彼女の悲痛な様子を察すると、
弟さん達について、もう 執拗に伺うべきではない、と 判断しました。

ご報告は、以上です。
 
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 東京都市大学から市民講座の紹介の依頼です。このブログ記事にも関係するテーマで、チェルノブイリの状況をよく知る綿貫礼子さんらの講演会があります。チェルノブイリの被害を知るために、綿貫さんの『誕生前の死』は必読文献です。
 
 
東京都市大学市民講座 2011「どうすれば安心・安全な社会を築くことができるのか」の
第一回(11月5日 土 13:00-16:30)分のうち、講座2で、綿貫礼子氏・吉田由布子氏が講演を行いますのでご案内します。

日時: 2011年11月5日 (土) 13:00-16:30
演題:「チェルノブイリとフクシマ―放射線汚染が未来の世代に及ぼす影響」
場所:東京都市大学環境情報学部
   横浜市都筑区牛久保西3-3-1
   (横浜市営地下鉄中川駅徒歩8分)
申し込み先:東京都市大学環境情報学部 市民講座担当 山口
      kk@tcu.ac.jp
定員:300名
当日は講座1と講座2を続けて行うため講座1(「温暖化地獄回避のためのグリーンエコノミー」山本良一)からご参加いただくことになります。

綿貫礼子氏・吉田由布子氏 紹介
お二人は長くチェルノブイリ研究を行い、現地の子供たちの健康被害に関して重要な告発と提言を行ってきました。ロシア政府、IAEA,WHOなど体制側の影響把握は政治的理由でゆがめられており現場の医師たちの認識と大きく食い違っていること、これまでの放射線医学を中心としたがんや白血病対策はそのため不十分であること、実際には低線量被爆であっても免疫系、内分泌系、神経系、生殖系の機能の攪乱が起き、遺伝子が傷つけば世代を超えた影響にも及ぶことを明らかにしてきました。チェルノブイリの体験をもとにフクシマにいま何が起きているのか、今後、健康影響がどうなるのかを話してくれます。質問にも答えてくれるそうです。

著書・編著:『誕生前の死―小児がんを追う女たちの目』(藤原書店)『未来世代への「戦争」が始まっている―ミナマタ・ベトナム・チェルノブイリ』(岩波書店)、『環境ホルモンとは何か―リプロダクティブ・ヘルスの観点から』(藤原書店)『大地は死んだ―ヒロシマ・ナガサキからチェルノブイリまで』(藤原書店)『廃炉に向けて―女性にとっての原発とは何か』(新評論)など。

市民講座全体についての詳細は以下のHPをご覧ください。
http://www.yc.tcu.ac.jp/citizen/course.html
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本日は熊本、あすは福岡で講演会をおこないます

★『木下黄太 講演会 IN 熊本』
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■日時:10月15日(土)
■会場:熊本県青年会館(ユースピア熊本) 202号室(120名)
 熊本市水前寺3-17-15 2F
■開場13:00 開始13:30~15:30
■申し込み:
kyushu.kumamoto@hotmail.co.jp                                                               ※上記メールアドレスへ代表者名・参加人数をご連絡ください。
■参加費:600円(会場費・お子様無料)
■熊本県青年会館アクセス
http://www.ks-kaikan.com/access/access.html
※駐車場はござますが、当日は満車が予想されますので
公共機関または、近隣の駐車場のご利用をお願いいたします。
※JR水前寺駅隣に立体駐車場がございます→
http://parking-kyushu.jp/number/94178863


★『木下黄太 講演会 IN 福岡』
_________________________

■日時:10月16日(日)
■会場:春日クローバープラザ西棟1F クローバーホール(288名)
■開場:13:00 開始13:30~16:30
■申し込み:
http://kokucheese.com/event/index/18006/  

■参加費:500円(託児室あり一人 800円:保険込)

*混雑が予想されますので、ご来場の際は公共機関にてお越し下さいませ。
(会場はJR春日駅目の前。)
どうしてもお車にて来られる方は周辺駐車場をご使用下さい。
★クローバープラザ近隣駐車場のご案内→
http://www.cloverplaza.or.jp/parking1.pdf
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34 コメント

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これって… (Unknown)
2011-10-15 07:28:45

このウクライナの女性 って 数年後の私たちの姿なんですね。

今 ネットに出てる様々な情報、いつ何が起こって 誰が何を言い 何をしたのか 消されないうちに保存して 永遠に語り継がれるようにしないといけない。 特に もう海外に避難された方は 避難先のメディアやNPOなどに 日本の悲惨な現状を訴えてほしい。

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念の為に (元大倉山住人)
2011-10-15 08:59:47
都筑区の講演は非常に興味深く、出来るなら参加したいですが都合がつきません残念です。
土地勘が無く参加される方に余計なお世話だと思いますが、件の話題の大倉山とは7キロ程度の場所が会場で丁度真ん中に第三京浜が横断していて、早渕川でつながっています。
周辺は新規開拓のニュータウンで元々は何も無い所で都筑区自体が港北区から分離した区で、隣り街と言うより同じ街感が有ります。
どういった経由で放射能物質が来たのか解らない以上十分注意して下さい。
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Unknown (こば)
2011-10-15 10:10:55
http://www.youtube.com/watch?v=pi8aC9Knwb4&feature=related

To Whom It May Concern" is anindependently produced film about the psychological and socio-cultural effects of the Chernobyl disaster. Film by Galina Laskova, 
英語/字幕なし. チェルノブイリ事故後の一般市民の様子を自前のカメラで記録続けそのアメリカに移った女性の訴えです。ニユーヨークで店員をしておられるウクライナの女性はもっとつらい目にあっておれれることでしょう。
汚染された町の保育園で砂遊びする子供たちを見ただけでも今の福島とダブってしまいます。
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プルトニウムで白血病 (Unknown)
2011-10-15 10:27:05
体内ではこういうことが起こっているそうです。

http://ameblo.jp/pochifx/entry-11047780155.html
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横浜ストロンチウム最高値は公表せず (九州東部のおじさん)
2011-10-15 10:56:52
横浜のストロンチウムですが、マンション屋上の正式データは、管理組合がどうのこうのと理屈をつけて、公式データから外しましたね。
せこいやり方です。
http://mobile.twitter.com/iwakamiyasumi/status/124910363119599616

で、今朝の朝日新聞ですが
http://www.asahi.com/science/update/1014/TKY201110140525.html
「温度が900度に達し、燃料を覆う金属管が壊れて放射性物質が漏れ出すのが2.3時間後、2800度に達して燃料溶融が始まるのが7.7時間後だった。 」
これは3号機プールに置き換えると、津波で冷却不能になって水素を大量に発生したわけですから、プールに水がほとんどなくなっていたとすれば、燃料溶融まで行ってたのかもしれませんが、ガンダーセンさんの説では、水があったので減速材となって即発臨界となったと。
ただ爆発後に水がほとんどなくなったとすれば、決死隊が放水を3号に対して行ったのが17日の夕方。
自衛隊は4号を優先する作戦でしたから、3号の燃料はあまりプールに残っていないという前提でのことか?
14日の昼から17日まで水がなかったとすれば、プール内でもメルトダウンは起きていたかもしれず、その間も大量に大気中に放射性物質は巻き散らかされていたことになり深刻な問題ではないのか?
それと2800度という場合の燃料エンタルピは危険水域である230なんとか(単位が複雑で忘れました。)を超えてますから、臨界の危険性もあります。
頭がこんがらがってきましたが、保安院はちゃんと分析せんかい!!どあほ。
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必見 柿沢議員のチェルノブイリ視察 (Unknown)
2011-10-15 12:33:47
チェルノブイリを視察された柿沢未途議員。いい仕事してくださいました。
http://savechild.net/archives/10373.html

一方、スリーマイル島を視察された松田公太議員のレポは期待外れでした

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運動会 (Unknown)
2011-10-15 13:13:13

明日 大田区立某小学校 運動会。 騎馬戦の後 はだしでソーラン節!

危険 といくら言っても「本当に危険なら 学校がやらせるわけない」と全く聞き入れてもらえなかった。

原因を作ったのは東電だが こうなると殺人の主犯は政府 役人 学校だと思う。

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貴重な体験談 (yuno)
2011-10-15 13:43:12
>NY在住の聞き取りしてくださった方へ

詳しいお話をウクライナの方から聞きとってくださって、ありがとうございます。内容が内容だけに聞きづらい場面もあったかと思われますが、詳しく聞いてくださって本当に感謝しております。

300km離れた場所で、翌年に家族が3人も死亡とは、考えていたよりも放射能の影響が大きくショッキングでした。
今は東日本の食べ物を避けているだけでしたが、今までより内部被ばくへの防御を徹底しようと思います。

本当に貴重な情報をありがとうございました。
もし次にお会いになる時があれば、ウクライナの女性の方へ、できれば思いだしたくないようなお辛い体験を日本のために話してくださって、感謝しているとお伝えください。
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これからの出来事=ウクライナでの出来事 (Unknown)
2011-10-15 17:18:25
ウクライナで起きたことと同じことがきっと福島をはじめ関東各県で顕著に現れ始めるのだと思います。
会社の上司で全く放射能のことを気にしていない人がいるのですが、原因不明の喉の不調、鼻みず、最近では体全体の湿疹に悩まされています。おそらく相当の放射能を体の中に取り込んでいるものと思います。これからも彼の不調の成り行きを観察することになると思っていまう。
都度、放射能の性ではないかと言ってあげるのですが、聞き入れず、”お前は気にしすぎだ”でいつも終わってしまいます。現実を直視しない人、歴史を調べようとしない人は多いのだと思うこの頃です。
木下さんの持続した活動でより多くの人に気付きを与え、多くの人を助けてあげれたらと思います。将来の日本人、日本国が大変心配です。
返信する
学校 (Unknown)
2011-10-15 17:23:56
給食、運動会、芋掘り、遠足…学校って 子供を命がけで通わせる価値のあるところなんだろうか?

義務教育期間なら せいぜい1日2時間、週に1~2回ずつ通えば卒業できる。愛子さまを見てればわかるでしょ。

登校拒否児が増えて評判が落ちることを嫌う学校・校長は とりあえず時々でも通ってくれれば恩の字で 黙って卒業させちゃうだろう。
義務教育が終われば 塾にでも通って ゆるゆるの大検受けて大学進学も可。

そもそも 国がどうなるか 全く先が見えないのに大学もないもんだ と思う。

なぜ親たちは危険を冒してまで 子供を学校に通わせるのか?
3・11以来 この国は もう 国ではなくなっているというのに。

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