「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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チェルノブイリ・レポートの食品汚染について。そして、少しでもましな未来のために、メリークリスマス。

2011-12-24 20:00:54 | 福島第一原発と放射能

 

【個別土壌調査】

12月12日採取 13日測定

岡山県岡山市庭瀬 自宅 庭 

放射性ヨウ素(I-131)    不検出  (定量下限値 1.56㏃/㎏)

放射性セシウム(CS-134)  不検出  (定量下限値 2.34㏃/㎏)

放射性セシウム(CS-137)  不検出  (定量下限値 1.56㏃/㎏)



岡山県都窪郡早島町早島 家庭菜園

放射性ヨウ素(I-131)    不検出  (定量下限値 1.68㏃/㎏)

放射性セシウム(CS-134)  不検出  (定量下限値 2.52㏃/㎏)

放射性セシウム(CS-137) 4.12㏃/㎏(定量下限値 1.68㏃/㎏)



上記場所(庭瀬、早島)は TERRA MKS-05 で測定すると、0.10~0.13μ㏜/h

      庭瀬 はエステーのエアカウンターで0.07~0.10μ㏜/h

 

食品汚染に関して、きのう紹介したチェルノブイリ関連レポートの該当部分。翻訳はTerry Yabumoto氏。

この書籍は別の翻訳チームが全体翻訳作業中。岩波書店で刊行予定。最近、セシウム137の半減期を疑う論文が現地で出ているという話を聞いていて、もちろん半減期が長くなるという、頭の痛くなる情報ですが(もちろん確定している話ではないです)、このことを考えながら下記の文章を読むとさらに頭が痛くなります。

 年内26日から、来年1/6までの個別対応ですが、原則メールのみに致します。電話の緊急応対が必要な方も、まずこの期間は、メールをしてください。電話番号をご存知の方もそうしてください。僕の頭の中の考えを少し整理したいので。メールの対応は、致します。

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Annals of New York Academy of Science, 2009, P.289

 ヨーロッパの多くの国々において、牛乳、乳製品、野菜、穀物、肉、魚などに含まれる放射性核種( I-131, Cs-134/137, Sr-90,その他 )のレベルは、チェルノブイリの事故の直後にドラスティックに上昇した(1,000倍になったことさえあった)。それから1991年に至るまで、米国は、チェルノブイリの放射能で汚染された食料品を、主に、トルコ、イタリア、オーストリア、西ドイツ、ギリシャ、ユーゴスラビア、ハンガリー、スウェーデン、デンマークから輸入した。輸入された汚染食品は、ジュース、チーズ、パスタ、マッシュルーム、ヘーゼルナッツ、セージ、イチジク、茶、タイム、ビャクシン、キャラウェーの種、アプリコットなどである。 ゴメル、モギリョフ、ベラルーシのブレスト地方では、小規模な農場から出荷された牛乳の7ー8%、その他の食品の13-16%が、最近の2005-2007年においてすら、Cs-137の許容値を超えていた。ウクライナのRovno と Zhytomir 地方では、2000年においても、ワイルドベリーとマッシュルームの90%が、 Cs-137の許容値を超えていた(訳注:チェルノブイリの事故は1986年)。子どもたちの被ばく量は、体重や代謝が大人とはちがうので、同じ量を食べても大人の3倍から5倍高くなる。1995年から2007年までの間、ベラルーシの高濃度汚染地域の子どもたちの最大90%までが、Cs-137の凝縮濃度15-20Bq/Kg以上であった。最高は、Narovlya District、Gomel Provinceにおける7,300Bq/kgであった。ベラルーシ、ウクライナ、ヨーロッパ・ロシアの高濃度汚染地域では、Cs-137+Sr-90の平均レベルは、1991年から2005年まで下がるどころか、、むしろ増加した。現時点で放射能のフォールアウトの90%以上がCs-137(半減期約30年)だという前提に立つと、その汚染地域は、ラフに言って、今後3世紀の間、危険なほどの放射線を出し続けるのである。

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 クリスマス・イブにこんな話しか紡げない自分が大変に申し訳ないです。僕が、今しているいろんな事柄が、少しでも現実に実を結べばよいと思っていますが、それがどうなるのかは、僕にもわかりません。最近、リスクコントロールという概念を用いて、新聞記者が書いている文章があって、「少しの危険を過剰に言うことで、善意の押し付けで、心理的負荷を相手に与えてはならない」という趣旨のことを書いていました。これは、放射能被害を懸念することはやりすぎで、おかしなことになっている、ということを言われたいと理解しました。僕ははるかにリスクの低い、狂牛病などの対応でメディアがとった役割を認識しているだけに、自己矛盾どころの言い草ではないなと思いました。というか、本当のリスクが目の前にぶら下がったときに、人はそれをなかったことにしようとするリスクこそ、とてつもなく大きいものだと。

 そういう観点から考えれば、女子高校生の手紙に対して、その人間が非実在と言い張る人間たちの珍妙さには恐れ入りましたし、もっとひどい健康被害の紹介を伝えているときよりも、この話に過剰に反応している人々の感覚は僕には奇妙なものでした。その存在をなかったことにしたいという、特に中年男性たちの過剰な言説を見ると(ツイッターという日本で半匿名メディアの功罪でしょうが)、この人たちは「女子高校生」という記号に過剰反応しているのだろうと思いましたし、この期に及んでもなお、こういう記号が大切な人々の存在こそ、日本の病が、特徴的に立ち顕れた感じがしています。僕には反吐が出ます。゜奴等の言葉が。気持ち悪いのです。

 ツイッター上のことで言えば、僕の文章批評をしてきたフランスに避難した主婦の方(自称)がいました。その文章が、僕が自分の大切な人間を説得するために、書き続けた文章を、別の人がほめてきたコメントに対して、貶めるコメントを書いてきたため、怒った迄です。情報の話ではありません。自分の大切な人間を説得するために、書いている文章の批判を分かる形でされているだけですが、見ず知らずの人間で、しかも通常僕の情報を利用している立場であるとしか思えない人間が、安全地帯にいて、そういう中身の文章と分かっているときだけ、面白がって、高みにたって批評してくる。こちらか怒ると「一主婦のつぶやき」と逃げて、「応援しているのに」と言い訳します。応援してもらったこともないし、あったこともない人間。はっきりいって、おいしく僕からの情報を得ているだけの人間です。情報を得るなら、得ている相手への礼儀くらいわきまえろという話です。そんなことも理解せずに、自分が他人の心の奥底を傷つけるような行為を平気でしている。だから激怒しているだけです。いまだに理解せず、「僕が弱い」といい続ける、こういう人間を僕はとことん軽蔑します。死ぬまで軽蔑します。ネット上の嫌がらせに特化している数十人のグループとは違って(この人たちは僕の中ではもはやお笑いの対象になってきました)、近いスタンスを取る人間のほうが、こうした行為をおこなうと、問題の根は深いです。今回の放射能による健康被害を一番理解しないのは、原発推進側の人間(分かっているが認めない立場)よりも、反原発側でそういう人たちが根が深いと感じているのと、相似形だろうと思います。

 何か、嫌なこと、困難なことばかり書きました。ごめんなさい。イブには、何かプレゼントがあればよいのですが、何一つ楽しい話はありません。何一つです。クリスマスにはすこしはよい見通しでも出せないかと、きのう、きょうとずっと考え続けましたが、本当になんにもありません。

 健康被害のスピードが進んでいる実感だけは、はっきりとあります。一年、二年早い気がします。α線、β線核種の影響ではないかと推測しています。この冬から春にかけてどういう状況になるのか気になります。本当に気が重くなります。

 メリークリスマス。少しでもましな未来となりますように。祈るだけです。通じないかもしれませんが。

 

 






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67 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2011-12-24 21:26:56
日本政府は自爆テロの精神に満ち溢れている!!!
有り難う (スズナ)
2011-12-24 21:54:13
…理不尽なことがきっかけですが、いろいろな記事を拝見し、深く共感出来たことに感謝しています。
メリークリスマスU+266B (せん)
2011-12-24 22:05:22
木下さんのこのメッセージは、2011年のクリスマスプレゼントですよ。ありがとうございます。現実から目を逸らさず、社会のゆがみを一つ一つ祝詞のしおりに結んで焼き祓いたいです。日々傷つく事もあると思います。特に中年男性たちの過剰な言説、と書かれていますが私も同じ思いに至る件がありました。それも、被災地の方。被曝している子どもたちを日本の未来を守りたいツイートに、いわゆる風評被害で迷惑だから謝れという、被爆症状としか思えない内容の返信。自分達の事しか頭にない真理は、恨みや妬みというネガティブ日本の現れですね。来年に向けて引き続き、子ども達の未来を守るため出来る事をつづけます。木下さんも健康に留意されますようにU+2B50温かい聖夜でありますように。
Merry Christmas (るる)
2011-12-24 22:05:56
木下さん、涙が止まりません...。
こんなにも悲しいクリスマス。

ツイッター拝見しました。
その後更新がなかったので、もしかしたらかなり落胆されているのではないか..と心配していました。

あの人達は..、住んでる世界が違うと思ってください。
人々を助けたいと思う人、助けられたいと思う人、自分さえ良ければ良いと思う人、そして...助ける人をジャッジする人。
私は、宗教家ではありませんが、全ての答えは最後の審判で下されると信じています。
すみません...涙でにじんで文字がよく見えません..。

どうか、今はそのお疲れの心を癒す為にもゆっくりとお休みください。
私でよければ、いつでも西オーストラリアをご案内致します。日本の様にたくさんの便利や刺激はありませんが、日本人が失った大切なものがここにはあります。
大切な方もお連れください。
どうか、その傷ついた心を癒して下さい。


私は今年のクリスマスツリーは自粛しました。
日本の事を考えると、とてもそんな気にはなれませんでした。先ほどキャンドルの灯火で普段通りの食事を済ませ、静かな夜を過ごしています。

私たちの心に希望がある限り、諦めない限り、祈りは必ず通じると信じています。

私からのささやかですが...メリークリスマス。

http://www.youtube.com/watch?v=yN4Uu0OlmTg






地元のデータ (まつたけ)
2011-12-24 22:26:31
このデータは地元の、しかも私の家から車で1時間程度の場所ですね。
非常に参考になりました。翻訳文が待ち遠しいです。
311の時は役所の計測のPDFデータをダウンロードして見ていますが、微量ながらここまで飛んでいましたね。
岡山県のはわずかに上回った程度でしたが、大阪で放射線汚染廃棄物を燃やしたらカンッペキに西日本は滅びます!
誇張結構。
私はこんなやり方で苦しんで死にたくないです。
Unknown (MG)
2011-12-24 22:30:26
現在の状況を見て「日本は滅びる。そう感じる」という、或いはそういう主旨のツイートされる方をたびたび見受けます。
全員が全員がそうではありませんが、高い確率で海外在住の方です。

「日本は滅びる」 
確かに今の状態ではそうなりかねません。が、それで呟いて終わりなのでしょうか。

けしてそう思いたくはありません。

もちろん、海外に避難されている方に対して批判をしているのではありません。

避難されてからも、日本のために行動されている方もいらっしゃいます。

まず自分や家族、親しい人達の命が大事。命を守ることが大事です。

でも、ある程度落ち着くことができたら、
避難できない人達や、日本に残っている人達のために、行動してくれると嬉しいと思います。



メリークリスマス (光鼠)
2011-12-24 22:31:19
木下さん
穏やかで、優しいクリスマスの一日を過されていらしたら、
幸いです。

仙台市在住の光鼠です。
いつもお世話になっています。

日本から、語学留学で避難させた、
子供達2人は、カナダでクリスマスを過しております。

イギリスの友人からは、
北半球の汚染が進んでいるので
南半球へ避難させなさい。と言われて居ましたが、
手続きが、最短で行けるのがカナダだったのと、
子供達が選んだので、これも、運命なのか、
必然な事なのかと、受け入れています。

どこに行っても、何が起こるか、
放射能以外にも、事故や災難にも遭遇するかもしれません。
正直わかりません。

でも、それを言い訳にして努力しないのは、嫌でした。

木下さんには、
子供達を避難させる決意への背中を押して頂きました。

ツィッターでも、絡ませて頂いております。

私の大好きな、クリスマスの趣味の自宅イルミは、
原発以外の電気が使えるようになる迄、封印しました。

再開できる日が絶対に来ると信じています。

御体ご自愛下さい。
木下さんへ (美紗)
2011-12-24 22:31:32
本当に色々な人がいますよね…。
自分は何もさらけ出さず、他人にケチを付けることは簡単ですよね。
私もよくその罠に陥りがちです。人は概して自分を棚に上げがちですから、私も気を付けなければ。
D.カーネギーの「人を動かす」に下記のような一節がありました。

「おれは人生の大半を、世のため人のため尽くしてきた。ところがどうだ―おれの得たものは、お尋ね者の烙印だけだ」

アル・カポネほどの極悪人でも、自分は慈善家だと考えていた。(中略)
右にあげた極悪人たちでさえも、自分が正しいと思い込んでいるとすれば、彼らほどの悪人でない一般の人間は、自分のことを、いったいどう思っているのだろうか。
「自分のことさえ、自分で思うようにならない。神様が万人に平等な知能を与えたまわなかったことにまで腹を立てたりする余裕はとてもない」
といったのは、アメリカの偉大な実業家ジョン・ワナメーカーである。
彼は年若くしてこの悟りに達していたのだが、私は残念ながら、四十歳近くになってやっと、人間はたとえ自分がどんなに間違っていても決して自分が悪いとは思いたがらないものだと、分かりかけてきた。
他人のあら探しは、なんの役にも立たない。相手はすぐさま防御態勢をしいて、なんとか自分を正当化しようとするだろう。それに自尊心を傷つけられた相手は、結局反抗心をおこすことになり、まことに危険である。(引用終了)

日本では、どうしてどこもかしこも、こうごまかし隠ぺい体質になってしまうんでしょうかね。
因果な世の中ですよね。
でも、今日だけはメリークリスマス!です。木下さんによいクリスマスが訪れますように…。
メリークリスマス (大阪府豊中市 T)
2011-12-24 22:39:13
木下様、ブログの情報発信、講演などありがとうございます。
どうか年末年始は良いお時間をお過ごしになれますように。
夏にこのブログを知って、自分と夫と実家の母を内部被曝から守ることが出来ました。
実家の父に関しては、一切聞き入れてくれず秋に帯状疱疹になりました。

今日、実家の母と話していて偶然同じことを思っていて驚いたことがありました。
枝野さんは最近、目の表情が何かおかしいように感じるということです。
震災直後の不眠不休の極度のストレス状態と違った表情。
勝手な想像ですが、枝野さんは管政権下スピーディ情報も握っていた、原発事故の汚染を
実は当初からよく知る人物です。
その証拠に事故後福島入りした時、ものすごい防護服と防護マスクで話題になりました。
あの頃から既にプルトニウム飛散も掴んでいたのでしょう。
その彼が現在は首相の冷温停止・収束宣言に従って、福島のお米もマスコミの前で食べて見せ、
細野大臣とともに福島入りしてもマスク無し。
心に反することを、理性(仕事)でしているせざるを得ない人の抑圧されたような表情だと
思いました。
だからと言って枝野さんを弁護しているわけではなく、彼がそうまでして守っているものが
一億人以上の命を上回るのだなぁと虚しいのです。
このコメントは私の勝手な想像ですので、不適切でしたら削除して下さって構いません。
今日実家の母に言いました。
今年は本当に酷い年だった。でもね、来年は去年はまだましだったという年になるよ、と。
母はいつも私に言います。
それでも生きていかなアカンねんから。

そのために出来ることをしなければ。
メリークリスマス。
何度も.. (るる)
2011-12-24 23:20:15
すみません。
先ほどお送りした、ジョンレノンのハッピークリスマスの曲を聞きながらメッセージを書いていたのですが、今映像を見て、びっくり。アプセットしてしまいました..。
全然ハッピーじゃありませんでした、ごめんなさい。

もし宜しければ、↓こちらとお差し替えくださいませ。
失礼致しました。


http://www.youtube.com/watch?v=EZXlCUNm9cg&feature=related

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