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必読! 低線量被曝による「脳障害」「不妊」「糖尿病」などを警告するドイツ女医のインタビュー

2011-07-15 07:11:35 | 福島第一原発と放射能

 これは、FBの「福島第一原発を考えます」グループで、メンバーのドイツ在住の女性翻訳家が、これは、重要だという認識で翻訳したものです。僕も一読しましたが、チェルノブイリで今起きている現実が一読すれば、クリアに理解できますし、放射能の危険認識が明確になります。放射能による脳障害についても明確に語られています。

この情報について、チェルノブイリの患者を二百人程度ヨーロッパでみたことのある専門家は、僕に対して「脳神経の専門領域で研究している僕も、脳障害がおきていることは気がついていて、あなたとの会話で、前から話したとおりだけれども、今回、日本では、さらに危険は強まっていると警告している。このドイツ人医師の話は、僕の認識と全く共通する。診察とはいえ、本当におかしいひとを多く相手にすると、率直にこわいと思っているし、日本国内で、今後どういう展開になるのかを想像すると、実はさらに怖いんだ」と話しています。このインタビューでは、低線量の被曝がどういうふうに襲ってくるのかというイメージも明確に書かれています。地下水に放射性物質がたまっていく現象は、今日本で危惧されている事そのものです。さらに、山の水がこれからどうなるのか、だれにも分かっていません。「放射能恐怖症」という言葉から、日本の一部の人達が思い込んでいるイメージと、チェルノブイリでおきている現実は、全く異なる様相を示しています。なまやさしい事態ではないと僕が再三再四書いていることを、少しは理解して欲しいとおもいます。

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ドイツ国営放送ARDのニュース番組、TagesschauのH​Pに
チェルノブイリ被害者救済活動を続けるドイツ人女医、
デルテ・ジーデンドルフ氏へのインタビュー記事が掲載されています。
 
http://www.tagesschau.de/ausla​nd/tschernobyl134.html
 
以下、翻訳しました。
  
 
「チェルノブイリは遺伝子の中で荒れ狂う」
 
 

チェルノブイリ事故から四半世紀が経過した。しかし、被曝被害は​広がる一方だとデルテ・ジーデンドルフ氏は語る。ジーデンドルフ​氏は20年前からベラルーシで医療支援活動を行い、同時に反核運​動にも関わって来た。
 
 
Tagesschau: ジーデンドルフさん。あなたは1990年以来、ベラルーシの各地​を定期的に訪れてチェルノブイリ事故の被害者の救済活動を続けて​いますね。ベラルーシではどんな事故の影響が見られるのでしょう​か。
 
Siedendorf: 風で運ばれた放射性降下物の量はベラルーシが最大でした。私達の​組織のある町の姉妹都市であるKostjukowitischi​市はベラルーシ東部の、チェルノブイリから約180km離れたと​ころにあります。その地方の1/3が放射性物質で汚染されました​。3万5000人の住民のうち8千人が移住しなければなりません​でした。30以上の村が取り壊されるか、埋められました。
 
Tagesschau: 現在はどうなっていますか。
 
Siedendorf: 他のどんな災害とも異なり、被曝被害と​いうのは時間が経つにつれて拡大します。逆さにしたピラミッドの​ようなものです。フクシマ事故に関しては、今、そのピラミッドの​一番下の先の部分にある状態です。チェルノブイリはそれよりもも​う少し進んでいる。チェルノブイリは遺伝子の中で猛威を振るって​います。いえ、遺伝子だけではない、遺伝子が操作するすべての細​胞にチェルノブイリが巣食っているのです。25年経った現在は、​主に低線量被曝が問題となっています。
 
Tagesschau: どのような経路で低線量被曝するのでしょうか?
 
Siedendorf: たとえばストロンチウムやセシウムなど​、半減期が30年ほどの核種に被曝するのです。この30年という​半減期ですが、10倍にして考えなければなりません。これらの核​種が生物学的サイクルからなくなるまでにそのくらいの時間がかか​ります。300年という年月はヒトでいうと8~10世代に当たり​ますが、この間は被曝による病気が増えると考えられます。
 
Tagesschau: 放射性物質はどこにあるのですか?
 
Siedendorf: ベラルーシでは放射性物質はもうとっく​に地下水に入り込んでいます。ベラルーシには湿地や砂地があり、​地下水脈はそう深くありません。 放射性物質は一年に2cmのペースで地下を降下すると考えられて​います。今は地下50cmくらいです。その地下水から放射性物質​は植物や動物に取り込まれます。砂地ではガイガーカウンターを当​てても、今ではもう反応しません。その反対に、森では枯れ葉やコ​ケがあって放射性物質は地中に入り込みませんから、地表に残って​います。落ち葉の多い場所や森の縁ではガイガーカウンターが反応​します。雨水が溜まる窪地も線量が高いです。
 
Tagesschau: どのような援助をなさっているのですか?
 
Siedendorf: 最初の10年間は薬品の原料を現地に運​び、薬局で点眼薬や点耳薬、座薬などが調合できるようにしていま​した。10年前からそれは許可されなくなり、現地の薬局は国が購​入して配る医薬品しか販売してはいけないことになりました。
 
Tagesschau: それはうまく行っているのでしょうか?
 
Siedendorf: まあ、大体は。でも、特殊な医薬品が不​足しています。どういう医薬品が認可されるかは薬を登録しようと​する医薬品メーカーが払う賄賂の額で決まるのです。たとえば、ベ​ラルーシには国に認可されているインシュリン薬は二種類しかない​のが問題です。子どもに投与するには別のインシュリンが必要な場​合が多いのです。糖尿病は、チェルノブイリ事故の後、子ども達の​間に急激に増加した病気の一つで、新生児でも糖尿病を発症するケ​ースがあります。そのような場合には私達は個別に援助します。
 
Tagesschau: 何故、子どもの糖尿病が増加しているのですか?
 
Siedendorf: セシウムによる低線量被曝が原因だと考​えられます。食物連鎖を通じて妊婦の腸内に取り込まれます。子宮​内で胎児の膵臓の発達が阻害されるのです。膵臓はインシュリンを​分泌する、非常に繊細な器官です。子どもは三歳になるまで修復機​能を備えた免疫系を持ちません。また、子どもは大人よりも細胞分​裂が速いです。細胞がちょうど分裂するときに放射線を浴びると、​影響が大きいのです。ですから、子どもの場合、ほんの少しの線量​の被曝でも成長が妨げられてしまいます。
 
Tagesschau: 残存する放射線の影響は他にはどんなものがありますか?
 
Siedendorf: たとえばよく言われるのは、チェルノブ​イリの近くに住む人達は神経質で、「放射能恐怖症」にかかってい​るということですね。だから、彼らは何をやっても集中できないの​だと。しかし、これは汎発性の脳障害なのです。人が生まれて来た後​に最も頻繁に細胞分裂する器官の一つが脳ですから。チェルノブイ​リ事故後の最初の世代では夫婦の30%が子どもに恵まれていませ​ん。ドイツでも10%がそうです。遺伝子が傷つけられたことで流​産や早産、そしてその結果、乳幼児の死亡が増えています。胎児の​段階で死なずに生まれて来れば、障害は次の世代へと受け継がれま​す。
 
Tagesschau: チェルノブイリ事故の被害者数に関して​はいろいろな説がありますが、これはどうしてでしょうか?
 
Siedendorf: 統計を取っている方から聞いたのですが​、行政から「これくらいの数字にしてくれ」と指示されるようです​ね。お上の言う通りのことを書かないと報奨金がもらえない。20​10年の統計には癌患者はほとんど含まれませんでした。若くない​人は皆、老衰で亡くなったということになってしまうのです。癌患​者の中には他の原因で亡くなる人もいますし。ですから、ベラルー​シやウクライナのような独裁的な国の統計は当てになりません。病​気の原因を被曝以外のものにした方が国にとっては安く済みます。​原子力ロビーと独裁政治は相性が良い。どちらにとっても、チェル​ノブイリは終わったものとした方が都合がよいのです。しかし、人​々はこう言います。「チェルノブイリは私達の人生そのものだ、と​ね」
 
Tagesschau: WHOやIAEAはどのような役割を担っているのでしょうか。
 
Siedendorf: チェルノブイリの健康被害について私達​の知らないことがたくさんあるのは、1959年にWHO とIAEAの間に結ばれた秘密の協定のためです。WHOに被曝に​よる健康被害について何を調査し、何を発表するかはIAEAが決​めているのです。そのために多くの国際学会の開催が中止になり、​ロシアやベラルーシ、ウクライナの研究者の低線量被曝に関する研​究は発表されませんでした。しかし、幸いにも2009年にニュー​ヨーク科学アカデミーがこれらをまとめて発表しました。
 
Tagesschau: フクシマの被害はどのくらいになると予想されますか?
 
Siedendorf: フクシマの被害はチェルノブイリ以上に​なるのではないかと思います。まだ事故は収束の目処が立っていま​せんし、非常に毒性の強いプルトニウムが放出されています。どれ​だけの量の放射性物質が海に流れ込んだのか、そしてそれはどこへ​向かっているのかについて私達はまったくわからない状態です。そ​れに、日本は人口密度が高く、ベラルーシとは比較できません。ま​た、日本では飲料水は山で採集されています。山が放射性物質を含​んだ雲の拡散をせき止め、放射性物質は海岸沿いの狭い地域に溜ま​っています。9ヶ月で事故処理すると日本政府は言っていますが、​まったく馬鹿げています。そんなことは空約束に過ぎません。
 
デルテ・ジーデンドルフ女史は現在は退職した一般医で心理セラピ​スト。1990年よりチェルノブイリ事故で被曝したベラルーシの​村々を定期的に回り、特に被害者に対する医療体制の改善に力を尽​くして来た。ジーデンドルフ氏の組織は1991年以来、合計80​0人以上の子どもとその付添人を保養のためにドイツへ招待してい​る。組織が所在するディーツェンバッハ市とベラルーシのKost​jukowitschi市は姉妹都市となった。氏は国際組織「核​戦争防止国際医師会議」(IPPNW)の会員でもある。69歳。
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 ブログのタイトルなども変更しましたが「放射能防御プロジェクト」というグループ名で、土壌調査は発表します。任意団体として、活動を始めます。当面連絡先は、一番下の私へのアドレスになります。今月下旬に首都圏の結果を発表します。西の調査は、徳島、淡路島、鳥取など山陰、紀伊半島の南側(和歌山市周辺でなく、御坊、白浜、串本、熊野などのエリア)

「放射能防御プロジェクト」沖縄は、一足先に活動が始まっています。汚泥肥料をくいとめるための、署名活動もおこなわれています。

http://houshanobogyookinawa.blogspot.com/2011/07/blog-post_14.html

 

 

 
 
ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に退避すべきだと僕は思います。優先順位は「避難する」ことです。僕はそれしか言う事ありません。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く退避することをすすめます。 

 

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加工食品の原材料がどこのもので、さらにいつごろのものなのかで、内部被曝する可能性の有無を確認できる可能性があります。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/b8c8f85c5ce80be6f2fafabcf0c8f66eこの記事のコメント欄で、それに特化した形でコメントをしてください。ネットからの二次情報でなく、ご自身が直接調べた情報をコメントしてください。この際、注意していただきたいのは、個別企業の批判的なコメントは一切書かずに、客観的に事実情報をまとめる形で作りたいです。下記のスタイルで書き込みを。

①企業名

②商品名

③製造場所(この記号はどこの工場までわかれば)

④主要な原材料

⑤原材料の産地

⑥賞味期限などから製造年月日がいつで、原材料の調達がいつか。

⑦放射能対応の有無、具体的な対応

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様々な問い合わせはまず、メールでお願いします。nagaikenji20070927@yahoo.co.jp

なお、連絡事項ですが、膝を骨折し、ギブスのため、三週間は身動きがとれません。このため、七月下旬まで、できることがかなり限定していますので、ご了解下さい。

 

 

 

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58 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんな時こそメディアが頼りなのに (大谷昭宏)
2011-07-15 08:48:30
「政府があって新聞がない国と、政府がなくて新聞がある国のどちらか選べと言われたら、賢者は後者を選ぶ」という格言がある。
まさに政府がなくなってしまったいま、国民が、世界の人が頼るのは、偏りも思い込みもないピュアな情報なのだ。

しっかりしようぜ、メディアのご同輩。
Unknown (Unknown)
2011-07-15 09:11:13
2011-07-15 08:48:30 大谷さんへ(本物ですかね?)

サラリーマンが書いて
サラリーマンが紙面構成して
サラリーマンが広告主に配慮しながら印刷するものは、
信頼に足るメディアと言えるのでしょうか?
ぼくには政府もメディアも「なくなってしまった」ように思えるのです。

組織を辞めているからこそできる凄み、のようなものがこのブログにはあります。
大谷さんです (Unknown)
2011-07-15 09:58:49
上の言葉は、7月11日に新聞誌上で発表されたコメントです。
大谷さんのホームページにあります。

偏りも思い込みもないピュアな情報、まさにその情報をいただけるのはなにものにも代えられないことだと思います。

食べ物、情報さえもいつも手にとれることからくる傲慢さはなくしましょう。
Unknown (Unknown)
2011-07-15 10:00:55
>同時に反核運​動にも関わって来た。

この時点でバイアスが酷いと思います。
信憑性は低い。
日本 (未来へ)
2011-07-15 12:37:06
原発をやめると経済がだめになる。そのとおりです。私も原発は徐々にやめるべきだと思います。しかし今回は人災です。原発を扱う方々そして私達があまりにも無知でした。まず原発はにはリスクがある。そこからはじまなければ、命があっても未来がなければどうにもなりません。実際に海外移転しそうな会社がゴロゴロ本当に日本が潰れそうで本当に怖いです。海外の例をみればわかります
金のために魂売って (ioio)
2011-07-15 12:38:34
まだ、あの腐りきったメディアを頼りにしようと呼びかける方がいらっしゃるとはスゴイ(笑)
政府とメディアの腐敗度は比例しています。
残念ながら政府も新聞もキチガイ沙汰です。
うちの国は、無政府状態、というより北の隣国の支配下に置かれていますね。

あとは長きに渡って国民の骨の髄まで染み込んでしまっている「拝金主義」
農家から学者まで、昔なら「金には替えられないものがある」という哲学や良心や職業倫理を持って生きていたこれらの人種が、全部「金」のために魂を売って、死んだら確実に地獄に行くような行いをするようになった。
「悪い事をしたら地獄に行くよ、自分の行いには気をつけなさい」と親に教育されなかった育ちの悪い連中。

地震と津波までの不幸は、これは仕方の無いこと。しかし、その後の原発関連の全ての問題は「拝金主義」の成れの果ての人災、悲劇ですね。
放射能汚染の可能性の少しでもあるものは、全て廃棄処分にするのが筋です(ドイツの友人達は口を酸っぱくして言い募ります)が、計りもしないものがヌルヌルと市場に出回っている。
漁業関係だって、農業・酪農関係だって、目先の金のために緩慢な殺人を続けているわけで。

多勢が無勢だから声高に叫ぶのは止めて、あちこちで自分の勘を頼りに信じられる人やサイトを見つけて、自分たちで納得する生き方をしようと決めています。
木下さん、御身体お大切に。


Unknown (Unknown)
2011-07-15 13:06:00
反核運動に携わっている時点で信憑性が低いと判断される,あなたの偏見の酷さについても反省してみてはどうですか。

少なくとも,原子力発電推進側のチェルノブイリ調査があてにならないことは,海外の医学者たちによる集団的な研究があるのですよ。
でたっ!w (東京在住)
2011-07-15 13:48:13
>この時点でバイアスが酷いと思います。
>信憑性は低い。
この時点でバイアスが・・・・・ (Unknown)
2011-07-15 14:02:08
何のバイアスのことを言ってるのでしょうか。
ジーデンドルフ女史の経歴は最後にちゃんと書いてありますよね。
これだけの人災事故でありながら、まだ危険だと気付かない日本人、チェルノブイリの事からまだ学べない日本人、同じ細胞をどんどん破壊されながらまだ自分だけは大丈夫だと思い込んでいる日本人がいるのが、今となればかえって不思議
な気がします。
それに、ドイツは既に国を挙げて脱原発を世界に宣言していますよね。
Unknown (sarabande)
2011-07-15 15:22:51
 臨床医が、目の前の事実をありのままにのべると、こういう意見に落ち着くのではないか。肥田舜太郎が述べている危機感にも通じるものがある。流産の増加については、すでに、ここのコメント欄で、産婦人科の先生も述べており、このインタビュー記事と重なる。
 しかし、放射線障害についてのWHOの独自の調査が、IAEAによって実質禁止されており、また、日本でも、福島県の被爆の程度を緊急でしらべようとした研究員が、それをやるためには、公職を辞さざるを得なかったこともあった。これだけでも、IAEAや国は、原子力事故を本気で管理しようとしていないと言わざるを得ない。つまり、原子力という技術をとりあつかうための責任感、能力に欠けていることは、火を見るより明らかである。怠慢すぎる。

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