「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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ベラルーシ、死体解剖からの報告「子供の心筋や甲状腺に蓄積するセシウム」

2011-07-17 00:23:54 | 福島第一原発と放射能

 こちらの記事が「ベラルーシの部屋のブログ」という、ベラルーシの状況がよくわかるブログに引用されていたのをみたところ、「内臓に蓄積するセシウム」というタイトルで別の興味深い記事がありました。断片的な情報は知っていましたが、セシウムが大きく、大人も子供も健康を害している状況について書かれています。ベラルーシのゴメリ医大のバンダジェフスキー元学長の『人体に入った放射性セシウムの医学的影響』という報告がベースのようです。この情報については、皆さんが、いちはやく知る必要があると判断したため、「ベラルーシの部屋のブログ」から引用しました。セシウムが内臓に多く蓄積される事。心臓、腎臓、肝臓。子供の場合、心臓の心筋や甲状腺に多くセシウムが蓄積されるし、大人よりも蓄積は多くなるという事。さらに、伝染病死者にセシウムの蓄積が多いことなど。死体解剖によって判明した事です。なにが恐ろしいのかという事をきちんと理解して欲しいですし、外部線量のみで判断をすることが如何に意味のないかということを知っていただきたいです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67fe1ec5c06aed002949e053da5deb87

 ベラルーシはウクライナよりも汚染程度がひどく、情報開示も当初遅れていた事はよく知られています。こういった現地で長年活動をしている方の実感が伴った報告を、冷静に受け止めてほしいと思います。ゴメリと福島、さらに関東の高濃度汚染地域の放射性物質の汚染に差はほぼありません。そのことを前提に考えてください。宜しくお願いします。

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ベラルーシの研究では「セシウムは全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する。」とされています。
 

(中略)

 ベラルーシのゴメリ医大では内臓に蓄積されたセシウム137をかなり正確に測定することができました。
 それは、ゴメリ市で病死した人(大人も子どもも含む)を解剖して、内臓をそれぞれ取り出してから、個々に測定し1キロ当たりのベクレルを計算して、また内蔵を元の場所に戻し、縫い合わせて遺族に返す、ということを行ったからです。

 1997年に死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布については元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書(日本語に訳されています。)で、発表されています。
 それによると、大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布するのですが、子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。大人では約400ベクレルです。
 
 このほか大人は蓄積が少ないのに、子どもは多い、という内臓は心筋(大人約150ベクレル、子ども約600ベクレル)、小腸(大人300ベクレル弱、子どもは700ベクレル弱)です。

 このほか、心臓や血管の病気で死亡した人の心筋と、消化器官の病気で死亡した人の心筋を比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。

 伝染病で死亡した人と、血管と消化器官の病気(主に胃と十二指腸の潰瘍)で死亡した人の肝臓、胃、小腸、すい臓と比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。

 このような病死者の死体解剖による個別の内臓のセシウム測定は、世界的にも珍しいです。
 検体になりうる人がたくさんいたベラルーシだからできたことではないでしょうか。

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横浜で講演会をおこないます。地元のお母さんたちの強いご要望に答えます。

僕自身左足を骨折中なので見苦しい姿で伺いますのでご了解下さい。

骨折のため首都圏の開催は一ヶ月ぶりになります。

日時: 7月26日 (火) 12:30 開場 / 13:00~講演開始
今回は主催者のご尽力で無料です。         

開催場所: 瀬谷公会堂
住所: 神奈川県横浜市瀬谷区二つ橋町190
交通アクセス:
   
http://www.seyakokaido.hall-info.jp/access/index.html

定員:492名 ※申し込み不要です。
開場時間に直接お越しください。

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今月下旬に首都圏の土壌調査結果を発表します。西の調査は、徳島、淡路島、鳥取など山陰のみ募集しています。

 

 

 

 

 

「放射能防御プロジェクト」沖縄は、一足先に活動が始まっています。汚泥肥料をくいとめるための、署名活動もおこなわれています。

http://houshanobogyookinawa.blogspot.com/2011/07/blog-post_14.html

 

 

 
 
ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に退避すべきだと僕は思います。優先順位は「避難する」ことです。僕はそれしか言う事ありません。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く退避することをすすめます。 

 

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加工食品の原材料がどこのもので、さらにいつごろのものなのかで、内部被曝する可能性の有無を確認できる可能性があります。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/b8c8f85c5ce80be6f2fafabcf0c8f66eこの記事のコメント欄で、それに特化した形でコメントをしてください。ネットからの二次情報でなく、ご自身が直接調べた情報をコメントしてください。この際、注意していただきたいのは、個別企業の批判的なコメントは一切書かずに、客観的に事実情報をまとめる形で作りたいです。下記のスタイルで書き込みを。

①企業名

②商品名

③製造場所(この記号はどこの工場までわかれば)

④主要な原材料

⑤原材料の産地

⑥賞味期限などから製造年月日がいつで、原材料の調達がいつか。

⑦放射能対応の有無、具体的な対応

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様々な問い合わせはまず、メールでお願いします。nagaikenji20070927@yahoo.co.jp

なお、連絡事項ですが、膝を骨折し、ギブスのため、三週間は身動きがとれません。このため、七月下旬まで、できることがかなり限定していますので、ご了解下さい。

 


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41 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (大分県)
2011-07-17 01:54:26
15日に大飯原発1号機でトラブルがあったそうですが、15日夜9時頃から手元のガイガーで線量が高くなり、16日朝も0.17~(平時は0.14くらい)ありました。
近くの原発で何かあったのかな?と思っていましたが。

今は落ち着いています。
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チェルノブイリ関連の本 (ランマル)
2011-07-17 02:27:36
木下さん、足の具合はいかがでしょうか?
横浜に来て下さるとの事で、とても嬉しいです。
くれぐれもご無理をなさらぬよう。
木下さんが薦めて下さったチェルノブイリ関連の本を読みました。
やはり病気はなってしまったらお終いなのです。
人は「その時」が来てからでないとなかなか重大な現実を実感する事が出来ない。
でもそうなってしまってからでは遅い。
先人が残してくれた教訓を生かせた者だけが生き残れます。
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人の肉に移る放射性物質 (@福岡移住者)
2011-07-17 02:33:35
こうしている間にも人間の肉へセシウムは移動している。

飲食物と共に。外部被曝も大事だけど、内部はもっとヤバイ。

セシウムだけじゃない。ストロンチウムも他の核種も。

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矢ヶ克馬さんの話によると (川根眞也)
2011-07-17 06:31:23
 足の具合はいかがですか。本当はまだ、動いてはいけないのではないか、と心配しております。7月26日参加させてください。

 琉球大学教授の矢ヶ克馬さんによると、内部被ばくは外部被ばくの600倍の実効線量であるとのこと。これは欧州放射線リスク委員会(ECRR)の見解だそうです。今、どこにそれが書いてあるか、探しています。

 今日、東京、早稲田奉仕園のスコットホールで、そのECRRの議長 クリス・バズビーが急遽来日し講演します。定員200名って、入りきれないと思うんですが。2時間前に行っていようと思っています。
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剖検での臓器へのセシウム (通りすがり)
2011-07-17 06:35:22
その論文はこれ。
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2003/35/smw-10226.pdf
Figure 1 剖検臓器の放射能は小児のほうが高いが、特に心筋(1:myocardium)、甲状腺(4: thyroid gland)が特に目立ちますね。
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Unknown (tetsu)
2011-07-17 08:55:34
「・・・伝染病死者にセシウムの蓄積が多いことなど。死体解剖によって判明した事です。・・・」注目しなければならない内部被曝の引用例参考になりました。
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ありがとうございます (ファニー)
2011-07-17 09:44:58
いつも貴重な情報提供ありがとうございます。このような実際のデータを見ても何故「安全」とか言い続ける人がいるのか不思議でなりません。

ゴメリと福島、一部の関東は同じ程度の汚染なんて恐ろしすぎます。何故子供を疎開させないのか・・・ここでは繰り返し呼びかけられていますが、胸が詰まる思いです。彼らは何も知らないし知る事もできない。何故全てを捨てても守らないのか、親や周囲の大人はもう一度よく考えて欲しいです。

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教えて下さい。 (神戸のママ)
2011-07-17 10:21:25
木下さん、勇気あるブログを出して下さって感謝します。関西は穏やかで私は怖いです。危機感を持っている人が少ないからです。関西も東京とほぼ変わらない放射線数値ですが、木下さんが首都圏脱出を勧めておられる事から察するに関西も可能なら南に移る方が良いのでしょうか?主人は仕事を辞めてまでとは考えてません。切実な問題として離婚でもしないと子供達を避難させることは不可能です。子供達だけでも山村留学とか色々考えます。0.1~0.3はチェルノブイリでいうところの何指定区域位なんでしょうか?関西に不安を煽る質問はしたく無いですが、頼る人が居ません。主人が英語が出来るのでアメリカのカク博士に質問してみてと頼んだら「逃げろ」と返事がくるだろうね、とまるで人事のように質問してくれません。専門家の意見を見せても動く気にならないのは仕事を失う怖さからか?お医者さんに聞いても、「CT受けたらもっと被爆するよ」と言うだけ。CTは一瞬ですよね?聞く耳持たずです。私が大袈裟なのか?判断がつきません。大袈裟に騒いでいるのか?と罪悪感すら起きてきて軽ウツ状態です。出来ればアドバイス下さい。関西でも講演会して頂けたら嬉しいです。
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神戸のママさんへ (木下黄太)
2011-07-17 11:53:43
どなたにも同じですが、お話がある場合、講演などのご依頼なども含めて、必ずメールしてください。メールいただければ対応します。

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Unknown (sarabande)
2011-07-17 13:09:36
こういう、人目に触れないような、小規模の数少ない科学論文を、ウェブの力で人目に触れるようにしてゆくことで、
世間の風向きがかわってくると思う。このサイトで、どこか人目に触れやすいようにまとめて置いておいてはいかがだろうか?

先日のゼブラフィッシュの論文は、低線量といっても、比較的低線量の外部被爆15~150cGy=0.15~1.5Gyを器官形成期行なった
モデルである。考察部分で、この線量は、人だとDNA量が2倍多いから、7.5~75cGy=0.075~0.75Gyに相当とかいてある。
原爆によるこのくらいの線量の子宮内暴露で、小脳症、重度~軽度の精神遅滞、痙攣疾患が上がったとの日本の報告があるようだ。
比較的低線量暴露によるこれらの障害が、放射線そのものによる直接的なDNA損傷や、細胞死、発生過程の変調というよりも、
内発的な細胞死(p53アポトーシス)が絡んでいるというのが、この論文のいいたいことだろう。いずれにせよ、Figure1は、
その結果がどういうものか、視覚的に直接訴えてくるものである。

今回の原発事故で、将来の日本を担う胎児において問題になっているのが、子宮内での慢性的な放射線管理区域に相当する低線量外部
被爆と共に、セシウムなどの内部被爆の増強効果で起きてくるものかどうかということだと思う。セシウムが筋にたまるなら、もちろん、
子宮筋にも蓄積するのではなかろうか。解剖論文では、大人でも、骨格筋、すい臓、腎臓などに蓄積していることが確認されている。
他の子宮隣接臓器や血液系への蓄積が、どのていど起きるのかがわかってくれば、胎児で起きることに類推がつく。
千葉房総半島の産婦人科医さんのメールがもし本物であれば、こういうことがすでに起きつつあるということになる。
メールが偽者であれば、うれしいと私も思うのだが。
がん告知なんかでは、最初は否認したり、怒りを伴うが、もしかしたら、今はそんな時期かもしれない。

いずれにせよ、原子力発電というのは、こういう、取り返しのつかないリスクをばらまいていることを、
電力会社幹部、経済界の指導者たちに認識させるべきである。「日本経済が」「国際競争力が」などとぬかして、
受け入れられる代物ではないのだ。またこれが、決して、人だけではなく、犬猫鳥などの野生動物、植物、
全体に及ぶ害である。いくら、福沢諭吉をプリントした紙切れをならべてもなんの役にも立たぬ。
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