「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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レベル3事故がタンク汚染水漏えいでおきた福島第一原発の悪循環。甲状腺医療パンデミックも想定する医師。

2013-08-21 19:50:17 | 福島第一原発と放射能

 基本的に、この福島第一原発事故は、当初から汚染水がいろんな状態で漏れ続けているのは間違いないのですが、貯め続けていたタンクからも高濃度汚染水が最低300トンは漏れていたと言う事は、実際に福島第一原発を、日本の一企業=東京電力で収束させることは、殆どできないという現実をより露骨に示し始めただけと言う事です。

 放射性物質の拡散を食い止めようとしても、どんどんそれが広がることしか、この構図は無くなっています。24兆ベクレルという大量の放射性物質が、そういう形で拡散するのは、これからも起こる話だろうと普通に思います(時間経過としてはあまりにも早すぎますが、結局東電という枠組みの中でかける予算の限界が絶望を速めているだけだと思います)。

 はっきり認識すべきなのですが、結局、二年半が経過して処理に目途が立ち始めたのではなく、どんどん汚染水が増えて、その処理ができなくなっていることが、いよいよあからさまになってきたということです。それを一定期間、貯水タンクで留め置くことで、時間稼ぎをしてきたのですが、1つに1000トン貯められる、そうしたタンクの数は既に数百以上になっています。このタンクは時間経過とともに増え続け、おそらく時間経過と共に、タンクの漏えいも、つぎつぎとおきると思います。この悪循環を止める方法は、現行のままのシステムでは、あり得ないですし、ヒトモノカネをもっと違う形で使えるようになって、果たして少しでも対応可能なのか否なのかさえ、何とも言えない状態が続いていると理解すべきです。

 こうした状況がおきているのに、他の原発を再稼働させるなどと言い出している、日本政府はひたすら狂気の世界に走り続けているだけです。実際に起きた事故処理が、二年半近い時間が経過して、確実な破たんという結果をふつうに示しているのに、そうした原発システムをさらに稼働させる判断は、国の亡国を、「直ちに」求めている形に他なりません。

甲状腺の話からも、身体にクリアに危機が迫っています。

一次検査176,648人のうち1168人が二次検査対象。

このうち受診したのが768人。

さらに、このうち一応二次検査済みとなっているのが625人。

さらにさらに、このうち細胞診を受診したのが、206人。

そして悪性もしくは悪性疑いとなったのが、43人です(術後良性と診断変更が別に1人)。

細胞診受診者の五分の一が細胞診で悪性ないしは悪性疑いになっています。

二次検査対象なのに、細胞診を受けているのが三分の一。三分の二が細胞診をしていないという判断が、実はその一人一人の子どもにとって本質的に妥当なのか、大きく疑問がある話でもあります。

きのう深夜、首都圏で1000人近いお子さんたちの甲状腺検査や血液検査を進めている医師と話しました。

 「細胞診をした中で、五分の一が悪性とか悪性の疑いというのは、とても高い確率ですね。しかも二次検査済みとなっていても、細胞診をしていない群の中にも、悪性や悪性疑いの人も一定数は出てくるでしょうし、まだ二次検査を終わっていない人も同じでしょう。まだ二年半弱ですから、まだこれから、色々と起きてくる。これらの人達は、要観察の状態がずっと続くと考えていないとなりませんね。でも、こういう頻度でおきてくると、多分福島の現場は、物理的に可能なレベルを優先順位の高い順にこなしているのが今のところ、精一杯ではないのかと思いますよ。こんなペースで増え続けたら、いずれ、ある種の医療パンデミックがおきてきても、おかしくないと思いますよ。」

さらに、こう言われました。

「ふつうに東京でも違う疾病を女性に診ていたらていたら、微細な甲状腺がんが併せて見つかったケースがあって、そのことを女性が知人の女性に話して、知人女性も受診したら、同じように甲状腺がんがみつかるようなケースも最近ありました。勿論、被曝影響と端的には言えませんが、そういうことも今までよりも、頻繁におきます。福島県でこれだけ高確率で起きると、北関東や東葛、東京東部などでも、頻度が下がっても起きる可能性は高いと考えるしかない。人口の絶対数が多いために、頻度が減っても、患者実数は増える。そうしたことに向き合おうとしない、首都圏の大半の医師は何なんだろう。」とも話します。

「甲状腺は何回も言っているけど、延命率が高いからまだいいです。こんなに被曝症状がわかるのなら、甲状腺だけでなく、血液疾患は酷くなるし、肺や呼吸器の疾患、消化器の疾患、脳内出血などの症状が子供でもおきることを想定すべき。最早待ったなしの状態だと思う。」

 福島第一原発の汚染水などの処理破綻の実状、さらに健康疾患の想定よりも速いスピード。こうしたことをきちんと見据えるように、皆さん一人一人が考える努力をし、現実に行動するしかはじまらないと僕は認識しています。

 とにかく、おきていることをどうしてきちんと見いだそうとしない人々が、ここまで多くなっている状況にきちんと抗う努力を続けないと、あなたの意義ある未来は難しいと僕は感じています。だからこそ、考えて、更に行動して下さい。

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こうした抗う術を探るための本音トークでもあります。

【8/31(土)木下黄太×野呂美加 放射能ぶっちゃけトーク IN 京都】 

申込受付⇒http://kokucheese.com/event/index/107258/

【参加料金】 
前売り:1000円  当日 :1200円 

※当日託児はありませんのでご了承ください。
※子供連れの方は膝上の場合無料、お席の必要な方は別途お申し込みください。
※1申込につき1席の予約になります。 
 2名以上でお越しの際はお手数をかけますが個々にお申し込みください。  
※つり銭が出ないようにご協力をお願いします。 
※講演会の31日(土)当日のキャンセルは出来ません。 
キャンセルは30日(金)午後9時までにお願いいたします。 
(期日以降のキャンセル、または無断欠席の際は、後日実費をご請求いたします。) 

8月31日(土曜日)  
13:30開場 14:00開演 16:30ごろ終了 定員280名 

ひとまち交流館・京都 (京都市下京区河原町五条下ル) 
大ホール   

尚、親睦会的な2次会はキャンセルが出ないと満員みたいです。これもこくちーずで、時々、確認して下さい。


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名古屋という防御の前線で話します。

【9/1(日)名古屋木下黄太×野呂美加 放射能ぶっちゃけトーク  

詳細・申込⇒http://kokucheese.com/event/index/105356/

  二人のトークセッションです。またこのイベントをきっかけに 放射能防御プロジェクト中部で 

情報交換、勉強会など交流も増やしていきたく思います。 

是非御参加下さい。(前売り1000円 当日1200円) 

※託児はありませんのでご了承ください。 
子供連れの方は膝上の場合無料、お席の必要な方は別途お申し込みください。 

 9月01日(日) 13:30開場 14:00開演

東別院会館 ホール (愛知県名古屋市中区橘2-8-45)

懇親会は夕刻に開催。講演会参加者限定ですが、
現在キャンセル待ち。⇒http://kokucheese.com/event/index/108865/
 


 


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