「名前のないことば辞典」の展示、無事に終えることができました。
出口さんのあたらしい作品を楽しみにして下さっていた方が多く、
嬉しいことばをたくさん伝えて頂き本当にありがとうございました。
おたよりばこに入れて下さった感想、出口さんが楽しみに読んでくれていました。
書いて下さり嬉しかったです。メールでの感想も嬉しかったです。
出口さんと編集の谷口さんには、準備からたくさん手伝って頂きものすごく助かりました。
おふたりと一緒に本がつくることができて、ほんとに楽しかった!
とっても貴重な体験ができました。
シーモアおりえさんと一緒にできたのもすごく嬉しかった。おいしいビスコッティとチャイ。
一部のグッズのリソグラフ印刷では中野さんに今回もとってもお世話になりました。
出版元である遊泳舎のおふたりにも展示を見てもらえてほっとしました。
オマケのかわいいしおりもつくって下さり嬉しかったです。
そしてほぼ同時期に理論社さんから出版された「うろおぼえ一家のおかいもの」も!
この本がでたのは、とてもとても嬉しいできごとでした。
久しぶりにお店に訪れて奥の部屋にはじめて入って下さった方も多く、
背骨さんの改装の話もたくさんしました。奥も見てもらえてよかったな。
「あ~楽しかった~」という帰り際の声、
そのまま出口さんにお届けしたいなと何度も感じました。
関わってくださったみなさま、お店に足を運んで下さった方、通販を利用して下さっていた方、
どこかで気にかけてくださったみなさまありがとうございました。
昔から出口さんの作品を見て下さっている方、最近知って下さった方、
まだ知らない方にも、たくさんの方に出口さんの作品を
見てもらえる機会がこれからもあるといいなと願ってます。
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ここからは本づくりのあとの個人的な話です。
この展示で本当にしばらくぶりにお店に立ち、来て下さる方と、本と、久しぶりにふれあう日々でした。
個人的には、いつもと似たことをしてそうで、なんだか全く勝手が違ったこの数週間。
これは出口さんの本、出口さんの本、と言い聞かせながらも、展示や本にまつわるあれこれが
どうにもこそばゆいというか、どうしたらいいものか、と頭を悩ませてました。
いちおう役割としてはデザインという形で本づくりに関わりましたが、
そもそもデザインということばと自分の組み合わせがやっぱりずっと落ち着かなく、
なにか違う言い回しはないかなあと考えたりしましたが、
奥付がとんでもなく長くなっても意味不明だしな、、と思ったり。
いざ展示がはじまると、毎日どうにもこうにも落ちつかず。
なんだか身の置き場がないというか。
やっぱりむずむずする、、デ、デザイン、、。
いや、だからこれは出口さんの本、出口さんの本だから、、
そういうところは別に、、と何度も自分に言い聞かせる始末でした。
自分の名前をだして、人の前で何かをしている人々のことがたくさん頭に浮かびました。
みんな、どういうきもちなんだろう。
ああすごいなあとか、何度もやって変わったりもするのかなあとか。
あの展示、あの本、あのときみんなどういう風に感じていたんだろうかとぐるぐる思いを馳せていました。
答えがでるわけでもなく、ぐるぐるはずっとぐるぐるのままなのですが、
なんだか今までにないぐるぐるがやってきて毎日戸惑っていました。
出口さん谷口さんと本を作ってる最中は、ほんとに楽しくて、たくさん笑って、
2020年は2人のおかげでなんとかのりこえられました。
中身もできて、データ作業も終わり、印刷製本も終わり、
ほんとに「本」が完成して販売が始まってから、
コロンとなにかがひっくり返ったような感覚になり、
(頭の中では虫が仰向けになって起き上がれない絵がずっと浮かんでいました)
そうだ、販売するってことはああいうことこういうことがあるのかとか、
そういえば自分ってこういう人間だったんだ、、忘れてたとか、
もっとこういう風にできたかもとか、あー、あのときのアレ、とか、
あー、そうかー、これは、、などなど。
忘れてたことや横に置いといたことなどが、
どばどばとダムの放流のように流れてきました。
あっという間に水がいっぱいになって溢れて、いまだに浸かったまま。
今までるすばんで何冊か本を作って、いいのかわるいのかわかりませんが
読んで下さる方の反応をそこまで気にしたことがなく、誰かが喜んでくださるのは
オマケのような嬉しさでした。その感覚はけっこう好きだったんですが、
今回はなんとも言い表せない感覚で日々が過ぎていき、
ずーっと最後まで慣れることなく展示の期間がひとまず終わりました。
たぶん、本との距離がまだまだ近すぎるので、
少しずつよい距離感で接することができるように、時間に助けてもらおうと思います。
あ、あと遅ればせながらコロナの影響を身をもって感じました。
いつのまにか人も世も少しだけ変わっていました。
お話しているとそんなことは忘れてしまいそうになるほどみなさん朗らかだけど、
街の雰囲気や、時間とか、距離とか、意識とか。そうかー、とようやく体感しました。
そしてるすばんのお店も随分様変わりしてました。
家や二階で作業をしてたことが多かったので、これもようやく実感しました。
子どもたちがよく来るようになったんだな。かわいかった。
時間の流れをひしひしと感じました。
お店にきてもらえるってこと、きたいと思ってくださることのありがたさ。
まだまだだけど、いろんな形のすこやかが増えるといいなと心底思いました。
本づくりの後の話、ほんとに面倒くさい話だなと思いながらも、
なぜだか記録しておこうと思いました。自分にとっては
日々のお知らせはまた別ものすぎて、ちょっと離れてるかんじがしたのでなんとなく。
楽しい話はまた別の場所で公開されると思います。
そのときのそれもほんとだし、そのあとのこれもほんとで、
そして感じ方もまた変わっていくと思います。だといいな、と思っています。
いろんなきもちの置き場を見つけて、ものやひとともう少し、
さわやかに付き合っていけたらなあと思いました。
本作り最中もですが、そのあとも出口さん谷口さんとそれぞれたくさんたくさん
話せてとっても支えられました。本当にありがたかった。
いち出口さんのファンとして、あたらしい本がでたのは嬉しい。
ちょっと間をあけて、本を開くのを楽しみにしていようと思います。
荒木純子