絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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9/18からの展示のこと①

2021-09-16 | ●思うこと


9/18(土)から始まる展示(展示名は無し)では、個人的にいま思っていることやこれまで感じてきたことなどを
言葉に残しながらやっていくつもりです。なので、そういう部分も含めて展示が成立していけばいいなと考えています。

ほぼ間違いなく余計ことばかり書くことになるので未だに躊躇いばっかりですが、
これから先のことに少しでも繋げていければという気持ちで ひとまずやってみようと思います。
よろしくお願いいたします。もしよかったら、観に来て頂けたら嬉しいです。

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まず、自分とお店のこと。
2017年に「ロシアの装丁と装画の世界」という展覧会を開催しました。初めて、作家さんや他のお店に頼らず自分たちだけで開催した展覧会でした。同時に、自分たちの主観や感じたことを前面に出したという意味でも初めての展覧会で「ぼくは、この本たちのここが好きです、とても惹かれました。でも、他の人が見ても面白いかどうかわからないですけど、、」という半ば投げやりな感じで開催しました。

※その時の心情を書いたブログ
https://blog.goo.ne.jp/nabusuraynohe/e/2c3d3d0877b807fe3b1f8cd0af0d5dc3

それまでの展覧会やイベントは、例えばチェコの絵本のイベントをやる場合、自分の主観はもちろんあるんですが、そういうものはほぼ裏方に回って店頭にはできる限りの事実をただ置いておくだけ、という気持ちでやってました。あくまでも「チェコにはこういう絵本たちがありますよ」みたいな感じ。
作家さんの展覧会でもだいたい似たような感覚でした。

でも、あのときは、それができないくらいもう打つ手がなかったんだと思います。いくら考えても何も思いつかないし、誰とも一緒にやれる気がしない。どうしよう、、、みたいな気分。いろんなことに追い詰められて、あの展覧会に辿り着いたという経緯があります。そのせいか、あのときのことを思い出すといまでもなんだか恥ずかしい。

その展覧会にあわせて図録も作ったのですが、これも見てもらうのがなんだか恥ずかしくて、刷った部数に弱気さが反映されてました。のちのち、その恥ずかしさの正体がぼんやりとわかったとき、作家という人たちがやっていることのすごさを体感できたというか、彼らの抱えているものがほんの少しだけ想像できた気がしました。

展示や本づくりが終わったとき、結局、これって自分の勝手だったんじゃないかという思いがつきまとうことがあります。自分が好きで一緒に本を作ったり展示をやったり、いろんなものを一緒に形にしてるのに、作家の名前を前面に出して、作家のものとして扱うのにやや違和感がある。自分だけ安全地帯にいるような違和感というか。責任というのとちょっと違うのだけど、「こういうもの作りました」の表明を作家の勇気や覚悟に頼っているような気がして申し訳ない気がしてしまう。もちろんそんなつもりはないのだけど、なんだかなんだかそう思ってしまう。気持ちや頭では作家のことを尊重してるつもりでも、ほんとはそんなこと出来てないんじゃないかと思うことが多々ある。だったら一度「あなたのことを勝手に解釈して展示してみましたよ、どうでしょうか?」って言っちゃった方がいいんじゃないか。そういう姿勢の方がしっくりくるんじゃないか。

展示の設営をしているとき、こっちの方がいいとかもうちょっと右の方がいいとか、こっちの額の方が合ってるだとか、照明はこっちにあてた方がいいだとか、よくよく考えると何をやっているのか、よくわからない。自分はどこへ向かっていて、何を基準に良いとか悪いとか判断しているのか。全部、余計なことをしてるんじゃないか。絵たちの素はどこにあるのか。
展示が始まったら始まったで、店の人間(自分)がいることで緊張を与えたり和やかになったり、情報を与えたり、それだけで作品の感じ方って変わるはずで、少なからずなんらかの影響を与えてしまう。そのくせ、自分は作家が作ったものだと思っているから厄介で「この展示は、あなた(自分)の影響もあるのですよ」ということをもっと自覚しておきたい。

うーん、今日は何を書こうと思ったのだろう。姿勢とかそんなことかな。なんだろう。

そいういうわけで、9/18(土)から始まる展示はこんな感じのもやもやしたものが漂う感じになっていくといいなと思います。自分ができるだけ恥ずかしい気持ちになったらいいんじゃないかと思っています。
ハダタカヒトさんの協力でこういうことが実現できることが本当にありがたい。そもそも、どうしてハダさんなのか、そういうことも書きたいけれど、まだまだそこには辿り着きそうにないなあ。
先は長そう。