なにすれぞ きみはもとめき とこしへに ひとをてらせる ふゑのあかぼし
*これは、瑠璃の籠の中のアケルナルの詩に収められている歌です。
なぜあなたは求めたのか。永遠に人間たちを照らしていく、不壊の明星を。
「不壊」とはもちろん、決して壊れないこと。明星とは金星のことですから、愛の女神ヴィーナスを通じて、愛のことを言います。「ふゑのあかぼし」は、かのじょが旧ブログにてボッティチェリとのコラボで発表した美しい歌集の題名でもありました。
あなたは、これからの時代、人間たちの魂を永遠に照らしていく、美しい星を産みたかったのだ。だがそのために、ほとんど自分の存在すべてを使ってしまった。後にはもう何も残らないほどに。
なぜそこまでやってしまったのか。いや、やるしかないことになってしまったのか。
わたしたちの使命は、まさに永遠の愛をあなたがたのために教えることですから、かのじょがこの人生であなたがたのためにしたことは当然のことです。だれが最後に残ってもそれをしたことでしょう。だが、その結果得た現実を見れば、なぜそんなことをしたのかと言わずにいられないほど、激しい痛みを感じた人もいたのです。
そんなことをしなければ、あなたはこんなことにならなかったのに。
あなたがたは、自分のやったことを、まだ悔いることもできないほど、心が億劫になっているが、いつか十分に力がよみがえってきたとき、あの人の苦しみと、あの人を最も愛している親のような人の苦しみも、考えてください。
わたしたちは大きいが、岩のように心がないものではない。嵐のように強い心もあるが、やわらかで傷つきやすい心もあるのです。
心より愛する者を、激しく痛めつけられた時、わたしたちも激しく嘆き苦しむのです。