ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

錨星

2017-03-29 04:19:29 | 






錨星 とはに会はでは をれぬ夢     夢詩香






*錨星(いかりぼし)は、和語で、カシオペア座のことです。日本語でも、星を表す言葉はたくさんあります。参考までに、集めておきましょうか。このブログはいろいろと役に立ちますね。

オリオンの三つ星は有名ですね。北極星のことは、北辰とか妙見とか子の星(ねのほし)とか言います。北斗七星は北斗とか七つ星と言います。シリウスのことは天狼だということは知られています。白鳥座のことは北十字。スピカは真珠星という名があり、アンタレスは大火(たいか)という。ちなみに「あかぼし」は「明星(あかぼし)」なら明けの明星の金星のことだが、「赤星(あかぼし)」となるとアンタレスになります。宵の明星は「ゆふつづ(ゆふづつ)」ですね。木星には「歳星(さいせい)」という名もあります。織姫(ヴェガ)、彦星(アルタイル)、昴(プレアデス)、五角星(ぎょしゃ座)、釣鐘星(ヒアデス)、天の川、銀河、いて座に南斗六星があることも有名ですね。カノープスには南極老人星の別名がありますが、俳句には使いにくい。これくらいでいいでしょうか。

獅子とか琴とか天馬とか、星座の名前も押さえておきましょう。いろいろな星座の神話も知っておくとよいですよ。

カシオペアはギリシャ神話ではエチオピアの王妃で、アンドロメダの母親です。娘の美しさを奢ったことをポセイドンにとがめられて、娘を生贄に出さねばならなくなった。悲しい母親ですね。だが日本語の「錨星」は、単純にその形から命名されました。ギリシャ神話からくる星座の名前にはいろいろロマンがありますが、日本語はそれほど豊かではない。ギリシャ神話の助けを受けながら、イメージを膨らませています。

かのじょの瑠璃の籠の中での異名は、ルナのほかにツィーがありました。カシオペアのWの真ん中の星です。それはどうやら中国語で「鞭」を意味するらしい。偶然ですが、少し面白い符合です。愛の天使が自分を意味することに選んだ星に、鞭の名が秘められている。

カシオペアはアンドロメダの母親と言いましたが、その神話がどことなく影響しているのでしょう。かのじょはあの星座を、母国のようなものだと感じていたふしがある。小さな青い星の片隅に生きている自分の本当の故郷が、空にあるとすれば、あそこではないのかと。そしていつまでも不思議な目で見上げていた。

北の空に浮かぶ、錨の形の星はとても端正でくっきりとしている。見れば見るほど引き込まれてしまう。

星には、とても高い秘密があります。今はまだ教えられませんが、かのじょが星に感じていたことには、とても不思議な意味があります。

あの人はきっと、カシオペアに生きていたのだ。そう考えても、それほど大きな間違いではありませんよ。

あの錨星が、あの人の故郷なのだろうか。あの人は今あそこにいるのだろうか。ああ、永遠に会えないとはいうが、あの星を見ていると、それが我慢できないと思うほどだ。夢でもいいから会いたい。

星を見るたびに、会える気がする。

そういう物語が、空に書かれたのは、不思議な神の恵みです。







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