ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

ふたごの星

2017-03-31 04:21:33 | 短歌






小窓にて こどくがふたつ ならびゐて ともに見上げる ふたごの星を






*今日もまた星の歌を選んでみました。

ブログでの発表は2014年になっていますが、実はこれはかのじょの作品です。ヤフーブログで活動していた時、当時のブログ友達のブログのコメントに書いたものです。かのじょはそのブログ友達を気に入っていました。冴えない普通のおじさんで、とてもくだらないことをしていたが、心が純で毒がなかったからです。

何よりよかったのは、女性に対する欲がほとんどなかったことでした。色目で自分を見る男には一切近寄りたくないという人でしたが、男性の友達は欲しかったのです。もちろん、霊魂が男性だからです。

天使は心を見ることができますから、なんとなくわかるのですよ。この人なら、友達になっても、そんなに悪いことにはならないと。実際、悪いことにはなりませんでした。あまり心は開いてくれませんでしたが、それなりの教養でこたえてくれた。なつかしい感じがしたのは、前世での縁もあったからです。

かのじょが事実上ヤフーブログをやめてから、その友達との付き合いもなくなりましたが、この歌だけは惜しいので取っておきました。後にそれを思い出して、スピカが第3館の歌集に取り上げたのです。

小窓のように小さなパソコンの前で、孤独な二つの魂が並んでいる。それはあなたとわたしだ。いっしょに見上げている星は、ふたごの星だ。それはね、あなたもわたしも、同じだという意味なんだよ。小さな自分を抱いて生きている。きついことも痛いことも、甘いことも辛いことも味わい、生きている。あなたはわからないだろうけれど、わたしはあなたのことをそう思っている。ふたごみたいに似ているところがあると。

歌にはそういう心がこめられていましたが、やはり相手には伝わりませんでした。才ある女性に対する偏見はそう強くない人でしたが、やはり女性そのものが苦手だったようですね。

かのじょは生きている間、夫以外の男性にはほとんど近寄っていきませんでしたが、男性に全然興味がなかったわけではないですよ。ただ、嫌だと感じる人から逃げていただけです。かのじょが夫以外で少しでも心を開くことができた男性は、二人ほどいますが、二人の共通点は、異性としてのかのじょに興味がなかったということでした。

あなたがたにはつらいことかもしれませんね。

純粋に友達としてなら、いいという意味ですから。

かのじょは女性そのものという特質を持っていますが、やはりそこは男性なのです。男性には、友情以外のものを感じられないのです。

あのブログ友達に関しては、わたしも好もしく思っていますよ。つかの間とはいえ、かのじょに男の友情めいたものを感じさせてくれた。かすかにでも、孤独が響きあう甘い夢を見せてくれた。

本人は、何も知らないでしょうが。

誰にも自分を理解してもらえない、ほとんど真っ暗闇の人生の中で、ほんの短い間のあの交感が、かのじょの魂の渇きを、ほんの少し癒してくれたのです。







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