むじな@金沢よろず批評ブログ

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ガザには声を上げてもウルムチには沈黙? イスラーム諸国と日本の左翼

2009-07-20 17:39:02 | 世界の民族・言語問題
ウルムチにおけるムスリム虐殺事件に対して、なぜかイスラーム諸国の大半と日本の左翼の多くが沈黙している。
イスラーム諸国では、ウイグルと同じチュルク系国家のトルコが国家レベルで大々的に非難の声を上げているほか、イスラーム諸国の中では民主的なインドネシアで連日デモが起こったり、あとアル・カーイダが報復声明を出したりした。
この点ではアルカーイダは筋は通っている。しかし、ヒズブッラーやハマースは何も言っていない。

イスラエルによるガザ攻撃ではあれほどヒートアップしたのに、同じムスリム同胞が被害にあっても、ウイグルについては沈黙している、ムスリムが多いのは、どうみても偽善である。
ムスリムとしての連帯感に乏しいのか?あるいはマトモに信仰心があるムスリムが少ないのか?

偽善といえば、日本の左翼はもっと偽善だ。ガザ攻撃のときは左派系ブログの多くが、カテゴリーまでつくって、ガザ攻撃非難を繰り返してきたのが、今回のウルムチ虐殺については、ほとんど何も言わない。まして、ガザは日本から遠く離れたところ、ウイグルは現在中国の一部なのだが隣国の事態だというのに、なぜか左翼の多くは沈黙している。

マシなのは「プレカリアート」の「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」くらい(中国社会主義と民族自決権
2009年07月12日 18時27分56秒
)。
まあ、この人もかつてティーカップで掲示板を開いていたときに、私が散々、中国に対する妙な及び腰を糾弾してきたので、最近ようやく中国糾弾もするようになった次第なのだが。しかも、中国非難についてもウヨクと一緒にされるのが嫌なようで、予防線張りまくっているせいで、焦点がぼけてしまっているw。要するに、この人の頭の中では「中国非難=ウヨク」というくくりらしい。これがまた古いw。この人が大好きな中米や欧州の左翼は、中国非難を公然と展開していることを思うと、「中国非難=ウヨク」などとキメツケテイルところは媚中の臍の緒が取れない日本の旧左翼の限界というべきか。これだから日本では左翼が衰退したんだよ。中国批判も無遠慮にできないなんて、左翼じゃないよ。
ただ、この人はウイグル問題を取り上げただけまだマシだ。
不可解なのは、「安禅不必須山水」と「薫のハムニダ日記」。
ガザについてはカテゴリーまで作って大々的に糾弾していたくせに、隣国の出来事にはまったく無関心。前者は日本の内政という内向きの話題に集中してウイグルからは目をそむけようとしているし、後者は犬の写真などはって暢気なものだ。

ガザについては当ブログでもイスラエル糾弾記事をさんざん書いたが、それは私自身がこの事態が発生したときにレバノンに行っていたという一種の臨場感によるものであった。日本の左翼は中東なんか行ったこともないだろうから、ガザを取り上げる必然性には乏しい。しかし取り上げた。ところがガザを取り上げるくらいなら、日本にとって至近距離の隣国の出来事をなぜ取り上げないのか?
しかも、ガザについては、ハマースにも非がないわけではない。左翼はハマースの欠陥にも目をつぶったうえで、イスラエル非難に集中してきた。だったら、どうして何の組織的背景ももたないウイグルの素手の民衆の蜂起に共感し、それに対する中国の弾圧を非難しないのか?

「ガザへの連帯」は一種のファッションで、かっこいいと思っているが、「ウイグルへの連帯」は欧米も冷淡だからかっこ悪いと思っているのだろうね。この手の「ファッションサヨク」しかいない日本の左翼界はだから衰退するんだろうな。

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