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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台南県東山郷東河村のシラヤ集落見学

2006-01-28 22:50:14 | 台湾言語・族群
1月22日午前中、台湾ローマ字協会の活動で、台南県東山郷東河村にあるシラヤ集落を見学した。今回台南行きの2つの目的の1つ。
シラヤ語自身ではKabua Swa(kabuaは綿花、swaは集落の意味、漢字では「吉貝耍」とあてる)と呼ばれる集落では、自身もシラヤである段洪坤氏の案内で、民俗品の展示をしてある吉貝耍文史工作室といくつかあるkuwa(シラヤ語),kong-kai3(ホーロー語、漢字では公廨)を見て回った。kong-kai3とは、言ってみればかつて日本でもあった「若衆宿」兼「祠」である。水を入れて青葉を挿した壺に象徴される神を祀っている。この祀り方は国分直一の「壺を祀る村」でも有名なシラヤ族の祀りの形式である。ただし、祀っている対象は壺そのものというよりも水のようだが。崇拝の対象となっているのはalip(漢字では阿立、祖先の意味、普通は接尾辞に祖をつけて、台湾語a-lip8-chou2とする)。
(写真はkong-kai3のひとつ)
シラヤで現有の集落は4大社と通称されていて、カバスワのほか、番仔田、北頭洋、六重渓がある。その中でもカバスワは漢化の汚染が比較的軽いところだという。
東河村カバスワ集落のシラヤ族による平埔族運動は、1996年に始まった。当初は「偉大な漢民族」と思い込んでいたシラヤ族も現在では同集落の7割が平埔族であることを自認するまでになった。台南県は県独自にシラヤ族を原住民と認定している(国の認定はまだ)。
シラヤ族としての祭りは、集落によって異なる期日に行われる。カバスワの場合は、農暦9月4-5日。ここで本来のマレー系種族には関係なかったはずの中国伝来の農暦を用いているところが、漢化した平埔族の「熟番」たるゆえんといえる。
祭りでは豚(babui)を祭るが、これは漢文化の影響ではなく、もともとあったようだ。さらにシャーマンであるang-i5は女性がなる。
段氏自身は母語は完全に台湾語である。シラヤ語は断片しか知らない。それも母(ina、アミス語などと同じ)は知っていても父は知らず、数詞も七しか知らない。ほかには挨拶の言葉、娘、未婚の男性、既婚の男性などの単語を知っているだけ。ただ、この保存の仕方に、何がシラヤ族にとって最も重要なことだったのかが逆に透けてみえる感じがする。父はどうでもよくて母が重要だという典型的な母系社会で、婚姻や対象を見つけることが最も重要な行いだったということでもある。
あるkong-kai3のそばの民家に88歳の老女が一人で住んでいた。学校に行ったことがなく文盲のようだった。しかし、逆にいえば、そういう人こそ日本と中国という植民地侵略者の汚染を受けていないということであり、その人の思いと台湾語自身の奥深さを次回来たときにはじっくり聞いてみたい気がした。
Kong-kai3で最も大きく中心的なものが、「大公界toa7-kong-kai3」と呼ばれている。ここは風水というか地磁気が特殊な場所なのか、野良犬やガチョウなどの動物が入り込むことがないという。なるほど。
吉貝耍文史工作室は台南県東山郷東河村133号、電話06-623-2343。HPは http://www.sinica.edu.tw/~pingpu/workroom/gebei/title-2.html

「無米楽」の村を訪ねて

2006-01-28 22:49:00 | 台湾言語・族群
1月20日、長い間の懸案・課題?だった「無米楽」の舞台となった、台南県後壁郷菁寮村に、主役だった黄崑濱さんを訪ねた。(関連記事は 台湾語ドキュメンタリー映画「無米楽」はすばらしい!、写真は同村にある農会=農協支部事務所の壁に描かれた「無米楽の村」をアピールする壁絵)
台北から特急列車自強号に乗って行ったのだが、本来嘉義で各駅停車の電車に乗り換えてさらに歩いて行くつもりだったが、嘉義には30分遅れで着いたために新営まで行ってからタクシーで向かった。新営からのタクシーは、片道300元とけっこう高ついたが、そのときの運ちゃんは、すごく滑舌がしっかりしている台湾語で、さすが南部、台湾語だけで生活していますという感じで、とてもうれしかった。
現地に着いたときはもう夕方4時半過ぎだった。崑濱さんはまだ農作業に出ていて留守だった。近所の人とちょっと話していたら、帰ってきた。午後4時50分。
崑濱さんは映画でも、諧謔と機知に富んだ言葉を吐いて賢さがにじみ出ていたが、実際会ったところでも、底抜けに明るく、頭の回転も速く、理解力もよい、なかなか聡明な人物という印象を受けた。
昭和でいえば4年12月、同村で生まれた崑濱さんは満で76歳を迎えたばかりだ。一男一女、さらにその間の孫はいずれも台北に出ていて、田舎に住んでいるのは妻の許崇娥さんと二人きり。
16歳まで日本語教育で、その後国民党がやってきた後の北京語教育は3ヶ月しか受けていない。「長い間使っていないので、あまり話せないが」といいつつ時折日本語を混ぜながら話してくれた。あまり話せないが、NHKのテレビや時代劇はほぼ問題なく理解できるという。時代劇では民放系の「暴れん坊将軍」がお気に入りだとか。
彼自身はきょうだいの中では一番上で下に弟が6人、妹が3人いる。それほど裕福ではなかったため、長男である崑濱さんは嘉義工業専門学校を出るとすぐに農家を継いで現在に至る。彼が働いてそのかわりに、弟や妹のほとんどを大学に通わせたという。
どうもこの村では、戦前世代はほとんど日本語教育を受けているようで、かつては村としてはかなり賑わっていてモダンな村だったようだ。とはいえ、そういう村でも田舎から大学に輩出した家というのはかなり秀才揃いだったことが伺える。しかも妹の一人は台湾大学を出たという。崑濱さん自身も、もし家を継いでいなければそれ相応の大学を出ていたかもしれない。なるほど映画の中でも賢い感じがしたわけだ。
ただ、どちらがよかったか一概には言えない気がする。
台湾の歴史をひもとけばわかるように、最高学府を出た知識人が必ずしも台湾のために動いて立派なことをしているわけではない。林爽文の一揆や「与媒体対抗」の路犂の例を見ても、実際には「汗水流して働く階層」が歴史を変えたことのほうが多い。崑濱さんの例は、見かけの学歴と本当の賢さが比例していない典型例だと思った。
日本時代の印象については「日本人を尊敬している」とは言うものの、やはり本島人と内地人の差別があって、製糖工場も専売局も日本人が優先で、台湾人は鉄道くらいしか働き口がなかったことを淡々と語った。
小学校以来の日本人の担任教師の名前をすべて憶えている。印象が強いのは、工業専門学校の英語の教師で「この戦争はつまらない戦いだ。米国は強い。どうせもうすぐ負けるだろうから、私は内地に帰る」と言い残して昭和19年8月に早々と帰国したという。英語を教えることが禁じられたからでもあったが、子供たちはそんな発言を「憲兵につかまったらどうする」と内心ひやひやしていたという。「おかしな戦争の時代でも、ちゃんと見ていた人は日本人にはいた。しかし戦後の国民党はめちゃくちゃだった」「土匪仔兵(thou5-hui2-a2-peng、強盗集団の兵、国民党軍のこと)が来てからは、日本人が占めていた職場をすべて横取りして、台湾人はさらに悲惨な立場に追い込まれた」。やはり国民党、中国人に対する目は厳しい。
私がそこで中国福建に行ったときに、ビフテキレストランでビフテキを注文したところ、ヒルをかっさばいて焼いたものらしきものを出された話をした。彼はその意味を的確に理解して、「島国は一般的には善良だが、大陸性の人たちの性根は悪い」といった。この「大陸」の言外には中国以外の大陸・半島国家全体が含まれていた。
日本人と中国人の違いについては、「日本人はおれが犠牲になってみんなよくするが、中国人は俺がよければ他は悪くていいという考え」との指摘もした。
映画では、妻のことを「アミス族」だとからかう場面があった。それについては、「妻は関仔嶺と山のほうの人だから」といった。まあこれは正確ではないが、とはいっても蔑視の意味はまったく含まれていなさそうで、「いずれにしても台湾人にはみんな平埔族原住民の血が入っている。台湾のもとからの住人だ」ともいっていた。

話していて思った。
2甲(約2ヘクタール)ばかりの田を耕す素朴な農民であっても、地に足ついた人生観や社会観がある。台湾に対するさまざまな愛情や思いもある。
そして、こういう人たちの思いこそが、まさに台湾の民主化を進め、政権交代を成功させる原動力だったのではないだろうか。
それを考えると、陳水扁の政権獲得後のふがいなさは、本来の根っこと基盤を忘れたところに問題があるといえる。それが外来植民地支配の連続だった台湾におけるエリート層に典型的に見られる買弁性という、悲しい運命に過ぎないとはいうものの、それでは台南でがんばっているこの人たちの思いと努力はどうなるのだろうか?そういう意味では、崑濱さんと話しながら、改めて陳水扁の自堕落ぶりに怒りを新たにしてしまった(それ以外に選択がないんだが)・・・。Sut-a, koaN2-kin2 chheN2―-khi-lai leh!

ところで、菁寮村、今は人口が小さな田舎の村だが、それでも金曜日には夜市が立つというから驚く(火曜日にも時々食事の屋台だけの夜市が立つらしい)。実際、私が訪ねたのは金曜日で、さまざまな屋台が嘉義や台南から来ていた。しかも、有名な台北の士林夜市にはこの菁寮村出身者が多いらしい。さすがホーロー人の住むところだけはある。

民進党中央党部尾牙(忘年会)

2006-01-23 23:57:42 | 台湾政治
民進党は1月23日本部職員・アルバイト・本部詰め記者らを対象に「尾牙」(boe2-ge5、忘年会)を「国軍英雄館」で開催した。
(写真は始まる前の舞台)
そういえば、場所は国軍系の施設を使ったわけだが、これは最近軍の政治的中立化が進んだ証拠なのだろうか?以前だったら、民進党系の活動はできなかっただろう。昨年の地方選挙で民進党が軍人・教師・公務員を対象にした税や金利の優遇処置の撤廃を打ち出したり、陳水扁が元旦に独立色の強い主張を打ち出したりしたのは、おそらく軍がバリバリの国民党系でなく、かなり中立化・台湾化が進んできているという背景があるのかもしれない。
李逸洋・現秘書長が最初から終わりまでいたほか、呂秀蓮・代理主席、蘇貞昌・前主席(次期行政院長)、游錫堃・次期主席、林佳龍・次期秘書長らも前後して出席した。
游次期主席は、主席当選の記者会見でもほとんどを台湾語で通したが、今回もほとんど台湾語を使った。でも、この人って、人はよさそうだし、まじめそうなんだけど、演説はあんまりうまくないというか、人をひきつけないんだよね。演説はつまらんかった。まあいいっか。
職員・バイトの有志による歌は「幸福進行曲(heng7-hok chin3-heng5-khek)」が歌われた。ただし、映画「天馬茶房(thian-ma2 te5-pang5)」で使われた元のバージョンではなく、2000年総統選挙キャンペーンソングとして使われたバージョン(替え歌だが、作詞作曲者の陳明章自身によるもの)。
毎年恒例のくじ引きの賞金・賞品では、林次期秘書長が現金2万5千元を出し、さすが奇美グループを後ろ盾にしているだけあって、一番太っ腹なところを見せた。

伊藤潔(劉明修)教授の逝去に哀悼の意を表します

2006-01-19 04:20:38 | 台湾その他の話題
台湾宜蘭出身で日本の大学で東アジア政治史などを教えていた劉明修(帰化後の日本名伊藤潔)教授が1月15日死去した。
石田浩教授に続く台湾地域研究の大家の逝去は日台関係にとっても大きな損失であり、謹んで哀悼の意を表します。
(ところで「台湾の声」で李登輝前総統が「冥福を祈る」という表現を使っていたが、キリスト者である李登輝氏が仏教用語である「冥福」を使うのはどうかとは思った)

自由時報、1月17日、東亞政治史權威 劉明修教授病逝
〔駐日特派員張茂森/東京十六日報導〕本名劉明修的在日台裔東亞政治史學者伊藤潔十五日晚間病逝,享壽六十八歲,前台灣總統李登輝與台灣駐日代表許世楷對伊藤潔的去世先後表示哀悼之意。
伊藤潔出生於台灣宜蘭,一九六四年來日留學,東京大學文學博士,專攻東亞政治史,曾任二松學舍政經學部教授、杏林大學社會科學部、大學院合作研究科教授,生平的「台灣」、「台灣統治與鴉片問題」、「李登輝傳」等著作膾炙人口。
伊藤潔到日本後即被國民黨政府列為名單二十多年之久,九二年在李登輝政府解除的最後一批名單中得以返國。
伊藤潔生前表示,他的生母去世時,他因為名單的理由而無法回台奔喪,這是他一生不能忘記的事情。
李登輝前總統已透過日本的相關管道對他的家人表示哀悼之意,並希望他的家人節哀。
台灣駐日代表許世楷今天表示,伊藤潔是研究社會科學與台灣歷史非常縝密的在日台灣學者,他的可貴之處是絕對堅守台灣優先的立場,他的去世不但是台灣人的損失,也是整個台灣歷史研究學界的損失。


中國時報 A13/兩岸新聞 2006/01/17
台裔旅日學者伊藤潔病逝
【特派記者黃菁菁/東京十六日電】
  日本前杏林大學台裔教授伊藤潔,今天凌晨五點因心臟衰竭病逝於 東京都武藏野市的自宅,享年六十八歲。伊藤潔在日本曾出版許多談 論台灣的著作,在日本學術評論界占有舉足輕重的地位。
  伊藤潔本名劉明修,一九三七年出生於台灣宜蘭縣,是東京大學的 文學博士,專攻東亞政治史,他曾在二松學舍大學和杏林大學擔任教 授,也經常在「中央公論」「文藝春秋」等雜誌發表評論。
  伊藤潔曾著有「台灣四百年歷史與展望」、「台灣」、「小平傳 」、「李登輝傳」、「中國政治制度」和「香港的困擾」等書,在台 日都具有影響力。他也是旅日台灣人,第一個與日本首相對談的學者 ,二○○○年曾為當時的首相小淵惠三分析台灣的選舉。
  伊藤潔就讀東京大學時,因主張台獨的言論而被列名名單,直到 一九九二年李登輝總統任內解禁之後,才得以返台,他與黃昭堂、李 登輝等人私交甚篤。我國駐日代表許世楷與伊藤潔也有私交,將於十 七日傍晚前往祭悼友人。

台湾、リビアと関係復活、元首相互訪問へ?

2006-01-19 04:17:28 | 台湾政治
台湾、リビアと関係復活、相互関係強化へ
リビアの最高指導者ムアンマル・ル・カッザーフィー(Muammar Abu Minyar al-Qaddafi、معمر القذافي)(カダフィ)氏の息子、同国ナンバー2の実力者でカッザーフィー財団会長のサイフ・ル・イスラーム・ル・カッザーフィー(Saif al-Islam Qaddafi、سيف الإسلام القذاف)氏が台湾を訪問して18日に陳水扁総統(大統領)と会談した。双方は代表部の相互設置、元首の相互訪問など、台湾との相互関係の回復で合意した。19日付けの聯合晩報は1面(我將與利比亞 互設代表處など)と3面で大きく報じ、台湾総統府も同日のニュースリリース(總統接見利比亞格達費基金會主席賽義夫.格達費)で正式に発表した。

台湾は昨年10月に西アフリカの主要国セネガルと断交するなど、このところ中国の「台頭」に押され気味で、外交的な後退を余儀なくされてきたが、今回のカダフィ・ジュニアの訪問と関係強化の合意は、台湾外交にとって久しぶりにヒットとなった。
台湾にとって、中東諸国との関係はきわめて重要だ。産油国が多いからというエネルギー戦略の側面だけでない。米国の中東戦略が台湾問題への対応にも直結するため、中東との関係を開拓して情報を収集することは必要であり、しかも、中東の庶民レベルでは台湾の境遇に同情的な人々が多いこともあり(アル・ジャジーラや、レバノンのメディアをはじめ、台湾の緑側の運動に好意的な報道が多い)、台湾が中東において外交空間を開拓する余地と意味は大きいといえるだろう。
ところが、これまで台湾の対中東外交は国民党時代の時代錯誤な観念を継承するように、サウジ、UAE、オマーンのような専制君主国(ただし台湾と関係が良好な君主国のヨルダンはまだまともだが)とイスラエルのような覇権主義国家との関係に限定されていて、レバノン、エジプト、チュニジア、シリア、リビア、アルジェリア、イエメンなどの共和制のアラブ諸国とは関係が疎遠だった。
この中では、エジプトとは01年に代表部の相互設置で合意しかけたが、台湾当局の発表がフライイングしたため、エジプト側が激怒、設置に至らなかった(ただ台湾人観光客への着地ビザ発給という優遇だけは獲得している)。
また、レバノンのように、中東アラブの中では最も言論が自由で曲がりなりにも民主主義が機能している国とすら、代表部を置いていないだけでなく、台湾人観光客へのビザすらほとんど出ないような状態になっている。
台湾外交部関係者は、これらの共和制諸国は「社会主義志向で中国との関係が密接すぎて台湾を排除しているからだ」というが、それは単なる逃げ口上だろう。アルジェリアが伝統的に中国べったりである以外は、チュニジア、シリア、レバノン、イエメンは実はそれほど中国べったり、台湾排除とはいえない。シリアにしても北朝鮮との関係は密接ではあっても、中国とはそこそこ。チュニジアとレバノンは伝統的に親西欧だ。要するに、台湾外交部の努力が足りないだけのことだろう。

今回のリビアとの接触について、蒋孝厳氏(90年代に外交部長経験があり、現在国民党籍立法委員)は、「リビアは軍事独裁国家で国際的イメージが悪い、台湾外交にプラスにならない」などと主張しているようだが(台利互設辦事處》蔣孝嚴:對台毫無幫助)、これは噴飯ものだ。
そもそも、外交というのは、相手が独裁かどうかで行うものではない。そんなこと言い出せば、蒋孝厳氏ら国民党政権が一生懸命に外交活動を行っていたアパルトヘイト時代の南アフリカ、中国と国交を持つ前のイスラエル、奴隷制と首切り処刑を実施しているサウジアラビアは、どうなるのだろう。また、蒋孝厳氏が昨年連戦について訪問した中国はどうなるのか?しかもあのとき、彼は喜喜としてチベット人虐殺の下手人と握手したのではなかろうか?
また、25ある台湾の国交国のなかで紛れもなく自由で民主的だといえるのは、ツバル、キリバス、パラオ、ナウル、セントビンセント、セントクリストファー、コスタリカ、ベリーズ、パナマ、サントメプリンシペだけ。今回脚光を浴びているリビアのすぐ南隣にあるチャドは、台湾と国交があるが、あそこはとても民主的とは呼べない国である。
蒋孝厳の主張は言いがかり以外の何者でもない。
それから、蒋氏はリビアがまだ国際的に孤立していると思っているとしたら、外交オンチというべきである。

リビアは03年に大量破壊兵器開発計画を破棄、それに応じて国連から対リビア経済制裁が解除され、続いて04年に米国からも制裁を解除、従来から親密だったフランスをはじめ、西欧、米国などとの関係を改善している。カダフィ・ジュニア自身は昨年4月にも日本を訪問(参照:季刊アラブ2005年夏、113号、p.10、カダフィ・ジュニア日本を駆ける)、韓国外相も昨年リビアを訪問するなど、東アジアの非共産国家との関係も復活させている。
これまで伝えられているところによれば、カダフィ政権はイスラエルの承認も検討し、アラブよりアフリカとしてのアイデンティティを強めるなど、これまでのアラブの暴れん坊、対米強硬派という立場から大きな転身を図っているのが現実だ。
しかも、リビアはフェニキア時代の拠点のひとつで、ローマ帝国時代にキレナイカとして知られ、首都トリポリがギリシャ語の「三つの町」が語源であるなど(同じ名前の都市がレバノンにもあるが)、ギリシャ・ローマ文明の遺跡が残り、同文明とのつながりが深いところでもある。というより、そもそもギリシャ文明とは中東のものなのである。
そういう意味で、リビアをはじめとした地中海沿岸のアラブ諸国と関係を深めることは、中東と欧州の共通基盤を理解することにつながり、欧州外交にも有益なのである。また、リビアは最近アフリカの一国としての位置づけも進めているから、リビアとの関係はアフリカ外交の一助ともなる。
願わくは、レバノンとの関係も深めてほしいのだが。

ただ、今回の動きで、元首の相互訪問が一挙に進むかどうか、私は懐疑的である。
それは別に中国の圧力云々のせいではない。米国相手に喧嘩してきたカダフィのような人間にとっては、中国の圧力など屁でもないだろう。
問題は台湾側から出てくると思う。というのも、かつて南アフリカが民主化してマンデラ大統領が就任した際、当時国交があった台湾から李登輝総統が就任式典に出席し、台湾独立聯盟の紹介で、パレスチナ解放機構のアラファト議長と会談したことがある。そのとき、李登輝がアラファトの台湾訪問を要請し、アラファトが快諾したが、結果的に実現しなかった。それは中国の圧力によるものとはいえなかった。アラファトは快諾したときに「イスラエルと戦っているわれわれには中国の圧力などどうということはない」といっている。問題は台湾側にあった。それは台湾の官僚どもが米国の顔色をうかがって、アラファトをテロリスト、PLOをテロ団体に指定していて、それをはずそうとしなかったことが原因していたという。
リビアの件についても、蒋孝厳がリビアをけなしているウラには、国民党系が外交官僚の時代錯誤的な観念が反映されているとも考えられる。そうだとすれば、リビアとの関係強化が順調に進むかどうかは、かなり困難となる可能性が高い。
とはいえ、リビアとの関係改善は、喜ばしいニュースである。

参考記事:
http://www.president.gov.tw/php-bin/prez/shownews.php4
總統接見利比亞格達費基金會主席賽義夫.格達費
  陳總統水扁先生今天上午接見利比亞格達費基金會(Qadhafi Foundation)主席賽義夫.格達費(Saif Qadhafi),除對他率團專程來訪,代表我國政府與人民表達誠摯歡迎外,總統與訪賓並就台灣及利比亞未來合作事宜廣泛交換意見。
(中略)
會談時,總統並提及利比亞不僅是非洲的主要國家,該國領袖格達費也是國際間重要的領導人,台灣與利比亞自1959始至1978年有長達20年的邦誼, 兩國間有深厚的情誼,今天他與賽義夫主席晤面,絲毫不感到距離與陌生,而利比亞人民崇尚色,認為色是革命的象徵,也代表吉祥、幸福與勝利,而他所屬的 政黨民進黨也是色的黨,與利比亞人民同樣喜愛色,色讓兩國人民緊密結合在一起,他希望藉由此次賽義夫主席的來訪,為日後雙方的交流奠下良好的基礎。
(後略)


http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3123688.shtml
我將與利比亞 互設代表處
【記者李濠仲/台北報導】
【2006/01/18 聯合晚報】

http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3123722.shtml
台利互設辦事處》賽義夫與扁會面 突提設處
【記者黃國樑/台北報導】
(前略)
他(呂慶龍)表示,我國與利比亞是在1959年建交,1978年8月我與利比亞斷交,到1980年3月,我國在利比亞設立以國號為名的中華民國商務辦事處,但於1997年8月間撤處。
呂慶龍指出,格達費的國際聲譽目前已經好轉,我國與利比亞交往應已較無顧慮,且只要有國際朋友願意尊重台灣,我國當然願意伸出友誼的雙手。
【2006/01/18 聯合晚報】


http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3123725.shtml
台利互設辦事處》蔣孝嚴:對台毫無幫助
記者王正寧/台北報導
前外交部長、立委蔣孝嚴表示,利比亞是軍事獨裁政權,也是區域威脅的國家,在國際上並不受歡迎,加上過去經貿等各方面的合作毫無進展,對台灣毫無幫助,只有浪費資源,因此在他手上決定撤館。
蔣孝嚴表示,在國民黨執政時代,雙方就曾互設代表處,甚至包括軍方都有人 員,但因為利比亞在國際上是一個不受歡迎的國家,且當地幾乎沒有我國僑民,10餘年來也沒有任何合作,反而是利比亞比較需要台灣,經過評估在他手上決定撤 館。他認為,陳水扁去訪問對台灣形象恐怕只有負面影響。
【記者鄭任汶、王正寧/台北報導】
陳水扁總統即將出訪利比亞,我與利比亞也將互設代表處,朝野立委同感訝異, 幾位民進黨立委都表示,毫不知情,不過,熟悉國安事務的親民黨立委張顯耀指出,他一點都不感到驚訝,利國是我在非洲最堅強友邦,甚至在斷交之後,我方外交 與國安單位還以中華民國的名義繼續派駐在當地。
【2006/01/18 聯合晚報】


http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3123728.shtml
台利互設辦事處》利比亞 最愛色
國際新聞組
【2006/01/18 聯合晚報】


http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3123724.shtml
台利互設辦事處》格達費 沙漠之鷹
編譯倪婉君、彭淮棟/綜合報導
【2006/01/18 聯合晚報】


http://udn.com/NEWS/NATIONAL/NAT1/3124325.shtml
台利互設辦事處》格達費與台灣關係細說從頭
中央社特拉維夫特稿
【2006/01/18 中央社】

カナダ北方の自然と先住民を描いた映画「最後の狩人」

2006-01-18 23:46:55 | 世界の民族・言語問題
先日、カナダ北方ユーコン州を舞台に、狩猟によって生計を立てている夫婦と大自然のかかわりを描いたドキュメンタリー映画「最後の狩人」を見てきた。

題名 Le Dernier Trappeur / 仮題:最後の狩人 
監督: Nicolas Vanier
キャスト Norman Winther, May Loo, Alex Van Bibber, Ken Bolton, Denny Denison
ジャンル 長編 ドキュメンタリー アバンチュール
言語 英語
制作国 フランス・カナダ
製作 Jean-Pierre Bailly
製作会社 MC4 Productions
フランス国内劇場公開  12/15/2004
時間 105 mn
日本 2006年春公開予定
監督 Nicolas Vanier
俳優 Norman Winther
   May Loo
·  Alex Van Bibber
·  Ken Bolton
·  Denny Denison
作曲家 Krishna Levy

フランス公式HP http://www.lederniertrappeur.com/
フランス語写真集
http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2842775651/171-6619898-0861838c

日本語参考HP
http://japan.unifrance.org/films/detail_film.asp?CommonUser=&cfilm=25173&langue=21010

台湾公式HP (最後的獵人)
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/

映画の紹介を書いておくと、主人公のノーマン・ウインターNorman Wintherはカナダの白人で、先住民ナハンニNahanni族出身の妻・ネバスカNebaskaやイヌ橇用の忠犬たちとともに、カナダ・ユーコン州の 森林に住んでいる。森で切った丸太を自分で組み立てて作った家に住み、狩猟によって得た毛皮を近くの小さな町で売って生計を立てている。
映画では、雄大なユーコン州の美しい大自然が大きく映し出される。雄大な自然に比べれば、主人公はあまりにも小さい。短い夏にはカヌーを使って川下りをし たり、真冬はマイナス40度にもなる極寒の中でも犬橇を使って遠出をし、危うく氷の割れ目に転落して凍死しそうになったり、ハイイログマやオオカミと遭遇 したりしながら、懸命に生きている。
しかしそうした狩猟生活も、大企業による森林伐採の波が押し寄せてきて、今年で終わりになるかもしれない。

大自然の風景、さまざまな動物たち、オーロラなどが画面に映し出されてきれいな映画だ。
ただ、ちょっと批判的なことを書いておくと、先住民が登場する欧米の映画ではお決まりのパターンとして、主人公は先住民自身ではなく、あくまでも白人男性で、先住民がその妻・脇役として出てくるところが、白人が作った映画の限界という感じではある。
また、夫は毛皮売りに町に出かけてバーに入り浸ったりしている点では、大自然の賛歌といっても、やはり近代や都市とは切り離せないところが現れている。もっとも、これは自然生活を台無しにしていると見るか、リアリティと見るかは、見るひとによって違うだろう。
ただ、画面の美しさだけでも、この映画は見る価値はあるとは思う。

ところで、先住民も登場するということで、台湾では、アミス族が住む花蓮玉里武國小でも上映会が開かれたらしい。
http://movie.grouppower.com.tw/trapper/p1_2.htm
台加兩地【最後的獵人】在花蓮相遇

ロケ地近くにあるホワイトホースの地方紙の報道:
Whitehorse Star
Film giving territory exposure in France
http://www.whitehorsestar.com/auth.php?r=36161

ところで、カナダ北方や先住民との関連といえば、カナダ公共放送のカナダ放送協会CBCの第1ラジオは北方諸州向けに先住民諸語の番組を設けるなど特別編成にしている。

http://www.cbc.ca/north/
http://www.cbc.ca/north/programs/index.html


謝長廷行政院長辞任へ、08年候補はまだまだ予断許さず

2006-01-18 23:44:13 | 台湾政治
謝長廷・台湾行政院長(首相)は1月17日、辞意が陳水扁総統の同意を得たとして23日付けでの辞意を正式に表明した。
後任には蘇貞昌・前民進党主席が就任する見通し。
謝氏が高雄市長時代に建設を進めた高雄MRTをめぐって、民進党高官の疑惑が明るみに出たことが昨年12月の県市長選挙大敗につながったとする見方が多く、民進党内から引責辞任を求める声が出ていた。謝氏はたびたび辞意を漏らしていたが、「発言が軽い」として人気が低落していた陳総統が自分への波及を恐れたこともあって慰留していた。
だが、1月に入って、陳総統が元旦談話で台湾主体路線を明確に打ち出したことで、人気と支持を盛り返し、これまで対中交流積極路線を掲げてきた謝氏が党内で孤立気味となった。15日の党主席補欠選挙で、謝氏が暗に支持していた蔡同栄氏が敗れ、謝氏が反対し、陳総統や蘇氏が支持する游錫堃氏が当選したことで、謝氏が党内非主流派となった。
さらに、06年度予算案が野党が多数を占める立法院で大幅に削除され、内閣が覆議(再審議、フランスにも似たような制度がある)を求めようとしたが、総統や党内の同意が得られず、進退窮まる状態になっていた。

ところで、これで08年総統選挙の民進党候補レースはどうなるのだろうか。実は、まだまだ予断を許さないと考える。
08年の総統選挙では、連続三選が禁止されているため、陳水扁氏は出られないから、ポスト陳水扁の有力者として民進党内では、謝長廷・前行政院長、蘇貞昌・前党主席、游錫堃・次期党主席、呂秀蓮・副総統、林義雄・元主席らの名前が挙がっている。
1月15日党員投票があった主席選挙では、陳総統とその出身派閥正義連線、蘇氏とそれを支持する新潮流系が游錫堃氏を支持、謝氏とその出身派閥福利国連線と呂副総統が蔡同栄氏を支持、党内外で声望がある在野運動の林氏が独自に翁金珠氏を支持していたが、游錫堃氏が党員投票で過半数の支持を得て当選したことから、陳水扁、蘇貞昌、游錫堃が新主流派、謝長廷、呂秀蓮、林義雄が非主流となった。
だが、これで、行政権を握るであろう蘇貞昌氏が有利になったと即断することはできない。
第一に、行政院長は行政資源を手にするという点でアドバンテージはあるが、まさに謝長廷氏がそうであったように、野党が多数派を占める立法院対策に翻弄されて、さらに任命権を持つ総統にも頭を押さえつけられ、力を消耗するだけで終わるかもしれない。
第二に、私が不安を持っている別の側面として、蘇貞昌氏が国民党系のメディアにも妙に受けがいい点である。これには何かのたくらみや陰謀があってのことではないかと思わざるを得ない。というのも、最近、国民党系メディアは呂秀蓮副総統をやたらと持ち上げる傾向があるが、これは08年に呂氏が総統候補となれば、民進党内に確固とした基盤と人望もない呂氏相手に、国民党側は楽勝だと見られているためだ。蘇氏が国民党系メディアにも受けがいいということは、むしろなめられている可能性もあるし、最後まで引っ張っておいて土壇場になって側近のスキャンダルを暴露して(蘇本人は絶対クリーンだが)つぶすという企みがあるように思えるからである。
第三点として、蘇貞昌氏と謝長廷氏の党内における支持基盤を比べた場合、独自の支持基盤と力という点では、謝氏に軍配があがる。蘇氏も謝氏も、派閥としてはともに福利国連線の出身だが、福利国連線の多くは謝系になっていて、蘇氏は新潮流に依存する傾向がある。ところが、新潮流は団結力と戦闘力は高いが、その他の派閥から嫌われやすいという側面をもっている(陳水扁も内心では新潮流を嫌っているとされる)。蘇氏が新潮流に近づきすぎていることは、プラスもあるが、マイナスのほうが大きいかもしれない。党内の勢力を見た場合は、謝氏が若干優勢であるといえる。
もちろん、大衆人気や行政能力の点では、蘇氏が優勢にあるのは間違いない。
しかし、党内予備選挙では党内の基盤も重要になるので、党内基盤の経営に力を注いできた謝氏の力はあなどれない。また、総統を目指すなら、外交に通じて、哲学もあるほうがいいが、その点でも陳総統と似ていて留学経験もない蘇氏よりも、日本留学経験もある謝氏のほうが軍配は上がる。また、在野社会運動勢力を中心として、哲学もしっかりしていて海外経験もある林義雄氏待望論もある。ただ林氏の妙な頑固さが大衆をどこまでひきつけられるかは未知数でもある。
いずれにしろ、いまのところ「ポスト陳」で名前が挙がっている人はいずれも決め手に欠けている。
08年総統候補は、呂氏と游氏の可能性はとりあえずは低いだろうが、謝氏になるか、蘇氏になるか、あるいは林氏が浮上するのか、まだまだ予断は許さない。

朝日新聞は中国政府に抗議すべきだ

2006-01-18 23:43:34 | 中国
中国外交部(外務省)傘下の雑誌「世界知識」の最新号が日本のメディアについて批評論文を掲載し、産経新聞を「言論暴力団」「保守御用喉舌(宣伝機関)」とこき下ろす一方で、朝日新聞を「広範な大衆を代表する進歩的メディア」などと持ち上げたらしい。産経新聞が17日付けで報じた。
世界知識のHPはどういうわけかここ最近号の更新を行っていないので、記事内容については確認できない。
私は個人的には、日本の新聞なんて、表面的に「朝日が左、産経が右」と見られていても、実際にはどれも商売でそうしたポーズをとっているだけで、似たようなものだと思っているから、今回の論評については、噴飯ものというしかない。
ただし、朝日の報道は産経に比較的裏取りがしっかりしており、台湾でもネットや紙面では朝日を読むことが多いので、朝日にはそれなりに愛着がある。その観点から見れば、この中国の論評は、はっきりいって朝日にとっては大きなダメージであり、産経にとってプラスでしかないと思う。だからこそ産経が大々的に報道したのであろう、朝日新聞社は中国政府に抗議し、また中国政府の出先である駐日中国大使館を業務妨害で訴えるべきであろう。
産経がいかに裏取りが甘くて、記事の質も高くないといっても、中国政府のように侵略・軍拡・労働者搾取・環境破壊を事としている政府に名指しで暴力団と言われる謂れはないし、むしろ中国政府ごときにそう指摘されるならむしろ光栄とすべきであろう。
逆に中国政府が進歩的だと持ち上げた朝日にいたっては、環境破壊・人権蹂躙・軍事拡張・侵略殖民地主義の側からみて同類と見られたわけだから、これは抗議すべき質のものではないか?
少なくとも朝日は、閣僚の靖国神社参拝に対して侵略戦争を発動したA級戦犯が合祀されているという観点から反対し、原発建設にも批判的で、環境保護と平和主義を主張してきたはずだから。ここで中国に対して抗議しなければ、朝日のいってきた環境保護や平和主義は、かつての社会主義協会のいってきた「ソ連や中国の核はきれいだ」論と同一のものと見なされるだろう。

「産経は言論暴力団」 中国誌、名指し批判
 【北京=福島香織】中国外務省傘下の半月刊誌「世界知識」(16日発行)は3ページをさいて
産経新聞などを名指し批判した。中国メディア上で産経が批判対象となることは珍しくないが、「言論暴力団」「保守御用喉舌(宣伝機関)」と呼ぶなど、ここまで激しい論調は珍しい。今月上旬、日中協議の席で、中国側が日本側に報道規制を求め断られた経緯があるが、当局が日本メディアの中国報道にいかに敏感になっているかがうかがえる。
 記事は中国社会科学院日本研究所の金●(●=「亡」の下に「口」、その下に「月女凡」)・助理研究員の執筆で「日本右翼メディアを解剖する」「日本右翼メディアの言論の“自由”と暴力」といった刺激的な見出しが躍る。
 まず「正論」執筆者らを名指しで列挙、「侵略戦争を否定し、靖国神社参拝を支持し、周辺隣国を誹謗(ひぼう)中傷し、平和憲法改正を訴えるのが“正論者”の最大公約数」と説明。「デタラメの論に立ち、故意に過激な言動で人の興味を引きつけようとする」と批判した。
 一方、朝日新聞については、「広範な大衆を代表する進歩的メディア」と紹介し、戦後の保守勢力台頭に断固反対する民衆と朝日新聞に対し「保守勢力は言論操作の重要性を実感した」と解説。フジサンケイグループを、保守政財界のてこ入れで生まれた「保守勢力の御用喉舌」と位置づけた。
 さらに産経新聞などを「狭隘(きょうあい)な民族主義を吹聴するだけでなく、異論を排斥する言論暴力団」と呼び、「朝日新聞や進歩的論客を長期にわたって悪意に攻撃してきた」と述べた。
 中国は最近、日本の新聞の論調に敏感で、中国外交官が「日本新聞で産経だけが首相の靖国参拝を支持している」と語るなど、当局の産経新聞に対する不満が強まっているようだ。
(01/17 11:39)

「パンダは共産党員ではない」という馬英九の無知

2006-01-18 23:42:33 | 台湾政治
馬英九国民党主席は最近、日本人記者との会見などで、パンダ受け入れ問題について、「パンダは共産党員ではない」と発言し、パンダ受け入れに積極的な立場をとっているようだ。
これは、非常識かつ無知というものだ。
中国は植物や動物にも、政治宣伝、統一工作の意味を込めていることは常識である。かつて日本と国交がなかったときに天津甘栗を使って世論工作や浸透を図ったし、日米など各国に贈られた(現在ではワシントン条約によって制限されている)パンダももっぱら宣伝工作の道具として位置づけられている。
しかも台湾にはパンダを飼育するノウハウがないわけだから、パンダが来るということは、有能な飼育係も付随して入ってくることを意味する。中国で「有能な**」というのは、必ず忠実で党歴が長い共産党員に決まっているから、パンダの受け入れは共産党員の浸透を意味する。
もちろん、台湾は反共政策をとっているわけではないから、中国以外の共産党員については何も問題はない。事実ベトナム共産党の高位層とは相互交流を行っている。日本共産党についても排除していない(ただし日本共産党が頭が固くて台湾との交流を拒んでいるのだが)。
中国が問題なのは、台湾併合をたくらみ、しかもレーニン主義的な陰謀戦術を使っているからであって、中国の特質を無視するような馬英九の発言は無知、非常識もいいところで、こんな人間を主席としていただいている国民党は馬鹿の集団だということになる。これでは万年野党確定だろう。

参考:
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060111i214.htm?from=main2
 パンダ誘致の旗振り役は2008年総統選の野党最有力候補の馬英九・国民党主席(台北市長)。「パンダは共産党員ではなく、受け入れは中台交流拡大につながる。中台では人や資金の往来があるのに、動物の交流を排除するのはおかしい」などと述べ、陳政権への批判を強めている。
(2006年1月11日20時32分 読売新聞)

民主進歩党新主席に游錫コン氏

2006-01-15 21:30:44 | 台湾政治
民進党ニュースリリースより:
民進党は15日第11期第2次党主席補欠選挙党員を実施し、即日開票の結果、游錫堃・前総統府秘書長、前行政院長が当選した。
午後7時から党本部で開かれた記者会見で、呂秀蓮代理主席、游錫堃氏、同婦人楊宝玉氏、蔡同榮候補、李逸洋秘書長、文化宣伝部主任(広報局長)鄭文燦氏が出席、翁金珠候補は出席に間に合わず、李秘書長が声明を代読した。
選挙結果は、選挙人数23万4874票のうち投票総数4万6872、投票率は19・96%。
海外支部も含む各候補の得票数と率は、
游氏2万5397票、54・44%
蔡氏1万6846票、36・11%
翁氏  4406票、 9.45%
となり、代理主席が游錫堃氏の主席選挙当選を正式に発表した。

游錫堃氏の経歴は次のとおり:
男性、1948年4月25日宜蘭県生まれ
東海大学政治系卒
省議員2期(第7-8期)
党外中央後援会秘書長(1983)
党外全国後援会召集人(1986)
民進党第1-4期中央常務委員
宜蘭県長2期(第11-12期)
台北大衆捷運公司董事長(台北MRT会長)
民進党秘書長(1999-2000、林義雄主席の下)
行政院副院長(2000)
民進党第10-11期中央常務委員
行政院長(2002-05)
総統府秘書長(2000-02、05)

呂代理主席のコメントは次のとおり。
民進党は民主的でクリーンで格調の高い選挙を通じて、新たな主席を大きな混乱なく選出した。ここでまず游錫堃氏を祝福したい。これからの道のりは長く、当面する業務は山積しているが、氏の豊富な経験、および勤勉に物事に取り組む精神を信頼し、氏が必ずや党主席として指導的な立場にたって、前の蘇主席と同様に、go!go!go!力強く進んでくれるものと信じている。新主席は、民進党が掲げてきた台湾本土、清廉改革の二枚看板を再度打ち出し、台湾人民からの信頼を再度確立する任務を行う必要があるが、氏なら必ずやそれを遂行することができるであろう。
ここで、私は他の二人の候補、蔡同榮、翁金珠両氏のような優秀な資質をもった党の仲間に対しても敬意を表したい。選挙期間中、二方が提示した議題、民進党の中心的な思想、道徳などは、民進党が将来的にも追求していかなければならない価値であり、彼らの知恵と経験と主張は、民進党の将来にとってきわめて重要な価値を持つものとして取り入れていかなければならないからである。
私の代理主席の期間中、中央および地方支部の関係者は、補欠選挙に全力で投入されてきた。一人一人の仲間が尽力されたこと、彼らの職業意識は、人々に強い印象を与えた。今回の補欠選挙事務作業において、企画進行、2度の公開弁論会、また「バスによる系列党員の動員禁止、派閥の中立」など党中央が決めた規定は、党のイメージを向上させるうえでプラスの効果をもたらしたと考える。われわれはこうした自己改革を今後も不断に進めていくことを希望している。
新しい党主席が直面する問題は広範なものとなてちる。それは、年末までに行われる、嘉義市の立法委員補欠選挙、村里長・代表選挙、台北・高雄市長・議員選挙の三つの選挙であり、党務についても中央と地方の人事異動や改革を行わなければならない。また、地方選挙後に新たに成立した廉政委員会、党務発展委員会、正副議長督察小組(監督グループ)なども、新任主席が党務を遂行するうえでは非常に有力なツールとなるはずである。党本部はこの間、休む暇もなく選挙に投入してきた。わたしは新たな主席が、中央本部が地方選挙の敗北後に進めてきた数々の改革の方向性に立脚して、民進党の建て直しを進めてくれるものと信じている。

中央常務委員、立法委員でもある蔡同栄候補は記者会見で、次のように語った。選挙過程を見えr場、民進党内には競争の一方で、協力も可能であることを示している。選挙中にはそれぞれが陣営に分かれて戦ったものの、選挙後は結果を受け入れ、党は団結し、一緒になって努力していくべきである。今後は新主席に協力したい。また、選挙期間に一線の党員から受けたいくつかのアドバイスについて、新主席にも伝えていきたい。

游錫堃・党主席当選者は、次のように述べた。本日、投票に足を運んでくれた党員がこれだけいたことは、党への期待と党の進歩を希望している人がまだまだ存在していることを示したものである。だからこそ投票によって民進党への支持を表明したものといえる。支持してくれた人の一票一票がすべて自身への鞭撻、激励を意味する。今後はそうした期待に沿うよう全力で奮闘していきたい。
游氏はまた次のように強調した。民主化運動の大先輩の故黄信介氏はかつて衆智を集めて奮闘することが重要だと語ったが、民進党は党内の団結を最も必要としている。民進党は改革、クリーン、体質転換を必要としているが、それはただ一人だけの力では実現することはできず、党全体が一丸となって努力することが必要である。そうすることによって各界の先輩や仲間の知恵と声を民進党の進歩の力に変えることができる。今後、代理主席、蔡委員、翁女史に望みたいことは、自分自身への鞭撻と協力である。また一方で今回の選挙で特筆すべきことは、ネガティブキャンペーンや人身攻撃が見られなかったことであり、これは国内の他党や今後の全国選挙においても模範とすべきものである。
さらに記者からの質問に、ほとんど台湾語を使って次のように答えた:
選挙公約で明らかにした「党と政府の合議を進める」点に関して、どのように合議のシステムや制度を構築するかも合議によって決めたい」、投票率が低かった点について、原因は地方選挙の余波で党員に失望感があり、今後は党内の対話を活発化させる必要があるとの反省点を述べたうえで、「系列党員の動員がほとんど見られず、自主的な投票が増えたことは収穫」とプラス面も指摘した。
2008年総統選挙については「08年のことを今から語ることは時期尚早」として、「ただ現在の情勢が続くなら、08年ではなく07年の立法委員選挙が危機。小選挙区では本党は不利だ」として、07年立法委員選挙に向けた態勢確立と士気向上が急務との見方を示した。

李逸洋秘書長は、出席できなかった翁候補の、次のようなメッセージを代読した:まず支持してくれた党員に感謝する。落選したとはいえ、出馬したことは個人的にも大きな意味があった。今後とも多くの党員とともにこの党に対する責任を果たして行きたい。また当選された游錫堃氏には祝福の言葉を送るとともに、すべての党員とともに彼を支持していきたい。

自由時報、鄭芝龍のドラマ+映画で林志玲起用をすっぱ抜く

2006-01-15 00:03:54 | 台湾その他の話題
このブログでもお知らせしたように(鄭芝龍のドラマ制作計画が進行中 2006-01-09 03:24:44 / 台湾その他の話題)鄭成功の父親で東アジアを股にかけた海上商人・鄭芝龍の一生を描いたドラマ+映画について、14日付け自由時報が芸能面で、林志玲を芝龍の妻で成功の母である田川マツ役にカリスマモデル林志玲を起用することをすっぱ抜いた(「林志玲演鄭成功的娘 民視雄甲意」(この見出しは台湾語。娘というのは、俺娘an2-nia5=お母さんの意味で、この見出しはつまり、「林志玲が鄭成功の母親役に、民視テレビのお気に入り」)。
スタイルが良い美女だとされているうえ、日本語もできることから、林に白羽の矢が立った。
このキャスティングは私も耳にしていたんだが、まだ予算のめどがついておらず、本決まりではなかったから、あえて書かなかった。相変わらず台湾のメディアはやってくれる(嘲笑)。記者倫理が、青系、緑系ともに欠如しているところが、またなんとも。
林志玲のご母堂の呉慈美は林に勝るとも劣らない美人だが、陳水扁の女性後援組織「水噹噹」の理事長でもあるから、民視や同ドラマ制作会社の「青蘋果」とはうまく話が進むだろう。
問題は資金だが、制作会社によると、政府補助などを申請して、旧正月明けにも制作を始めたい考えだ。私も翻訳・言語指導・脇役などで加わるはずである。

http://www.libertytimes.com.tw/2006/new/jan/14/today-show4.htm
林志玲演鄭成功的娘 民視雄甲意
記者陳玲玲/台北報導
林志玲可望在民視的包裝與力挺下,角逐明年的金馬獎與金鐘獎﹗
昨天,民視節目部經理許念台坦承將積極爭取林志玲參加年度大戲「鄭芝龍大傳」,同時計劃將為她報名角逐金馬與金鐘雙獎。

演日本妻 名模語言沒問題
繼金鐘劇「浪淘沙」之後,民視與青頻果公司積極籌拍電影與電視「鄭芝龍大傳」,由於這部戲描述民族英雄鄭成功之父的生平傳奇,民視與製作公司除了確定邀請黃維與施易男分飾鄭芝龍、鄭成功父子外,目前已透過各方關係積極遊說林志玲飾演鄭芝龍的日本妻子。
製作人葉金勝說:「因為原著中描述這個角色是身材高身兆的日本美女,林志玲不但外型適合,更重要的是她會講日語,所以我們已透過原著作者陳文先生和其他管道,積極邀請林志玲參加演出,只是目前尚未談及她的演出價碼。」
吳慈美︰尚未接獲邀請
由於「鄭」劇將同時拍成電影與電視劇,民視節目部表示,如果林志玲確定參加演出,該公司亦將報名她角逐金鐘獎與金馬獎,也因為這檔戲將遠赴日本、中國、澳門等地拍外景,每集製作費超過兩百萬台幣。
由於林志玲已與吳宇森簽下一部電影合約,接下來她究竟會不會在大小銀(螢)幕上扮演日本女郎講日語?「林媽媽」吳慈美說:「『鄭芝龍大傳』作者陳文先生是我們的朋友,他有跟我提過要拍這部戲,不過,目前我們尚未正式接獲民視的邀請。」

石田教授の追悼文・告別式案内が自由と台日に

2006-01-15 00:00:48 | 台湾その他の話題
1月14日付け自由時報と台湾日報にそれぞれ、先日亡くなった石田浩教授の追悼文と告別式案内広告が載っていた。
自由時報の追悼文は、15面の投書欄で、石田教授の台湾での受け入れ先になっていた政治大学台湾史研究所所長の薛化元教授によるもの。
追悼台灣之友石田浩
http://www.libertytimes.com.tw/2006/new/jan/14/today-o3.htm
また、台湾日報では、1面題字右横の小さな意見広告欄には、告別式の場所と時間の案内が掲載されていた。
中国時報と聯合報には類似した案内や文章は、載っていないようだ。受け入れ先と故人自身の立場が反映されている。もちろんだからこそ私も交友はあったのだが。
ここで明らかにされているように、告別式は15日午前11時から民権東路2段・建国北路との交差点にある第一殯儀館大覺廳であります。

哀悼の意をささげます。

最近見た映画:「ナルニア国物語第1章」、「無極」

2006-01-12 21:03:47 | 芸術・文化全般
1月6日、久しぶりに映画を見に行った。
私はファンタジー映画好きなので、その1週間前に公開された「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(米・NZ合作、1995)と、真田広之も登場する「無極」(香港・中国、1995)だ。

まず、英国の作家C・S・ルイス C.S. Lewisの同名の小説を映画化した「ナルニア」。
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 (2005) THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROB
上映時間 Runtime: 2:20
製作国 Country: アメリカ/ニュージーランドUSA / New Zealand
製作会社 Production Company: Walt Disney Pictures [us] Walden Media [us]
監督: アンドリュー・アダムソン Andrew Adamson (Directed by)
製作: マーク・ジョンソン Mark Johnson (producer)
英語公式 http://disney.go.com/disneypictures/narnia/
日本語公式 http://NARNIA-jp.com
台湾公式 http://www.titan3.com.tw/narnia/
また、あらすじなど詳細は映画の森サイトを参照のこと。
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/THE_CHRONICLES_OF_NARNIA_THE_LION_THE_WITCH_AND_THE_WARDROBE.htm

ファンタジー映画としての出来はまあまあといったところ。躍動感は「ロード・オブ・ザ・リング」3部作には及ばない。また、少女役の役者がどれもブチャイクのも困った。
ロケは主にニュージーランドだったようだが、エンドロールによれば、ロスアンジェルスとグアテマラでも行われ、スタッフには最近の映画でよくあるようにチェコやポーランドの人たちが多く入っているようだ。


次に「無極」。
PROMISE 無極 (2005) THE PROMISE / MASTER OF THE CRIMSON ARMOR
上映時間 Runtime: 2:08
製作国 Country: 香港/中国Hong Kong / China
監督: チェン・カイコー 陳凱歌 Chen Kaige (Directed by)
日本語公式 http://www.promise-movie.jp/
台湾公式 http://thepromise.ha-movie.com/
中国公式 http://www.thepromise.sina.com.cn/
詳細は、映画の森サイト
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/THE_PROMISE.htm


これは真田広之が北京語のせりふを使っているという話題性だけで見に行ったようなもの。
映画そのものは駄作。なによりも、中国が80年代のまだ貧しいながらも素朴で良質の映画をつくっていたころと違って、「経済発展」で金だけはあるようになって素朴さを失って、単に奇抜さといかにも金をかけてますというのが鼻についたこと。しかも、陳凱歌そのもののこの映画では気を衒いすぎたのか、かつて貧しかった中国を描いていたころ(84年の「黄色い大地」など)の新鮮さと荒削りの面白さがなくなっていた。
ただ、ここで見ものは、真田広之と張東健という、北京語をまったく知らない日本と韓国の俳優の北京語せりふであった。私はそればかり注意してみていた。
真田広之の北京語は、かなり長く多いが、無声無気音を濁音で発音している以外は、流暢さと感情表現はきわめて高い水準にあった(もちろんかつて「大地の子」の主人公を演じた上川隆也には及ばないものの)。さすがは大俳優だけのことはある。韓国人の張東健もかなりのものだった。

#ここで少し脱線すると、配役として真田が光明大将軍、張がその下僕の崑崙をそれぞれ演じたが、日本人の「下僕」として韓国人がなるというのは、韓国で公開されたときに韓国人が大騒ぎしそうな予感(^^;)。もっともラストでは、日本人も香港人も死んで、韓国人だけが生き延びているので、良しとするのだろうか。

私は台湾でドラマのちょい役にも何度か出ているが、台湾の俳優たちが、日本語のせりふを長いとかいってあまり覚えようとしないのばかり見ていて、台湾の俳優のプロ意識の欠如に頭にきていた。
こうして真田広之や張東健が北京語のせりふを単に覚えるだけではなく、感情表現もこめて使いこなしているのを見ると、ますます台湾の俳優のアホさ加減には呆れたものだ。
言語も演技のひとつ。「知らない言語だからできない」というのは俳優がいうべきせりふではない。知らない言語でも使いこなすのがほんとうの俳優というものだ。実際、日本では、北京語のせりふが多用される「流転の王妃」ではアイドルの常盤貴子、竹野内豊ですら北京語を使っている。言語も演技だからだ。
また、キリストの受難を描いた「パッション」でも、欧米の俳優たちは、「知らない言語」であるはずのラテン語とアラム語を使っている。しかも両者は死語であって、ネーティブなどおらず、言語学者が言語指導するという、それほど良い環境とはいえない中でせりふをこなしているのだ。
台湾の俳優はぜひ、この映画を見て、自分たちの演技力不足を恥じてほしい(まあ、恥なんて概念は台湾人にはないんだけどね)。

「言論の自由」の価値がまったくわからない横暴な中国

2006-01-12 21:00:00 | 中国
朝日新聞の報道より:
===========================(引用始め)==========================================
http://www.asahi.com/politics/update/0109/003.html
日本の「中国脅威論」に懸念表明 局長級協議で中国側
日中両国の首脳や閣僚級の対話が途絶える中、両政府の非公式局長級協議が9日、北京で開かれた。中国側は、日本国内で「中国脅威論」が高まり始めていることへの懸念を表明。日本のメディア報道にも異例の注文をつけた。靖国神社参拝問題で小泉政権下では本格的な日中関係の改善は難しいとみられるだけに、中国脅威論をはじめとする「ポスト小泉」の対中姿勢が、06年の日中関係を占う試金石となってきた。
 「日本は、中国のことを一体どう思っているのか」。9日の協議で中国外務省の崔天凱アジア局長が佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長 に問いかけた。日本側の説明によると、「日本のメディアはなぜ、中国のマイナス面ばかり報道するのか。良い報道がなされるよう中国ではメディアを指導している。日本政府も指導すべきだ」とも述べ、日本政府に「報道規制」を促した。
 佐々江局長は、「中国の発展は脅威ではなく、チャンスだ」との小泉首相の発言を説明。「日本だけが一方的に悪いという主張は受け入れられない。中国としても反省すべき点があるのではないか」と反論し、報道への注文についても「日本ではそういうわけにいかない」と、応じなかった。
============================(引用終わり)==========================================

中国は以前から、自分の特殊かつ独裁的な国情を基準に、日本に注文をつけることがあった。右翼的教科書について、それが数ある一社に過ぎないにもかかわらず、また日本国内でも十分な反対運動もあるにもかかわらず、それ一種類しかない中国の国定教科書と同じだと解釈して執拗に干渉するなど、勘違いが多かった。国情の違いというものがまったくわかっていないのだろうか?
ただ、教科書問題は単なる勘違いや無知ということで済まされるかもしれないが、今回の報道規制の注文にいたっては、行くところまで行き着いた感じだ。完全に狂っているとしかいいようがない。環境汚染や暴動が深刻化する中国は、最近はよほど余裕がなくなっているのだろう。いずれにせよ周恩来、廖承志、郭沫若といった往年の知日派は草葉の蔭で泣いていることだろう。
この発言をめぐっては、さすが親中国とみられていた朝日新聞も上記の記事でも中国に批判的なトーンがにじみ出ており、1月11日付けの紙面は、社説こそかなり中国に気兼ねした書き方であったが、3面の山田紳氏のマンガでは「『脅威論』を封殺せよという姿勢がまた脅威」というキャプションをつけて、胡錦涛らしき人物がとげのある大きな棍棒で、蚊のように小さな「中国脅威論」をたたきのめそうとしている姿を描いている。
朝日のマンガが指摘しているように、まさに報道規制の注文こそが、中国脅威論の存在を実証した形になっている。

ただ、外務省アジア大洋州局長が、報道規制について「そういうわけにはいかない」と反論したのは当然のことだが、これでは手ぬるいのではないか。中国人には、喧嘩腰で物を言わないと、相手に通じるわけがない。「日本は戦前の日本や現在の中国のような言論弾圧国家、全体主義国家ではなく、平和憲法を持った自由民主主義国家だから、そんなことはできるわけがない。あなたのいっていることは、まさに脅威論を実証した形であり、それこそ戦前の日本軍国主義と同じだ。日本を批判する前に、中国は民主化したらどうか」くらいの応酬は欲しかった。
もっとも外務省のモヤシ連中ににそこまで求めるのは酷かもしれないが。

関連記事として末尾に日経新聞と共同通信電の一部を挙げておくが、いずれも「中国は報道の自由を規制している」ことに言及して、不快感を示している。日経は昨年初頭くらいまでは親中的だったはずだが、最近とみに中国(やそれに追随する台湾内の大中国勢力)に対する嫌悪感と警戒感をあらわにしている。昨年の反日暴動で日本企業が多大な損害をこうむったことが影響しているのだろうか。
中国が今回とち狂った注文をつけた背景には、「親中派」だったメディアがどんどん反中に流れていって、中国を味方するメディアが大手には存在しなくなったことへの焦りがあるのだろう。だが、その原因はまさしく中国自身が蒔いた種であり、中国の身から出た錆なのだ。
もっとも中国はこう反論するだろう。「もともと靖国参拝や教科書問題で中国を挑発した日本が悪い」と。たしかに日本の右派勢力が改憲を狙って日中間の不信をあおっているという側面は否定できない。だが、「右派勢力の挑発」は別にいまに始まったことではない。それでも周恩来らの知日派が健在だった60年代には中国は今のように「挑発には挑発で応じる」という幼稚なまねはしなかったし、それが日本における「日中友好」や「中国への好意的ムード」を形成したのは事実だろう。
右派勢力が挑発するのは、どの国でもありうることであって、それに対して挑発で応じるというのでは、つまりには中国自身も日本の右派勢力と同等かそれ以上の極右軍国主義であることを認めたに等しい。それは周恩来時代でも共産党一党独裁である以上は同じなのだが、幼稚になっているという点で、中国は表面的な「経済繁栄」とは裏腹に、内実としては深刻な人材不足(払底)を抱えているといえるだろう。
日本もそんな中国はいちいち相手になどせずに、東南アジア以西中東にいたるまでの「西方外交」を強化すべきだろう。ただ、こちらのほうも、日本の右派政治家には、世界が見えていないようで、東南アジア、インド、中東外交もおろそかになちがちなのだが。中国と喧嘩するなら、中国以外のアジアでの多数派工作をやっておくべきだが、その面では中国のほうが機先を制している有様である。

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日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060110AT3K0900C09012006.html
中国、日本政府に報道規制要請・日中関係改善に向け
 中国外務省の崔天凱アジア局長は9日の日中局長級協議で「日本のマスコミは中国のマイナス面ばかりなぜ書くのか。日本政府ももっとマスコミを指導すべきだ」と述べ、日本側に中国報道についての規制を要請した。
 中国はメディアを政府の監督下に置いて報道の自由を規制しており、日中関係改善に向け「中国政府もメディアを指導する」と述べた。日本側は「日本は中国とは違う。そんなことは無理だ」と説明したという。


共同通信
http://www.kahoku.co.jp/news/2006/01/2006010901003354.htm
日本に報道規制を要求 中国「対中批判多すぎ」
 【北京9日共同】中国外務省の崔天凱アジア局長は9日、北京での日中政府間協議で「日本のマスコミは中国のマイナス面ばかり書いている。日本政府はもっとマスコミを指導すべきだ」と述べ、日本側に中国報道についての規制を強く求めた。
 メディアを政府の監督下に置き、報道の自由を厳しく規制している中国当局者の要求に対し、日本外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長らは「そんなことは無理」と説明したという。

石田浩教授逝去の続報

2006-01-09 20:10:47 | 台湾その他の話題
先ほど入った連絡によると、石田浩教授の逝去に関して、台北市内で15日(日)葬儀を行うとのことです。詳細をお知りになりたい方はメールで。
さらに続報が入りしだい、ブログでお知らせします。

哀悼の意をささげます。