むじな@金沢よろず批評ブログ

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マレーシア・カトリック教会の妄言「アッラーはイスラームの神であってキリスト教は使うべきではない」

2008-01-02 20:59:23 | 世界の民族・言語問題
英語系通信社では報じられていたが、最近マレーシアのカトリック教会機関紙「ヘラルド」紙が、「マレー語で神をアッラーとする表記であるが、アッラーというのはイスラーム教の神であって、カトリックで使うべきではない」とする意見を表明したという。

参照:
http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20071221 Lily's Room December-21-2007 Religious problems in Malaysia

http://d.hatena.ne.jp/itunalily2/20071222 Lily's Room December-22-2007 Catholic Herald...after that

http://www.iht.com/articles/ap/2007/12/21/asia/AS-REL-Malaysia-Catholic-God.php Malaysian Catholic weekly told to drop use of 'Allah' in order to renew publishing permit The Associated PressPublished: December 21, 2007

これだからカトリック教会って嫌いなんだよな(マリア崇敬の教義はひかれるところもあるが)。
そもそも、マレー語で「アッラー」というのは、イスラームだけでなく、ユダヤ教、キリスト教に共通した唯一神を指すアラビア語の表現から来たものであって、アラビア語ではキリスト教の聖書でも教理集でも、神を「アッラー」と表記している。
もちろん、これが米国みたいに中東に無知で偏見をもったアホどもがいうなら、「どあほ!」で済むのだが、ムスリムが多数派で、マレー語に多くのアラビア語語源表現が入っていて、さらにアラブ世界と密接な関係があるマレーシアで、「アッラーというのはイスラームに限定された神の呼称ではなくて、アラビア語における表現」ということが、理解されていないアホがいるとは、びっくりした。

そういえば、バカが9割以上を占める白痴国家米国では、プロテスタントの牧師が説教で「アッラーはエホバよりも劣った神だ」などと述べたことがあるようだが、今回のマレーシアカトリック教会の立場もこれと通底するもので、それこそグノーシスと同じ(といっても、私はグノーシス思想そのものは好きだが)二神論であって、キリスト教の一神論原理とはまったく反する、それこそ異端説であり、煉獄に苦しむべき人間だということになる。

私はキリスト教徒ながら、中東に行き、マロン派やシリア正教などとも交流しているし、アラビア語聖書も読んでいるので、こんな愚かな勘違いは起こさない。

しかし、世の中にはまだまだ無知蒙昧なのがいるものだとあきれた。それもマレーシアにいるとは思わなかった。

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