また本当に痛ましい事件が起こりました。
犠牲になられた方々や親族の皆さまには
心からお悔やみを申し上げます。
戦後最大の被害者を出した
言葉にするのもはばかられるような
残虐な事件を引き起こした犯人の経歴や言動
あるいは背景や対策などについて
色々な報道がなされています。
けれど私は、今回の事件で「大麻」あるいは「薬物」という
言葉が出たことが気になって
その部分を中心にニュースを見ていました。
断片的な報道ではありますが、犯人は
大学時代の後半から大麻や危険ドラッグをやっていたという情報があります。
薬物の常習者、薬物依存症であったことは、ほぼ間違いないと思います。
もしも多くの人たちが
大麻(マリファナ)や覚せい剤、危険ドラッグなどの薬物や薬物依存症
についての正確な知識や情報を持っていたら
もしも自分の身近な人間が、違法な薬物を使っているかもという時に
相談をすることができる信頼のおけるシステム
(公的、私的な相談機関や精神科医などの専門家)が
たくさん身近な場所にあったら
依存症については、法的な処罰だけではなく
治療による回復が必要だということが社会の常識になって
治療に取り組める場所と援助者、治療者などの人的資源がたくさんあったら
もしかしたらではありますが、今回の事件は防げたかもしれない
と思わずにはいられないのです。
残念ながら、今の日本には上の3つの要素が一つもありません。
もし自分の身近な人間が薬物をやっていると分かっても
何をどうすればよいのか、ほとんどの人は知りません。
相談や治療ができるのは、市や県の精神福祉センターやジャパンマック
薬物依存症に対応してくれる病院やダルク、自助グループなどですが
その数はとても少なく、しかもほとんど知られていません。
そして治療については、薬物ですら法的な強制力はなく、任意ですから
ある程度の年齢になると、親兄弟でも
首に縄をつけても連れていって治療させるというわけにはいかず
治療に取り組む人も、回復を続ける人もごくわずかです。
今回の事件では、友人たちは、犯人の変化に気づいていたようです。
そして2月に衆議院議長に意見書みたいなものを渡した時は
警察から病院にも連絡があり、入院もしていました。
その時点で大麻の使用も分かっていました。
今回ひとつだけ「大麻による中毒性精神障害なのでは」という記事がありました。
驚いたのは、こういう事案で、病院は
本人の自己申告だけで簡単に退院させるのか
慢性的な薬物使用による精神障害を診断したり、対応を規定できる
ガイドラインはないのかということでした。
薬物使用の事実があり、「人を殺す」などの危険な言動があるケースでは
「何を」「いつから」「どれくらい」使っていたのかを
本人だけでなく家族など身近な人から聞き取りをするなどの措置はとれないのでしょうか。
治ることはないというのが常識であるはずの薬物依存症で
中毒症状がなくなったという判断は、一体どこから出たのでしょう。
覚せい剤ではなく大麻だから、大きな危険性はないという判断でしょうか。
措置入院で、自他に危害を加える可能性がある人物を
一定期間隔離し、その期間をどれだけ延長したところで
原因の一つが薬物依存症である場合には
依存症の治療がなされなければ、ほとんど意味はないと思えます。
去年の7月に、危険ドラッグを使用した男が
隣人を襲ってナイフで傷つけるという事件がありました。
犯人が逮捕時に「シェシェシェのシェー」と叫んだ事件です。
犯人は、長期にわたって大麻や危険ドラッグを使用
犯行時は「孫悟飯になって一旗あげる」というようなことを言ったようです。
この犯人は、過去に薬物使用で服役もしています。
最近は薬物に関する犯罪は、服役中に回復プログラムが実施されますが
社会に出て、それが継続できなければ、簡単にもとに戻ります。
事件の重大さ、残虐さから
「薬物のせいにするな」「病気のせいにするな」というご意見が
たいへん多いだろうということは分かっています。
これだけたくさんの方の命を奪った犯人が
薬物による精神障害を理由に、罪に問われないなどということは
ほとんどの方は納得できないだろうし、私もそうです。
けれど今回の事件のように、大きな要因のひとつが薬物であることが
事前にはっきり分かっている場合には
それに対応できる、ある程度は法的な拘束力のある
しっかりしたシステムを作って対応していけば
これから起こる悲惨な事件の何パーセントかは防げるのではないかと思うのです。
欧米では、もう半世紀も前から、薬物については「処罰よりも治療を」という
考え方が広がって、ある程度のシステムもできています。
それでも薬物の広がりを食い止めることはできません。
日本のように、ほとんどの人が知識がなく
まったくといっていいほど無防備な国で
様々な種類の薬物が今以上に広がり始めたら、今回のような事件は
たびたび起こるようになるのではないかと深く危惧しています。
犠牲になられた方々や親族の皆さまには
心からお悔やみを申し上げます。
戦後最大の被害者を出した
言葉にするのもはばかられるような
残虐な事件を引き起こした犯人の経歴や言動
あるいは背景や対策などについて
色々な報道がなされています。
けれど私は、今回の事件で「大麻」あるいは「薬物」という
言葉が出たことが気になって
その部分を中心にニュースを見ていました。
断片的な報道ではありますが、犯人は
大学時代の後半から大麻や危険ドラッグをやっていたという情報があります。
薬物の常習者、薬物依存症であったことは、ほぼ間違いないと思います。
もしも多くの人たちが
大麻(マリファナ)や覚せい剤、危険ドラッグなどの薬物や薬物依存症
についての正確な知識や情報を持っていたら
もしも自分の身近な人間が、違法な薬物を使っているかもという時に
相談をすることができる信頼のおけるシステム
(公的、私的な相談機関や精神科医などの専門家)が
たくさん身近な場所にあったら
依存症については、法的な処罰だけではなく
治療による回復が必要だということが社会の常識になって
治療に取り組める場所と援助者、治療者などの人的資源がたくさんあったら
もしかしたらではありますが、今回の事件は防げたかもしれない
と思わずにはいられないのです。
残念ながら、今の日本には上の3つの要素が一つもありません。
もし自分の身近な人間が薬物をやっていると分かっても
何をどうすればよいのか、ほとんどの人は知りません。
相談や治療ができるのは、市や県の精神福祉センターやジャパンマック
薬物依存症に対応してくれる病院やダルク、自助グループなどですが
その数はとても少なく、しかもほとんど知られていません。
そして治療については、薬物ですら法的な強制力はなく、任意ですから
ある程度の年齢になると、親兄弟でも
首に縄をつけても連れていって治療させるというわけにはいかず
治療に取り組む人も、回復を続ける人もごくわずかです。
今回の事件では、友人たちは、犯人の変化に気づいていたようです。
そして2月に衆議院議長に意見書みたいなものを渡した時は
警察から病院にも連絡があり、入院もしていました。
その時点で大麻の使用も分かっていました。
今回ひとつだけ「大麻による中毒性精神障害なのでは」という記事がありました。
驚いたのは、こういう事案で、病院は
本人の自己申告だけで簡単に退院させるのか
慢性的な薬物使用による精神障害を診断したり、対応を規定できる
ガイドラインはないのかということでした。
薬物使用の事実があり、「人を殺す」などの危険な言動があるケースでは
「何を」「いつから」「どれくらい」使っていたのかを
本人だけでなく家族など身近な人から聞き取りをするなどの措置はとれないのでしょうか。
治ることはないというのが常識であるはずの薬物依存症で
中毒症状がなくなったという判断は、一体どこから出たのでしょう。
覚せい剤ではなく大麻だから、大きな危険性はないという判断でしょうか。
措置入院で、自他に危害を加える可能性がある人物を
一定期間隔離し、その期間をどれだけ延長したところで
原因の一つが薬物依存症である場合には
依存症の治療がなされなければ、ほとんど意味はないと思えます。
去年の7月に、危険ドラッグを使用した男が
隣人を襲ってナイフで傷つけるという事件がありました。
犯人が逮捕時に「シェシェシェのシェー」と叫んだ事件です。
犯人は、長期にわたって大麻や危険ドラッグを使用
犯行時は「孫悟飯になって一旗あげる」というようなことを言ったようです。
この犯人は、過去に薬物使用で服役もしています。
最近は薬物に関する犯罪は、服役中に回復プログラムが実施されますが
社会に出て、それが継続できなければ、簡単にもとに戻ります。
事件の重大さ、残虐さから
「薬物のせいにするな」「病気のせいにするな」というご意見が
たいへん多いだろうということは分かっています。
これだけたくさんの方の命を奪った犯人が
薬物による精神障害を理由に、罪に問われないなどということは
ほとんどの方は納得できないだろうし、私もそうです。
けれど今回の事件のように、大きな要因のひとつが薬物であることが
事前にはっきり分かっている場合には
それに対応できる、ある程度は法的な拘束力のある
しっかりしたシステムを作って対応していけば
これから起こる悲惨な事件の何パーセントかは防げるのではないかと思うのです。
欧米では、もう半世紀も前から、薬物については「処罰よりも治療を」という
考え方が広がって、ある程度のシステムもできています。
それでも薬物の広がりを食い止めることはできません。
日本のように、ほとんどの人が知識がなく
まったくといっていいほど無防備な国で
様々な種類の薬物が今以上に広がり始めたら、今回のような事件は
たびたび起こるようになるのではないかと深く危惧しています。
ランキングに参加してみました。よろしければクリックをお願いします!