癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

事件の背景にある問題

2016-07-28 11:10:19 | 薬物依存症
また本当に痛ましい事件が起こりました。
犠牲になられた方々や親族の皆さまには
心からお悔やみを申し上げます。

戦後最大の被害者を出した
言葉にするのもはばかられるような
残虐な事件を引き起こした犯人の経歴や言動
あるいは背景や対策などについて
色々な報道がなされています。

けれど私は、今回の事件で「大麻」あるいは「薬物」という
言葉が出たことが気になって
その部分を中心にニュースを見ていました。
断片的な報道ではありますが、犯人は
大学時代の後半から大麻や危険ドラッグをやっていたという情報があります。
薬物の常習者、薬物依存症であったことは、ほぼ間違いないと思います。

もしも多くの人たちが
大麻(マリファナ)や覚せい剤、危険ドラッグなどの薬物や薬物依存症
についての正確な知識や情報を持っていたら
もしも自分の身近な人間が、違法な薬物を使っているかもという時に
相談をすることができる信頼のおけるシステム
(公的、私的な相談機関や精神科医などの専門家)が
たくさん身近な場所にあったら
依存症については、法的な処罰だけではなく
治療による回復が必要だということが社会の常識になって
治療に取り組める場所と援助者、治療者などの人的資源がたくさんあったら
もしかしたらではありますが、今回の事件は防げたかもしれない
と思わずにはいられないのです。

残念ながら、今の日本には上の3つの要素が一つもありません。
もし自分の身近な人間が薬物をやっていると分かっても
何をどうすればよいのか、ほとんどの人は知りません。
相談や治療ができるのは、市や県の精神福祉センターやジャパンマック
薬物依存症に対応してくれる病院やダルク、自助グループなどですが
その数はとても少なく、しかもほとんど知られていません。

そして治療については、薬物ですら法的な強制力はなく、任意ですから
ある程度の年齢になると、親兄弟でも
首に縄をつけても連れていって治療させるというわけにはいかず
治療に取り組む人も、回復を続ける人もごくわずかです。

今回の事件では、友人たちは、犯人の変化に気づいていたようです。
そして2月に衆議院議長に意見書みたいなものを渡した時は
警察から病院にも連絡があり、入院もしていました。
その時点で大麻の使用も分かっていました。

今回ひとつだけ「大麻による中毒性精神障害なのでは」という記事がありました。
驚いたのは、こういう事案で、病院は
本人の自己申告だけで簡単に退院させるのか
慢性的な薬物使用による精神障害を診断したり、対応を規定できる
ガイドラインはないのかということでした。
薬物使用の事実があり、「人を殺す」などの危険な言動があるケースでは
「何を」「いつから」「どれくらい」使っていたのかを
本人だけでなく家族など身近な人から聞き取りをするなどの措置はとれないのでしょうか。
治ることはないというのが常識であるはずの薬物依存症で
中毒症状がなくなったという判断は、一体どこから出たのでしょう。
覚せい剤ではなく大麻だから、大きな危険性はないという判断でしょうか。

措置入院で、自他に危害を加える可能性がある人物を
一定期間隔離し、その期間をどれだけ延長したところで
原因の一つが薬物依存症である場合には
依存症の治療がなされなければ、ほとんど意味はないと思えます。

去年の7月に、危険ドラッグを使用した男が
隣人を襲ってナイフで傷つけるという事件がありました。
犯人が逮捕時に「シェシェシェのシェー」と叫んだ事件です。
犯人は、長期にわたって大麻や危険ドラッグを使用
犯行時は「孫悟飯になって一旗あげる」というようなことを言ったようです。
この犯人は、過去に薬物使用で服役もしています。
最近は薬物に関する犯罪は、服役中に回復プログラムが実施されますが
社会に出て、それが継続できなければ、簡単にもとに戻ります。

事件の重大さ、残虐さから
「薬物のせいにするな」「病気のせいにするな」というご意見が
たいへん多いだろうということは分かっています。
これだけたくさんの方の命を奪った犯人が
薬物による精神障害を理由に、罪に問われないなどということは
ほとんどの方は納得できないだろうし、私もそうです。

けれど今回の事件のように、大きな要因のひとつが薬物であることが
事前にはっきり分かっている場合には
それに対応できる、ある程度は法的な拘束力のある
しっかりしたシステムを作って対応していけば
これから起こる悲惨な事件の何パーセントかは防げるのではないかと思うのです。

欧米では、もう半世紀も前から、薬物については「処罰よりも治療を」という
考え方が広がって、ある程度のシステムもできています。
それでも薬物の広がりを食い止めることはできません。
日本のように、ほとんどの人が知識がなく
まったくといっていいほど無防備な国で
様々な種類の薬物が今以上に広がり始めたら、今回のような事件は
たびたび起こるようになるのではないかと深く危惧しています。


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雨の観世音寺

2016-07-25 17:13:40 | 社会・生活
博多の街が、まだ山笠でにぎわっている頃
福島の友だちが、夫婦で福岡に来てくれました。
この前来てくれたのは、私が告知をされたすぐ後で
それから2年ぶりの再会でした。

今回はわりとゆっくりなスケジュールだったので
福岡の友人夫婦も一緒に晩御飯を食べようという相談がまとまり
山笠真っ最中の博多の街で待ち合わせ。
お酒好きの男性陣ですが、昼間から酒盛りというのも芸がないので
近場で行けそうなところということで
一緒に大宰府の観世音寺に行くことにしました。

このお寺、福岡にいながら行ったことがなく
おととし娘夫婦とお花見した時に
おねだりをして連れて行ってもらい、すっかり気にいりました。

観世音寺は、九州を代表する古寺で、造営は天智天皇の7世紀頃とされていますが
何度も火災などにあって、現在の建物はすべて近世に再建されたもののようです。
大宰府跡の遺跡のそばの、木立の中にひっそり建つお寺。
その素朴なたたずまいもさることながら
思わず息をのむのが、本堂の脇の宝蔵です。

階段を上がると、フロアをぐるりと取り囲んで立つ、巨大な仏像の数々。
5mに及ぶ馬頭観音や十一面観音など、その数16体。
さすがの不信心者の私も、神妙に手を合わせようという気持ちになります。

震災と原発事故から五年が過ぎて、ニュースになることもほとんどなくなりましたが
福島や、被災された東北の人たちで、震災の前と同じ生活に
戻れていない人たちはまだまだたくさんおられ
表面上は普通の生活をしているように見えても
言葉にできない不安や辛さや怒りは、消えるものではありません。

間接的にせよ、あの震災と原発事故を経験してからは
毎朝家の仏壇に手を合わせて「今日も一日何事もなく終わりますように」
と祈るようになりました。
それもあって、友達を観世音寺に誘いました。
その後、太宰府天満宮にもお参りをしました。

前回来てくれた時は、私も告知をされたばかりで
もう一度会える日がくるとは正直思ってもいませんでした。
まだ梅雨明けする前だったので、残念ながら雨模様でしたが
ゆっくりと大宰府周辺を散策できて、本当に夢のような一日になりました。

夕方からは夫婦三組で、食事というか酒盛り。
もともとは、それぞれのダンナさん同士が
中学や高校の同級生とか部活が一緒というつながりでしたが
お互い年が近いこともあって、奥さん同士も意気統合。
もう三十年来の付き合いになります。
それでもみんな高齢の親御さんを抱え
「やっと子育てがひといきついたと思ったら」というのは
私たちの世代には共通の大きな悩みでもあります。

あまり経験できない、猫の介護を二、三年やったとはいえ
今はのんびり暮らしている私は、なんだか申し訳ない気持ちがします。
「告知をされてから、これでもう二回も会えたから
もうお葬式とか、無理をして来なくていいからね」と言ったら
「またそんな!」とあきれられましたが
なにしろ福島は遠いので、これは私の正直な気持ちです。

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ポケモンGO お金に関する問題点

2016-07-18 17:21:30 | ネット依存症
日本でも今月中に配信されるのではないかと
かなり話題になっている「ポケモンGO」
今日は「ひるおび」でも取り上げられていました。

番組の中では、私が前回のブログで書いたようなことも
取り上げられていましたが
ネットで検索していたら、このゲームについての
お金の問題が書かれた記事を見かけましたので
その要約を少し書きたいと思います。

ポケモンGOはアプリ自体は無料でダウンロードできます。
ただすでに配信が始まっているアメリカで

「11才の子どもさんがポケモンGOで遊んでいて
わずか2日間で、データ使用量が
契約している1か月のデータ通信プランの75%を超えたという通知が来た」

ポケモンGOが、データ通信量を食うのは
GPSを使ったゲームだからだそうです。

私はスマホを持たないので、このあたりは
実際に使われている方のほうが詳しいだろうと思います。
定額で契約していても、それを超えた場合は追加料金がかかります。
ポケモンGOで遊び始めたら、翌月とんでもない電話代請求がきたということに
ならないように、データ通信量をチェックしておくほうがいいかもしれません。

プレーのタイプによっては、1時間のデータ使用量が2MB~8MGになり
1日6時間以上行うと、データプランのアップグレードが必要に
なる可能性があるということです。

それを回避する方法としては、携帯のモバイルデータ通信経由ではなく
WiFiなどのネットワークにログオンできるように
スマホを設定しておくと書いてありましたが
ガラパゴスな私の頭では、よくわかりません。

ぜひネットに詳しい方がさらに補完してくださり
情報をシェアしてくださることを願っています。

もう一つは、<アイテムのアプリ内購入に注意>という点です。
アプリ自体は無料ですが、ゲーム内のアイテム
モンスターボールやおこう、しあわせタマゴといったアイテムは
ポケコインを購入して、そのポケコインで手に入れる仕組みになっていて
(モンスターボールは地道に探せば無償でも入手できるらしいですが)
100ポケコインが120円?
小中高生までは、こうしたゲーム課金は
ある程度親が管理することができますが
ゲームに夢中になって、どんどんお金をつかってしまう危険性があるのは
大学生や社会人だと思います。

オンラインゲームの課金の問題は、ギャンブル依存症とも共通点が多く
もうかなり前から問題になっているものですが
ポケモンGOの、あまりのヒートアップぶりに
このゲームにも同様の危険性があることを知っておいていただければと思います。

追加で、このゲームは、カメラとGPS機能を同時に使うので
かなり電池を消耗するのだそうです。携帯用の充電器がバカ売れという
ニュースもありました。
さらに今日は、政府が「遊び方についての注意点」を発表という
異例の対応。たかがゲームの何がそんなにと思うような、私のような人間は
もはや生きる価値がない時代になりつつあるように思います。


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ポケモンGO 進化するテクノロジーにどう向き合うか

2016-07-14 16:48:49 | ネット依存症
もう子育ての現役を終えて何十年にもなるし
ゲームというものに全く興味がないので
そのあたりの情報は、ネット依存アドバイザーのトリーさんのブログ
「ネット依存、スマホ依存から小中学生を守るために」を参考にさせていただいています。

そのトリーさんの最新記事「歩きスマホよりもっと危ないものが」で
スマホの無料ゲームアプリ「ポケモンGO」の危険性に言及されています。
ゲーム音痴の私は、この記事だけではピンとこなかったのですが
今日の昼のTVのニュースバラエティでも取り上げられました。

アメリカなど海外ではすでに配信されて、爆発的な人気になり
発売元のひとつである任天堂の株価が一気に2倍にはねあがったとか。
どうやら日本でも近日中に配信されるようですが。
どういうゲームなのか、TVで実際の映像が見られたので、やっと分かりました。

そもそもこのゲーム、スマホのGPS機能を応用してあるとのことで
街の中とか道路とか、公園とか池とか、海とか山とか
とにかく「外を出歩かないと成り立たないゲーム」なのです。
歩いているうちに、スマホの画面のどこかに
ポケモンのキャラクターが現れて、それをゲットする。

当然歩きスマホの危険性も大きいですが
とにかく場所を移動すればキャラが出てくるので
運転をしながらゲームをする人が出てくる可能性もあるし
TVでは「他人の敷地に侵入するとか、
美術館など禁止されている場所でもやってしまう」とかの
いろいろな事故や事件が想定されていました。

ポケモンは、特に日本では小学生に人気があって
しかも無料ですから、親御さんもついつい気軽に「いいよ」ということに
なりかねませんが、こうしたゲームの性質をちゃんと理解して
果たしてコントロールできるものなのかどうかを
しっかり考えて、話し合うべきことは親子で話し合ってから
導入するようにされるほうが、まだしも無難ではないかと思います。

「歩きスマホは危ない」と言われているのに「スマホ見ながら
歩かなければ成立しないゲームっていったい!」と
私のように、頭がガラパゴス(ちなみに携帯もガラケー)
の人間は、怒り心頭ではあるのですが。

けれどこういう新しい、とても対応の難しい事態が起きてきた時こそ
よい機会ですから、親御さんもぜひいちはやく情報を入手して
しっかりした知識を持ってください。
いたずらに不安がって、頭ごなしに禁止したり、注意を浴びせるのではなく
子どもさんとていねいに話し合って、コミュニケーションを築いてください。

クラフトのプログラムを通して学んだ、一番大切なことは
「人と人とのコミュニケーション」でした。
まずはこれがうまくいくことで、親が言いたいことを理解してもらうことも
スマホやゲームについてのルールを作ることもできるのではないかと思います。
「叱責や小言、説教を繰り返すだけでは、ほとんど効果がない」というのは
依存症の人に向き合う場合だけではなく、あらゆる人間関係に言えることです。

最近海外のドラマを見ていて気付いたことがあります。
イジメにあった娘の話を聞いたお母さんが、まず最初に
しっかりとうなずいて「分かるわ」というのです。
「あなたの気持ちはよく分かる」というこの動作と言葉が
子どもに安心感を与えて、コミュニケーションを円滑にするのだなと思えました。

もともと日本では、夫婦にしろ、親子にしろ
日常生活で、ひんぱんに会話をするという習性があまりありません。
両親がそういう状況で大きくなっていけば、
次の世代もそういうスタイルしか知りませんから
どこまでも「会話がない」という負の連鎖にもなりかねません。
実は先日観ようかどうしようか迷った「葛城事件」という映画が
どうもそうした「家族の崩壊」を描いたものだったようですが
それを観た人のレビューに「自分の家庭とそっくりだった」とあって
胸が痛くなりました。この前の「ゲーム依存の息子を
自分の人生から抹消したい」という話を読んだ時も
「そこまでいく前に何とかできなかったのか」という忸怩たる思いがありました。

私なんかには、もはや動物としての人間の適応範囲を超えているとしか思えない
テクノロジーの進化によって、これまではなかった新しい問題が次々に起こってきます。
今までどおりのやり方、考え方では、乗り切れなくなっています。
どうか頭を柔らかくして、現代の社会での子どもとの向き合い方を
勉強もし、考え、よさそうなやり方は試してみてください。
もちろん親だけですべての問題をカバーできるわけではありませんが
少なくとも小中学生の間は
「親が自分のことを愛してくれている、守ってくれる
話を聞いてくれる 相談に乗ってくれる」というのは
大きな安心や気持ちの安定ににつながるものだと思えます。
この社会の、怒涛のような変化を止めることはできませんが
自分を変えること、自分が変わることで、少しづつ
人と人との関係性を変えることは
決して不可能ではないと思います。




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通院日そして貞子

2016-07-07 09:58:43 | 癌のこと
おとといは通院日でした。
この猛暑で、さすがにチャリで行ったら倒れそうだなと思っていたら
運よくダンナが休みで、車で行くことができました。

今回は5週間に一度の、定期健診みたいなもので
主治医の先生に、前回貰えた軟膏のロゼックスゲルが
消臭に効果があって、しかも出血がかなり少なくなったことをお話ししたら
「それは良かった。いいお薬に出会えましたね」ととても喜んでもらえました。

「この前CTを撮ったのが1月なので
来月くらいに次のCTをお願いできますか?」とお聞きしたら
「分かりました。それじゃあCTの予約を入れておきますね。
それと血液検査もしておきましょう」と。

相変わらず、私のガン治療はオーダーメイドですが
ドクターはとても優しく対応してくださいます。さすが緩和ケア。
その後、ホルモン剤(フェマーラ)胃薬(ムコスタ)ロキソニンと軟膏の
お薬セットをゲットして帰宅しました。

このところ、ちょっと観てもいいかなという映画があって
「クリーピー偽りの隣人」(この前観た「岸辺の旅」の黒沢清監督)
「葛城事件」「日本で一番悪い奴ら」そして「貞子VS伽椰子」
相変わらずアレなチョイスではありますが
いずれもどんぐりの背比べな感じで
「デッドプール」の時ほど、飛んでいきたい感じでもなかったので保留していました。

けれど封切りから一定の時間が経つと、上映回数がだんだん減っていきます。
ダンナが仕事に行っている間に行くとなると夜とかになります。
そうならないうちに、せめて一本は観ておくことにしました。
電車でふた駅の、ショッピングモールのシネコンは
普通の買い物感覚で行けることが分かって、すっかり味をしめました。
「貞子VS伽椰子」
内容はともかくとして、映画館の大画面で観るならまずはこれかなと。

そして「貞子VS伽椰子」の監督さんは、以前あちこちのレンタルショップを捜し回って
天神のツタヤでやっと借りることができた「ノロイ」という映画の監督さんでもあります。
しかも「貞子VS伽椰子」に関しては
当然のことではありますが、観た人たちが結末を教えてくれない。
そして「これはホラーじゃない。怪獣映画だ。例えていえばキングコング対ゴジラだ」
というレビューを見て「決めた。「貞子VS伽椰子」にしよう!」

ところが、なんと200人近いキャパの映画館に、観客は私だけ。
「ん。ホラーでこれはちょっと涼しいかな」とも思いましたが「まあ、いいや」と。
ポップコーン売りに来たお姉さんに「誰もいなかったら、その回は中止ですか」と聞いたら
「ええ。でも曜日とか時間とかで、一人というのもたまにあります。楽しんでください」と
すごく優しいコメント。それでもさすがに貸し切りは申し訳ないなと思いましたが
上映開始直前に、ポップコーン抱えた若いカップルが二組。良かったです!

「リング」の時からすでに世界征服の野望に燃える貞子サン。
感想はそのうち映画のブログで書くつもりですが
「やっぱり!」と思ったのが「呪いのビデオ」は、今回DVDに焼かれ
ついに動画サイトにUPされて拡散し始めました。
もう誰も貞子サンを止めることはできません(笑)
観たら二日で死にます。(以前は1週間でしたが、スピードアップしました)
でも実は私は、伽椰子&俊夫クンファンなのですが。

映画館の暗がりで大画面に見入っている時は
内容の如何に関わらず至福の時間です。
そして映画の待ち時間の間に
「クリーピー偽りの隣人」の原作を買ってしまいました。
本当は日傘を買うつもりだったのですが
無意識のうちに本屋に入り込んでいました。
日傘は折り畳みの雨傘で代用することにします。自業自得です。

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この世界で生き残るために

2016-07-03 15:09:54 | 薬物依存症
また芸能人の人が覚せい剤使用で逮捕され
そのことについてのコメントも、たくさん目にします。
私は、家族の薬物の問題を抱えているわけではありませんが
これまで、有名人が逮捕されて、ニュースになった時に
依存症という視点から、幾つか記事を書きました。

今回また芸能人が逮捕されたというニュースを耳にして
少し前の、元プロ野球選手逮捕もまだ記憶に新しいので
とても気になることがあります。
それは、テレビや新聞を見ている一般の人が
「やはり、覚せい剤とかドラッグなんて
芸能人とかスポーツ選手とか、特別な世界の人がやってるんだな」と
思いこんでしまうことです。

プロ野球選手の時に書きましたが
取り締まる側は「有名な人間を逮捕して、大々的に報道させることで
抑止力にしよう」つまり、見せしめにしようという思惑が
あるのかもしれませんが、それが一般の人たちの認識を
誤らせてしまう可能性があるのではないかということです。

なぜこんなことを書くかというと
以前川崎で中学生の事件があった時に
地元のTV局が、深夜徘徊する青少年の特集をやったことがあって
そのインタビューに答えていた子供が
「クスリ買わない?って言われたことがある」と答えていたからです。
何回か書いていますが、子どもだけではなく、大人も
知り合いになった、ごくごく普通に見える人から
「疲れが取れる、痩せる、元気が出る」などの
とても魅力的な誘い文句で、覚せい剤や危険ドラッグを勧められる可能性は
いまや誰にでも、どこに住んでいても起こりうるのです。

依存症についての治療が、日本よりも半世紀は進んでると思われる
アメリカですが、2010年の調査によると

「違法薬物の使用で最も多かったのは大麻であり、1,740 万人であった。これ
は過去1 ヶ月内の違法薬物の使用者薬2,260 万人の76.8%を占め、大麻のみの
使用割合は60.1%(1360 万人)であった。よって、12 歳以上の900 万人
(違法薬物使用者の39.9%)が大麻以外の違法薬物を過去1 ヶ月内に使用し
ていた」となっています。

この流入先の多くはメキシコとコロンビアの麻薬カルテルで、トランプさんの
「メキシコとの間に壁を造る」発言は、どれほど対策をしても
取り締まりを強化しても、薬物の流入と蔓延を食い止めることができない
アメリカの苛立ちの表れでもあろうかと思いますが
けれどこれもまた、別の世界の、他の星の話ではありません。
今現実に、世界のあらゆる場所(特に先進国と言われる国々)で
日常的に起きている現実で、日本もまったく例外ではないということです。
ついにアメリカでは、マリファナを、闇組織の資金源にしないために
合法化するという州まで登場しています。

確かに覚せい剤やコカインなどはそれなりに高価ですから
狙われるのは、一定の経済力がある人たちかもしれません。
けれど、危険ドラッグが出現して、薬物の形態は
(その成分もですが)驚くほど多様化しています。
薬物といえば注射で、使わないと禁断症状が出て
よだれをたらしてのたうちまわるもの
というような、それこそ半世紀前のイメージでは
とても現実に対応することはできません。

それに加えて、パソコン、携帯、スマホなどのIT機器の
子どもたちへの爆発的な普及です。
例えば、小学生でも出会い系サイトにアクセスできるという現実は
薬物との距離も、数年前とは比べ物にならないくらい
近くなっているということでもあります。
ニュースを見て、覚せい剤を使用した芸能人夫婦のスキャンダルで
盛り上がっているような場合ではありません。
報道を見ていると、むしろ故意に、問題の本質を
そらそうとしているような気さえします。(ワタシ割と陰謀論者ですから)

私が初めて薬物というものを知ったのは
小学校の時に、父親と観に行った、黒澤明監督の「天国と地獄」だったと思います。
誘拐事件の犯人の男が、そういう場所に出向くシーンがあって
廃人のようになった男女がうぞうぞとたむろしている場面は恐ろしく
あとで父から、戦後に蔓延したヒロポン中毒や、アヘン戦争についての
講釈をされたような記憶があります。麻薬は、人間を人間でなくしてしまう
とんでもなく怖いものということを、小学校時代にすりこまれました。

戦争と、戦後の想像を絶するような混乱の時期を経験した人だったので
「こういうものは、子どもに見せてはいけない」というような
区切り方をする人ではありませんでした。
「特に女性は、堕ちてしまうとどこまでも堕ちていく」というような話は
戦後生きていくために体を売ったパンパンと呼ばれた女性たちを
現実に見聞きした人間ならではの説得力がありました。
「どれほど助けてと叫んでも、戻ってこれない場所がある。
そこまで行ってしまってはいけない」ということを
私は父親に教わりました。

高校時代は、自分の生育環境や、親に反発して
親の望む子ども像を、一回リセットしてやろうと
ずいぶん無茶なこともしましたが
成績とか生活態度とか、細かいことで何か言われたことはありません。
本質的なところで「人間はどうあるべきか、どう生きるべきか」を語り続けた
まさに明治の理想主義の塊のような人だったと
今でも懐かしく思い出します。

「寝た子を起こさない」「くさいものにはふた」で
無難に安全に生きていける時代ではなくなっています。
特に日本の社会は、経済がすべて、お金がすべての価値観で回っていますから
少しでも経済活動にマイナス(要はお金を使わなくなるような)な話は
ほとんど表には出てきませんし、規制もされません。
しかし、先日の、コンビニATMを使った巨額の詐欺事件でもわかるように
犯罪もグローバル化して、誰がやっているのかもわからず
誰が標的になるのかも、これまた分からない
ということは、常に自分が標的になる可能性もあるということです。
社会はとんでもなく複雑になっていますが
人間はひどく無防備になっています。
どうせハイテクを極めるなら、悪意あるものはすべて排除できるという
ところまで進化できるなら良いですが、いかにも中途半端なのです。

しつこく書いていますが、薬物の問題ひとつ取っても
これまで知っていた知識では役に立たないことが多く
一人一人が様々な情報を集めて
それを整理して、役に立つ情報は、家族や他の人たちと共有する
極端な言い方をすれば、そうやって地道に地道に
自衛できた人間だけが生き残れるという
超サバイバルな社会になっているのではないかと思えます。


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