癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

通院日にお薬を変更

2017-02-25 17:02:34 | 癌のこと
先週の火曜日は通院日でした。
いつも通りと書きたいところなのですが
今年に入ってから、患部の腫瘍の浸潤するスピードが
早くなっているという自覚があります。

胸の患部の広がりがそろそろ
左わきの、リンパに転移してふくらんでいるところに到達します。
ほぼ2年近く飲んできたホルモン剤のアロマシンですが
そろそろ効果がなくなってきているのではないかと思います。

そこで今回ホルモン剤をフェマーラに替えていただけるようにお願いしました。
実は去年の3月に、前の主治医の先生が転勤されるさいに
一度フェマーラに替えられたのを
夏場に「どうも効いてないようです」とゴネて
アロマシンに戻してもらった経緯があります。
先生がそれを覚えてたらヤバいなと思いましたが
毎日たくさんの患者さんを診ておられるので
そのことは、いい具合に忘れてくださったようで。

ぶっちゃけ私の場合、飲み薬のホルモン剤だけでいくとしたら
もうあまり選択肢がありません。
アリミデックスもアロマシンも、今度のフェマーラも
アロマターゼ阻害剤で、だいたい作用機序は同じ感じなので
どのくらい効果があるかは、やってみてのお楽しみてな感じです。

今の主治医は、乳がんには詳しくないので
薬の変更とかいう話になると、専門の病院の受診を勧められます。
専門病院で化学療法を受けながら
緩和ケアで疼痛コントロールをするのが、一般的なスタイルだからです。
そこを何とかうまくごまかして
めでたくフェマーラをゲットしてきました。(コラッ)
それと、このところ痛み止めの効き目が少し悪くなっていて
朝ロキソニン2錠、昼トラマール2錠 夜トラマール2錠を
飲んでいますとお話したら
トラマールを1日1錠飲めばよい「ワントラム」というのに替えてくださいました。

私は、現在の進行のペースは、前の主治医が言われた
何もしなければ右肩下がりに悪くなるのを
ホルモン剤が、ある程度の効果があるので
緩やかに下降しているというお話を信じています。

最低限の家事をしながら、本を読んだり、映画を観たり
ブログを書いたりするという日常の生活には、全く支障はないので
取り敢えずここで新しいお薬に替えてもらって
またいけるところまでいこうと思います。
「フェマーラが効いてないって話はどうなったんだ」と突っ込まれそうですが
あとあと考えれば、夏場からの痛みは
がんの自然な進行の結果で、お薬の影響というのはそれほどでもなかったかも。
それまでに経験したことがない痛みを感じたので、パニくったわけです。
今では、痛み止めで痛みを抑えられることが分かって
必ずしも、痛み=がんが進行してると考えなくてもいいんだと学習しました。

なんて、こうして俺様治療ばっかりやっていると
またバレたら家族にしこたま怒られそうなので
来月はCTを撮っていただけるようにおねがいしました。
CTの結果で、転移している肝臓やほかのところに大きな変化がなければ
しばらくは、安泰に過ごせる日が続くと思います。

せっかくkindleを手に入れたのに
「これなら100円であるかも」という本は
書名と作者、出版社をメモっていって
ブックオフの100円コーナーを漁るという貧乏性は抜けません。
なにしろ2日で1冊くらいのペースなので
やっぱり節約できるところは節約なのです。
そしてkindleで200円くらいの本はないかと探していたら
まだ読んだことがない横溝正史の「悪魔の降誕祭」というのがありました。
いやぁ、久々の横溝正史、懐かしかったです

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子育てにネットを利用するのはよいか悪いか

2017-02-21 11:34:41 | ネット依存症
数日前ネットニュースで
「ネット子守りは是か非か」という意味の記事を読みました。
お母さんが忙しくて手が離せない、ご飯の用意をしている時や
美容院とか病院とか、幼児を連れて行ってぐずられたら困るという時に
スマホやタブレットで、幼児に動画を見せたり、ゲームをさせたりする
それが良いことなのか悪いことなのかという話でした。

私も以前歯医者さんで、お母さんが
3,4才くらいの男の子にタブレットを持たせ
待合室で待たせているのを見て「時代が変わったなあ」と思ったことがあります。
けれど前回の記事で、心療内科の先生が
子どものゲーム依存を予防するには
小学校の低学年まではゲームをさせないことを推奨されていると書いたので
改めて、幼児とIT機器の関係を考えてみました。

子育てをしている時には
どうしても子供をかまってやれないことはたびたびあります。
まとわりつく子どもを叱りながら家事をやるよりは
一時的に、テレビやネットなどを見せることで
効率よく家事を済ませたり、回りに迷惑をかけずに
病院の診察を終わらせるといったことは、ありかなと思います。
かつてはテレビだったものが、今はネットに変わってきたわけですから。

これらをまとめてみると
子育てとネットの関係を考える上で、大切なポイントがいくつかあります。

それは

 子育てにネットを利用するのは、やむを得ない場合に限り
 なし崩しに利用しない
ことであり

増田先生のアドバイスにもあるように、少なくとも小学校の低学年までは

 子供専用の機器を買い与えないこと ゲームをやらせないことです。

どうして、改めてこういうことを書いているかというと
仕事もし、家事もしという状況で子育てをすることの大変さ
身近に気軽に幼児を預けることのできる実家や
仲のいい友達がいない中での子育ての大変さを
私自身も、ひと通り経験してきているからです。

「テレビやネットに子育てをまかせるのは良くない」「子どもに悪い影響がある」と
理想論をいうのは簡単ですが、それは「3か月までは母乳育児で」とか
「乳幼児を保育園に預けるのはだめ」とか「一人っ子はかわいそう」とかいうのと同じで
だめだと言われても
そういう現実に向きあいながら子育てをしているお母さんはたくさんいるわけで
あれもだめ、これもだめというだけでは、全然建設的ではありません。
だから、もしも利用するとしたら、どういうやり方がいいのか
どういうことはやってはいけないのかをちゃんと理解して
上手に利用してほしいと考え、ポイントをまとめました。

ゲームに関しては、ネットの他のコンテンツ(動画やSNSなど)よりも依存性が高く
低年齢であるほど依存の状態になりやすいということが分かってきているので
小学校の低学年までは、できればやらないほうがよく
やるとしても1日30分程度というのは、前回の記事でも書きました。

菅原ますみさんというお茶の水大学の子どもの発達心理学の先生のお話によれば
「テレビの視聴時間の長短が、子どもの問題行動に結び付くという因果関係は
証明できず、むしろ内容の影響のほうが大きい。乳幼児の発達に影響を与えるのは
本の読み聞かせや、遊びを通じての人とのコミュニケーションだ」ということで
この考え方は、子育てにネットを利用する時にも、参考になるのではないかと思います。

子育てにネットを使うことの是非、特にそのマイナス面だけにこだわるのではなく
ネットを上手に使いながらも、過度にそれに頼らず
やらせてはいけないことは何かを、きちんと理解して
普段の子育てでの、子どもとのリアルなコミュニケーションを大切にし
充実させる努力をすることのほうが重要なのだろうと思います。
ですから、親のほうがスマホに夢中で子どもをほったらかし、なんていうのは
これはもう、ネット育児がどうとかいう以前の、親としての資質の問題です。
子どもと向き合うのが嫌い、面倒くさいというような人は
親になるべきではないと、私は思います。


余談ですが、子どもたちが赤ちゃんの頃
ご飯の支度を始めるとぐずりだすので、終わるまでおんぶをして
邪魔されないように背中にくくりつけていました。

けれどそのうちに、おんぶひもを持ちだしてくると
子どもが逃げるようになってしまいました。
あれでぶらさげられると、なにもできなくなるということを
幼いなりに学習したのだと思います。
「母の背中のぬくもりと、ふれあうチャンスを与えてやってるのに
逃げるなんて、この野郎(心の声)」と思いましたが
それ以降、私が忙しい時は、さほどぐずらなくなっていった気がするので
おんぶひもが、意外にも抑止力になることを発見しました。
まあ、今日び、そんな原始的な子育てをする
お母さんというのも、いなくなったのでしょうが。

子育ては勝敗のないバトルだと、私は今でも思っています。
特に最初は親も子もど素人ですから、完全に試行錯誤の手探り状態で
「ああでもない、こうでもない」と悪戦苦闘の連続です。
模範解答なんかどこにもなく、ぶっつけでやっていくしかありません。
うちの場合は、そこに最悪な性格の猫までが加わって
すったもんだ、四つ巴の二十数年でしたが
終わってみれば、楽しくなかったというわけでもありません。
子どもと猫は「何一つこちらの思い通りにはならない」という点で
同じ種類の動物です。
その、意味不明な動物を、どうにかこうにか人間と呼べるまでに
たどりつかせるのが子育ての大変さでもあり、面白さでもあります。
時代は変わって、子育ての在り様もずいぶん様変わりしましたが
それでも子育てが、オンリーワンであることに変わりはありません。

アンドロイドを育てているわけではありませんから
みんなが違っていて当然です。
時代の変化をうまく取り入れながら
あまり社会通念や既成観念に捉われない
自分なりの子育ての形を見つけてもらいたいなと思います。


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ネットやゲームの依存を予防することの大切さ

2017-02-13 15:50:14 | ネット依存症
相変わらず話があっちに飛んだり、こっちに飛んだりして申し訳ないのですが
この3、4年、私が一番大きな危機感を持っているのは
やはり子供たちのネット依存症の問題です。

読まれた方もおられるかと思いますが
2月11日(土)の朝日新聞に
鹿児島の心療内科の医師増田彰則先生が
「ゲーム依存症 進む低年齢化 対策急げ」
という記事を投稿されていました。

その記事から引用させていただきますが
アメリカで「インターネットゲーム障害」(ゲーム依存症)が
新しい病態として記載されたのは、2013年だったそうです。

そして昨年の10月に、増田先生が
鹿児島県内の小中高生6千人の調査をされたところ
「厚労省の13年の調査(中高生の8%が依存症)から倍増し
中でも深刻なのは、小学校低学年の男子で
依存症の基準を満たす児童が15%もいた」となっています。

さらに増田先生の心療内科を受診した小学生から高校生620人のうち
100人がゲーム依存症で、350人が予備軍の睡眠障害。
「依存症100人の9割は遅刻常習か不登校で
7割が、やめさせようとする親に
暴言を吐いたり、暴力をふるったりしていた」と書かれています。

かねがねとても危惧していたことではありますが
やはりスマホやゲーム依存の低年齢化と患者数の増加は
私の予想を超えるものがありました。

そういう深刻な事態にならないためにはどうすればよいのか。
今の時期、進学や進級に伴って
「新しいゲーム機を買いたい」「スマホが欲しい」という話題が出ている
ご家庭も多いのではないかと思います。

増田先生のアドバイスによれば、大切なのは「家族の取り組み」

1.幼児期や小学校低学年まではゲームをさせないことが最善
2.医学的には、させても1日30分以内が望ましい
3.子供専用の機器を買い与えない
4.居間など家族の目の届く場所でゲームをさせる
5.午後9時以降はゲームをさせない

少なくとも小学生の間は、このように
親がきちんと管理ができる体制で、ゲームと付き合っていく必要があります。
このブログでは、インターネット依存治療外来がある
久里浜医療センターの「インターネット依存について」のサイトにリンクしていますが
その中の「インターネット依存はどのように治療するのか」の項目でも
繰り返し書かれているのは時間の使い方であり、時間管理の重要性です。

つまり小学生だけではなく、中学生も高校生も、大学生でも
ネットやゲームの依存を予防するのに何よりも大切なのは
時間を管理できる習慣を身につけるということです。
そのさいに、親が一方的に命令する形で決まりを作り
約束を破った時は厳しく叱るというやり方でうまくいくこともありますが
それで子どもが反抗的になったり、言うことをきかなくなった時に
同じやり方を続けていると、依存がより進行する場合も多いので
子どもが理解し、納得できるような形で
どうすればうまくいくかを一緒に考え
ていねいに話し合うことが望ましいのです。

アルコールでも、薬物でも、ギャンブルでも、ネット、ゲーム、スマホでも
依存症という脳の病気の領域に入ってしまったら
普通の日常生活を送れるように回復するのだけでも
ものすごく長い時間がかかり、回復できないケースも多いです。
子どもの時、あるいは中高生や大学生などの若い頃から
そういう状況になってしまったら、本人はもとより家族にとっても
想像を絶するくらい大変なことです。

特にネットやゲーム、スマホの依存については
久里浜医療センターの記事にも「確立した治療法はない」と書かれていて
今はまだ相談できる施設や医療機関もごくわずかしかありません。

ですから、子どもさんがネットやゲームの時間を守れない
夜遅くまでネットやゲームをやっているというような状況に気づいたら
なるべく早い段階でよく話し合って
「睡眠時間はしっかりとる」「夜中にスマホやゲームをしない」
「食事中や入浴中はスマホやゲームをしない」など
少しでもスマホやゲームから離れる習慣を増やすことで
依存を予防する、状況を深刻化させないことがとても大切です。

増田先生の記事は
「ゲーム依存症は子供の脳を壊す。国を挙げて早急に対策を立て
実施する時期にきている」
これは、ギャンブル依存症でも、薬物依存症でも
専門家の方たちが、もうかなり以前から繰り返し提言されてきましたが
ほとんど実現はしていません。
その現実を見ても、とにかく予防が第一なのです。
とにもかくにもまずはしっかりした知識を持って
早い時期からの予防に取り組んでいただけたらと願います。

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映画「虐殺器官」とかその他諸々

2017-02-07 11:39:11 | 伊藤計劃
夜中にトイレに起きた時とか、朝起き上がる時は
体中の節々が痛くて(おそらくホルモン剤の副作用)
そのたびに「もう長くないんじゃないか」と妄想しますが
多少あちこち痛くても、無理やり体を動かしていると
そのうちに何とかなります。(同病の方は真似をしないでください)

そんなふらふらな体調はとりあえずスルーして
公開日の翌日、先週の土曜日に「虐殺器官」を観てきました。
トランプさんが大統領になってから、世界中がざわざわしているので
どこかで大規模なテロとか起きたら、公開自粛とかになりかねない。
もしも観られないなんてことになったら
本当に死んでも死にきれない、絶対に化けてでます。

しかしこれで伊藤計劃さんの長編2作「虐殺器官」「ハーモニー」と
円城塔さんとの合作の「屍者の帝国」の3作品すべてが長編のアニメ映画になり
伊藤計劃という作家を知らない人にも
観てもらえる可能性が増えたのは、嬉しい限りです。

「虐殺器官」と「ハーモニー」は
アニメとは言いながら、小説の雰囲気を最大限に生かす努力がされていたと思います。
これらのアニメを作られた人たちの、伊藤さんへの強い思いが感じられました。
「癌と闘病しながら凄い小説を執筆」とか「夭折の作家」というプロフィールから
悲劇の天才作家というようなイメージを持たれるかもしれませんが
私にとっての伊藤さんのイメージは「究極のオタク」です。

ご自身も多少自虐的に「旧オタ」というような言い方をされていますが
なぜ伊藤さんが旧世代のオタクかというと
母校の学園祭で後輩に会った時のブログにこう書かれています

「いまの子達はアニメとエロゲと漫画しか見ない。
映画の話ができる人はたぶんいない」

伊藤さんもアニメもエロゲも漫画も好きですけど
同じくらい大量の本を読み、映画を観、音楽を聴き、美術展に足を運ぶ方で
そういう突き詰め方をしなくなった若い世代に対する危機感があったのだと思います。
卑しくもオタクを自認するなら、サブカルチャーの全てを網羅するくらいの
誰にも負けない知識量と見識を持つべきではないかという歯がゆさが感じられます。

それからさらに10年近い時が流れた今
子どもたちが、ヒマな時間のほとんどをネットやスマホのゲームに費やし
人生の中で、わりに自由な時間がある学生時代に
本を読むことも、映画を観ることも、音楽を聴くことも少なくなった現状には
本当に心配なものがあります。

少し前に、伊藤さんが敬愛された
ゲームクリエーターさんの小島秀夫さんのインタビューを読んだのですが
小島さんの読書量というのも、これまたはんぱじゃない。
中学生で安部公房を読んで衝撃を受けたという話を読んで
「とてもじゃないけど全然かなわないわ」と、私のほうが衝撃を受けました。

「ゲームが好きだから、ゲームクリエーターになりたい」というので
高い学費を払って、専門学校に行ったはいいが
結局挫折して、奨学金の借金だけが残ったみたいなニュースを見ました。
ゲームが好きだから、ゲームをいっぱいやったから
ゲーム業界で仕事ができるというような、甘いものではないと思います。
アニメが好きだから、漫画家とかアニメーターにというのも同じです。

先日福岡で開催された、岡崎京子さんの「戦場のガールズライフ」という個展を観て
改めて、岡崎京子という漫画家の軌跡をたどった時にも
私たちに、人生が変わるほどの衝撃を与えるものを生み出す人というのは
目には見えない、土台のところに蓄積されているものが半端ないということを
改めて認識しました。

アルコールにしろ、ギャンブルやネットにしろ
一つのものに過度に依存するのは「人生のすりおろし」だと聞いたことがあります。
長いようで案外短い人生を、無意味にすりおろして、ただ捨てていくのではなく
特に若い人たちには、いろんなものを見て、知って、考えて、経験して
その土台の上に、自分の人生や未来を構築してもらいたいと思います。

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