飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム(関東):千葉・流山、諏訪神社 銀も金も玉も

2011年09月05日 | 万葉アルバム(関東)

銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに
まされる宝 子にしかめやも
   =巻5-803 山上憶良=


銀も金も玉もなんの役に立とう。優れた宝も、子供に及ぶことなどあろうか。という意味。

小学校の教科書にも取り上げられている有名な万葉歌である。

山上憶良は42歳で遣唐少録として渡唐して、帰国後は、伯耆守、東宮侍講(聖武天皇の教育係)などを経て、60代半ば過ぎに筑前守となり、現地で大伴旅人らと交流した。
儒教や仏教の教養が深く、また、漢詩文の素養もあり、その和歌に大きく影響している。家族愛を隣人愛・人間愛に押し広げ、「貧窮問答歌」に代表されるように、人生の暗黒面・苦悩を多く取り上げ、修辞技巧を凝らさず率直に表現した。

 千葉県流山市の諏訪神社にこの万葉歌碑が立っている。
この神社と山上憶良との関わりは特にないようだ。
神社境内に「童謡の小径」があり、童謡の歌碑や子供のブロンズ像がいくつも置かれており、その関連から子供を歌った万葉歌ということで建てられたのだろう。